家の売却理由はどこまで伝える?内覧対応で伝えるべき本音と建前の基準

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家やマンションは一度購入してしまうと、なかなかその環境を変えるわけにはいきません。

そのため、買主はとても慎重になります。

内覧時には売主に直接会えるため、ここぞとばかりに質問をしてきます。

その1つが「売却理由は何か?」という質問です。

売主の立場としては、売却理由の質問に対し

  • どこまで正直に答えるべきだろうか
  • 特に隠すつもりもないが、何か問題あるのだろうか
  • 本当の理由を言わずに売ったらどうなるのだろうか

等々の疑問を感じている方もいると思います。

そこで今回の記事では内覧対応で伝えるでき「売却理由」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは伝えるべき売却理由を把握でき、どう伝えるかを知ることが出来ます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二
【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター
株式会社グロープロフィット 代表取締役
竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。
───
保有資格:不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.A子さんの相談から分かる!売主は告知義務が必要

話を分かりやすくするために、実際に筆者のところにきた相談内容を紹介します。

「売主を訴えたい!」・・・、以前、筆者のところに実際に来た相談内容です。

相談者を仮にA子さんとします。

A子さんはセレブな雰囲気のする綺麗な奥様で、ある街の閑静な戸建住宅にお住まいでした。ご主人も年収は高く、市内の有名中学の受験を控えた頭の良い娘さんもいらっしゃいます。

A子さんの悩みは道路を挟んだ斜め向かいの家の住人についてでした。そこのご家庭には20歳前後の2人のお子様がいるのですが、2人とも精神障害を抱えている兄弟という隣人です。

その兄弟は、昼も夜も大きな声で騒いで近所を徘徊するため、A子さんたちは、怖くて外を歩けないという状況でした。特に夜は外に飛び出し騒ぎ続けるため、子供が勉強できないという環境になっていました。

A子さんはその家を購入してから5年以上経過していますが、ずぅっとこの状況に悩み続けていました。A子さんは、「こんな隣人がいるのを知っていたら、買わなかった。まだローンも残っているから引っ越すわけにはいかない。売主側の説明不足だ、売主を訴えたい!!」と涙ながらに訴えていました。

ちなみにA子さんの物件の売主が、隣人トラブルのために売却したのかどうかは、実際のところ分かりません。

以上、ここまで実際にあったA子さんの相談について見てきました。

このように、不動産の売却においては問題を隠して売却すると、後からトラブルとなるケースは良くあります。

実際に損害賠償で訴えられる事例もあり、売主は売る前に告知する義務もあるのです。

不動産には売主に瑕疵担保責任というものが課せられるのです。

瑕疵とは、売買契約の目的物が通常有すべき品質・性能を欠くこと

分かりやすく言うと、売主は売却する不動産の品質や性能を担保してくださいよということです。

売却時は問題を隠さず、後から問題とならないよう金額で精算するのが基本。

不動産売却の瑕疵担保責任については下記記事で詳しく解説しています。

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ただし、やみくもに全ての理由をありのまま伝えては、売れるものも売れなくなってしまいます。

それでは次によくある家の売却理由をお伝えしたのち、どのように伝えればいいのかについてお伝えします。

2.家の売却でよくあるポジティブな理由とネガティブな理由

不動産の売却理由については様々です。

売却理由を分類すると、大きくポジティブな理由とネガティブな理由の2つに分けることができます。

売却理由の具体例としては以下の通りです。

家売却のポジティブな理由例

  • ご主人の転勤による引越
  • 良い学区に入れるための子供の進学
  • 定年退職による移住
  • 子供部屋が不足しているための引越
  • 親の介護
  • 収入が増えたことによる買換え
  • マンションから庭付き一戸建てへの買換え
  • 新築マンションの購入による買換え
  • 田舎暮らしをするための移住
  • 駐車場がもう1台必要となったための買換え
  • 相続のための売却

 家売却のネガティブな理由例

  • 離婚
  • 住宅ローンが払えなくなったことによる売却
  • 国道沿いなどで住環境が悪いための引越
  • 北向き部屋による心身の健康被害
  • シロアリ等の物件に問題があることによる売却
  • 近隣トラブル
  • 隣の部屋で自殺や事件があったことによる引越

以上、不動産を売却する様々な理由について見てきました。

それでは次に告知書への回答について見ていきます。

3.売主の義務:告知書で伝えるべき内容

それでは本題である売却理由の一般的な対応についてお伝えしていきます。

問題は事前に不動産会社に伝える

ネガティブな売却理由の中に、例えば「シロアリ等の物件に問題があることによる売却」については、不動産会社が外部から調べても分かりません。

そのため、売却にあたっては、まず「告知書」というヒアリングシートへの記入が求められます。

このような物件の抱えている問題は、必ず事前に告知書へ記入するようにしましょう。

最近の不動産売買においては、売却後、後から問題が発生しないように事前に全ての問題を明らかにしてから売却する傾向にあります。

不動産業界全体の流れとして、売却時に不動産会社が行う重要事項説明においては、事実を隠さずにきちんと説明する方向に変わりつつあります。

問題は値引で解決する

問題があれば、値引の対象となります。

逆に言えば値引くことで後から文句を言われないようにすることが目的です。

仮に損害賠償などという話になれば、値引よりも遥かに労力とコストがかかってしまいます。

先に値引きで対応することで被害を最小限にとどめるようにしましょう。

近隣トラブルも不動産会社に相談する

また近所のトラブルに関しても、不動産会社には相談してください。

買主へ伝えるべき内容かどうかは、不動産会社へ判断してもらうようにしましょう。

例えば、売主であるあなたの原因で近所とトラブルになった場合は、必ずしも説明すべき内容とは言えません。

また近所の人が他の隣人とは仲が良いのに、あなただけと仲が悪いような場合も、たまたま相性が悪かっただけという場合もあります。

先ほどのA子さんの例も、判断は迷いますが、例えばたびたび警察沙汰になるようなレベルのトラブルであれば、きちんと不動産会社に伝えた方が良いでしょう。

以上、ここまで不動産会社への告知について見てきました。

それでは次に買主がドン引きする理由について見ていきましょう。

4.買主がドン引きする理由は正直に伝える?

内覧対応時には、購入希望者はここぞとばかりに売主へ物件に何か問題が潜んでいないかを聞いていきます。

その一つが「売却理由は何ですか?」という質問であると考えて良いでしょう。

必ずしも正直に言わなくても良い

離婚や住宅ローンが支払えなくなった等の理由は、ドン引きまでは行きませんが、良い印象は与えません。

またこのような売主本人の個人事情よるネガティブな理由は、必ずしも正直に全て応える理由でもありません。

例えば、離婚による売却で実家に戻る場合には、「実家の親と同居することになったのです。」と表現すれば、特に嘘ではありませんし、ネガティブに捉われることはないでしょう。

隠してはいけない売却理由

一方で、ネガティブな理由の中でも以下のような理由は購入希望者へドン引きされます。

ドン引きされる売却理由例

  • 国道沿いなどで住環境が悪いための引越
  • 北向き部屋による心身の健康被害
  • シロアリ等の物件に問題があることによる売却
  • 近隣トラブル
  • 隣の部屋で自殺や事件があったことによる引越

これらの売却理由は、内覧対応時にポロっと本当のことを言うと、ドン引きされます。

また隠すと後からトラブルになります。

欠点ではなく対策を伝える

物件の欠点に関しては、欠点を応えるのではなく、以下のように対策を伝えてあげることがいいでしょう。 

  • 国道沿いなどで住環境が悪いための引越
    →排気ガスで洗濯物が黒くなってしまうため、洗濯物は仲に干した方が良いですよ。
  • 北向き部屋による心身の健康被害
    →この部屋は寒いので、ベッドはこちら側の壁に寄せた方が良いですよ。

不動産会社に事前に相談しておくべき理由

また「シロアリ等の物件に問題があることによる売却」や「近隣トラブル」、「隣の部屋で自殺や事件があったことによる引越」については、不動産会社に事前にきちんと告知し、伝え方についても相談をしておきましょう。

最近では独身男性がファミリータイプのマンションを購入するケースも増えていますが、独身男性などは近所付合いをしないため近隣トラブルを特に気にせず購入します。

近隣トラブルは売主や買主の主観によって捉え方がかなり異なってきますので、第三者である不動産会社に伝えてみて、客観的な意見を聞くのが良いでしょう。

5.まとめ

以上、「本音と建前が超重要?!内覧対応で伝えるべき売却理由とは?」について見てきました。

問題は隠すのではなく、適切に伝えることを心がけましょう。

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