親が老人ホームに入居する際に行う不動産売却の注意点を徹底解説

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先の衆議院解散選挙では、少子高齢化は日本の国難として位置づけられたようです。

高齢化においては親が老人ホームに入居することも多いですが、不動産では親の老人ホーム入居に関しては注意が必要となります。

結論からすると、親が老人ホームに入った場合、本来、使えるはずだった不動産の税金特例が使えなくなるケースもあり得ます。

これから親が老人ホームに入るもしくは既に老人ホームに入っている人の中には、

  • 親が老人ホームに入った後の家はどうしたら良いだろうか
  • 親が老人ホームに入った後の注意点を知りたい
  • 親が老人ホームに入ると税金の特例が使えなくなるのか知りたい

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では、親が「老人ホーム」に入居したときの不動産の注意点にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは親が老人ホームに入居した場合における不動産の売却や相続についての注意点を知ることができます。

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1.老人ホーム入居と空家の関係

不動産は売却した際、売却益が生じると所得税が発生します。

また相続した際、相続財産が基礎控除額以上である場合は相続税が発生します。

ただし、売却したときの所得税や、相続したときの相続税は、どんな不動産に対しても等しく適用されるわけではありません。

マイホームなどのように生活の基盤になるような不動産の場合には、税金負担が重くならないような様々な特例が設定されています。

不動産税制においては、一般庶民がマイホームを売却した場合や相続した場合に、あまり税金がかからないようにするための制度設計がなされています。

親の不動産であっても、居住用財産としての要件を満たしているものであれば、制度上、所得税や相続税は発生しにくいようになっています。


ところが、親が一人暮らしであり、その親が老人ホームに入居すると、その家は「空家」となります。

一口に空家と言っても、何十年も空家の家もあれば、最近空家になったばかりの家もあります。

これらの空家を全てマイホームとして税金の特例を認めてしまうのもキリがありません。

そのため、親が老人ホームに入って空家となった場合、一定の要件を超えてしまうとそれが居住用財産とみなされなくなります。

そこで、まず売却においてどのような状態になると居住用財産としてみなされなくなるのかその要件を見ていきます。

2.3,000万円特別控除と注意点

不動産を売却した場合、譲渡所得が発生すると所得税が生じます。

譲渡所得とは売却益のようなものであり、式で表すと、以下のように計算されるものになります。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

※譲渡価額:売却額
※譲渡費用:仲介手数料等の売却に要した費用
※取得費:売却した不動産を購入したときの価額(建物は減価償却後の価額)

 

親が昔から持っている不動産を売却する場合、取得費が不明のケースも多いです。

取得費が不明の場合には、原則として概算取得費と呼ばれる取得費を用います。

概算取得費は、譲渡価額の5%となります。

概算取得費を用いた場合や、取得費が小さい場合等においては、課税譲渡所得がプラスとなります。

課税譲渡所得がプラスになると、所得税が発生してしまいます。

居住用財産(マイホーム)を売却した際に、多額の税金が発生するのでは、税負担が非常に重くなります。

そこで、居住用財産を売却した場合には、3,000万円の特別控除という制度が設けられています。

3,000万円の特別控除を適用すると課税譲渡所得は以下のようになります。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

この特例によって、課税譲渡所得がマイナスとなれば所得税は発生しません。

仮にプラスであっても、3,000万円分を控除できるので、課税譲渡所得はかなり少なくなります。

ただし、不動産が居住用財産としてみなされるには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  2. 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  3. 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  4. 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

ここで、ポイントとなるのが、売却は本人が「転居してから3年後の12月31日まで」の売却であるという点です。

この間、第三者に貸付を行っても適用されます。

転居には、老人ホームへの入居も含まれます

つまり、親が老人ホームに入居した後に、3年後の12月31日を超えた段階で売却してしまうと3,000万円の特別控除が適用できなくなります。

親が老人ホームに入居した後に、空家となってしまった家を売却する場合は、入居から3年後の12月31日までに売却しないと思わぬ税金が発生する可能性があります。

親が老人ホームに入ると、家を長期に放っておく人がいます。

売却は親本人の意思によるものですが、親が老人ホームへ入る際は、特例のことを教えてあげるようにしてください。

以上、ここまで売却する場合の居住用財産の特例要件について見てきました。

それでは次に相続する場合の要件について見ていきます。

3.小規模宅地等の特例は適用可能

 

個人が、相続した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので330㎡までの部分については、評価額を80%減額できる制度があります。

これを小規模宅地等の特例と言います。

土地の評価額を80%も減額してくれるため、この特例は相続税の発生の有無を決定するほど影響力のある特例であり、最も重要な特例になります。

小規模宅地等の特例を適用すると、例えば土地の相続税評価額が5,000万円の土地であっても1,000万円(▲80%)として評価してくれます。

小規模宅地等の特例は、2015年1月の相続税法の改正により、親が老人ホームに入居して空家となった家の土地に対しても適用されるようになりました。

2015年1月の相続税法の改正には、アメとムチの両方がありますが、この老人ホーム入居のための空家を小規模宅地等の特例の範囲と認めた改正に関しては、「アメ」の部分になります。

そのため、親が老人ホームに入居した後に、相続が発生したとしても、小規模宅地等の特例は利用可能です。

ただし、老人ホーム入居後に、被相続人等以外の者の居住の用とした場合、つまり誰かに貸した場合等は小規模宅地等の特例は適用できませんので注意が必要

以上、ここまで小規模宅地等の特例は適用可能について見てきました。

親が老人ホームに入居した後の空家については、他人に貸すなどの有効活用したくなりますが、その活用には注意が必要です。

そこで次に2つの特例の違いと注意点について見ていきます。

4.2つの特例の違いと注意点

親が老人ホームに入居した後の空家の活用次第で、「3,000万円の特別控除」と「小規模宅地等の特例」では、その適用の可否について大きな違いがあります。

3,000万円の特別控除では、親が老人ホームに入居した後の空家を他人に貸しても適用を受けることができます。

3,000万円の特別控除で重要なポイントは、転居してから3年後の12月31日までの売却の実行であるため、その間に他人に貸付を行っても構いません。

一方で、小規模宅地等の特例においては、一度、他人へ貸付を行ってしまうと、被相続人の居住のように供されていた宅地とはみなされなくなり、小規模宅地等の特例は適用できなくなります。

そのため、相続が近い場合には、たとえ転居してから3年後の12月31日まであっても、空家を他人に貸してはいけません。

他人への貸出について、2つの特例の違いをまとめると、下表のようになります。

このように2つの特例は第三者の貸出について、全く逆の立場を取っています。

特例第三者への貸付
3,000万円の特別控除OK
小規模宅地等の特例NG

3,000万円特別控除は、不動産を売却する親本人が便益を受ける特例です。

ケースとしては、親が老人ホームに入居した後、自宅を売却して自分の老後費用に充てたい場合の売却等が考えられます。

自分で老人ホーム入居後に自分の不動産を売却する場合には、3年間くらいは他人へ貸してもOKということになります。

一方で、小規模宅地等の特例は、相続する相続人が便益を受ける特例です。

この場合、子供たちが得する話なので、親の不動産を他人に貸すようなケースでは特例を認めないというスタンスを取っています。

老人ホーム入居後の空家については、安易に他人に貸してしまう前に、売却や相続の可能性を見極めることが重要です。

5.まとめ

以上、親が老人ホームに入居する場合の不動産売却と相続の注意点について見てきました。

2つの特例は似て非なる特例ですので、親が老人ホームに入居する際は、どちらの特例を使う可能性があるのかを含めて、その後の活用方法を決めるようにしましょう。

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