不動産投資では原状回復は必須?オーナーが負担すべき原状回復の範囲

投稿日:2017年10月28日 更新日:

不動産投資や土地活用を行う上で、賃貸借契約の知識は必須です。

賃貸借関係は長期に渡り権利が継続するため、オーナーと入居者との間にトラブルが発生することも良くあります。

賃貸借契約で、最も典型的なトラブルは、入居者が退去するときに発生する原状回復です。

不動産投資を始めたばかりの人の中には、

  • 原状回復の基本を知りたい
  • 画鋲の穴は原状回復させるべきなのか知りたい
  • オーナーが負担すべき原状回復もあると聞いたが、その内容も知りたい

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では、不動産投資の賃貸借における「原状回復」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは原状回復についての基礎知識を知り、原状回復をどのように対処すべきか分かるようになります。

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1.原状回復の意味と定義

原状回復とは、入居者が賃貸アパートや賃貸マンションを退去する際、借りたときの状態に戻して、建物所有者に返還すること

つまり、借りた状態のときに戻すことです。

建物の賃貸借契約の終了後、賃借人(入居者)が賃貸人(建物所有者)に部屋を返還する際は、賃借人(入居者)には原状回復義務があります。

原状回復義務は、原則、借手側にあります。

この原状回復義務ですが、良く考えてみると、非常に難しい義務であると言えます。

賃貸借契約は数年間におよび、場合によっては数十年間、その建物を借りる場合もあります。

例えば、10年間建物を借りた人は、原状回復義務によって、建物を10年前の状態に戻さなければならないのかという点が問題となります。

そもそも建物は、誰にも貸さなくても、10年間経てば価値は自然と下がります。

具体的には、畳が日焼けするとか、フローリングが色落ちするとか等の経年劣化が発生し、特に賃借人(入居者)がいなくても、建物は劣化していきます。

そのため、原状回復においては、「原状とは何か?」という点が問題となります。

また経年劣化や自然損耗まで入居者が回復させなくてはいけないかという問題も生じます。

つまり、賃貸借契約における原状回復においては、何をどこまで回復させなければならないかが問題となり、不動産オーナーにしっかりとした知識がないとトラブルになりやすいのです。

以上、ここまで原状回復とは何かについて見てきました。

原状回復はトラブルになりやすいため、ガイドラインというものが定められています。

そこで次に原状回復ガイドラインについて見ていきます。

2.原状回復ガイドライン

不動産の賃貸借において原状回復はトラブルになりやすいため、国土交通省においては、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、「原状回復ガイドライン」と略。)」というものを定めています。

このガイドラインは法律ではないのですが、トラブルを避けるための拠り所として、一般的に広く採用されています。

原状回復ガイドラインの中では、原状回復のことを次のように定義しているという点がポイントです。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することという。

上述の定義の中で、故意とは「わざと」という意味です。過失とは「不注意」という意味になります。

つまり「わざと」壊したり、「不注意」で壊したりしたものは、原状回復の対象となります。

また「善管注意義務違反」や「その他通常の使用を超えるような使用」をした場合には、原状回復の対象となります。

原状回復ガイドラインの考え方は、「わざと」や「不注意」等で損傷させたもの以外は原状回復のスタンスとはしなという考え方に立っています。

言い換えると、築年数の経過によって生じる建物の通常損耗や経年変化については、原状回復の対象とはしないという考え方を採用しています。

以上、ここまで原状回復ガイドラインについて見てきました。

原状回復ガイドラインの原状回復の定義の中では、「通常の使用」という言葉が出てきました。

例えば、壁に画鋲を刺す等は、通常の使用なのか、故意・過失等なのか、迷う部分です。

そこで次に賃貸人が負担する原状回復について見ていきます。

3.賃貸人が負担する原状回復

3-1.通常損耗および経年劣化

原状回復は「賃借人(入居者)」が行うのが原則です。

ところが、原状回復ガイドラインでは、建物の通常損耗や経年劣化、通常の使用範囲のものは原状回復義務に該当しないと定義づけています。

そのため、裏を返すと、建物の通常損耗や経年劣化、通常の使用範囲のものは「賃貸人(建物所有者)」が回復すべきものになります。

入居者が通常の住まい方や使い方をして発生するものに関しては、賃貸人(建物所有者)が負担すべきものになります。

具体的には、原状回復ガイドラインの中では、建物の通常損耗や経年劣化、通常の使用範囲とは、以下のものを例示しています。

  1. 畳の変色
  2. フローリングの色落ち
  3. クロスの変色
  4. テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気焼け)
  5. 壁の画鋲の穴
  6. 入居者が所有するエアコン設置による壁のビス穴や跡

壁や床の色落ちや変色に関しては、なんとなく理解できますが、「壁の画鋲の穴」や「入居者が所有するエアコン設置による壁のビス穴や跡」については、結構な跡の感じもします。

しかしながら、「壁の画鋲の穴」や「入居者が所有するエアコン設置による壁のビス穴や跡」については、賃借人(入居者)は原状回復をする必要がありません。

入居者が退去した後に、エアコン設置による壁のビス穴や跡が気になるようであれば、賃貸人(建物所有者)によって原状回復を行う対象となります。

3-2.入居者確保のために行うもの

また、部屋は建物所有者にとっては商品であるため、次の入居者に貸し出すために、綺麗にしておく必要があります。

例えば、壁のクロスなどはまだ使えるのにも関わらず、綺麗に見せるため、貼りかえる場合があります。

このように特に破損はしていないものの、次の入居者確保のために行うものは、当然、賃貸人(建物所有者)の負担となります。

次の入居者確保のために行う原状回復とは、具体的には以下のようなものを指します。

  1. 畳の裏返し
  2. フローリングのワックスがけ
  3. 網戸の張替え
  4. 浴槽・風呂釜等の取り換え
  5. 鍵の取り換え
  6. 台所やトイレの消毒
  7. エアコンの内部洗浄

以上、ここまで賃貸人が負担する原状回復について見てきました。

それでは賃借人が負担すべき原状回復にはどのようなものがあるのでしょうか。

次に賃借人が負担する原状回復について見ていきます。

4.賃借人が負担する原状回復

4-1.通常の使用を超える使用による損傷

原状回復ガイドラインでは、「通常の使用を超える使用による損傷」については賃借人(入居者)が原状回復を行うこととしています。

通常の使用を超える使用による損傷とは、具体的には以下のものを指します。

  1. タバコのヤニ、臭い
  2. 重量物をかけるためにあけたもので、下地ボードの張替えが必要な程度の壁等のくぎ穴、ネジ穴
  3. 落書き等
  4. 飼育ペットによる柱等の傷、臭い
  5. カーペットに飲み物等をこぼしたことによるシミ、カビ
  6. 冷蔵庫下のサビ跡
  7. 引越作業等で生じた引っかきキズ

画鋲の穴は賃貸人の負担ですが、重量物を支えるためにあけたくぎ穴・ネジ穴は賃借人の負担になります。

冷蔵庫も後部壁面の黒ずみ(電気焼け)は賃貸人負担ですが、冷蔵庫下のサビ跡は賃借人負担です。

4-2.善管注意義務違反

また、入居者が通常の住まい方をしていても、その後の管理が悪いために損耗が発生・拡大したものについては、「善管注意義務違反」があると考えられ、それは賃借人(入居者)の原状回復義務の対象となります。

善管注意義務違反があるものとは、具体的には以下のようなものです。

  1. 結露を放置したことにより拡大したカビ・シミ
  2. 日常の清掃を怠ったための台所の油汚れ
  3. 風呂・トイレ・洗面台の水垢、カビ等

自然に発生したものでも、その後、掃除等を怠った者に関しては賃借人(入居者)の原状回復対象となります。

以上、ここまで賃借人が負担する原状回復について見てきました。

では建物所有者としては、賃貸人の負担すべき原状回復費用いをどの程度見込んでおけばいいのでしょうか。

そこで次に原状回復費用の見込み方についてご紹介します。

5.原状回復費用の相場

賃貸人(建物所有者)にも原状回復負担があるため、不動産投資を行う上では、賃貸人が負担する原状回復費用を、ある程度、予算化すべきです。

賃貸人が負担する原状回復費用の目安としては、専有面積の坪あたり5,000円程度が目安です。

例えば、12.1坪(40㎡)の部屋であれば、賃貸人が負担する原状回復費用は60,500円(=12.1坪×5,000円)程度というのが、ざっくりとした目安です。

アパートでは、退去時にオーナーが1室あたり6~7万円程度かけてクロスの貼替等を行いますので、あながち外れた数字ではありません。

ただ、毎年のように入居者が退去するわけではありません。

入居者の平均入居期間は、ワンルームでは4年程度、ファミリータイプでは6年程度が一般的です。

そのため、一室当たりにかかる原状回復費用を平均入居期間で割ったものが、年間の予算になります。

例えば、12.1坪(40㎡)の部屋の賃借人の平均入居期間が6年だったとします。

すると、原状回復費用として年間で見込んでおくべき予算は以下のように計算されます。

年間原状回復予算 = 原状回復坪単価×専有面積÷平均入居期間 = 5,000円/坪×12.1坪÷6年 = 10,0833円

40㎡の部屋では、入居者の退去時に備えて、毎年10,0833円は積立てておく必要があるということになります。

入居者が退去したときにお金がないということにならないよう、注意が必要です。

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6.まとめ

以上、原状回復の基礎知識とオーナーが負担すべき原状回復の範囲について見てきました。

不動産投資を行う上では、賃貸人が負担する原状回復費用も予算として見込んでおく必要があるということを知っておきましょう。

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