2018年4月以降の不動産売却における介護保険料の扱いと注意点

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不動産売却において朗報があります。

  • 2018年4月以降の不動産売却では譲渡所得が発生しても介護保険料が上がらなくなる

介護保険料に関して気になる方は、

  • 不動産売却で介護保険料が上がると聞いたが、本当だろうか
  • 介護保険料に関しては上がらなくなると聞いたがいつからなのだろうか
  • 介護保険料が上がらなくなる改正ポイントについて知りたい

等々のことを思っている方も多いと思います。

結論からすると、2018年4月以降の不動産売却では、介護保険料は上がりません。

ただし、一定の要件を満たす必要があります。

そこで今回の記事では、「不動産売却における介護保険料」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは介護保険料の改正ポイントを理解し、どのような不動産の売却であれば介護保険料が上がらないのか分かるようになります。

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1.介護保険料とは?介護保険料の仕組み

介護保険料とは、介護保険に必要な財源として、40歳以上の国民全てが支払わなければいけない公的な保険料

サラリーマンなどの健康保険に加入している人であれば、毎月健康保険料に上乗せして徴収されています。

個人事業主などで国民健康保険に加入している人も国民健康保険料に上乗せして徴収されている形です。

また年金生活者も年金から天引きされる形で支払われており、原則、40歳以上の全ての人が支払っていることになります。

介護保険料は、健康保険料や国民健康保険料に上乗せされる形で支払われます。

そのため、所得が上がれば上がるほど支払う介護保険料は大きくなります。

例えば、月の給料が20万円程度の人であれば、健康保険料は1,600円くらいですが、給料が50万円程度の人であれば、4,000円程度の介護保険料を支払っています。

介護保険料は40歳になってから知らない間に徴収されているため、気付いていない方も多いと思います。

但し、原則としては全員が払っていますので、介護保険料は40歳以上の全ての人に関わる話になります。

以上、ここまで介護保険料とは何かについて見てきました。

ではこれからの介護保険料はどのようになっていくのでしょうか。

そこで次に介護保険料の改正ポイントについてご紹介します。

2.介護保険料の改正ポイント

不動産を売却すると、譲渡所得と呼ばれる所得が発生します。

譲渡所得とは簡単に言うと、不動産を売却した時に得られたお金(利益)です。

譲渡所得ついては後ほど詳しくお伝えしますので、このまま読み進めてください。

介護保険料は所得が増えれば増えるほど、支払う金額が増えます。

そのため、原則としては不動産を売却して譲渡所得が増えると介護保険料も増えます。

ところが、2018年4月以降の売却では、マイホーム等の一部の不動産に限っては売却しても介護保険料が上がらない可能性が大きくなります。


話の発端は、東日本大震災に遡ります。

当時、多くの被災者が津波等の被害によって不動産を売却し、移転をせざるを得ない事情が相次ぎました。

ところが、ほとんどの方が震災でやむを得ない不動産売却であったにも関わらず、不動産の売却によって一時的に介護保険料が上がってしまうという事態が発生しました。

当時、岩手県を中心として、改正要望が強かったことから、今般、介護保険制度の見直しが図られることになりました。

改正のポイントとしては、不動産売却後の譲渡所得が所得税を計算するための所得と同じになるという点です。

つまり、不動産の売却によって所得税や住民税等が増えない人は、介護保険料も増えないという形になります。


まず、ポイントは税金と介護保険料は異なるという点です。

不動産は売却すると譲渡所得に対し、所得税および住民税が発生します。

しかしながら、税金に関しては、マイホームの売却の場合、なるべく税金が発生しないように様々な特例措置があります。

一番有名な特例は「3,000万円特別控除」と呼ばれる特例です。

この特例は、不動産売却時の譲渡所得から、3,000万円を引いてくれるという特例です。

例えば不動産を売却して2,000万円の譲渡所得が発生しても、3,000万円特別控除の特例を適用すると、2,000万円から3,000万円を引くため所得はゼロ(マイナスの場合はゼロ)とみなされ、所得税等は発生しないことになります。

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ここまでは税金の話です。


ところが、介護保険料は税金とは異なるため、税金のための特例である3,000万円特別控除は使えません。

例えば、2,000万円の譲渡所得が発生していたら、その所得も介護保険料の対象となっていました。

今までは翌年度の介護保険料が一時的にバンと上がってしまっていました。

改正前は、マイホームのような売却では、税金は発生しなかったのにも関わらず、介護保険料は増額されるというアンバランスな状態が起きていました。

2018年4月以降の売却では、マイホームの売却で3,000万円特別控除が使える場合には、介護保険料の対象となる譲渡所得も3,000万円特別控除後の所得が対象となるように改正

厚生労働省老健局長「介護保険法施行令の一部を改正する政令の公布について」より

例えば、2018年4月以降マイホームを売却して2,500万円の譲渡所得が発生したとします。

2,500万円の譲渡所得であれば、3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得はゼロになります。

譲渡所得がゼロとされるのは、今までは税金のみでしたが、今後は介護保険料に関しても所得税はゼロになるということが改正のポイントになります。

つまり、3,000万円特別控除によって譲渡所得がゼロとなるような人であれば、2018年4月以降は不動産を売却しても介護保険料は上がることはありません。

3,000万円特別控除を適用しても、なお譲渡所得がプラスになる人は、引き続き、介護保険料が値上りします。

但し、その対象となる所得は3,000万円特別控除のものになりますので、従来の介護保険料のアップよりは、かなり安くなるということになります。

介護保険料の対象となる所得が減るのは、3,000万円特別控除等の特例が使える不動産に限られるため、全ての不動産売却の介護保険料が下がるわけではありません。

あくまでも特例の適用ができる不動産が対象となります。

以上、ここまで介護保険料の改正ポイントについて見てきました。

先ほどから譲渡所得という言葉が頻発していますが、譲渡所得とは何なのでしょうか。

そこで次に譲渡所得について解説します。

3.譲渡所得とは「売却額」ではないことに注意

不動産売却のおける譲渡所得とは、売却額のことではありません。

譲渡所得とは、以下の計算式で表されたものになります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは、売却額になります。

取得費とは、以下のものになります。

  • 土地の購入費
  • 建物の購入費から減価償却費を控除した物
  • 購入の際の仲介手数料
  • 購入の際に支払った立退料や移転料
  • 購入時の売買契約書に貼付した印紙税
  • 購入時の登録免許税や登録手数料
  • 購入時の不動産取得税
  • 購入時の搬入費や据付費
  • 購入時の建物等の取壊し費用

譲渡費用とは以下のものになります。

  • 売却の際の仲介手数料
  • 売却に伴う広告費や測量費
  • 売買契約書に貼付した印紙税
  • 売却に伴い支払う立退料
  • 売却時の建物等の取壊し費用

例えば、譲渡価額が5,000万円でも、取得費が4,000万円で譲渡費用が150万円ならば、譲渡所得は850万円となります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用= 5,000万円 - 4,000万円 - 150万円= 850万円

一方で、譲渡価額が4,000万円でも、取得費が5,000万円で譲渡費用が120万円ならば、譲渡所得は0円です。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用= 4,000万円 - 5,000万円 - 120万円= ▲1,120万円 < 0= 0円 (マイナスの場合はゼロ)

購入時よりも大きく値下がりしているような不動産であれば、売却しても譲渡所得は発生しないことになります。

この場合、介護保険料も所得税も上がることはありません。

では次に改正ポイントでも出てきた「居住用財産を控除した場合の特別控除」について見ていきます。

居住用財産を控除した場合の特別控除

マイホーム(居住用財産)を売却すると、3,000万円特別控除というのが適用できます。

3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

例えば、居住用財産を売却した場合、譲渡価額が5,000万円、取得費が4,000万円で譲渡費用が150万円ならば、3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得はゼロとなります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円 = 5,000万円 - 4,000万円 - 150万円 - 3,000万円 = ▲2,150万円 < 0 = 0円 (マイナスの場合はゼロ)

つまり、この場合、2018年4月以降は介護保険料も所得税も増えないことになります。

居住用財産とはマイホームのことですが、正確には以下の定義です。

  1. 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  2. 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  3. 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  4. 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

対象となるのはあくまでも自宅です。

賃貸アパートや賃貸マンションは他人に貸しているため居住用財産とはなりません。

尚、3,000万円特別控除については下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

殿堂
3,000万円特別控除とは?不動産を売却しても税金を払わなくてもいい理由

個人の方が不動産を売却しやすくするため、国は様々な税政策を実施しています。 不動産を売却した時は下記5つの特例があります。 譲渡益 譲渡の種類 特例 譲渡益が生じる場合 (所得税が発生) 売却 3,0 ...

以上、ここまで居住用財産を控除した場合の特別控除について見てきました。

2018年4月以降では、その他の控除も適用できます。

そこで最後にその他の特別控除についてご紹介します。

他にもある「特別控除」

介護保険料の控除で控除の適用対象となる売却は、居住用財産だけではありません。

以下に居住用財産の3,000万円特別控除も含め、控除可能となったものを示します。

  1. 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円(最大)
  2. 収用交換などのために土地などを譲渡した場合の5,000万円(最大)
  3. 特定土地区画整理事業や被災地の防災集団移転促進事業等のために土地などを譲渡した場合の2,000万円(最大)
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地など譲渡した場合の1,500万円(最大)
  5. 農地保有の合理化などのために農地などを売却した場合の8,00万円(最大)
  6. 特定の土地(2009年および10年に取得した土地等であって所有期間が5年を超えるもの)を譲渡した場合の1,000万円(最大)
  7. 上記のうち2つ以上の適用を受ける場合の最高限度額5,000万円(最大)

尚、介護保険料の譲渡所得の計算で特別控除を適用できることに関しては、各市区町村が前倒しで取り入れている場合もあります。

そのため、既に居住用財産を売却しても介護保険料が上がらない市区町村も存在します。

2018年3月までに売却する方は、自分の市区町村の介護保険料の扱いについて、一度確認するようにしましょう。

4.まとめ

以上、2018年4月以降の不動産売却における介護保険料の扱いについて徹底解説してきました。

2018年4月以降からは全国的に介護保険料の譲渡所得の計算方法が変わります。

今後は、居住用財産を売却する場合は、介護保険料は上がる可能性は低くなります。

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