マンションを売却しようとすると、今まで考えもしなかったようなことが気になりに始めます。
例えば、マンション購入した後に家電量販店で買ったエアコンの取扱です。
エアコンは、マンションにピッタリくっついてしまっていますが、「これは果たして売り物なのだろうか」という些細な疑問が沸き始めるのです。
エアコンが気になりだしたら、照明器具やウォシュレット等、全ての後付け設備が気になり始めます。
一体、どこからどこまでが売り物のマンションで、どこからどこまでが売り物ではないのでしょうか。
そこで今回の記事ではマンション売却時の「エアコン」についてフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことで、あなたはマンションの売却でエアコンを置いていくかべきか外すべきかについて判断できるようになります。
本記事のポイントまとめ
- エアコンも基本的に他の家具と同様に考え、不動産売却の対象外
- エアコンを残すかの判断は売主と買主で相談して決める
- エアコンを残す場合、設備表に記載する
- マンションを高く売却するなら不動産一括査定の利用を検討する
※詳細は「5.マンションをスムーズに高く売るなら信頼できる不動産会社を探す」に解説しています。
不動産にエアコンは含まれない
まず最初に「不動産」というのは何かについてお伝えします。結論から先に話してしまうと、不動産にエアコンは含まれません。
不動産とは土地と建物・構築物を指す
マンションを売却する際、あなたが売却するものは不動産です。不動産とは何でしょうか。
- 不動産とは土地とその定着物
- 定着物とは建物や構築物
マンションであれば、マンションの土地と建物の専有部分が売却対象となります。
またマンションの場合、集会所や駐車場などの共用部分の共用持分も所有している場合もあり、共用部分の共有持分も売却対象となります。
動産とは動かせる資産のこと
一方で、不動産と対になる言葉としては、動産があります。
動産は動かせる資産のこと
家の中のソファーやテレビ等は動産に該当しますので、不動産売却の対象とはなりません。
しかしながら、はっきりしないのがエアコンです。
エアコンは動かせると言えば動かせますが、動かせないと言っても間違いではないでしょう。
エアコンのような造作物も不動産売却の対象外
エアコンなどは、造作物と表現されます。
造作物は後から付けることができ、後から外せることが可能です。
そのため後から外せるエアコンについては、売却対象から外すことは可能です。
特にエアコンや照明器具などは、マンション購入後に後から自分で買い足した人も多いはず。
机やパソコンなどとの他の家財道具と同様に、引越し先の家で使えるものです。
エアコンは、基本的に他の家具と同様に考えれば良いのです。
希に、モデルルームだった部屋を家具付きで購入している方もいます。
このような方も、エアコンや家具はディベロッパーからの売却対象ではなく、無償譲渡(プレゼント)の扱いとなっているはずです。
この場合も売買する不動産とは別の資産であるということになります。
イメージすべきは昔の賃貸アパート
エアコンを残すべきか外すべきかで迷うのは、最近の賃貸アパートの傾向も影響していると考えられます。
最近の賃貸アパートは空室対策の一環で最初からエアコンが付いている物件が増えてきました。
エアコンが備え付けの物件の場合は、エアコンの所有権はアパートの大家側にあります。
このような賃貸アパートでは、退去時はエアコンを残すことが通常です。
ところが20年以上前の賃貸アパートや賃貸マンションは、エアコンは借りる人(借手)がつけることが当たり前でした。
そのため、エアコンは借手である賃借人が所有権を有しており、部屋の退去時はエアコンを外した形で退去していました。
マンションの売却もこれと同じです。
自分たちの所有物であるエアコンは外した形で売却するのが基本です。
イメージするのは、昔の賃貸アパートの退去時の状態だと思ってください。
以上、ここまで不動産とは何かについて見てきました。
それでは次に気になるエアコンを置いていくかべきか外すべきかの判断方法について見ていきましょう。
エアコンを置いていくかべきか外すべきかの判断方法
結論からすると、エアコンは置いていかなければならないものか、外さなければならないものかについては、決りはありません。
これは、買主との話し合いで決めることです。
売買条件の1つだと考えてください。
売主の方も引越し先の部屋の大きさが違うため、取り外して持って行ってもしょうがないという場合もあります。
取り外して処分すると、自治体によっては処分費用がかかるため、できればそのまま残しておきたいというニーズがあります。
つまり「捨てるのが面倒だから置いていきたい」というケースです。
一方で、買主の方もエアコンが最初から付いていると、わざわざ買わなくて済むため、ありがたいと思うような方もいます。
特にエアコン付きの賃貸マンションから引っ越してくるような人は、エアコンを持っていません。
エアコン付きの賃貸マンションと同じ感覚で、最初からエアコン付きであれば、ラッキーと感じる買主もいるかもしれません。
売主と買主でお互いに利害が一致すればエアコンは残す
このように、売主と買主でお互いに利害が一致し合意すれば、エアコンは残すということになります。
エアコンの所有権は売主にあるため、売主がエアコンを外すと言っても基本的には買主は文句を言えません。
エアコンを捨てる代わりに置いていきたい場合は「エアコンもそのままお付けしましょうか?」といかにも親切な感じで申出をした上で、残してあげることが良いでしょう。
エアコンを残すかどうかは買主との取り決め次第です。
以上、ここまでエアコンを置いていくかべきか外すべきかの判断方法について見てきました。
それでは次にエアコンを残す場合の対応方法について見ていきましょう。
エアコンを残す場合の対応方法
エアコンを残したい場合は、その旨を不動産会社に申し出てください。
不動産会社は買主にどのような設備が残っているかを示すための設備表を作成します。
設備表にはエアコンの他、照明器具や後付けのTVインターフォン、カーテン、BS等の衛星アンテナ、造作した食器棚や下足棚なども記載の対象となります。
戸建の場合には、さらに庭木や庭石、門、物干し、カーポートなども記載事項です。
設備表に記載されること
設備事項に記載する設備は、まず残すか残さないかを決めます。
そして残す場合には、きちんと作動するものかどうかもあらかじめ記載します。
動作不良については、設備表できちんと明確化しておくことが重要。
動くと思っていた設備が、動かないと後からトラブルの原因となります。
「スイッチが接触不調のときがある」や「一部破損している」などについては、明確に記載して、買主が了解の上で引渡すようにしましょう。
以上、ここまでエアコンを残す場合の対応方法について見てきました。
それでは次にエアコン等の設備を残す場合の契約書に記載すべき事項についてご紹介いたします。
【要注意】契約書への記載事項
エアコン等の設備を残す場合、注意しなければならないことは「後で壊れる可能性が大きい」ということを前提に売却を行うということです。
家電でしかも中古品を渡すことになるため、壊れる可能性は大きいはずです。
そのため、契約書の中には、必ず設備の引渡に関する条文を入れてください。
売買契約書には、必ず設備表を添付します。
その上で、売買契約書には以下のような条文を記載します。
(付帯設備の引渡)
第○○条
1 売主は、別紙設備表の設備のうち「有」と記したものを、本物件引渡と同時に買主に引渡す。
2 前項の設備表については、第△△条(瑕疵担保責任)の規定は適用されないものとする。
個人の方が中古マンションを売却する場合、瑕疵担保については売主・買主合意の上で瑕疵担保責任を全部または一部免責(売主側が責任を負わないように)することができます。
売買などの有償契約において、その目的物件に、一般の人では簡単に発見できないような瑕疵 (欠陥) があった場合、売主などの引渡し義務者が、買主などの権利者に対して負わねばならない担保責任のこと。
引用元:コトバンク
ただし、設備については、特に壊れやすいため、別の条項を用いて、瑕疵担保責任は免責されることを明文化しておくことが必要となります。
不動産売却の瑕疵担保責任については下記記事で詳しく解説しています。
マンションをスムーズに高く売るなら信頼できる不動産会社を探す
不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」。
不動産会社によって、得意としている不動産も異なりますし、この地域は得意・不得意などあります。
中には売却金額に数百万、数千万の差が出ることも。
ただ、あなただけの力でそのような不動産会社に出会えることは難しいと思います。
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不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
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ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
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不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
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不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
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評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
マンションの売却でエアコンを置いていくかべきか外すべきかについてみてきました。
エアコンを残すべきかどうかは、買主との取り決め事項であり、壊れやすいものを残していくという意識を持っておくことが重要です。
壊れた場合に、売主に責任が発生しないように、売買契約書や設備表できちんと整理した上で、エアコンを残しましょう。