不動産売却の名義変更するとどうなる?掛かる費用と必要書類一式

不動産売却の名義変更するとどうなる?掛かる費用と必要書類一式

小学校に入学すると、最初に言われることは「持ち物には名前を書きましょう!」ということです。

自分の持ち物に名前を書くことは基本。

不動産の売却においても、所有者が変われば名前を書き換える必要性が生じてきます。それが名義変更です。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産の名義変更ってどういうものなの?
  • 名義変更は誰に依頼すればいいの?
  • 名義変更で売主に必要な書類はどういうものなの?

不動産売却のおける名義変更は、登記簿謄本で所有権を移転させる登記変更手続きが必要となります。

登記変更では、司法書士への依頼し、売主しかもっていない書類も引き渡すことになります。

基本的には司法書士に依頼するだけですので、そこまで考えることはありません。

ただし、売主でも知っておいていた方がいいことがあります。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

不動産における「名義変更」の意味

不動産には名前が書けない

ところであなたの土地にはしっかりと油性マジックで名前を書いてあるでしょうか?

コンクリートの駐車場であればマジックで名前を書けるかもしれませんが、砂利の更地であれば書けません。

建物の「表札」に名前が書いてあるかもしれませんが、例えばマンションで部屋を貸している場合は真の所有者と表札の名前は異なります。

持ち物には自分の名前を書くことが基本です。

ところが、不動産には直接名前を書くことはできません。

不動産は外形的には真の所有者が誰か分からないという特徴を有しています。

その欠点を補うのが登記です。

登記は何のために必要なのか

登記制度は国が行っている制度であり、不動産の登記を行うと法務局(登記所のこと)に「登記簿謄本」が備え付けられることになります。

登記簿謄本のサンプル

登記簿謄本のサンプル

登記簿謄本は法務局で誰でも閲覧が可能。

所有権の登記を行うことによって自分が所有者であることを公に示すことが可能です。

所有権の登記を行うことで「対抗力」が生じるという効果が生まれます。

対抗力とは法律用語ですが、誰かと喧嘩をするという意味ではありません。

第三者に対して自分の権利を主張できる根拠を持つということを意味します。

名義変更とは所有権移転登記のこと

不動産の売却による名義変更は、「所有権の移転登記」と言います。

法律上、移転登記の義務はありませんが、不動産を購入した人が住宅ローンなどを組む場合は、銀行が登記簿謄本に抵当権を付けるため、所有権の移転登記が必要となります。

抵当権とは、住宅ローンを借りている債務者が不動産などを自分の手元にとどめたまま債務の担保として提供し、債権者がその担保物件から優先的に弁済を受けることができる権利

そのため不動産の売却では、所有権の移転登記を行うことが通常です。

不動産には名前が書けないから登記、つまり所有者の確定が必要 → 登記を行うことで「登記簿謄本」が手に入る → 売却するときは移転登記が必要

フクロウ先生

以上、ここまで名義変更の意味合いについて見てきました。

それでは次に気になる登記簿謄本で変わるところについて見ていきましょう。

移転登記を行うことで「登記簿謄本」がどう変わるのか

甲区が変わる

登記簿謄本に関して、あまりじっくりと見たことのある人は少ないと思います。

登記簿謄本を取得すると、表題部のすぐ下に以下のような「権利部(甲区)」というのもがあります。

権 利 部 (甲区) (所有権に関する事項)
順位番号登記の目的受付年月日・受付番号権利その他の事項
1所有権移転平成29年5月20日 第○○○○〇号原因 平成29年5月1日売買 所有者 ○○市○○×-××   フクロウ 太郎

登記簿謄本の甲区には、所有権に関する事項が記載されています。

不動産売却の名義変更とは、具体的にこの甲区の所有者の名前を変更すること。

この変更は、法務局に行って売主と買主が共同して行えば自分たちでも行うことは可能。

しかしながら、不動産という金額が大きいものを素人でやるのはとても危険であり、筆者としてはオススメしていません。

登記変更には専門的な知識も要するため、通常は司法書士へ依頼するのがいいでしょう。

司法書士への支払い

不動産会社に仲介を依頼しているときは、不動産会社が司法書士を手配してくれます。

もちろん、司法書士によって手数料は異なります。

参考までに標準的な所有権移転登記業務の場合で、司法書士への手数料は、以下のようになっています。

地域 低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区21,500円33,058円51,050円
東北地区21,644円35,195円54,905円
関東地区26,025円44,417円80,267円
中部地区29,710円45,779円73,056円
近畿地区29,000円54,800円103,000円
中国地区26,855円42,375円77,500円
四国地区23,231円48,496円106,750円
九州地区24,925円41,934円87,611円

出典:日本司法書士会連合会報酬アンケート結果より

不動産会社へ仲介を依頼していれば、司法書士の手配に困ることはありません。

不動産会社を使っていない場合は、自分たちで司法書士を探すことになります。

日本司法書士会連合会より司法書士を探す方が多く、筆者としてはオススメしています。

司法書士は登記申請の代理人

司法書士も必ずしも依頼しなければならないものではありません。

繰り返しになりますが、登記は本来は売主と買主が自分たちで行うものであり、やろうと思えば自分たちで行うことも可能です。

そのため司法書士は、あくまでも登記申請の「代理人」になります。

代理であるため、司法書士へは「私はあなたを代理として指定しましたよ」という趣旨の委任状を書きます。

法務局へ登記変更をしに行った司法書士は、委任状を法務局に提示することで、登記変更を行うことになります。

参考不動産売却する際の委任状の書式と注意点【サンプルダウンロード付き】
参考家を売却する際の司法書士は何をしてくれるの?費用はどれぐらいかかる?

登記変更にはお金が掛かる

またこの登記変更もタダではありません。法務局は法務省が管轄する国の役所。

登記簿謄本を変更するには法務局で働く人たちの手数料みたいのが必要となります。

この法務局で働く人たちの手数料代わりとなるものが、「登録免許税」になります。

名義変更における登録免許税の税率は以下の通りです。

登記の種類・原因税率
所有権の移転登記相続・合併0.4%
遺贈・贈与・財産分与2%
売買等※2%

※但し、令和2年3月31日までに行う土地の売買による所有権移転登記は、税率が1.5%となります。

登録免許税は、商習慣として買主が支払います

税金というと、ピンと来ませんが、登録免許税とは、具体的に登記簿謄本を法務局で働いている人たちが書き換えるための手数料みたいなものになります。

以上、ここまで登記簿謄本で変わるところについて見てきました。

それでは次に名義変更のタイミングと期間について見ていきましょう。

不動産売却における名義変更のタイミングと期間

タイミングとしては「引渡」で行う

不動産の売却は、大きく「売買契約」と「引渡」の2段階で行われます。

名義変更のタイミングは、「引渡」のときです。

売買契約と引渡の間は、通常、1か月程度の時間があります。

売買契約では、「売りますよ、買いますよ」という約束を書面でしただけであり、所有権を本当に渡している段階ではありません。

引渡当日は、銀行で「売主・買主・司法書士・不動産会社・銀行員」のメンバーが一同に会します。

引渡では買主が残金を入金します。

そうすると、買主はちゃんと買ったことになりますので、登記識別情報通知書などの登記変更に必要な書類をその場で引き渡します。

すると、司法書士が立ち上がり、「それでは今から法務局へ所有権移転の登記申請に行ってまいります。」となり、司法書士が立ち去っていくことになります。

謄本への反映は1~2週間後

司法書士は、基本的には引渡当日に法務局へ向かいます。

引渡は何か不測の事態があった場合に対応するため、午前中に行うことが通常です。

司法書士は午後には最寄りの法務局で申請手続きを行いますが、その日にすぐ所有権移転登記が完了する訳ではありません。

登記変更には通常1~2週間の時間を要します。

登記簿謄本の甲区は引渡後の1~2週間に変更が反映されます。

以上、名義変更のタイミングと期間について見てきました。

名義変更に必要な書類について見ていきます。

不動産の名義変更に必要な書類一覧

所有権移転登記に必要者書類は以下になります。

必要性の欄で任意と書いてある書類は、司法書士に依頼する場合等、ケースによって必要性が異なる書類となります。

書類名必要性備 考
権利証または 登記識別情報通知書必須登記識別情報通知書とは、登記名義人を識別することができる書類で権利証に代わるものです。
権利証は平成17年3月に登記済証制度が廃止されたため、
それ以降の物件は権利証が登記識別情報通知書となります。
印鑑証明書必須登記申請日前3ヶ月以内に発行されたものを用意します。
印鑑証明書とは別に、「実印」も必要となります。
固定資産税評価証明書必須買主の登録免許税の税額算出のために必要な書類となります。
売主側で用意します。
委任状任意司法書士が代理で登記を申請する場合は必要となります。
委任状の書面は司法書士の方で準備します。
本人確認書類任意司法書士に依頼する場合は、司法書士が本人確認のために使用する書類です。
住民票任意登記住所と現住所が異なる場合は、住所を証明するために必要な書類となります。
抵当権抹消書類任意抵当権を抹消する場合は、必要になります。
金融機関が作成します。
第三者の許可書・ 同意書・承諾書任意農地の売買等、農地法に基づく知事の許可が必要な場合には、許可証等が必要になります。
登録免許税の特例 に該当する場合任意既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入している等、
登録免許税の軽減特例を受けることができる建物の場合は、
市町村長が発行する住宅用家屋証明書等が必要になります。

まとめ

不動産売却における名義変更と名義変更に必要な書類について解説について見てきました。

名義変更とは、所有権移転登記のことになります。

専門的な知識が必要となりますので、不動産の売却の際は、不動産会社によく確認をしながら行いましょう。

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  • この記事を書いた人

石川 貴裕

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