生活保護を受けるために土地や持ち家は売却しなければならないの?条件は?

生活保護を受けるために土地・建物は売却しなければならないか徹底解説

高齢者の単身世帯が増加する中、生活保護を受給している世帯は増えつつあります。

厚生労働省の発表(2019年7月時点)によると、生活保護の世帯数は1,637,264世帯に上りました。

また2020年になってからは、新型コロナウイルスの影響により、仕事と収入の減少または喪失に見舞われ、生活困窮に陥る人々が増え始めています。

ヤフーニュースに掲載された情報によると、2020年3月に厚生労働省に申請された生活保護の件数は2万1026件と、前年同月比で7.4%増えました。

今後予算が限られてくる中で、受給世帯が増えるとなると、受給要件が厳しくなっていくことが予想されます。

そのため自分が生活保護を受けられるかどうか、気になっている方も多いことでしょう。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 自分は生活保護を受けることができるのだろうか
  • 資産を持っていると生活保護を受けられないというのは本当だろうか
  • 不動産を持っているあの人は、なぜ生活保護を受けられるのだろうか

そこで今回の記事では、「生活保護と土地・建物」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは、生活保護の要件を理解し、自分が生活保護を受けられるかどうか判断できるようになります。

本記事の要点まとめ

  • 住宅ローンが残っている家がある場合は生活保護を受けられない
  • 住宅ローンが残っていなくても、家の売却活動をしているのを証明する必要あり
  • 複数の不動産会社から査定を取り売却活動をしているのを証拠とする
    ※詳細は「4.保有していても生活保護が受けられる不動産」をご確認ください。
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.生活保護を受けるための要件

生活保護とはどんな制度なのか

生活保護とは、経済的な理由から生活が困窮している人に対し、「生活保護費」を支給し最低限の生活を保障する制度

そのため受給するためには、経済的な困窮に陥る状況になっていることを客観的に示す必要があります。 

要件としては、世帯員全員が、利用し得る

  1. 資産
  2. 扶養義務者の扶養
  3. 能力
  4. その他あらゆるもの

の4つを活用しても、なお厚生労働大臣基準の生活費に満たないという状況であれば生活保護を受けることができます。 

生活保護の4つの要件

言い換えると以下のような要件になります。 

  1. 資産を持っていないこと
    • 預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等をしないと生活保護が受けられません。ただし後ほど説明しますが、例外があります。
  2. 扶養義務者の扶養がないこと
    • 親族等が働ける状態で援助を受けることができる場合は、生活保護が受けられません。
  3. 働ける能力がないこと
    • 資産と援助もない上で、病気やけがなどにより働けない状態でない限り、生活保護は受けられません。
  4. その他あらゆるものを活用しても基準に満たないこと
    • 年金や高齢福祉手当、身体障碍者福祉手当など他の制度で給付を受けている場合は、その活用が前提であり、それでも世帯の収入が厚生労働大臣基準の最低生活費に満たない場合でないと、生活保護は受けられません。

次に生活保護の扶助項目について見ていきましょう。

生活保護の8種類の扶助項目

生活保護は、以下の8種類の項目に分かれており、必要に応じて単給または併給されます。

扶助される額は、住んでいる地域や世帯の人数、家族構成などで扶助される額が変わりますので、お住まいの地域の役所や福祉事務所などに確認してください。

扶助名内容
生活扶助食費、被服費、光熱費等の日常生活に必要な費用
教育扶助義務教育を受けるために必要な学用品費
住宅扶助アパートの家賃や地代
医療扶助医療サービスの費用
介護扶助介護サービスの費用
出産扶助出産費用
生業扶助技能習得費、就職支度費等の就労に必要な費用
葬祭扶助葬祭費用

以上、ここまで生活保護の受給要件や扶助項目について見てきました。

ここからは、受給要件の中で「資産を持っていないこと」に関する部分に詳しく触れていきます。

2.経済的自立のための資産の活用とは

生活保護の受給するためには、既に経済的自立のためにあらゆる努力をしつくした状態であることが求められます。

その努力の中に「資産を活用すること」があります。

生活保護の受給申請に行くと、まず福祉事務所から資産を「活用」するよう指導を受けます。

具体的な指導内容

「活用」なので、必ずしも不動産を「売却」ではありません。

例えば所有している不動産を安い賃料で貸している人に対しては、家賃を上げるように指導されます。

また自分が賃貸に住んでおり、所有している家に誰も住んでいないような場合には、所有している家に住むように指導を受けます。

さらに持ち家に住んでいて部屋が余っているようであれば、それを人に貸して家賃収入を得るように指導されることもあります。

売却という指導もある

これらは全て資産の活用の指導となります。

まずは売却の前に、持っている不動産を色々活用してお金を作ることが前提。

ただ、活用が実現できない場合には「売却」という指導になるのです。

そのため持ち家を持っているからといって、生活保護が受けられないという訳ではありません。

以上、ここまで資産の活用について見てきました。

ここで持ち家については、

  1. 保有していてはいけない不動産
  2. 保有していても良い不動産

があります。

そこで次に持ち家の種類について見ていきましょう。

3.住宅ローンが残っている不動産を持っている場合は生活保護を受けることができない

持ち家の中で住宅ローンがまだ残っている家に住んでいる方は、生活保護を受けることができません。

このような人に生活保護を認めてしまうと、生活保護費によって住宅ローン返済をすることで資産を増やすことを援助してしまう形になるから。

生活保護は、あくまでも必要最低限の生活を維持してもらうためのお金であり、その個人の資産を増やすことではありません。

このような考えから、住宅ローンが残っている持ち家に住んでいる人は、生活保護を受けられないのです。

住宅ローン付の持ち家に住んでいる人は、まずその家を売却してからでないと生活保護を受けることができません。

恐らく、住宅ローン付の家に住んでいて生活保護を受けたい人が多いため、不動産を持っているイコール生活保護を受けられないという噂が浸透しているのだと思われます。

すぐに生活保護を受けたい場合は売却をする

住宅ローン付の土地や建物を持っているが、すぐにでも生活保護を受けたい場合は、売却する明確な意思を伝えて交渉する必要があります。

売却と言っても意思表示しただけではなかなか前に進みません。

福祉事務所も本当に売却活動をしているのか具体的な確認を求めてきます。

そのためには、実際に不動産査定を取り、不動産会社と契約をした上で、売却活動報告を受けておくことが必要です。

専属専任媒介契約や専任媒介契約であれば、不動産会社から定期的な報告を受けることができます。

不動産会社の協力も得ながら、スムーズな売却を行いましょう。

ここで、1点注意点があります。

もし売却前に生活保護が認められた場合、保護を受けた後に売却をすることになります。

そうすると、大きな売却代金が後から入ってくるので、保護開始から売却までに支給された生活保護費については返還の対象となります。

4.保有していても生活保護が受けられる不動産

住宅ローンのない家は保有できる

住宅ローンが付いていない家に関しては、保有することが認められています。

また家以外でも農地など、農業で使っている土地についても保有することが認められます。

さらに近い将来駐車場にして活用する見込みがある土地であれば保有が認められます。

値段の高い不動産は売却指導がある

ただし、このような家であっても売却すると高い金額で売れるような不動産であれば、売却を指導されます。

高い金額というのは、福祉事務所それぞれによって基準が異なります。

2,000万円~3,000万円以上で売却できるようであれば、売却を指導されます。

一括査定サイトを使う

売却を指導される金額については、ハードルが少し低いです。

都心部の物件であれば、すぐにそのハードルを越えてしまいます。

自分の持ち家の価格をよく調べてから福祉事務所に行かないと、売却を指導される可能性があります。

不動産の売却価格を調べるには、無料の一括査定サイトが便利です。

一括査定サイトでは6社程度の不動産会社から一度に査定額を取ることが可能。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

1社だけの意見ではないため、福祉事務所に対して説得力を持って説明することが可能です。

基準以下の売却価格であれば、住み慣れた家を売却して引っ越す必要もありません。

まずは持ち家の値段をしっかりと把握することから始めましょう。

不動産一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
  • 【1都3県・大阪・兵庫・京都・奈良】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
知名度がある大手に依頼すれば問題ないですか?
売却を成功させるなら大手・中堅・中小を幅広く依頼した方がいいぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

以上、ここまで保有していても良い不動産について見てきました。

5.まとめ

生活保護を受けるために土地や持ち家は売却しなければならないか解説しました。

ローン付の土地建物を持っている方は、まず売却となります。

またローンが付いてなくても、値段次第では売却が指導されます。

土地建物を所有していて生活保護を受けたい人は、まずは 「 すまいValue 」「 HOME4U などの一括査定サイトで価格を調べることから始めてみるのが良いでしょう。

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