ネット上の情報は誰でも発言が可能なため、信頼性に乏しいことも多いです。
先日、ネット上で「マンションの角部屋は売れない」「角部屋は嫌われる」的な記事を発見し、正直驚きました。そんなことはありません。
角部屋そのものは中間部屋よりは価値は高いです。
ただ、ネット上で角部屋に関するデマが広がっています。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 角部屋だけどなかなか売れない
- 角部屋に本当に価値があるか疑問
- 角部屋を売却するうえでの効果的なアピール方法を知りたい
そこで今回の記事ではマンションの「角部屋」の売却にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読めば、お前は角部屋の本当の価値と効果的なアピール方法について知ることができます。
なおマンション売却全般については下記記事で詳しく説明しています。
角部屋には4種類以上ある
まずそもそもマンションにおける「角部屋」とは、どこを指すのでしょうか?
その定義から確認していきましょう。
マンションには「角部屋」「中間部屋」の2種類
マンションの建物の内、角に面している建物を角部屋と言います。
建物の端っこに位置しているため、端住戸(ツマジュウコ)と呼んだりもします。
端住戸というと悪いイメージの響きがありますが、角部屋というと良いイメージの響きがあります。
角部屋以外の部屋の表現は、決まった呼び方というのがあまりありません。
中部屋とか中間部屋と呼ばれたりしています。
土地に関しては、角地に対して、道路に一面だけ面している土地を中間画地(ちゅうかんかくち)と呼ぶ表現があります。
角部屋の特徴
角部屋の特徴としては、外部に面している壁面が2面以上あるという点です。
バルコニー面とそれに垂直方法に面している面です。
一方で、中間部屋の特徴としては、外部に面している壁面が1面しかありません。
外部に面している面はバルコニー面だけであり、両脇が他の部屋に挟まれています。
角部屋はバルコニーの向きが重要
一口に角部屋と言っても、その種類は少なくとも4種類以上あり、その価値が異なります。
4種類というのは、
- 南東角部屋
- 南西角部屋
- 北東角部屋
- 北西角部屋
です。
もっと細分化すれば、「南々東角部屋」も存在はします。
中間部屋を考えた場合、中間部屋のバルコニーの向きは、中間部屋の価値に大きな影響を及ぼします。
南向バルコニーの部屋が最も価値が高く、次に東向きバルコニー、西向きバルコニー、北向きバルコニーの順に価値を落としていきます。
角部屋の価値も基本的には中間部屋のバルコニーの考え方と同じです。
まずメインバルコニーがどこ向きかで価値が大きく異なります。
- 最も価値の高い角部屋は、南向きバルコニーで東面に壁面がある南東角部屋
- 次に価値があるのが、やはり南向きバルコニーがあり、西面に壁面がある南西角部屋
一方で、たまに北向きバルコニーの部屋というのも存在します。
滅多にないですが、設計上、やむを得ず北面バルコニーの部屋が生まれる時があります。
このような部屋は、北東や北西の角部屋であろうと、北向きバルコニーの時点で人気がありません。
つまり北東角部屋や北西角部屋などは、角部屋である以前にそもそも売却しにくいバルコニーの向きであるため、角部屋であっても売却しにくいのです。
以上、ここまで角部屋には4種類以上あるについて見てきました。
では角部屋は具体的にどんなメリットがあり、どれぐらい高く売れるのでしょうか?
角部屋はどれぐらい査定額が加点される?
角部屋は中間部屋に比べて様々なメリットがあります。
- 日照時間が長い
- 窓面が多く明るい部屋が多い
- 眺望が2方向に開けているためバルコニーからの景観が良い
- 風通しが良い
- 隣部屋からの騒音が少ない
- 自ら騒音を出しても迷惑を与える部屋が片方だけである
- 非難しやすい
- 自分の部屋の前を通る人が少ない
- 部屋数や収納にゆとりがある
- 廊下幅や脱衣所等のちょっとした部分に余裕がある
角部屋は当初の設計段階でも中間部屋に比べて設計の自由度が高く、廊下幅や脱衣所、洗濯機置場等のちょっとした部分がプチ贅沢に作られていることが多いです。
マンションの設計は、部屋の奥行よりも間口の幅が広い方が設計はしやすいという傾向にあります。
ウナギの寝床のような長細いマンションは、設計上、どこかに無理が生じています。
角部屋は中間部屋に比べて間口の幅を広く取りやすいため、ゆとりのある設計が施された部屋が多いのが特徴です。
廊下幅や脱衣所等のちょっとしたゆとりは実際に住んでみると差を実感できる部分が多いです。
角部屋は+3%程度、価値が高い
図面を見慣れたプロが見ると分かる部分なのですが、角部屋は間取りの上でも価値が高い部屋が多いです。
このように角部屋にはいくつかのメリットがあるため、同じ階の中間部屋と比較すると、価値はやや高くなります。
中古マンションにおける鑑定評価上の位置別効用比は、角部屋で+3%程度です。
例えば、中間部屋が3,000万円で売却できるマンションであれば、プラス90万円のアップというイメージとなります。
以上、ここまで角部屋の魅力について触れてきました。
でも実は角部屋よりも査定額に影響するポイントがあります。
角部屋よりも査定額に影響する「階数」
角部屋というのも、もちろん売却に影響しますが、実はもっと影響するものがあります。
それが「階数」です。
位置別効用比と階層別効用比
マンションの価値を決める要素として、その専有部が何階のどこに位置するかという点が重要になります。
同じ階でも角部屋や中間部屋のように、位置によって価値が異なることを表したものを「位置別効用比」と呼びます。
不動産鑑定士による鑑定評価においては、位置別効用比はきちんと評価され、角部屋は加点されます。
角部屋の位置別効用比としては、中間部屋に対して新築マンションで+5%、中古マンションでは+3%程度加点されます。
新築マンションは全部屋同時で販売を行うため、中間部屋と角部屋の価格差を明確につけやすいため、新築の方が角部屋の位置別効用比は強くなる傾向にあります。
一方で、階数により価値が異なることを表したものを「階層別効用比」と呼びます。
不動産鑑定士による鑑定評価では、階層別効用比も同様に評価され、階数が高いほど加点されます。
階数の方が価値は高い
マンションは、垂直方向に同じ位置にある部屋であれば、階数が高いほど価格が高くなります。
価格は1階が一番安く、最上階が一番高いです。
1階が一番安い理由としては、防犯が弱い、景観が悪い、日照時間が少ない、湿気が多い等の理由があります。
1階でも専用庭があるマンションであれば、2階よりも1階の方が高くなる場合もあります。
このようにマンションの価値は位置別効用比だけでなく、階層別効用比でも決まります。
階層別効用比は上階へ行けば行くほど加点されるため、階層別効用比は位置別効用比よりもインパクトが大きくなります。
例えば、1階にある角部屋よりも、10階にある中間部屋の方が価値は高く、売却もしやすいということは十分にあり得ます。
またタワーマンションなどの超高層マンションであれば、角部屋よりも階数を重視して購入した方が、資産価値は高く維持できます。
角部屋は同じ階での比較となる
角部屋というのは、あくまでも「同じ階の中間部屋と比較したら」という条件の上で優位なだけ。
角部屋だから単純に高いとか、売却しやすいというわけではありません。
ネット上で角部屋は売却しにくいというガセネタが流れています。
それは角部屋以外の別の理由で売却しにくくなっているだけであり、角部屋が理由ではないというのが筆者の見解です。
バルコニーが同じ向きであれば、基本的には中間部屋よりも角部屋の方が人気はあり、売却はしやすくなります。
では具体的に内覧時にはどのようにアピールすべきなのでしょうか?
内覧時に伝えるべき角部屋のアピールポイント
売れにくい角部屋の内覧時の回答方法
角部屋であっても北向きの部屋があれば、「寒くないですか?」と聞かれ、西向きの部屋があれば、「西日がきつくないですか?」と聞かれます。
角部屋でも条件が悪いと鋭い質問が来るため、回答を用意しておく必要があります。
ただし、回答は実際に行っていた効果的な対策や知恵を伝えてあげることが最も望ましいです。
北向きの部屋であれば、「これくらいの大きさの電気ストーブ1台あれば十分です。」とか、西向きの部屋であれば「夏場だけここによしずをひっかけていました。」等の回答が良いでしょう。
風通しの良さをアピールする
角部屋を売却するとき、最大のアピールポイントは「通風の良さ」。
日本家屋は「夏をもって旨とすべし」という格言があり、これは昔から蒸し暑い日本では、家は夏を涼しく過ごせることを考えて造りなさいという教訓です。
ところが、この教訓から最も離れた設計となっている家は、マンションの中間部屋です。
中間部屋はバルコニーが一方向しかなく、風の抜けが悪いというのが最大の欠点になります。
マンションに住んでいる人であれば、夏場、中間部屋の人が扉を半開きにして風を通している風景を見たこともある人も多いと思います。
内覧時に風通しを実演する
このような風通しの悪い中間部屋の人から見ると、風の抜ける角部屋はとても魅力的です。
以前、中間部屋に住んでいた人であれば、ほとんどの人が風通しの悪さに不満を抱えています。
購入希望者を内覧する際は、「こっちとこっちの窓を開けると風が抜けますよ」とアピールしてください。
実際に実演してあげると効果的です。
もし内覧の時に窓を開けて、運良く購入希望者の目の前でカーテンがフワッとなびいたら最高でしょう。
その他、内覧時の対応については下記記事にも詳しくお伝えしています。
マンション売却の成功の秘訣は「信頼」できる不動産会社探し
不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」。
不動産会社によって、得意としている不動産も異なりますし、この地域は得意・不得意などあります。
中には売却金額に数百万、数千万の差が出ることも。
ただ、あなただけの力でそのような不動産会社に出会えることは難しいと思います。
不動産会社を1社1社回って話を聞いていても、逆に迷うことになり時間ばかりが過ぎてしまいます。
そこで筆者がオススメしているのが「不動産一括査定サービス(サイト)」です。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
不動産一括査定を使えば、ネットからカンタンに複数社に査定依頼ができるのです。
不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。
ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
角部屋のマンションを高く売却するための効果的なアピールについて見てきました。
角部屋は中間部屋よりも価値があります。
せっかくの角部屋ですので、ネット情報に惑わされずに、きちんと価値を伝えて高く売却しましょう。