不動産を高く売りたいと思い、ネットで調べていると不動産査定の「ソニー不動産」が紹介されているのを目にします。
筆者の結論を先にお伝えすると、海外生活が長かった方は「ソニー不動産」はオススメです。
ただし、多くの人は
- 不動産査定サイトは色々あるけど、ソニー不動産は何が良いんだろうか…
- 電機メーカーのソニーがやっている不動産屋って、そもそも信用できるんだろうか…
- 自分に合った査定サイトはソニー不動産なんだろうか?それとも別?
など、不動産査定サイトもしくはソニー不動産に対し、疑問や不安を持たれている方も多いと思います。
そこで、今回の記事では、不動産査定サイトの中で、「ソニー不動産」について詳しくご紹介いたします。
この記事を読むことで、あなたはソニー不動産の特徴と強みを理解し、ソニー不動産が自分に合った査定サイトかどうかを判断することができます。
※不動産査定とは、インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に無料で不動産の査定依頼が行えるサービスです。
目次
1.ソニー不動産の特徴
まず最初にソニー不動産の特徴をお伝えします。ソニー不動産の特徴を上げると下記4点になります。
- 電気メーカーの世界のソニーの不動産会社である。
- 2014年4月に創業したばかり
- エージェント(代理人)制を採用している
- 一括査定サイトではない
ソニー不動産はウォークマンやプレステ、VAIOなどの数々の電子機器を生み出してきたヒットメーカーであるソニーが作った不動産会社です。
2014年に不動産業界に鳴り物入りで登場し、不動産界の風雲児として話題になりました。
なぜ、風雲児かと言えば、業界の常識を破り、本当に売主のためになる仲介を掲げて創業したからです。
1-1.ソニー不動産の最大の特徴は「エージェント制」
ソニー不動産の最大の特徴と言えば、仲介営業マンがエージェント制を敷いていることです。エージェントとは代理人という意味です。
日本では不動産仲介業は、1社が売主と買主の間に立ち、双方から仲介手数料を取る両手仲介が認められています。
間に立つ不動産会社は、売主と買主の両方がお客様になります。
ところが、売主は高く売りたい、買主は安く買いたいという希望があるため、間の不動産会社は、両方の見方に立つということはできません。
両手仲介を行う双方代理では、売主か買主のどちらか一方が、不利益を被る可能性があります。
1-2.海外の不動産取引は両手仲介が禁じられているのが多い
そこで海外の不動産仲介では、両手仲介を禁じている国が多いです。
海外の不動産会社では、売主側の不動産会社は売主だけ、買主側の不動産会社は買主だけにつき、代理人(エージェント制)として依頼人の希望をみたすために動きます。
その国際的な常識をいち早く取り入れたのがソニー不動産です。
2.ソニー不動産の強みと弱み
ソニー不動産の強み
前章の繰り返しにもなりますが、ソニー不動産の強みは
- エージェント制
- 仲介手数料割引制度
の2つです。
基本的に両手仲介を行わないため、売主だけの見方になって動いてくれます。
また仲介手数料に関しても、かかった分だけ費用請求する制度と取っています。
通常、1億円の物件と3千万円の物件では、やることは同じでも仲介手数料は異なります。仲介手数料は物件価格×3%+6万円だからです。
ところがソニー不動産では、1億円の物件と3千万円の物件であれば、営業マンの手間が同じなら同じ金額にしてくれます。
当然、請求額は法定上限の物件価格×3%+6万円の範囲内です。
ソニー不動産の弱み
ソニー不動産の弱みは
- ネットワークの貧弱性
にあります。
ソニー不動産は、消費者にとっては良いことばかり言っています。それは裏を返すと、不動産会社が儲からないことをやっていることになります。
そのため、ソニー不動産を嫌っている同業者は多いです。自分たちが儲からないことを大々的にやられてしまうと、迷惑だと感じるためでしょう。
不動産会社は情報が勝負ですので、不動産会社同士のネットワークが重要になります。
ソニー不動産に協力したくないと思っている不動産会社が多ければ、せっかくの売物件もなかなか買手が見つからない可能性も出てきます。
ここまでは、業界人から見たソニー不動産に対しての意見です。
次からは実際に利用した人の声から、ソニー不動産の評判を客観的に見てみましょう。
3.ソニー不動産の評判を徹底調査
ソニー不動産に対しては、口コミを見てみましょう。なかなかネット上を探しても、本当かどうかよく分からない口コミサイトが多いのですが、今回は「クチコミランキング」というサイトを参考にしました。
理由は、運営元がしっかり記載されている点、不動産査定以外も多くの口コミがあり、またしっかりと悪い口コミも掲載されているためです。
<良い口コミ>
不動産業界でたびたび問題になる両手取引を原則しないことを打ち出しており、いろいろと不透明な点が多い不動産業界に一石を投じている時点で好感が持てる。
不動産査定も、三井不動産さ三菱地所もレインズの不動産取引価格情報を参考にして算出しているなか、ソニー不動産は独自の人工知能で査定の金額を算出しているので、他の不動産査定とは異なる結果になることもあり、興味深い。手数料も引き下げてくれるので、検討する価値はある不動産屋の一つだと思う。(43才・男・会社員)
ソニー不動産の口コミは、基本的には好評価が多いです。一方で、以下のような中立的な口コミもあります。
<中立的な口コミ>
不動産の査定ですが、一括見積も便利ですが、大手の不動産会社は参加していないところもあるので、見積もりを取りたいところがあれば個別に査定を依頼する必要があります。
個人的にはソニー不動産は、他の不動産会社の査定方法とは全く別の形で、AIと過去の査定データを組み合わせて査定しているので、とても参考になる査定結果が出てくるので、利用すべきだと思っています。(私が査定を取ってみた感想としては、高いところと低いところの間位の査定が出てくる傾向があり、一番マーケットに即しているように思います。)
ただサービスを利用できる地域が限定されている点と、不動産会社としては例えば三井不動産リアルティや三菱地所のような経験と実績がないので、そこは認識しておくべきだと思います。担当営業の質もまちまちです(41才・男・不動産運営)
ソニー不動産は、社歴こそ浅いですが、実際には経験豊富な人材を大量に中途採用しています。
そのため素人集団ではないことは、付け加えさせていただきます。
4.ソニー不動産が査定できるもの
ソニー不動産では以下の物件種別が査定できます。
- マンション
- 一戸建て
- 土地
- その他建物
物件種別は、他の査定サイトに比較すると、正直、劣ります。ターゲットは個人だけのようです。
5.ソニー不動産をオススメする人は「海外生活が長かった人」
ソニー不動産をオススメする人は、「海外生活が長かった人」でしょう。
海外生活が長く、向こうで不動産売買を経験した人は、日本の不動産の商習慣に非常に違和感を覚えます。日本の両手仲介なんて、まったく意味が分からないからです。
エージェント制は日本でも徐々に広まるとは思いますが、一般個人の方は、まだまだ両手仲介に疑問すら抱いていない人が大半です。
エージェント制が合理的であることを理解すると、ソニー不動産の素晴らしさが分かってくると思います。
6.ソニー不動産と他査定サイトと比較
以下に、ソニー不動産と他の査定サイトとの比較をまとめました。他のサイトと比較して、筆者のほうで評点を付けました。
評点の意味は以下のようにしています。
★★★★★ … とても優れている
★★★★☆ … 優れている
★★★☆☆ … 普通
★★☆☆☆ … やや劣る
★☆☆☆☆ … とても劣る
一目で分かる比較表
査定サイト | ソニー不動産 | 評点 | イエウール | オウチーノ | リビンマッチ | HOME4U | イエイ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
査定種類 | 1社査定 | - | 一括査定 | 一括査定 | 一括査定 | 一括査定 | 一括査定 |
運営会社 | ソニー不動産株式会社 | ★★★☆☆ | 株式会社Speee | 株式会社オウチーノ | リビン・テクノロジーズ株式会社 | 株式会社NTTデータスマートソーシング | 株式会社Q |
上場有無 | 無し | 無し | マザーズ上場 | 無し | 無し | 無し | |
運営開始年 | 2014年~ | ★★★★★ | 2014年~ | 2008年~ | 2006年~ | 2001年~ | 2006年~ |
提携不動産会社数 | 1社 | ★★★★★ | 1,400社 | 500社 | 700社 | 500社 | 1,000社 |
最大同時査定社数 | ソニー不動産のみ | ★★★☆☆ | 6社 | 非公開 | 6社 | 6社 | 6社 |
仲介/買取対応 | 仲介のみ | ★★★☆☆ | 仲介のみ | 仲介のみ | 仲介・買取 | 仲介・買取 | 仲介のみ |
入力時間 | 60秒 | ★★★☆☆ | 60秒 | 60秒 | 45秒 | 60秒 | 60秒 |
対応地域 | 首都圏 | ★★★★★ | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 |
査定できるもの | ①マンション ②一戸建て ③土地 ④その他建物 | ★★★★★ | ①分譲マンション ②一戸建て ③土地 ④一棟アパート・一棟マンション ⑤区分マンション(収益) 一棟ビル ⑥区分所有ビル(ビル一室) ⑦店舗・工場・倉庫 ⑧農地 ⑨その他 | ①分譲マンション ②一戸建て ③宅地 ④店舗付き住宅 ⑤一棟マンション/アパート ⑥区分マンション(収益物件) ⑦倉庫/工場/店舗/事務所 ⑧一棟ビル ⑨区分所有ビル ⑩田畑・山林 ⑪市街化調整区域(建物) ⑫市街化調整区域(土地) | ①分譲マンション ②一戸建て ③土地 ④一棟アパート・一棟マンション ⑤投資マンション(1R・1K) ⑥一棟ビル ⑦区分所有ビル(ビル1室) ⑧店舗・工場・倉庫 ⑨農地 ⑩その他 | ①マンション ②一戸建て ③土地 ④その他 | ①分譲マンション ②一戸建て ③土地 ④農地・畑・田んぼ ⑤山林 ⑥ビル一室 ⑦マンション一棟 ⑧アパート一棟 ⑨ビル一棟 ⑩店舗・事務所 ⑪工場・倉庫 ⑫その他 |
査定内容 | 訪問査定 簡易査定 | ★★★★★ | 訪問査定 机上査定 | 現地査定 簡易査定 | 訪問査定 | 訪問査定 机上査定 | 訪問査定 机上査定 |
サポートセンター | 有 0120-213-919 | ★★★★★ | 無 | 有 0037-6000-61306 | 0120-935-565 | 0120-245-171 | 有 03-3568-1933 |
その他特徴 | ・売主の立場に立ったエージェント(代理人)制の仲介。 ・仲介手数料割引制度有り。 | ★★★★★ | ・登録業者数は最も多い。 ・物件種別も比較的多くバランスのとれたサイト。 | ・不動産会社発祥のサイト。 ・市街化調整区域の物件を明示しているのはここだけ。 | ・物件種別が幅広く、かつ買取査定もできるのはここだけ。 ・不動産関連の兄弟サイトが豊富。 | ・賃貸検討もしたいならここ。 ・個人住宅の不動産売却に特化している。 | ・豊富な物件種別と登録業者数も多く国内最大級 ・サポート体制も充実 |
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。不動産査定サイトの「ソニー不動産」を詳しく紹介、その特徴と強みとはについて見てきました。
ソニー不動産はまだ始まったばかりの会社です。聞きなれないエージェント制ですが、エージェント制はとても理にかなった制度です。
新しいことに興味のある方は、「 ソニー不動産 」で査定というのも良いかもしれません。