不動産売却する際の委任状の書式と注意点【サンプルダウンロード付き】

不動産売却する際の委任状の書式と注意点【サンプルダウンロード付き】

本人に事情があり、自分で不動産売却ができない場合があります。そのような時は誰かに委任して代理で売却してもらう必要があります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産を売却するときの委任状の役割は?
  • 委任状はどれぐらい重要?どういうときに必要なの?
  • 委任状の書式を知りたい、もしくは欲しいけど書式は決まっているの?
  • 委任状の他に何を準備すればいいの?

これから不動産売却で委任をお願いしようとする方には、少なからず上記のような悩みや不安を持つものです。

そこで、今回の記事では不動産売却するさいの委任状の書式と注意点について、委任状とはそもそも何か、どういう時に必要なのかなど、読めば解決できるまで丁寧に説明しています。

さらには委任状のサンプルを用意していますので、ぜひご活用ください。

この記事を読めば、あなたは委任状についてのモヤモヤがすっきりすることをお約束します。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

不動産売却の委任状とは委任契約すること

委任とは、法律行為をすることを相手方に頼み、相手方がこれを承諾することにより成立する契約

例えば、Aが自分の建物を、自分の代わりに代理して売るようにBに頼み、Bがこれを承諾すれば委任契約が成立したことになります。

委任に関して不動産の売却で、最も多いものは新築マンションの販売です。

不動産会社(宅建業者)では業としての代理が認められています。

「○○不動産」というディベロッパーが開発したマンションを「○○不動産販売」という子会社である販売会社が親会社の代理として販売を行っています。

ここで重要なのが「代理」という概念です。

代理とは、本人以外の者が本人のために意思表示を行うことによって、その意思表示(法律行為)の効果が直接に本人に帰属する制度

(代理行為の要件及び効果)
第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。(民法99条)。

まとめると本人のために意思表示を代わりにする人を代理人と呼びます。

上述のマンション販売では、ディベロッパーである親会社が本人(委任者)で子会社が代理人(受任者)となります。

代理と似た概念の「使者」との違い

代理と似たような概念としてあるものが「使者」、つまりメッセンジャーがあります。

代理と使者の違い

  • 代理:意思決定をするのが本人ではなく代理人
  • 使者:意思決定をするのが本人自身

つまり代理人は判断をしますが、使者は勝手に判断して意思決定を行うことはありません。

例えば、新築マンションの販売現場では「○○不動産販売」という販売会社が代理で販売を行っています。

マンションの販売現場では、時には値引き交渉やオプションの付与など、現場を仕切っている販売会社が判断して行うことがあります。

大型マンションは何百戸もありますが、いちいち親会社にお伺いを立てることがありません。

子会社である「○○不動産販売」は代理人ですので、本人に成り代わって自分たちで判断を行います。

不動産売却を代理することの注意点

ここは代理の非常に怖い所です。

Aが自分の不動産を、自分の代わりに代理でBに売るように委任した場合、Bが勝手に値引きしてしまうことも可能です。

  • Bが代理の場合:Bが勝手に値引きを承諾できる
  • Bが使者(メッセンジャー)の場合:「買主があと500万円下げてと言っているけど、良いですか?」とお伺いをたてることになる

マンションディベロッパーのように、基本的には親会社と子会社が一体のような関係での代理では問題になりません。

ただ、個人の代理というのは詐欺などの問題にも発展しかねないため注意が必要となります。

民法上は、委任は不要式契約と言って契約方式に縛りは無く、書面の交付義務はありませんが、実務上はトラブルを回避するために委任状を交付することが通常となります。

以上、委任について解説しました。

それでは次にどういう時に委任状が必要なのかについて解説いたします。

委任状は不動産売却のどういう時に必要なのか

代理委任によって不動産を売却する場合は、委任状が必要となります。

法律上必要というよりは、トラブルを回避するため、実務上必要です。

上述のように代理権というのは意思決定が可能という強烈な権利を他人に与えるためトラブルになることも少なくありません。

後から裁判になることも多く、その際、書面の交付・作成がなされていない場合は、関係当事者に多大なる損害を被るため、通常、代理による売却は本人から代理人への委任状を必須とします。

不動産売却で委任をお願いするよくあるケース

不動産を売却するときによく委任状が使われるケースは下記があります。

  • 遠方の不動産を売却する場合
  • 共有持分の不動産を売却する場合
  • 契約の時間が取れない方

例えば、「地方に住んでいて体の不自由な妹が兄に都内の物件の売却を頼む」「相続した家が共有持分になっており、近くに住んでいる兄に頼む」などです。

代理は判断という機能まで他人に預ける行為のため、基本的には、親族や相当親しい間柄でない限り代理権は付与しません。

宅建業者であっても、関係会社間や親しい業者同士でしか代理による売買は行わないことが通常です。

遠方、共有持分の不動産を売却する方は、下記記事で詳しく解説しています。

参考遠隔地の不動産の売却はどうすればいいの?ベストな方法を徹底解説
参考共有名義の不動産売却は苦戦する!揉めずにスムーズに売る3つの方法と2つの注意点

委任状作成に必要な項目・ポイントとサンプル(※ダウンロード付き)

委任状のポイントとしては、付与する権限を絞り明確化することです。

白紙の委任状などは、何でも出来てしまうので、決して使用してはいけません。

委任状に記載すべき項目

  • 委任する内容(物件、金額、手付金、引渡し予定日、違約金等)
  • 委任者の住所
  • 委任者の氏名
  • 委任者の署名
  • 受任者の住所
  • 受任者の氏名
  • 有効期限

サンプルとして、不動産屋である私がよく使用する委任状の書式のとしては以下のようなものがあります。(※委任状のサンプルのダウンロードはこちら docx / doc

下記のように売買金額や引渡日などの売買契約の骨子となる部分を明確にして委任をすれば、代理人の判断要素が制限されます。

可能な限り、代理のリスクを軽減しましょう。

委任状

 委任者○○○○(以下「甲」という。)は、受任者○○○○(以下「乙」という。)に対し、甲所有の下記不動産を下記条件で売却することを委任し、その代理権を付与する。

  1. 売買物件の表示 ○○○○○○○○○○
  2. 売却条件

⑴売買価額 金○○○○万円
⑵手付金の額 金○○○○万円
⑶引渡の予定日 平成○○年○○月○○日
⑷違約金の額 売買価額の10%相当額以上で、乙が買主と協議して定める。
⑸公租公課の分担起算日 引渡日
⑹金銭の取扱い

  • 乙は、買主から受領する手付金および売買代金その他の金銭を、受領の都度、すみやかに甲の指定する銀行預金口座(○○銀行○○支店・普通○○○○○○)に振り込み、引き渡す。ただし、売買契約書に貼付する収入印紙代、固定資産税等の清算金その他の金銭で、甲が負担する必要があるものについては、乙がこれを売買代金等から控除し、残額を甲に振り込む。
  • 前項の領収証の発行および受領は、すべて乙が甲の代理人として行う。

⑺所有権移転登記申請手続等

  • 甲は、売買代金全額の受領と同時に、買主への所有権移転登記申請手続を行うものとし、そのための一件書類をあらかじめ○○○○司法書士に預託しておき、乙が、甲の代理人としてそのための準備と当日の確認を行う。
  • 乙は、前項の所有権移転登記申請時に、買主に対し物件の引渡しを行うものとし、そのための図面その他の関係図書および鍵の引渡しをあらかじめ甲から受けておく。

⑻ その他の条件
 本件売買契約に用いる契約書の書式は、別添契約書を使用するが、それ以外の事項で、上記売却条件に定めのない事項および上記売却条件の履行に変更が生じるときは、その都度甲・乙協議して定める。

  1. 有効期間

この委任状の有効期間は、3か月とする。ただし、甲・乙の合意により、更に3か月間更新することができる。

以上

平成○○年○月○日
甲(委任者) 住所 ○○○○○○○○○○○○ 氏名 ○○○○
乙(受任者)○○○○殿

上記委任事項確かに受任いたしました。

平成○○年○月○日

乙(受任者) 住所 ○○○○○○○○○○○○

氏名 ○○○○ 

甲(委任者)○○○○殿

不動産売却で委任するのに必要な書類と注意点

不動産売却の委任状で必要なものは下記の通り。

委任するのに必要な書類

  • 委任者の印鑑証明(※3ヶ月以内のもの)
  • 委任者の実印
  • 委任者の住民票(※3ヶ月以内のもの)
  • 代理人の印鑑証明(※3ヶ月以内のもの)
  • 代理人の実印
  • 代理人の住民票(※3ヶ月以内のもの)

委任状の押印については「実印」で行います。

委任の話とは別になりますが、現在では不動産売買において犯罪収益防止法で本人確認が必要となります。

不動産会社か仲介に入っている場合には、不動産会社の本人確認を行ってください。

また、委任状があっても当然に代理権の授与が認められる訳ではありません。

本人確認と同時に本人の意思確認も併せて不動産会社に行ってください。

不動産の売却額に納得がいかず揉める

他によくもめるケースとして、「えっ?こんな金額で売っちゃったの?」というのが後から発生することがあります。

そんなことにならないように、まずは不動産会社に査定額を出してもらってください。

ただ、1社だけの査定だとその金額が妥当なのかどうかが分からないため、2-3社に依頼しておくことをオススメします。

今ではインターネットの普及にともない、かんたんに複数社に査定依頼ができるようになりました。

その便利なサービスが「不動産一括査定サービス」。

不動産一括査定は、物件所有者ではなくても使うことができます。

代理人でも売却可能

代理人でも売却可能

不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

不動産一括査定の仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

不動産一括査定の流れ

無料で利用でき、所要時間も5分ほどあればできます

不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。

その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。

ひよこ生徒

とりあえず大手に依頼できる「すまいValue」でいいですか?

売却を成功させるなら大手だけじゃダメじゃよ。不動産会社には得意・不得意があるんじゃ

フクロウ先生

不動産仲介会社によって得意不得意がある

だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにした方がいいぞ!

フクロウ先生

不動産一括査定のかしこい使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

メールで査定額を送付してください

ひよこ生徒

どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?

下記に比較してまとめてみたぞ!

フクロウ先生

不動産一括査定サイト名机上査定が対応メール要望
すまいValue
SRE不動産(※旧ソニー不動産)×
HOME4U
イエウール××

不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

参考【2022年最新】不動産一括査定サイトの選び方とおすすめランキングTOP8

また評判がいい不動産仲介会社のランキングについては下記記事をご確認ください。

参考【2022年決定版】不動産仲介ランキングTOP10!評判のいいオススメ会社は大手なの?

まとめ

不動産売却する際の委任状の書式と注意点について見てきました。

売却の代理の場合には、無権代理の問題も多く、紛争事案が多くあります。

代理による売却を行う際は、弁護士に確認することをオススメします。

代理による売却は極めて慎重に行ってください。

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※NTTデータグループが厳選した不動産会社が複数社見つかります。
※机上査定を選択すると、メールで査定額がわかります。
※入力が面倒な方はお電話で受け付け可能です。
連絡先:0800-080-4326(受付時間:平日10時30分~18時)
※入力代行は、株式会社NTTデータ スマートソーシング社により行われます。

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  • この記事を書いた人

石川 貴裕

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