「ソクなんちゃら」という言葉、本当に多いです。
即決、即売、即効・・・日本人は「即」が大好きです。
即とは「ただちに、すぐさま、その場で」という意味
マンションの売却においても即金や即売を求めている人たちがいます。
パッと売って、パパッと現金化したい人たちです。
こんな悩みをスッキリ解消!
- マンションを即金したいけど、どうしたら良いのだろう
- マンションを即買したいが、その方法を知りたい
- マンションの即買のメリットやデメリットについても知っておきたい
そこで今回の記事ではマンション売却における「即金と即買」についてフォーカスしてお伝えします。
この記事を読むことで、あなたはマンションの即金と即買について理解し、効果的な方法を知ることができます。
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【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター
株式会社グロープロフィット 代表取締役
大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。
資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士
1.マンションを即金・即売とは?
最初に即金、即買とは何かについてご説明します。
即金・即売とは買取のこと
マンション売却に即金、即買と言えば、マンションの買取のことを指します。
買取とは一般の人ではなく、買取業者と言われる不動産会社に売却する売却方法
マンションの売却は一般的に「仲介」という方法を取ることが多く、あくまで不動産会社は買主は探してくれる仲介を担ってくれるのが一般的です。
今回の買取の場合は、すぐに物件価格を提示してくれますので、その金額で即、売却ができます。
マンション買取と仲介の違い
仲介は不動産会社ではなく、一般の方に相場で売却を行います。
売却価格は相場となりますが、買主を探すまでに時間がかかります。
仲介による売却期間は、一般的に3か月程度かかります。
一方、買取では買取業者がすぐに買い取ってくれます。
マンション買取と任意売却の違い
任意売却と買取を混同される方も多いですが、この2つはあくまでも別物です。
任意売却は仲介の一種。
任意売却は、早期売却を目標とする仲介のため、買主に買取業者を連れてくることが多いです。
そのため任売イコール買取と思っている方も多いようです。
任売は一般の仲介よりも比較的早く売却できますが、任意売却業者に仲介手数料も支払うため無駄です。
即金・即売に任売業者は不要
昔は買取業者を一般の方が探すことは難しかったため、任意売却業者と買取業者が提携するビジネスモデルが成り立っていました。
しかしながら、今では一般の人でもネットで簡単に買取業者を探せるようになったため、任意売却業者に依頼する意味が減ってきています。
即金、即買を考えている方は、任意売却せずに、買取業者に売却の相談をしましょう。
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即金・即売の方法は買取業者の発掘から
即金、即買を行う方法は、買取業者を見つけることから始めます。
手順としては、買取業者に連絡を行い、買取業者の査定額を受け、その金額で売却となります。
買取では、高い買取価格を提示してくれる買取業者を見つけることがポイントです。
では、本当に即金・即売でいいのでしょうか?
メリットとデメリットをもう少し深堀してみていきましょう。
2.マンションを即金・即売(=買取)するときの6つのメリットと3つのデメリット
マンションを即金・即売、つまり買取するメリット・デメリットは下記の通りです。
- メリット1:早く売れる
- メリット2:仲介手数料がかからない
- メリット3:確実に売却できる
- メリット4:近所に知られずに売ることができる
- メリット5:内覧対応が不要となる
- メリット6:瑕疵担保責任を負わなくて良い
- デメリット1:価格が安い
- デメリット2:買い取り業者が見つからない
- デメリット3:価格の透明性が低い
それぞれ解説していきます。
メリット1.早く売れる
前述の通り、買取は2週間~1ヶ月程度で売却できますので、早く売れるという点がメリットです。
即金・即売が可能であり、お金がすぐに必要な人に向いています。
買取ではない不動産売却の平均販売期間は3ヶ月前後なので、時間がかかってしまいます。
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メリット2.仲介手数料がかからない
これも前述の通りですが、買取では仲介手数料がかかりません。
手持ちに資金のない人は、大きなメリットといえます。
メリット3.確実に売却できる
売却の確実性については、買取は高く、仲介は不確実です。
仲介はいついくらで売れるかということが確実には分かりません。
それに対して買取は査定の時点で金額と売却時期が確定。
仲介は契約解除のリスクがある
仲介では売買契約をしても、契約解除のリスクが存在します。
例えば、仲介には「ローン特約による解除」というものがあります。
ローン特約による解除とは、買主が住宅ローンの申請が通らなかったときに行われる解除
住宅ローンの本審査は、売買契約書がないとできないため、買主は売買契約後から引渡までの間に住宅ローンの審査を行います。
そこで、もし銀行の審査が通らない場合があると、買主は購入することができないため、契約は解除となります。
ローン特約による解除は、手付金を買主に返還することで終わります。
買取は信用力が高く契約解除のリスクが少ない
一方で、買取は資力がある不動産会社でないとできないため、買主の信用力は個人よりもかなり高いです。
買取を行う会社は、その都度、銀行から融資を受けていますが、その融資は一定の資金力の裏付けを必要とします。
買取を行う会社は銀行からも認められる財務内容が必要であり、買主としての信用力は高いのです。
つまり、契約解除のリスクがほぼないというのが大きなメリットです。
メリット4.近所に知られずに売ることができる
買取では近所に知られずに売却することができます。
不動産を「ご近所トラブル」や「離婚」「借金の返済」等を理由に売却するケースでは、売却していることを他人に知られたくないという場合があります。
このように売っていることを近所に知られたくないという場合には、買取の方が適しています。
買取は、不動産会社が見て、そのまま買い取ることを決めてくれるため、チラシやインターネット広告等を行う必要がありません。
売るという情報が外部に漏れないまま、売却を終了することが可能です。
メリット5.内覧対応が不要となる
内覧とは、購入希望者に家の中を見せる販売行為
買取は、不動産会社が査定時に見て終わるため、内覧対応する必要もありません。
一方、仲介で内覧を行う場合、内覧は土日に集中し、販売期間中は家族で外出できない日々が続きます。
内覧では事前に相応の準備も必要です。
内覧では、家を綺麗に見せるために、ある程度、家の中のものを片付けることが必要です。
キッチンやバス、洗面所、トイレなどの水回りの汚れがひどい場合には、費用をかけてプロのハウスクリーニングを利用する人もいます。
買取では、内覧対応も不要ですし、もちろんハウスクリーニングも不要です。
費用と時間が大幅に節約できるという点がメリットとなります。
メリット6.瑕疵担保責任を負わなくて良い
買取では、売主は通常、瑕疵担保責任を全部免責することが可能です。
理由としては、買取再販時に不動産会社が瑕疵担保責任を負うから。
不動産会社は、どうせ自分たちが責任を負うことを覚悟していますので、買取時に売主が瑕疵担保責任を全部免責しても認めてくれます。
一方で、仲介の場合には、瑕疵担保責任は一部免責とし、売主は引渡後3ヶ月間の瑕疵担保責任を負うのが通常。
仲介で瑕疵担保責任を全部免責すると、値引きの交渉要因となってしまいます。
瑕疵だらけの物件を売ろうとする場合、仲介だと売りにくくなります。


デメリット1.価格が安い
買取の最大のデメリットは、価格が安くなるという点です。
買取による売却価格は、仲介の8割前後。
一方で、築浅物件のようなほとんど問題のない物件であれば、仲介の9割近くになることもあります。
デメリット2.買取業者がなかなか見つからない
買取は業者がなかなか見つからないことがデメリット。
買取は、一般的には大手の不動産会社ならどこでも行っているのですが、大手はマンション買取に条件を設けていることが多いです。
大手の典型的な買取条件は、以下のようなものがあります。
不動産会社 | マンションを買取する基準 |
---|---|
三井のリハウス・住友不動産販売 | 新耐震基準で、専有面積が30㎡以上 |
野村の仲介+ | 新耐震基準で、専有面積が30㎡以上 |
東急リバブル | 築30年以内、専有面積30㎡以上 |
大成有楽不動産販売 | 新耐震基準で、専有面積が50㎡以上、間取りは2LDK以上 |
新耐震基準とは、昭和56年6月1日以降の建物において確認し適応されている基準
上記のマンションに満たない場合は、別途買取業者を探す必要があります。
戸建てはどんなに古くても、買取業者が取り壊して更地売却しますので、戸建ての買取条件は非常に緩いです。
しかしながら、マンションは取り壊すことができないため、築年数の縛りが大きく、古いマンションはなかなか買い取ってもらえないことがあります。
デメリット3.価格の透明性が低い
買取では、買取業者が査定して「言い値」を提示してきますが、その価格が適正なのかどうか分からないというデメリットがあります。
買取価格の透明性を高めるには、買取業者同士を比較検証することが重要です。
買取業者を比較するには、買取専門の一括査定サイトを利用することをオススメします。
買取専門の一括査定サイトを利用すれば、買取業者が見つかりにくいというデメリットも解消できます。
旧耐震(昭和56年5月31日以前)のマンションを買い取ってくれる業者も見つかるかもしれません。
「 すまいValue 」「 HOME4U
」
の不動産一括査定であれば、買取を行える中堅から大手の不動産会社も多数参加しており、買取も可能です。
一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ
買取は、できるだけ多くの買取業者を比較した方が、高い買取価格が見つかり有利です。
1つに絞る必要はなく、なるべく複数の不動産一括査定を利用してみてください。
一括査定サイトのオススメは 「すまいValue」「HOME4U」
不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。
その中でも
- 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
」
- 【1都3県・大阪・兵庫・京都・奈良】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
」
- NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
」
- 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
」
の4つを特にオススメしています。
筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U
」「 イエウール
」)を利用しました。
下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。
とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。


不動産一括査定×不動産会社のマッチング表


不動産売買は超大手に偏っている
「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
不動産一括査定の賢い使い方
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。


一括査定 | 机上査定 | 備考欄 |
---|---|---|
すまいValue | 〇 | 〇 |
HOME4U | 〇 | 〇 |
イエウール | 〇 | |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | 〇 | 〇 |
一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
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まとめ
ここまでマンションを即金や即買で売却したい人にオススメする不動産買取とはについて見てきました。
「即」を求めたい方は、
「 すまいValue 」「 HOME4U
」
などの一括査定サイトを使って、サクッと売却するのが良いでしょう。