なかなか売れなくて困る不動産の一つに「古い家」があります。
解体には費用がかかり、おまけに解体しても売れるかどうか分かりません。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 古い家を売却したいが、どうした良いか知りたい
- 解体にお金はかけたくないし、更地にすると土地の固定資産税が上がるので困る
- 今の古い家をそのまま売却したい
そこでこの記事では、「古い家の売却」にフォーカスしてお伝えします。
この記事を読むことであなたは、古い家の効果的な査定方法や、壊さずに売却する方法について知ることができます。
古い家の査定方法と取り壊すかどうかの判断基準
古い家を売る場合、取り壊すべきかどうかは、査定価格を取ることでハッキリします。
取り壊すべきかどうかの判断は、素人考えで行うべきではなく、査定価格を取って理論的に判断する必要があります。
古い家の査定を依頼する場合、以下の2つの価格を査定依頼することがポイントです。
- 取壊さずに売却した場合の価格
- 更地価格
「取壊さずに売却した場合の価格」と「更地価格」の2つの価格を知ることで、今の家を取り壊すべきかどうかの判断の指標となります。
そのまま売るのか取り壊して売るのか
そのまま売るか、取り壊して売るかは、2つの価格が以下のような関係になった場合に判断を行います。
- そのまま売る:「取壊さずに売却した場合の価格」>「更地価格」
- 取り壊して売る:「取壊さずに売却した場合の価格」<「更地価格」
「取壊さずに売却した場合の価格」が「更地価格」よりも低くなる場合とは、買主が建物を取り壊すことを前提としている価格です。
土地価格から建物取壊し費用を控除するため、更地価格よりも安くなります。
取り壊して売る家の査定価格の出し方
査定価格 = 更地価格 - 建物取壊し費用
「取壊さずに売却した場合の価格」が「更地価格」を上回っているときは、取り壊す必要はないので、そのまま売却するべきという判断になります。
取り壊しにはお金がかかります。
- 木造:1坪当たり4~5万円
- 軽量鉄骨造:1坪当たり6~7万円
また、1社の不動産会社の意見だけ取り壊しを行うべきかどうかを決めるべきではありません。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、理論的な判断を行うようにしてください。
後ほど複数の不動産会社に査定するオススメの方法を紹介します。
以上、ここまで古い家の査定方法について見てきました。
次に自分で査定価格を調べる方法をお伝えします。
古い家の査定価格を自分で調べる方法
古い家は自分でもある程度、査定をすることが可能です。
まず、木造の戸建住宅であれば、築25年を過ぎた建物であれば建物価格はゼロです。
建物価格がゼロであれば、残りは土地価格のみになります。
土地価格は、相続税路線価を使って求めます。
相続税路線価は国税庁のホームページの財産評価基準書で確認できます。
相続税路線価は、市場価格の80%程度で価格が振られています。
そのため、相続税路線価の値を0.8で割り戻すことで市場価格が分かります。
例えば前面道路に「60E」と記載されていた場合、その土地の路線価は60千円/㎡ということです。
路線価が60千円/㎡で、土地面積が130㎡ある場合の土地価格は以下のように求められます。
土地価格 = 130㎡ × 60千円/㎡ ÷ 0.8 = 9,750千円
古い家の査定価格は、更地価格となることが多いです。
査定を依頼する前に、およその更地価格を把握しておきましょう。
路線価の見方は下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまで自分で簡単に査定する方法について見てきました。
では、古い家は実際にどのように売却すれば良いのでしょうか。
古い家を売却する5つの方法
この章では古い家を売却する4つの方法についてご紹介します。
- そのまま売ってくれる不動産会社を探す
- 買取を利用する
- 古民家専門の不動産会社に打診する
- 古家付土地で売却してみる
- 空き家バンクに登録する
それぞれ見ていきましょう。
方法1.そのまま売ってくれる不動産会社を探す
壊さずに売却する一番単純な方法としては、そのまま売ってくれる不動産会社を探すこと。
まずはこれを実施してください。
古い家は、不動産会社も売却するのが面倒なことから、不動産会社に相談すると「取り壊して更地にしてください」とアドバイスされることがあります。
古い家は、設備の不具合など、問題を多く抱えているため、そのような住宅を売却すると、買主が後から「こんなこと聞いていない!不動産会社の説明不足だ!」と訴えられることがあります。
問題のある古い家を仲介すると、不動産会社は足元をすくわれかねないため、積極的に関わらない会社も多いです。
不動産会社としては、更地の方が責任は軽く仲介しやすいということがあります。
そのため、古い家の売却を面倒臭がる不動産会社に当たってしまうと、取り壊しの方に誘導されてしまいます。
古家でも嫌がらない不動産会社を探すのが大事
取り壊さずに売るには、まずは、古い家でも仲介を引き受けてくれる不動産会社を探すことが第一歩になります。
古い家でも仲介を引き受けてくれる不動産会社を探すには、無料の一括査定サイトを利用するのがオススメ。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
最大6社程度の不動産会社を集めることができるため、古い家がある状態で売却を手伝ってくれる不動産会社を見つけることができます。
また、一括査定サイトを使えば、様々な要望ができます。
「家付きで良いのか更地が良いのかアドバイスください。」と一言添えると、より良い提案がもらえるようになります。
一括査定サイトで不動産会社を探すことが、一番コストがかからず、しかも効果的です。
一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。
ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。

古い家をそのまま売却する場合には、まずは条件に合った不動産会社探しから始めましょう。
方法2.買取を利用する
なかなか売れない古い家は買取を利用するのも一つです。
買取とは、買取業者と呼ばれる不動産会社への売却
買取業者は転売を目的としていますので、仕入を目的として安く購入します。
価格は安くなってしまいますが、確実に売却できるというメリットがあります。
固定費が負担で、早く手放したい人には買取はオススメと言えます。
買取を利用した場合の売却価格目線は、市場価格の80%程度が一般的です。
取り壊しを要するような建物の場合、買取業者が取り壊しを行いますので、さらに取り壊し費用相当分も減額となります。
取り壊しを要する古い家の買取価格
買取価格 = 更地価格 × 80% - 取り壊し費用相当額
買取も一括査定サイトで買取業者の見積比較を行うことができます。
買取の査定額は、そのまま買取業者が購入を保証する金額であるため、十分に比較検討して高く購入してくれる買取業者を探すことが重要です。
前述で紹介した「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」を使えば探すことが可能。
買取の査定は、できるだけ多くの買取業者に見積もってもらった方が高く購入してくれる買取業者が見つかる確率が上がります。
できるだけ多くの買取専用の一括査定サイトを使い、少しでも高く売却する工夫をしましょう。
方法3.古民家専門の不動産会社に打診する
古い家も古民家という切り口で売却すると、高く売れます。
首都圏では古民家が大人気ですので、明治や大正から建っている建物は高い価格で取引されていることもあります。
古民家と言っても、味わいがあれば、築30年未満の建物でも古民家として売り出すことは可能。
古民家として売却するには、以下のような古民家専用サイトに物件登録することで、古民家を求めている人たちに直接売却していくことが有効です。
また、千葉県限定にはなってしまいますが、「田舎暮らし!千葉房総ねっと」というサイトも存在。
古い家を売るノウハウが詰まったとても良いサイトですのでここであえて紹介させて頂きます。
「田舎暮らし!千葉房総ねっと」は、古い家を魅力的な古民家として扱い、都心から移住したい人たち向けに物件を販売しているサイト。
情報発信の仕方が非常にセンス良く、普通の古い家でも魅力的な古民家として販売しています。
売却の仕方としては、とても参考になるため、ぜひ一度サイトを閲覧してみることをオススメします。
方法4.古家付土地で売却してみる
古い家がある場合、「古家付土地」として売る方法があります。
こざかしい売却テクニックではありますが、意外と効果はあります。
古い建物を売ろうとするのではなく、ターゲットをすり替えて更地を購入したい人向けに売却活動を行うということ。
古家付土地とは「この商品は更地ですよ、ただし古家が残ったままですけど・・・」という広告文句です。
物件を古家付土地にすることで、ターゲットが土地を求めている人に変わります。
土地を求めている人の中には、安く購入できるなら自分で取り壊しを行っても良いという人たちも存在します。
古い家は邪魔だけど、土地だけ見れば魅力的という物件はたくさんあります。
古い家を「古家付土地」と表現することで、見る人や見え方が変わり、価値が生まれることもあるのです。
古家付土地としての売却もオススメの方法となります。
なお家を取り壊して更地で売りたい方は下記記事で詳しく解説しています。

方法5.空き家バンクに登録する
色々対策をしたけど、それでも売れない場合は空き家バンクの活用も一つ。
空き家バンクとは居住者のいない空き家を活用し、地域振興などにつなげるために市町村等の自治体が空き家を紹介する制度
空き家バンクは全ての自治体であるわけではありません。
空き家バンクは、簡単に言うとSUUMOやアットホーム等のような不動産ポータルサイトの自治体版。
SUUMOやアットホーム等のような不動産ポータルサイトは「すぐ貸せる・すぐ売れる」という物件しか載せることができません。
ただし、空き家バンクは片付けができていない物件や、親が健在で「将来、売却したい」という未来の物件も載せることができるのが特徴。
空き家バンクには掘り出し物の物件もある可能性があるため、熱心に物件を探している購入者も存在します。
売却のチャンスを広げることができるので、自治体に空き家バンクがある場合には、ぜひ活用するようにしてください。
空き家バンクは、アットホームのページから探すことができます。
まとめ
古い家の売却はどうすれば良いのかということや、壊さずに売るポイントについて見てきました。
古い家は、不動産会社を変えたり、古民家や古家付土地と表現したりすることで、取り壊さずに売却できるようになります。
まずは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」を使って、不動産会社を探しましょう。