最近は気になることがあったら、すぐにスマホで調べることが当たり前になってきました。
不動産の世界では、割と早い時期からインターネットの普及が進んでおり、「物件の検索」をインターネットで行うことはもはや当たり前になっています。
不動産の売り物件を広告しているホームページ(SUUMOやHOME’Sなど)のことをポータルサイトと言います。
現代は、購入検討者はポータルサイトを利用して、自ら物件を探し出す時代です。
こんな悩みをスッキリ解消!
- インターネットって重要な気がするけど、売主は何もできないのではないだろうか?
- インターネット対策は不動産会社に任せきりで良いのだろうか?
- 不動産会社に依頼したら、上位検索されないサイトに物件を載せているが大丈夫なのだろうか?
結論からすると、ポータルサイト対策はとても重要です。
具体的には、複数の不動産会社に媒介依頼を出すことにより、メジャーなポータルサイトに網の目を貼る対策が有効になります。
そこで今回の記事では「不動産ポータルサイト対策」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことで、あなたは不動産ポータルサイトを意識した効果的な売却活動ができます。
ポータルサイトとは
ポータルサイトとは、不動産の売り物件や貸し物件等の物件を広告または募集しているサイトのこと
具体的には、「SUUMO」や「アットホーム」「HOME’S」「Yahoo!不動産」「goo住宅・不動産」「@nifty不動産」等があります。
ポータルサイトでは、膨大な量の物件情報を扱っているため、ユーザーは検索条件を追加して物件をどんどん絞るという使い方をするのが特徴です。
絞り込み条件には、駅距離で「徒歩5分」や「徒歩10分」等の5分刻みで絞られる機能を付けているポータルサイトがあります。
ポータルサイトの絞り込み機能を意識する
ポータルサイトでの物件の絞り込みという消費者行動は、無視できません。
例えば、駅6分や駅11分という物件は、ポータルサイトの絞り込みに漏れ落ちる瀬戸際の物件です。
このような物件は、残念ながらポータルサイトに絞り込み機能によって価格を下げてしまっている物件と言えます。
インターネットのない時代であれば、不動産会社が上手くセールスしてくれた物件であっても、ポータルサイトの登場によって、価格を下げてしまっている物件があるのも事実です。
それほど、ポータルサイトの不動産価格への影響は強いのです。
エリアで異なる強いポータルサイト
不動産の代表的なポータルサイトは、「SUUMO」「アットホーム」「HOME’S」の3つがメジャーです。
これらのポータルサイトは不動産に特化しているため、物件数や検索機能も充実しており、多くのユーザーから指示を得ています。
ポータルサイトは、実はエリアによって上位検索される順番が異なります。
例えば、「さいたま市 マンション」と検索をしてみます。
そうすると、Googleのトップページには、以下の順番でポータルサイトが表示されます。
- 1位:SUUMO
- 2位:HOME’S
- 3位:アットホーム
※検索結果は日によって日々変動します
一方で、同じ埼玉県でも「熊谷市 マンション」と検索してみます。
そうすると、検索結果としては、以下のような順番でポータルサイトが表示されます。
- 1位:アットホーム
- 2位:HOME’S
- 3位:goo住宅・不動産
- 4位:SUUMO
※検索結果は日によって日々変動します
このように、実はエリアによってポータルサイトの上位表示される順番は異なります。
例えば、熊谷市でマンションを売却したいのであれば、アットホームに物件が掲載される方が、消費者の目につきやすくなります。
物件を検索するユーザーからすると、なんとなく上位に表示される方が「良い物件なのかな?」という心理的な錯覚を覚えるのも事実です。
そのため、不動産会社には、できればエリアに強いポータルサイトに広告を掲載してもらいたいもの。
筆者が試してみたところ、都心部はSUUMOが上位表示される傾向があります。
一方で、郊外になるとアットホームが上位表示される傾向が強いです。
物件種別で異なる強いポータルサイト
エリアと同様に物件種別によっても、ポータルサイトの上位検索される傾向は異なります。
例えば、千葉県成田市で「成田市 マンション」もしくは「成田市 戸建」と検索してみます。
検索結果には、以下のような違いがあります。
マンションの場合
- 1位:SUUMO
- 2位:アットホーム
- 3位:HOME’S
戸建の場合
- 1位:アットホーム
- 2位:SUUMO
- 3位:HOME’S
この結果から、同じ成田市でも、マンションを売却するのであればSUUMOに広告を載せた方が良く、戸建を売却するのであればアットホームに掲載された方が有利になります。
筆者が試してみたところ、2024年12月現在では、SUUMOはマンションが強く、アットホームは戸建が強い傾向があります。
ただし、都心部になると、戸建でもSUUMOが上位検索されます。
不動産会社とポータルサイトの関係
不動産会社はポータルサイトに物件掲載料を支払うことで、物件広告を載せています。
ポータルサイト側にとって見ると、不動産会社は直接の顧客になります。
不動産会社はポータルサイトにとって、重要な顧客となるため、不動産会社を様々な形で不動産会社の囲い込みを行います。
そのため不動産会社とポータルサイトは密な関係となっていることが多いです。
例えば、不動産会社のA社に仲介を頼むとSUUMOへ掲載し、B社に仲介を頼むとアットホームへの掲載となるということが良くあります。
売主としては、例えば「SUUMO」に掲載して欲しいと思っていても、「当社はアットホームと古い付き合いがあるので、他社には載せません」などと断られる場合もあります。
不動産会社としても、SUUMOやアットホーム等の全部に掲載してしまうと、広告料が膨らむため、何社にも載せることは基本的にはしません。
上位検索の強さなどは考慮せず、今までの付き合いのある所に機械的に掲載しているというのが実態なのです。
一括査定サイトでポータルサイト対策
不動産会社がどのポータルサイトと結びついているのかということは、媒介の依頼をする前は分かりません。
媒介とは不動産の仲介やあっせんを意味します。
「お宅はSUUMOですか?アットホームですか?」と聞くのも面倒ですし、それだけの理由で不動産会社を決めるのも本末転倒です。
そこで、複数の不動産会社に媒介契約を依頼することで、メジャーのポータルサイトへの掲載を全て抑えるという対策をするのが有効です。
複数の不動産会社へ媒介契約をするには、一般媒介契約という形を取れば可能です。
不動産の媒介契約に関しては、下記にに詳しく記載していますのでぜひご参照ください。
一般媒介契約を締結するには、複数の不動産会社に一度に声をかけなければならないという面倒な手続きが発生します。
不動産一括査定を使えば、複数の不動産会社に同時依頼ができる
複数の不動産会社への依頼は、不動産の一括査定サイトを使うととても便利です。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定サイトでは、最大6社の不動産会社を同時に集めて一般媒介の依頼をすることが可能です。
6社に媒介依頼すれば、「SUUMO」「アットホーム」「HOME’S」のメジャー3社のポータルサイトのいずれかに掲載されると考えてほぼ間違いありません。
複数の不動産会社に一度に媒介契約をすることで、全てのポータルサイトへ網の目を貼ることが可能になります。
そのため、一括査定サイトの利用が、そのまま有効なポータルサイト対策へとつながります。
また、不動産一括査定サイトを使うと信頼できる不動産会社をカンタンに探すことができるので、正に売る人にとっては必須のツールと言えます。
不動産一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
築25年以上でも住宅ローン控除が使える物件
都心部に物件をお持ちの方は、SUUMOに物件が掲載されることで売却が優位に運びます。
そこで、SUUMOでは他の物件と大きく差別化できる耳寄りな検索条件があるのでご紹介しておきます。
2024年12月現在におけるSUUMOの検索条件の中には、「SUUMOのオススメ検索」の中には、「築25年以上でも住宅ローン控除が使える可能性あり」というチェック項目があります。
この項目は、買主にとってはとても関心の高い項目です。
例えば、東京都港区ではSUUMOで中古マンションを検索すると約1,700件がヒットします。
しかしながら、「SUUMOのオススメ検索」の中には、「築25年以上でも住宅ローン控除が使える可能性あり」にチェックを入れるとわずか約10件に絞り込まれます。
つまり「築25年以上でも住宅ローン控除が使える可能性のある物件」というのは、とても大きな差別化です。
具体的には、既存住宅瑕疵担保保険を付保すると、築25年以上でも住宅ローン控除が使える可能性が出てきます。
ポータルサイトの検索結果で優位に立つには、既存住宅瑕疵担保保険の付保がとても効果的です。
既存住宅瑕疵担保保険については、下記に詳しく記載していますぜひご参照ください。
まとめ
ポータルサイト対策で不動産を高く売却する方法を紹介について見てきました。
複数のポータルサイトへ網を張るには、複数の不動産会社への媒介依頼が欠かせません。
複数のポータルサイトへ掲載して、物件の露出度を高め、高い売却を目指しましょう。