空地を持て余していると、ハウスメーカーから「アパートを建てませんか」と営業を受けることがあります。そのうちの一社が大東建託です。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 大東建託ってぶっちゃけどうなの?評判はいい?
- 価格は安いけど、問題ないの?
- 大東建託を他社と比較した場合の違いや特徴は?
そこで今回の記事では土地活用における「大東建託」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことで、あなたは大東建託の特徴を知ることができ、アパート経営などの土地を活用する場合に、自分にあった企業かどうかが分かるようになります。
大東建託の業界の立ち位置
大東建託は、賃貸住宅管理戸数では20年連続1位、マンションを除く住宅供給戸数は8年連続1位、賃貸仲介件数は7年連続1位となっています。
土地所有者に対する土地活用提案も積極的に行っており、とても勢いのある会社です。
大東建託が建設業界の中で、どのようなポジションを占めるのか、以下に売上高ランキングを示します。
順位 | 企業名 | 売上高 | 分類 |
---|---|---|---|
1位 | 大和ハウス工業 | 3.5兆円 | ハウスメーカー |
2位 | 積水ハウス | 2兆円 | ハウスメーカー |
3位 | 大林組 | 1.8兆円 | スーパーゼネコン |
4位 | 鹿島建設 | 1.8兆円 | スーパーゼネコン |
5位 | 清水建設 | 1.5兆円 | スーパーゼネコン |
6位 | 大東建託 | 1.4兆円 | ハウスメーカー |
7位 | 大成建設 | 1.4兆円 | スーパーゼネコン |
8位 | 住友林業 | 1.1兆円 | 戸建建設 |
9位 | 長谷工コーポレーション | 0.8兆円 | マンション建設 |
10位 | 日揮 | 0.7兆円 | プラント製造 |
※出典:Ullet 建設業売上高
建設業全体としては、大東建託は6位となります。
ただし、これらの企業の中には、大林組や鹿島建設等のスーパーゼネコンも含みます。
スーパーゼネコンとは、総合大手建設会社の上位5社(鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、大林組)を指します。
スーパーゼネコンは、オフィスビルや商業施設等の大型建築物を手掛けており、一般の個人が依頼することはありません。
ちなみに東京スカイツリーのような国を代表する特殊建築物は、スーパーゼネコンである大林組が施工会社となっています。
アパート建築では3位
一方で、個人の土地活用でアパート建築等を行う場合、発注先として対象となってくるのが大東建託のようなハウスメーカーです。
ハウスメーカーだけをくくり出すと、
- 1位が大和ハウス工業
- 2位が積水ハウス
- 3位が大東建託
となっています。
1位と2位の大和ハウス工業と積水ハウスは、常にトップを争い続ける不動のトップ2です。
大東建託はこの2社には大きく水をあけられているポジションになります。
大和ハウス工業の賃貸物件は「D-room」、積水ハウスは「シャーメゾン」というブランド名で展開を行っています。
大東建託のブランド名は「DK SELECT」です。
「D-room」や「シャーメゾン」は、何となく知っている、見たことあるという人も多いかと思います。
一方で、「DK SELECT」という名前は、知らない人の方が多いのではないでしょうか。
大東建託は、業界の中では3番手であり、アパート建築においては、大和ハウス工業や積水ハウスと比較すると、若干、見劣りしているという感じです。
以上、ここまで大東建託の位置づけについて見てきました。
では大東建託にはどのような特徴があるのでしょうか。
大東建託の最大の特徴は「価格」
大東健建託の特徴は、何と言っても「価格の安さ」です。
トップ2である大和ハウス工業や積水ハウスに追いつくために、価格で勝負しています。
近年は、アパートの建築費は高騰を続けていますので、発注側としては、相見積を取ってなんとか価格を下げざるを得ない状況です。
国内の建設業界は職人不足が続いており、業界の構造的に価格が上がり続けています。
現在のアパート建築費は10年前と比較すると、信じられないような価格となっており、「建築費」は発注者の最大の関心事となっています。
ハウスメーカー同士で相見積を取ってみると、たいてい以下のような順番になります。
- 1位:大和ハウス工業
- 2位:積水ハウス
- 3位:大東健建託
他社の価格が高い理由
売上順位に比例して、見積金額も同様の順番になることが多いです。
ただし、大和ハウス工業や積水ハウスがイタズラに高いという訳ではなく、大東建託と比較すると仕様が高いということも理由です。
実際、大和ハウス工業や積水ハウスのアパートの施工例を見てみると、設備等のスペックが「かなり良い」ことが分かります。
見積時点では、細かいスペックが提示されないため、大東建託の提示してくる見積の中身がどのようなものか分かりません。
大和ハウス工業や積水ハウスのアパートを期待していたら、実際には仕様がかなり低かったというパターンも多いです。
見積の数字だけだと、「中身」がどのようなものなのか分かりません。
各社の直近の施工物件は見せてもらう
一番良いのは、各社の最近の施工物件を見せてもらうことをオススメします。
各社に対して、「今回頂いた見積と同等仕様の物件を見せてください」と依頼することが重要です。
値段が安いということは、使用が安い等の何らかの理由があるはずなので、安易に妥協せず物件を見てから決めるようにしましょう。
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以上、ここまで大東建託の特徴について見てきました。
では、大東建託の実際の施工に関してはどうでしょうか。
大東建託の施工の質はいいの?
施工の質は高くはない
大東建託の施工と言っても、実際に大東建託の社員が現場で工事を行うわけではありません。
建設業はすそ野が広いため、実際の工事は下請け業者が行い、大東建託は現場管理を行います。
大東建託に限らず、ハウスメーカーは下請け業者に対しては、かなり厳しい予算要求を迫ります。
ハウスメーカーの下請けは、仕事はたくさんあるのですが、儲からないことが多く、やりたがらない業者が多いです。
そのため、質の高い下請け業者は、安い元請け業者からは離れ、条件の良い業者に移っていくというのが建設業界に見られる全体の流れです。
そのような中、大東建託は価格勝負をしている元請け業者のため、下請けもかなり厳しいです。
すると、手抜き工事をするような下請け業者が残りやすい傾向にあります。
大東建託では、施工中もマナーが悪い業者が多く、隣地からクレームがあるようなケースも少なからずあります。
仲介担当者が持つイメージを確認しておく
はじめてアパート建築を依頼する人にとっては、大東建託の物件をどのように評価するかは難しいところです。
そこで1つ参考になる点として、実際に仲介をする不動産会社の意見があります。
現場で賃貸仲介を行っている不動産会社は、賃貸物件が大和ハウス工業の「D-room」や積水ハウスの「シャーメゾン」の場合、喜んで仲介をする担当者が多いです。
ところが、元施工が大東建託の物件の場合、少し二の足を踏む担当者もいます。
理由としては、大東建託の物件は施工不良が多く、入居者からのクレームが仲介した担当者に行くためです。
現場で賃貸仲介をしている担当者にとっては、大東建託の物件は少し不安です。
必ずしも全ての大東建託の物件に問題があるわけではありませんが、仲介担当者の中にはマイナスイメージを持っている人も多いです。
実際に入る個人の入居者にとっては、あまり「D-room」や「シャーメゾン」というブランドは重要ではないのですが、実は不動産会社はその辺のブランドを意識してしまっているのも事実です。
尚、大東建託が一括借上げをしていたとしても、実際に入居者を探すのは地元の不動産会社です。
大東建託から空き物件情報をもらい、色々な不動産会社が客付けを行っています。
そのため、長いアパート経営を考えると、不動産会社に支持を受けやすい物件を建てることも重要なポイントとなります。
必ずしも建築費の価格だけではなく、不動産会社の担当者たちに受けの良いブランドも考慮していく必要があります。
アパート経営のポイントは、イニシャルコストを抑えること入りも、良い鵜状態のランニングを維持することがポイントです。
アフターメンテナンス
また建物オーナーとして気を付けたい点は、アフターメンテナンスです。
アフターメンテナンスの良さは、正直言って、大和ハウス工業や積水ハウスの方が良いです。
建物は建てた瞬間だけでは、終わりません。
アパートであれば20年、30年というスパンで付き合わなければなりません。
この間、建物には様々な不具合が生じます。
アパート経営においては、これらのメンテナンス費用が馬鹿になりません。
アフターのメンテナンス体制がしっかりしており、修繕コストが抑えられる施工会社と契約することがポイントです。
以上、大東建託の施工について見てきました。
大東建託では、竣工後、一括借上げをしてくれるため、施工の質は気にしなくても良いのではないかとも思います。
ただし、一括借上げも落とし穴があります。
一括借上げの落とし穴と対策
一括借上げとは
大東建託に限らず、大和ハウス工業や積水ハウスも竣工後、一括借上げのサービスを行っています。
一括借上げとは、大東建託のグループ会社がアパートの全部屋を借上げ、空室保証をしてくれるというサービス
このような借上げ形式はサブリースと呼ばれます。
サブリースでは、アパートオーナーと大東建託のグループ会社が1つの賃貸借契約を結びます。
部屋が10戸あっても、20戸あっても、賃貸借契約は、大東建託のグループ会社との1本だけになります。
実際の入居者との賃貸借契約は、大東建託のグループ会社と入居者が契約します。
部屋が10戸あれば、大東建託のグループ会社が10戸分の賃貸借契約を締結します。
アパートオーナーから見ると、転貸の関係になります。
一括借上げでは、大東建託のグループ会社がアパートオーナーと入居者との間に入る形になります。
元々も賃貸人はアパートオーナーで、賃借人が大東建託のグループ会社になります。
さらに大東建託のグループ会社が転貸人となり、入居者が転借人になるという関係です。
一括借上げでは、アパートに空室が発生したとしても、転貸人である大東建託のグループ会社が転借人である入居者を募集します。
空室への対応は大東建託のグループ会社が行うことになり、アパートオーナーは特に何もすることはありません。
入居者からの要望やクリームに関しても、転貸人である大東建託のグループ会社が全て受けることになります。
アパートオーナーとしては、大東建託のグループ会社だけを相手にすればよく、アパート経営の心配を何もする必要がありません。
一括借上げの落とし穴
ところがこの一括借上げについては、落とし穴があります。
一括借上げは、アパートオーナーが大東建託のグループ会社と賃貸借契約を結びます。
これは普通の賃貸借契約であるため、賃借人である大東建託のグループ会社は、いつでも賃貸人であるアパートオーナーに対し、家賃減額の申入れをすることが可能です。
ここでポイントとなるのが、「いつでも」減額要求をできるという点です。
更新の時期とは限りません。
借地借家法の中では、家賃増減額請求に関して、以下のように定められています。
(借賃増減請求権)
第32条 建物の借賃が,土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により,土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により,又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし,一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には,その定めに従う。
借地借家法第32条の規定では、家賃の減額請求は更新時に限るとは規定していません。
そのため大東建託のグループ会社が家賃を下げたくなったら、いつでもアパートオーナーに減額請求ができるというのが原則です。
サブリースについても、一般の賃貸借と同様に借地借家法が適用されます。
サブリースの賃料減額請求については、最高裁(平成15年10月21日第3小法廷判決)でも認める判決を出ており、問題がありません。
仮にアパートに空室が多く発生した場合、大東建託のグループ会社は賃料の減額を要求してきます。
一括借上げは、空室は保証していますが、家賃は保証していないということを知っておく必要があります。
ひどい物件になると、毎年のように家賃の減額が生じる物件もあります。
アパート経営は一括借上げがあると言っても、決して油断できません。
大東建託の物件だと、空室が発生しやすいとまでは言いません。
大東建託では「いい部屋ネット」という賃貸仲介の独自のブランドも有しています。
ただ、認知度等は低いため、大東建託の物件は必ずしも埋まりやすいとも限らないのです。
長期的な視野に立つと、一時の建築コストだけでは決めず、中長期的な目線で空室が発生しにくいハウスメーカーはどこかという視点も重要になります。
仮にサブリース契約の中でも「家賃は減額できないものとする」等の特約を結んでも、それは無効になります。
サブリースの詳しいことについては、下記に記載しています。
まとめ
大東建託で土地活用をする前に知っておきたい注意点を見てきました。
確かに大東建託の建築費は安いですが、安いのにはそれなりの理由もあります。
アパート建築は何十年にもわたる大きな投資であるため、コストだけではなく、空室の発生にしにくさや、アフターメンテナンス等も加味して決定するようにしましょう。