家を売ろうとしている人の中には、「 おうちダイレクト 」に興味がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
おうちダイレクトには、売主が自らインターネット上で不動産を売りに出す「セルフ売却」含めて、いくつかのサービスを提供しています。
こんな悩みをスッキリ解消!
- おうちダイレクトって、どんなサービスなの?
- おうちダイレクトで提供されている、セルフ売却って何なの?
- 結局、セルフ売却とプロに任せた売却、どっちがいいの?
そこでこの記事では、「おうちダイレクト」にフォーカスしてお伝えします。
この記事を読むことであなたは、おうちダイレクトで不動産売却をするときに失敗しやすい理由と、問題点、メリットとデメリットについて知ることができます。
2月3月の売却絶好機を逃さない為には今すぐアクション!
不動産売却は今の時期に行動を起こすと成功確率がぐっと上がります。
4月の新生活を前に引越し需要が増え、2・3月が1年で最も中古住宅の取引が活発になるからです。
しかも、近々の不動産マーケットは買いニーズがとても旺盛です!
しかし、コロナ情勢で先の読めない今、いつまでこの売り手市場が続くかは未知数です。
不動産売却を検討中の方は、この大きなチャンスに売却活動を進めていきましょう!
1.おうちダイレクトとは
おうちダイレクトは、Yahoo! JAPANとSRE不動産(旧ソニー不動産)が共同で企画・運営する不動産売買サービスです。
おうちダイレクトでは、売却に特化したサービスを複数運営しています。
サービス開始時期 | 2015年11月 |
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対象エリア | 全国(※一部地域未対応) |
提携不動産会社 | SRE不動産(旧ソニー不動産)、大京穴吹不動産、大成有楽不動産販売、ロイヤルハウジング、ポラスグループ、東宝ハウスグループ、オークラヤ住宅、CENTURY 21、大阪宅建協会、京急不動産 等 |
同時依頼数 | 10社 |
運営会社 |
おうちダイレクトのサービス
おうちダイレクトでは、「マッチングサービス」「一括査定依頼サービス」の2つのサービスが提供されています。
- マッチングサービスとは、売主自らがYahoo!不動産や他の不動産ポータルサイトに売りたい不動産の情報を掲載し売却するサービス。「セルフ売却」と呼んでおり、不動産会社を利用せずに売却が可能なサービス
- 一括査定依頼サービスとは、売主が複数の不動産会社に対して無料で査定の依頼をできるサービス
サービス1.自分で買い手を探す「セルフ売却」
おうちダイレクトの中で最も特徴のあるサービスは「セルフ売却」です。

セルフ売却
セルフ売却は不動産会社に依頼する売却ではないため、売主には仲介手数料はかかりません。
ただし、売却のサポートには不動産会社が入るため、仲介手数料は買主から受領することになります。
セルフ売却といっても全てを自分で行うのではなく、買主に対してはSRE不動産がコーディネーターとして関わります。
セルフ売却では、まず売主が自分で売出価格を決定します。
通常は、不動産会社の査定によって売出価格を決めますが、自分で自由に売出価格を決めることができるのが特徴です。
仲介手数料を安くして、不動産売却したい方はおうちダイレクトの「セルフ売却」がオススメです。
セルフ売却時の売り出し価格を決める際の参考として、ソニーが開発した高精度のシミュレーターでマンション価格を査定することができます。

おうちダイレクトのシミュレーター
おうちダイレクトでは、シミュレーターの価格を参考にしながら売出価格を決定することも提案しています。
売出価格を決定したら、次は自分で物件PRを作成し、Yahoo!不動産や他の不動産ポータルサイトに物件広告の掲載。
広告掲載を自分で行うのはかなり面倒だと思いますが、ここは自分で行います。
そして、ひたすら買主が現れるのを待つ感じです。
その後、買主が現れたら、SRE不動産のコーディネーターが、見学の調整、案内、契約手続き等を代行してくれます。
SRE不動産は、買主から仲介手数料を取るため、売主は何も支払わずに不動産を売却することが可能。
一見すると、新しい売却手法の用ですが、残念ながら買主には仲介手数料が発生してしまいます。
買主は、購入する不動産に加えて、仲介手数料を支払はなければならないため、売主よりも仲介手数料の負担感は大きいはずです。
買主の仲介手数料もゼロであれば画期的な感じはしますが、そこまで新しいサービスではありません。
金銭的には「売主の仲介手数料をゼロとする仲介サービス」と変わりはありませんが、広告掲載など、売主の面倒な手間は増えています。
売却を検討しているが、今すぐではない方は最初にマンション売却のシュミレーションから始めてみましょう。現在のマンション推定価格を知ることができます。
サービス2.プロに依頼できる「一括査定サービス」
一括査定依頼サービスでは、Yahoo!不動産上に必要な情報を登録することで、選択した不動産会社に対して売却査定の依頼ができます。
大手、フランチャイズ系、地元密着など様々な特徴を持った不動産会社に対して一括査定を依頼できるため、多くの査定結果を比較できます。
以上、ここまでおうちダイレクトが提供するサービスの特徴について見てきました。
次におうちダイレクトのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
おうちダイレクトのメリットとデメリット
3つのメリット
- マンション売却に強い会社に査定を依頼できる
- Yahoo!不動産に物件広告を掲載できる
- SRE不動産に査定依頼ができる
1つのデメリット
- 対応エリアにある物件でないと利用できない
メリット1.マンション売却に強い会社に査定を依頼できる
おうちダイレクトには、ライオンズマンションで知られる大京有楽不動産販売、ソニー株式会社やZホールディングス株式会社が共同運営しているSRE不動産など、マンション売買に強い不動産会社が多く参加しています。
セルフ売却でもマンション売却はできますが、不安な方は一括査定サービスを使うことで、マンション売買に強い不動産会社にサポートしてもらいながら売却活動を進めることができます。
メリット2.Yahoo!不動産に物件広告を掲載できる
おうちダイレクト経由で、不動産会社と仲介契約を結んだ売却物件の広告は、おうちダイレクトおよびYahoo!不動産に無料で広告掲載されます。
おうちダイレクトはヤフー株式会社が運営に携わっている不動産一括査定サイトのため、Yahoo!不動産に物件情報が掲載されることで、より多くの買主候補の目に止まります。
メリット3.SRE不動産に査定依頼ができる
おうちダイレクトは、片手仲介専門のSRE不動産に査定依頼できる唯一の不動産一括査定サイトです。
片手仲介とは、物件の売却依頼を受けた業者とは別の業者が買主を見つけてきた場合、買主を見つけてきた業者は買主に対して仲介業務をおこない、売却依頼を受けた業者は売主に対して仲介業務をおこなうこと
SRE不動産は、基本的に両手仲介を行わないため、売主だけの見方になって動いてくれるのが大きな特徴です。
デメリット1.対応エリアにある物件でないと利用できない
おうちダイレクトは、全国対応していますが、各地域の都市部のみ対応していることが多いため、対応エリア外の物件の売却では利用できません。
実際に、【鹿児島県南九州市】というエリアでおうちダイレクトの査定申し込みをしてみましたが、営業エリア外と表示されました。
代わりにマンションリサーチ株式会社が提供している、Smoola(スモーラ)というマンション一括査定サービスの申し込みページに誘導されます。

おうちダイレクトでエリア対象外になった例
売却したい物件が地方や郊外にある方は、自分が住んでいるエリアにおうちダイレクトが対応しているか調べておきましょう。
田舎や都市部中心から離れた土地にある不動産を売却したい方は、「 HOME4U 」と「 イエウール
」がオススメです。
上記の不動産一括査定は、「郊外にある不動産売却に強い地元の不動産会社」に査定依頼をできるため、おうちダイレクトでは対応できないエリアもカバーできます。
2.おうちダイレクトのセルフ売却が失敗しやすい理由と3つの問題点
セルフ売却が失敗しやすい理由
セルフ売却では、売出価格をSRE不動産(旧ソニー不動産)が開発した高精度のシミュレーターで査定を行いますが、その推定成約価格が正しいとは限らないという問題点があります。
売出価格の設定は、安過ぎると損をしますし、高過ぎるとなかなか売れないという失敗を招きます。
売出価格をいくらにするかは、売却の成否を決める最重要ポイント。
売出価格が機械任せとなっているのは、リスクが高いです。
査定も人間がある程度のデータに基づいて行っていることであるため、機械にはできない仕事ではありません。
不動産査定もいずれしっかりとAIに取って代わられる仕事と思われますが、まだAI査定はその域に達していないのが現状。
今の技術で不動産査定がなかなかできない理由としては、そもそも不動産査定というのが「適当」もしくは「いい加減」という点があるためです。
悪い意味での「適当」とか「いい加減」ではなく、良い意味で「適当」または「いい加減」という意味です。
人が行う不動産査定では、ある程度相場を知っている人が、物件をパッと見て「感性」で値段を出しています。
直感的に「あっ、この物件は売れそうだな」とか、「この物件は難しいかも」というさじ加減が加わるのが査定であり、今のAI技術だと良い意味での「いい加減さ」が加わりません。
シミュレーターで出す価格は、実態とかけ離れてしまう可能性があり、失敗の原因となるのです。
適正な売出価格の決め方については下記記事で詳しく解説しています。
-
統計データから分析!不動産売却で適正な売出価格の決め方と注意点
不動産は売出価格と成約価格が異なるのは常識です。 インターネットでは売出価格は分かっても、実際の成約価格が分からないため ...
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次にセルフ売却の3つの問題点について見ていきましょう。
セルフ売却の3つの問題点
セルフ売却には以下の3つの問題点があります。
- 売主は自分で法律を理解する必要がある
- 売主は売れない理由を自分で解決しなければならない
- 買主は直接取引にリスクを感じやすい
問題点1.売主は自分で法律を理解する必要がある
セルフ売却では売主は自分で法律を理解する必要があります。
例えば、不動産を売却する時、売主は「契約不適合責任」を負うことになります。
契約不適合責任とは、売主が契約の内容と異なるものを売ったときに売主が負う債務不履行責任
民法では契約の内容とは異なるものが売却されたときは、買主は売主に対して追完請求・代金減額請求・催告解除・無催告解除・損害賠償の5つを請求できることになります。
つまり、売主は、売買契約後に契約と異なる事実が発見されると、契約の内容に適合するように修繕を求められたり、損害賠償を負う責任があります。
内容が重い場合には、契約解除を請求されることもあります。
契約不適合責任は、少し難解なので、個人で売る場合はこの法律の趣旨や内容を十分に理解しておく必要があります。
契約不適合責任についてはこちらの記事もご覧ください。
-
契約不適合責任とは?特約で免責できる?瑕疵担保責任からの改定内容も解説
家やマンション、土地などの売買契約を締結するときに出てくる「瑕疵担保責任」。 瑕疵担保責任とは、売却後に売主が負う損害賠 ...
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問題点2.売主は売れない理由を自分で解決しなければならない
セルフ売却では、もし物件が売れない場合、売れない理由を自分で解決しなければならないという問題点があります。
不動産が売れなくなる理由には、様々なものがありますが、経験が少ないとその理由が分かりません。
売れない理由が分からないと、適切な対策ができなくなります。
相談できる不動産会社もいないため、一人で問題を抱え込んでしまう可能性があります。
問題点3.買主は直接取引にリスクを感じやすい
セルフ売却という言葉を聞くと、直接取引のようなイメージが湧きます。
直接取引だと買主はリスクを感じやすいです。
おうちダイレクトのセルフ売却では、実際にはSRE不動産のコーディネーターが入るため、買主も安心して取引できるものと思われますが、リスキーなイメージが先行してしまうと、買主から敬遠されます。
セルフ売却の安全性が、買主に十分認知されているとは言い難いため、売却が難しくなるという問題点があります。
個人売買については下記記事に詳しく記載しています。
-
不動産を個人売買するときの注意点と仲介を入れたときの違いを解説
インターネットによって様々なものが個人間で売買できるようになり、不動産も個人売買に注目が集まっています。 不動産は金額が ...
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以上、ここまでセルフ売却の問題点について見てきました。
セルフ売却による失敗を回避したい人は、プロフェッショナル売却をオススメします。
3.不動産一括査定サイトは併用が鉄則
保守的な意見で申し訳ないですが、まだ時代がおうちダイレクトの「セルフ売却」に追いついていない状況です。
筆者としては、まだおうちダイレクトは発展途上であるため、他の不動産一括査定との併用をオススメしています。
一括査定サイトのオススメは 「すまいValue」「HOME4U」
実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。
一括査定サイトのオススメ3選
- 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
」
- NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
」
- 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
」
※番外:一括査定と合わせて使うことで効果を発揮する「 SRE不動産(※旧ソニー不動産) 」
実績や信頼性はもちろんですが、上記3サイトは、机上査定での査定依頼が出来る点も大きなポイントになります。
机上査定とは、依頼時に入力した物件の基本情報を基に算出する査定方法で、不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もなく、家に居ながら気軽に査定額を知ることが可能です。
依頼時にメールで査定額を提示して欲しい旨を備考欄で伝えておけば、査定結果や担当者とのやり取りはメールで進むので、営業電話にも悩まずにやり取りすることも可能です。
また、一括査定サイトごとに提携会社の性質は異なる為、売却を成功するためには、複数の一括査定サイトの併用がオススメです。
サイト選びのポイントとしては、売却物件のエリアに応じて、下記のような使い分けがいいでしょう。
所在地別地域毎のおすすめ
対象の物件種別
おすすめポイント
物件所在地に応じたおすすめの使い方
提携会社数・特徴
サイト名 | 提携会社数 | 特徴 | 公式サイト |
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![]() | 大手不動産6社 ※小田急不動産、住友不動産販売、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、三井のリハウス | ・大手不動産6社にまとめて査定依頼できる ※この6社に依頼できるのはすまいValueのみ | 公式サイト |
![]() | 1,300社以上 | ・NTTグループで安心、実績も抜群 ・フリーダイヤルの相談窓口あり ・大手、中堅、地域密着の会社にバランスよく依頼できる | 公式サイト |
![]() | 1,600社以上 | ・地方や田舎に強い | 公式サイト |
![]() | 1,800社以上 | ・匿名査定対応 ・地方含めて対応エリアが広い | 公式サイト |
![]() | 2,000店舗以上 | ・不動産メディア認知度No.1 ・最大10社から一括査定可能 ・不動産会社の特徴で選べる | 公式サイト |
2,500店舗以上 | ・マンションに特化 ・賃貸も同時査定可能 | 公式サイト | |
![]() | 1,700社以上 | ・サポート体制が充実 ・様々な物件種別に対応 | 公式サイト |
![]() | 約700社以上 | ・収益物件に特化 ・最大10社から一括査定可能 | 公式サイト |
一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
-
不動産一括査定サイトは怪しくない?評判とデメリットを紹介
不動産一括査定サイトのオススメを先に見たい人はコチラ マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたと ...
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4.おうちダイレクト利用者の評判・口コミ
「おうちダイレクト 口コミ」「おうちダイレクト 評判」で見ると、口コミサイトがいくつかありましたが、情報源がハッキリ書かれていない口コミサイトが多く信用できないところばかりです。
本サイトでは、筆者が1つ1つ情報源を確認して信頼できる口コミのみを抜粋。
その中の1つにTwitterがあります。
Twitterは匿名である分、知っておきたい悪い情報がたくさん書かれているのです。
おうちダイレクトを実際に利用した人の口コミを見てみましょう。
マンション購入から一年。
査定価格が保守的と言われているおうちダイレクトで、購入価格を上回っているとやはり嬉しいものですね😊 pic.twitter.com/CSVzZJt0qo— 伊勢志摩パラダイス (@iseshima_p) September 4, 2020
おうちダイレクトで以前購入したマンションの査定価格が上がったという口コミが比較的多くありました。
おうちダイレクト
なかなか便利なサービス良いところ
・ YAHOO IDがあれば登録簡単
・ 物件検索のUIが優れていて簡単
・ 登録後すぐに評価額を確認できる
・ 営業電話がかかってこない改善してほしい
・ 1IDにつき1物件しか登録できない疑問点
・ 評価額が高すぎない?— りょうやましな@機械学習@SimplyPiano (@ryamashinn) January 18, 2020
こちらは、おうちダイレクトの総合的な評価コメントで「1IDで1物件しか登録できない」 「査定額が高すぎる」という内容でした。
一方、不動産通の方からは、おうちダイレクトに下記のような厳しい口コミが出ています。
おうちダイレクトをやっているようなのはほぼ個人だろう。いわゆるただの素人。彼らなりに頑張って知恵を絞った結果、セルフ売却という、いかにも素人がひっかかりそうなサービスに関心を寄せる。彼らは大人どころか、まだ小学校にすら入ってない。幼稚園生の頭の中で停止してる。
— 看護師による看護大学 看護専門学校受験(面接/願書/小論文)看護予備校 看護塾 ティエラシエロ講師 (@kango_jyuken) December 26, 2019
おうちダイレクトの自宅査定額、先週200万円下がって、今週200万円上がったのですが、ポンコツAI感の演出がうまい
— がりべん (@garibenZ) May 1, 2020
まとめ
おうちダイレクトで不動産売却をするときに失敗しやすい理由と、問題点について見てきました。
セルフ売却は、仲介手数料を節約できる画期的な仕組のように見えますが、失敗リスクも高いです。
セルフ売却は、時代がまだ追いついていませんので、今売るなら普通に
「 すまいValue 」「 HOME4U
」
などの一括査定を使って売った方が良いでしょう。