「土地の造成費用」について調べている人は、造成費用の相場が分からないため、総額いくらかかるのか分からない方もいるかと思います。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 土地造成が必要な理由
- 土地造成の工事の種類
- 土地を造成する時の費用相場を教えてほしい
- 土地の造成費用を少しでも安くするには、どうすればいいの?
- 土地の造成費用が高くなってしまうケースって何がある?
造成費用の相場は、必要な工事の種類によりますが、国税局が出している「宅地造成費の金額表」が参考になります。
「宅地造成費の金額表」は、市街地農地等を評価して相続税を計算するための資料ですが、整地程度で済む平坦地と比べ、斜面の角度が急になるほど、宅地造成費がかかることがわかります。
また、エリアによって価格差がある傾向にも、注意が必要です。
土地造成が必要な理由
土地の利用目的や用途に合わせ、活用できる形に整備することを「土地造成」といいます。
なかでも、「宅地」として利用可能な状態にする工事が「宅地造成」です。
森林や斜面、農地、原野などに、いきなり住宅は建てられません。
斜面を平らにしたり、岩を取り除いたり、木を伐採したり、軟弱な地盤を改良する必要があります。
これらの「整地」「盛土」「切土」「土止め」「地盤改良」工事を行えば、その分「造成費用」がかかってきます。
土地造成の工事の種類
宅地にするために行われる工事は、以下のものが代表的です。
どの工事を行うかは、元の地形によってきます。
「整地」とはどんな造成工事?
「整地」では建物を解体した後に、コンクリート・大きな石・木くず・ガラスなどを手や重機で取り除いたり崩したりして凸凹を調整し、最後に転圧して土地を平らにします。
なお、整地工事に、伐採・抜根費や地盤改良費を含める場合もあります。
「盛土」「切土」とはどんな造成工事?
「盛土」「切土」は共に、平らな土地を造成する手法です。
「盛土」では低い場所や斜面に土を盛り、「切土」では土地を削ります。
最終的に平らな土地を作るという意味では「整地」と似ていますが、「盛土」「切土」などを伴う斜面の宅地造成では、「宅地造成等規制法」に基づいて都道府県に申請または許可が必要です。
「土止め」はどんな造成工事?
斜面を造成すると、階段状に高低差がある地形になり、建物の重さや地震、雨などで斜面が崩れたり、土砂が流出しやすくなります。
これを避ける「土止め」として、コンクリートなどで「擁壁」を作ります。
「地盤改良」はどんな工事?
斜面に盛土した場合や、水はけが悪い農地だった場合は、造成とあわせて「地盤改良」が必要な場合もあります。
地盤が緩ければ、後で建物が傾いたり、地震で液状化現象が起きる原因となるからです。
土地を造成する時の費用相場
土地に建物を建てられる状態に整備するには、「整地」「盛土」「切土」「土止め」「地盤改良」などの造成工事が発生することがあります。
斜地で造成によって崖が生じる場合には「宅地造成等規制法」の規制もあり、一定の費用が発生することは避けられません。
それでは、土地を造成する時の費用相場はどのくらいでしょうか。
もちろん、土地それぞれの状況によりますが、「市街地農地等の評価に係る宅地造成費」が土地造成費の内訳や相場の参考になります。
相続税負担の計算に用いられる資料なので、あくまで傾向や比率の参考として捉えてください。
サンプルとして東京都の「宅地造成費の金額表(令和3年)」を見てみましょう。
まず、宅地造成費は平坦地と傾斜地で大きく分かれています。
平坦地の場合は平方メートル単位、傾斜地の場合立方メートルで計算されることに注意してください。
平坦地の場合、工事費目は「整地費」と、必要な場合だけ行う「土盛費」「土止費」に大きく分かれています。
傾斜地でなくても、宅地として利用するために、道路より低い土地を道路面まで「盛土」し、その結果「土止め」が必要になる場合があります。
平坦地の宅地造成費(東京都・令和3年)
工事費目 | 造成区分 | 金額 | |
---|---|---|---|
整地費 | 整地費 | 整地を必要とする面積1m2当たり | 19,200円/m2 |
伐採・抜根費 | 伐採・抜根を必要とする面積1m2当たり | 23,300円/m2 | |
地盤改良費 | 地盤改良を必要とする面積1m2当たり | 35,600円/m2 | |
土盛費 | 他から土砂を搬入して土盛りを必要とする場合の土盛り体積1m3当たり | 50,300円/m2 | |
土止費 | 土止めを必要とする場合の擁壁の面積1m3当たり | 55,500円/m2 |
次に、傾斜地の宅地造成費を見てみましょう。3度未満は、平坦地側の表を使います。
傾斜地の宅地造成費では、単位が立方メートルで整地費・土盛費・土止費の宅地造成に必要な費用すべてを含んだ金額となっています。
なお、この費用に伐採・抜根費は含まれないため、必要な場合は平坦地の金額をベースに計算します。
一見、平坦地の土止費も高いように見えますが、擁壁が必要な面積は外周に限られます。
したがって、土地全体の費用で試算すれば、平坦地か傾斜地か、傾斜地ならその角度がどのくらいかで数倍から数十倍宅地造成費が変わってくることがわかります。
土地活用のため造成が必要な場合は、造成費を左右するこれらの要素を頭に入れておきましょう。
斜面地の宅地造成費(東京都・令和3年)
傾斜度 | 金額 |
---|---|
3度超5度以下 | 19,200円/m2 |
5度超10度以下 | 23,300円/m2 |
10度超15度以下 | 35,600円/m2 |
15度超20度以下 | 50,300円/m2 |
20度超25度以下 | 55,500円/m2 |
25度超30度以下 | 58,300円/m2 |
なお、「市街地農地等の評価に係る宅地造成費」は、各地域を管轄する国税局ごとに決まっています。
地域によって金額に差がありますが、実勢価格も大まかに同じ傾向があると言えるでしょう。
東日本の造成費用相場
まず東日本の宅地造成費の金額表ですが、各地域を管轄する国税局ごとに提示されています。
札幌国税局エリア
北海道を単独で管轄している札幌国税局では平坦地の整地費は1平方メートルあたり400円です。
伐採・抜根費は1平方メートルあたり400円で、地盤改良費は1平方メートルあたり1,200円です、
土盛費は1平方メートルあたり3,700円となり、土止費は1平方メートルあたり36,500円になります。
仙台国税局エリア
東北地方で青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県などの5県を管轄している仙台国税局についてです。
整地費は1平方メートルあたり500円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円です。
地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円となり、土盛費は1平方メートルあたり4,600円になります。
また土止費は1平方メートルあたり49,600円です。
関東信越国税局エリア
北関東の関東信越国税局が管轄している茨城県・栃木県・群馬県・長野県・埼玉県・新潟県など6県についてです。
整地費は1平方メートルあたり500円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり800円です。
地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円となり、土盛費は1平方メートルあたり4,100円になります。
また土止費は1平方メートルあたり43,600円です。
東京国税局エリア
東京国税局は首都圏の東京都・千葉県・神奈川県・山梨県など1都3県を管轄しています。
1平方メートルあたり整地費は500円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円です。
地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円となり、土盛費は1平方メートルあたり4,200円となっています。
また土止費は1平方メートルあたり46,500円です。
金沢国税局エリア
金沢国税局は富山県・石川県・福井県などの北陸3県を管轄しています。
整地費は1平方メートルあたり400円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円です。
地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円となり、土盛費は1平方メートルあたり4,000円です。
また土止費は1平方メートルあたり43,900円です。
名古屋国税局エリア
名古屋国税局管轄は愛知県・岐阜県・静岡県・三重県など4県です。
整地費は1平方メートルあたり500円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円です。
地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円となり、土盛費は1平方メートルあたり4,100円となります。
また土止費は1平方メートルあたり44,400円となっています。
西日本の造成費用相場
続いて西日本の宅地造成費の金額表ですが、東日本とおなじく地域を管轄する国税局ごとに提示されています。
大阪国税局エリア
大阪国税局が管轄しているのは大阪府・奈良県・和歌山県・滋賀県・京都府・兵庫県です。
2府4県という広いエリアで、同じ造成費用相場が適用されているのが特徴です。
整地費は1平方メートルあたり500円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円になっています。
また地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円で、土盛費は1平方メートルあたり4,000円になります。
さらに土止費は1平方メートルあたり、44,500円です。
広島国税局エリア
広島国税局管轄の鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県など中国地方の5県です。
整地費は1平方メートルあたり400円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり400円です。
また地盤改良費は1平方メートルあたり1,200円です。
さらに土盛費は1平方メートルあたり3,900円になり、土止費は1平方メートルあたり41,700円となります。
高島国税局エリア
高松国税局管轄の徳島県・香川県・愛媛県・高知県などの四国4県です。
整地費は1平方メートルあたり400円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円です。
また地盤改良費は1平方メートルあたり1,200円になります。
さらに土盛費は1平方メートルあたり4,000円となり、土止費は1平方メートルあたり35,800円となっています。
福岡国税局エリア
北九州の福岡県・佐賀県・長崎県など3県を管轄している福岡国税局では、整地費は1平方メートルあたり400円です。
また伐採・抜根費は1平方メートルあたり500円で、地盤改良費は1平方メートルあたり1,300円になります。
さらに土盛費は1平方メートルあたり3,800円となり、土止費は1平方メートルあたり38,700円になっています。
熊本国税局エリア
南九州の広い範囲を管轄する熊本国税局では、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県など4県が範囲に含まれています。
整地費は1平方メートルあたり400円で、伐採・抜根費は1平方メートルあたり500円です。
また地盤改良費は1平方メートルあたり1,200円になります。
さらに土盛費は1平方メートルあたり3,900円で、土止費は39,600円になっています。
沖縄国税事務所エリア
沖縄県を単独で管轄する沖縄国税事務所では、整地費は1平方メートルあたり400円です。
また伐採・抜根費は1平方メートルあたり600円で、地盤改良費は1,300円です。
さらに土盛費は1平方メートルあたり4,300円となり、土止費は1平方メートルあたり41,500円となっています。
ここまで見てきたように、土地がある地域によって造成価格の評価額も大きく異なることがわかります。次に、土地の造成費用を少しでも安くする方法と注意点についてお伝えします。
土地の造成費用を少しでも安くする方法と注意点
本記事でお伝えしてきたとおり、土地を造成する際の「造成費用」には、金額を左右する条件や要素があります。
しかし、実はやり方次第で造成費用をコントロールすることができます。
決してリーズナブルな価格ではない造成費用ですから、できるなら少しでもセーブしたいですよね。
そこでこの章では見落としがちな費用削減のポイントから、トラブルによる不毛な出費を防ぐ方法まで解説していきます。
造成費用には余計な費用がプラスされがち
造成工事を行う際、生まれて初めての経験だという方がほとんどではないでしょうか。
「1回目の造成工事だから」「今後何度も体験することではないし」と深く調べずに造成工事をスタートしてしまうと、あなたが知らぬ間に余分なコストを支払うことになってしまうかもしれません。
住宅施工会社に造成を任せる手数料が発生する
住宅の建替えの際、住宅施工企業に建替えをオーダーすると、ほとんどの場合見積もりの中に造成工事費用も入れられています。
しかし、実はその造成費用には手数料が一緒になっているのです。
住宅施工企業に造成工事を申し込んだところで、住宅施工会社が造成工事を具体的に施工するわけではありません。
タイアップした会社に造成工事のオーダーをし、その会社からまた造成工事の施工業者にオーダーがされます。
住宅施工会社からタイアップ会社へ、さらに造成業者へとオーダーする際に手数料が出てきてしまいます。
これを不動産業界では「中間マージン」と言い、業者の大きな利益の源になっています。
造成費用の中間マージンでどれくらい損をするのか
具体的に中間マージンがあることで、どれほどマイナスを被ってしまうか計算してみましょう。
一般的な中間マージンは造成工事費用のうち10%です。
もし造成費用に100万円かかり、その間に2社からんでくるとしたら、2社分の中間マージンが加算されます。
100万円に手数料をそれぞれ10%プラスしてみると、合計額は120万円となります。
つまり、中間マージンが発生してしまえば、20万円も払う必要のないお金を消費することになるのです。
造成工事をすると税金費用も増える
「造成工事をしたなら、固定資産税の額が一気にふえる」という風説を耳にしたことがありませんか?
実は固定資産税には住宅用地においては、6分の1から3分の1軽くなるという特例があるのです。
もちろん住宅がある場合のケースになりますが、造成してしまうとその土地は特例を受けることができなくなります。
つまりは固定資産税の額がこれまでより増えてしまうということなのです。
ただし固定資産税は1月1日時点の土地の状態で、金額を確定するのを忘れてはいけません。
だからこそ造成工事をしてから次の1月1日までに新築を建ててさえすれば固定資産税額は同じです。
また更地のままなく、それ相応の活用(駐車場などの経営、農地転用など)を行うのもアリです。
それによって、土地の評価が移り変わって、固定資産税の金額はまた異なることになります。
造成費用を安くするには自分で動く必要がある
経験の浅い造成工事で、色々なことを自分で調査したり探したりするのが面倒と言う人はいっぱいいるでしょう。
中間マージンが加算されるのをわかったうえで、専門業者にすべて任せてしまう決断をする人も少なくないはずです。
しかし、費用を少しでも減額するためには、ご自身の手間を出し渋らないことが重要です。
費用を落としたいなら造成業者は自分で直接依頼すべし
住宅施工会社にまとめてオーダーしてしまうと中間マージンが起きてしまう、ということは先ほど述べました。
そのため、ご自身で直接造成業者にお願いすれば、当然手数料は必要ではありません。
面倒なことでもご自身で業者を選び、取り引きすることで大金を節約することができるのです。
業者のセレクト方法としては、いくつかの造成業者に査定をもらい、見比べるというやり方が望ましいでしょう。
しかし、ただリーズナブルな見積もりをチョイスして造成業者を選んでしまうのはとてもリスキーです。
造成業者の中では違法行為を働いたり、雑な施工をしたり、問題を生むような悪質な業者も数多く残っているからです。
業者決定には、見積書の金額以外にも確認するべき大切な着眼点があります。
造成業者を選ぶ際に確認すべき重要なファクターは、その業者が「造成工事を行う資格がある業者なのかどうか」です。
造成工事はライセンスが必要で、造成業者は各都道府県に於きまして造成工事業者登録をしている必要があります。
しかし、ライセンスを持たない業者が安く工事を実行していることも、遺憾なことに未だにあります。
きちんとライセンスを持ち、登録も完了している業者であれば、業者のウェブサイトのトップ画面などでその証明を載せています。
もしも確認が不可能だった場合でも、電話などで直接「資格の有無をチェックさせてほしい」と頼めば提示してくれるはずです。
造成費用チェックの前に確認すべき書類がある
業者からチェックさせてもらうべき重要な文書に、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を挙げられます。
マニフェストとは、造成工事で生み出された産業廃棄物が、どういったやり方で処分されたかの過程を最終処理まで記したもの
マニフェストは造成業者・運搬業者・処理業者・最終処理業者で共有され、各業者間で5年間の保存を制定されています。
マニフェストは複数枚綴りになっており、造成業者は結果的にすべての過程が載っているページを所持しています。
施主にはこのマニフェストを確認する権限があります。
これまで関わってきた業者の押印がされているか、最終処理の日付が載せてあるかなどを確認してください。
堅実に廃棄物が処分されたかどうかを見定めることができるでしょう。
もしも、押印漏れや記録漏れがみられた場合、不正に処分されたケースが考えられます。
また、劣悪業者の中には、造成工事のマニフェスト票を複写して偽造し、あたかも本物のように差し出してくるような業者もいるのです。
ちょっとでも不信に感じたら、リストされた他の各業者に電話をかけてください。
嘘偽りなく記録のように処理されたのかどうかを突き止めるようにしましょう。
万が一不法投棄などの悪意のある処分をされていた場合は大変です。
その廃棄物のもともとの保持者であるあなたが罰せられてしまうかも知れません。
廃棄物が正確に処分されたかを見極めるのは施主の権利でもあり、責務でもあるのです。
造成時の廃棄物処理費用を抑える方法
廃棄物の処理コストは、産業廃棄物以外は割高になってしまうことがあります。
例えば、処分したい道具や生活ゴミなど…産業廃棄物と違うプロセスで処分されるものもあります。
しかし、面倒だからと造成業者にオーダーしてしまうと、自分で捨て去るよりも高額になってしまうことがたくさんあるのです。
あなた自身で粗大ごみとして処理できるものは粗大ゴミの日に廃棄してしまいましょう。
ほかにも、中古買取り店へ持ち込む、行政に引き取ってもらうなど、自分で破棄してください。
造成時のトラブルによる無駄な費用を防ぐ
造成工事は、とかくトラブルを発生させ易い行為です。
思いもよらぬトラブルにより、罰金を納付したり、裁判の費用を納めたりすることもあります。
どれだけリーズナブルに工事をしても、造成費用のほかによけいな出費をすることになってしまいます。
そんなよけいな出費を防ぐ為、トラブルなく安全に造成工事を終える事を目標にしましょう。
造成に必要な法的手続きを忘れるとムダな費用が発生する
土地を造成する際、登記簿謄本で名義をチェックします。
登記簿の名義人が死亡している場合は、土地が相続人全員の共用の財産となります。
そのため、どなたが相続して造成をするのかを明白にしておく必要があります。
また、相続時には相続人全員の印鑑証明書が付いた遺産分割協議書の作成が必要不可欠です。
親戚・縁者間での厄介ごと防止のため必ず制作するようにしましょう。
そして住居破壊を伴う造成工事後には、法務局で登記簿上から住居が滅失したことを登記する必要があります。
これを「滅失登記」といい、何が何でもしなくてはならないプロセスです。
これは法律で義務付けられており、造成工事後1ヶ月以内に申請する義務があります。
もしも登記の申請を怠ったケースでは、10万円以下の過料に処されてしまうでしょう。
滅失登記以降は各市町村役場にお知らせされ、課税台帳からはずされますので、施主が手続きすることは不要です。
滅失登記だけは欠かさず行うよう頭に叩き込んでおくとよいでしょう。
見当がつかないというときは施工業者に話しを持ち掛けたり、各自治体に連絡をとってみてください。
造成によって近隣トラブルが起こるとムダな費用がかかる
造成工事で最もたくさんあるトラブルだと言っても過言でないのが、「近隣住民とのトラブル」です。
造成工事は騒音・振動・粉塵飛散などというような、近隣住民に被害をもたらす要素を多数内包しています。
トラブルを生じさせても話し合いで解決できればOKですが、下手すると裁判にまで発展します。
弁護士のコストや慰謝料の払い出しなど、不本意な出費が降りかかる可能性もあります。
もし造成工事だけでなく、その土地に新築を建築する建替え工事の場合、近隣の方々とは今後も親しくしていく必要があるでしょう。
造成工事後もスッキリしたお付き合いができるよう、問題は可能な限り避けたいものです。
では、どのような方法で近隣トラブルを阻止することができるのでしょうか。トラブル別にまとめてみましょう。
造成における「騒音・振動被害トラブル」を防いで費用節約
造成工事では、重機を活用する際に大きな音が起こったり、地中の基礎を壊す際に振動が起こったりしてしまいます。
業者側が最大限気を配っていても、造成工事で騒音・振動を100パーセント無くすことは不可能です。
だからこそ、ある程度は近隣の方の同意を得ることが必要不可欠なのです。
騒音・振動のトラブルを阻止するには、騒音や振動が発生するタイムゾーンをあらかじめ明確にしておくことです。
それを近隣の方へ告知することが、とりわけ重要なことです。
朝早い時間は避けたり、夕方住民が家に戻る時間は回避するだけでも、クレームは大幅に抑えられます。
そして、騒音・振動の発生する日程やタイムゾーンを先だって知らせることで、住民側に動いてもらうこともできます。
また、「振動被害により住まいにヒビが入った」という損失を出すことも稀にあります。
しかし、中には住宅への損害が造成工事のせいではなかったというケースもあるでしょう。
それぞれのために造成工事の前には住民の方と施主と当事者以外の人立ち会いのもと、測量や撮影で記録をストックしおきましょう。
記録をストックしおくことで、万が一不具合があった場合、造成工事以前の状態をチェックすることができます。
その結果、なぜ住宅に損害が出たのかという「被害の原因」をハッキリさせることができるでしょう。
造成における「粉塵飛散被害によるトラブル」を防いで費用節約
造成をする際、土地の中にあるくずや小さなゴミがあちこちに飛んでしまいます。
近隣住宅のフォルムや、洗濯物や車が不衛生になってしまう、というような問題もあります。
そのため保護シートをきちんと張り、造成現場を取りまくことは建築物造成工事のルールです。
しかしそれでもわずかばかりの粉塵は生まれてしまうでしょう。
そんなどうしても粉塵があちこちに飛んでしまうような作業には、散水をして飛散を防ぐことが必要不可欠です。
また、粉塵が生じるような作業も、状況に応じてその都度近隣住民に告示するようにしましょう。
そうすることで、住民側も「洗濯物を外に干さない」「汚損したら困るものは外に置かない」などの対策を取れます。
造成における「作業員によるトラブル」を防いで費用節約
造成業者の現場労働者の中には、態度が悪く、マナーを守らないために近隣住民にいやな思いをさせてしまう現場労働者もいます。
ひと休み時に敷地内や道路で喫煙し続けたり、作業服をだらしなく身に付けていたり、私語が多いなどの問題を出します。
施工中、毎日その敷地に現場作業員はいるわけですから、その中に振る舞いの悪い現場作業員がいることは問題です。
施工期間中、近隣の方々は毎日気分を害する思いをすることになってしまいます。
このような現場作業員によるトラブルを防ぐには、オファー前に作業員の態度や身だしなみを観察してください。
見積もりの段階で「応対の口調は丁寧なのか」「作業着はユニフォーム制か」「派手な現場作業員はいないか」は要チェックです。
オーダーする前から不安なところのある業者は問題があります。
身だしなみや礼儀だけでなく基本的なマナーの指導も実施されていないので、トラブルが生じてしまうかもしれません。
応対の仕方や身だしなみを見て心配するようなことがあれば、その業者に委任するのは避けた方がいいでしょう。
土地造成で擁壁施工をするなら「複数社に見積もり」が鉄則
土地の造成では、専門的な重機や技術を必要とするため、プロの業者に依頼して行うのがおすすめです。
造成を行う際には、自分で知識を深めておくことはもちろん、複数の業者に見積もり依頼をして比較検討することが大切です。
見積もりで提示された金額の違いだけでなく、工事プランや各業者の対応などを比較して判断することが重要で、複数社への相談を進める際には、土地活用の一括資料請求をすることができる「HOME4U土地活用」が便利です。
もし、将来的に土地活用も検討しているなら、専門的な知識・実績のあるハウスメーカーや専門企業の意見を取り入れながら、自分の土地がどれくらいの収益を生むことができるのか見通しを建てることができます。
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