あなたがもしタイヤが1つ外れている車を売ろうとしたら、どうするでしょうか?
この場合、タイヤを新たに付けるか、もしくはタイヤの交換費用を値引きして車を売るというのが通常。
マンションにおいても、このように一部の機能が損傷してしるような物件を売却するようなケースがあります。例えば「水漏れ」です。
水漏れは車のタイヤのように車の機能を根底から失わせるような決定的な損傷ではありません。
水漏れがあっても住もうと思えば、そのマンションに住めます。
そのため、水漏れマンションでもそのまま売却できるのではないかと勘違いされる方がいますがそれは違います。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 水漏れマンションを売却するにはどのようにしたら良いのだろうか
- 自分が知らなかった水漏れが後から発覚したらどうしたら良いのだろうか
そこで今回の記事では「水漏れマンションの売却」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことであなたは水漏れマンションの売却ができるようになります。
マンションの水漏れの原因と種類
最初に、水漏れの原因と種類について整理します。
マンションは戸建と異なり、共同住宅。
水漏れの原因が必ずしもあなたの家だけで完結するものではありません。
水漏れの原因が他人にある場合
例えばあなたの住む部屋の真上に住む人が原因で天井に水漏れが生じる場合もあります。
また屋上の配水管がゴミで詰まっていたため、屋上がプール上になり階下に水漏れが発生する場合もあります。
これらは他人のせい、もしくは共用部の管理不足のせいであなたのマンションへ水漏れが発生した原因として分けることができます。
原因が本人にある場合
一方で、自分の部屋で使っている洗濯機のホースが外れた、トイレを詰まらせた等の自分が原因で水漏れを発生させてしまうこともあります。
いずれにしても、水漏れが発生した場合は管理組合に早急に連絡を行い、被害の拡大を防ぐことが重要です。
水漏れ時の対処法
これらの原因の中で、共用部に原因があった場合は、管理組合の責任となりますので、管理組合側に修繕を依頼することができます。
被害としては一番対処しやすい部類と言えます。
上階や隣接の部屋の住人が原因で水漏れとなった場合ですが、これも基本的には隣人の原因者に対して損害賠償を請求することができます。
この場合、隣人が個人賠償責任保険に入っていれば、保険でスムーズに解決ができます。
隣人が保険に入っていない場合は、解決に時間がかかることが予想されます。
また自分が原因で水漏れを生じさせてしまった場合、保険で個人賠償特約に加入していれば、被害者宅への賠償をすることが可能です。
しかしながら、保険では自分たちの家の修繕費までをカバーしていないケースも多く、水漏れ部屋の修繕は自分の費用負担で行わなければならないこともあります。
以上、ここまで水漏れの原因と種類について見てきました。
それでは次に水漏れが事前に分かっている場合の売却について見てきます。
水漏れが事前に分かっているマンションを売る場合の2つの対処法
水漏れが事前に分かっている場合は、
- 事前に修理を行う
- 修理費用相当分を売却額から値引きする
かという、どちらかの対応を行うことになります。
水漏れは大きな問題ですので、水漏れを黙って売るというのは問題外です。
不動産会社へはきちんと告知し、①修理と②値引きのどちらの対応を取るのか決めてください。
水漏れは申告しないと損害賠償責任等がある
売主には物件に関する「説明義務」が課されていますので、きちんと不動産会社に告知してください。
告知したのに不動産会社が買主へ説明しなかった場合は不動産会社の責任。
そもそも売主が不動産会社へ告知しなかった場合は、不動産会社に責任を問えません。
そのため不動産会社には問題個所を全て告知しましょう。
もし、告知せずに売った場合は、後からでも損害賠償や契約の解除になる場合があります。
売主には瑕疵担保責任が問われるためです。
- 瑕疵(カシ)とは、通常有すべき品質を欠くこと。シロアリ被害や雨漏りといった問題は、建物の典型的な瑕疵に該当
- 瑕疵担保責任とは、買主が購入後にシロアリ被害などの瑕疵を発見した場合、買主から損害賠償責任または契約解除を受ける責任
高く売るなら修理をした方が良い
水漏れが事前に分かっている場合、①修理か②値引きかという対応になりますが、基本的には修理をすることをオススメします。
買主の立場からすると、いくら値引きをすると言われても、水漏れがしているマンションを好んで買いたいと思う人は少ないです。
水漏れのままだと、そもそも購入希望者の絶対数が少なくなり、ベースの値段が安くなってしまいます。
ベースの値段が安くなったうえに、修理費用の値引きも加わるため、結果的にさらに安く売却することになります。
そのため、高く売りたいのであれば、事前に水漏れの修理を行い、万全な状態で売り出す方が得策です。
問題のない物件であれば、購入希望者が増えていきますので、自然と価格も高くなっていきます。
お金に困っていない限り、値引きして売るというのは避けた方が良いでしょう。
さらに高く売るなら不動産会社に複数相談する
さらに高く売却するには、あなたのマンションに強い不動産会社を見つけるのが得策です。
不動産一括査定サイトを使うと、ネット上であなたのマンションにマッチした不動産会社が自動的に見つかるのでとても便利です。
不動産一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
以上、ここまで水漏れが事前に分かっている場合について見てきました。
それでは次に気になる後から水漏れが発覚した場合についても見ていきましょう。
マンション売却後に水漏れが発覚した場合
売主自身が知らなかった水漏れで、実は後から水漏れが発覚するようなケースもあります。
配管は見えないところにあるため、知らない間に老朽化が進んでおり、それが原因で水漏れをするような場合です。
一般商品では、買った後に商品に不具合が発生していれば、交換や返金が可能です。
不動産の場合、金額も大きいため買主が後から発覚した水漏れを泣き寝入りするのは少しかわいそうです。
実は売却後に発見された水漏れは、隠れた瑕疵にあたり瑕疵担保責任を負うことになります。
瑕疵担保責任については下記記事でさらに詳しく解説しています。
瑕疵担保責任は2~3ヶ月が一般的
民法上では、買主は隠れた瑕疵を知ったときから1年以内であれば、損害賠償の請求や契約の目的が達成できない場合は、契約を解除することができると定められています。
しかしながら、これだと売主は一生瑕疵担保責任を負わなければいけないため、怖くてマンションを売却できません。
そのため、通常、中古マンションの売却では瑕疵担保責任を売却後の2~3ヶ月程度で定めます。
この間に水漏れが発覚した場合は売主が水漏れの修理を行うことになります。
また個人の売却の場合、買主の了解が取れれば、瑕疵担保責任を一切負わないという特約を定めることも可能。
売主としては、売却後に発見される水漏れの対応を回避するため、瑕疵担保責任の期間をできる限り短く定めた方が得になります。
瑕疵担保保険というのもある
また売主が瑕疵担保保険に入っておくことも得策です。
瑕疵担保保険に入っておけば、最長5年の保証を付けることが可能となります。
過去に水漏れがあった物件などは、今後、何が原因で再度水漏れが再発するか分かりません。
このような物件を売却する場合は、売主が瑕疵担保保険に加入して売却するのが無難です。
この瑕疵担保保険に加入するには、第三者機関によるインスペクション(建物調査)に合格する必要があります。
インスペクションを行って、水漏れ等の問題はないと客観的にアナウンスできれば買主へも安心感を与えることができます。
瑕疵担保保険もインスペクションも15万円程度かかります。
物件を確実に保証してくれるのは瑕疵担保保険の方ですので、お金をかけるのであれば、瑕疵担保保険の加入の方が良いでしょう。
瑕疵担保保険については下記記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ
水漏れがしているマンション売却と売却後の水漏れについて解説しました。
事前に水漏れが判明している場合は、きちっと告知を行うことが重要です。
事後発覚への対応としては、瑕疵担保の免責特約を締結するか、瑕疵担保保険への加入が良いでしょう。