賃貸中の家やマンションを売却するときの注意点と早く高く売るコツ

賃貸中の家やマンションを売却するときの注意点と早く高く売るコツ

保有していた昔の家を人に貸していたところ、病気等でまとまったお金が必要となり、売却するというような話はよくあります。 

投資家でもない限り賃貸中の不動産を売却するのはどうしたら良いのか分からない方も多いです。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 賃貸中の不動産はどのように売却したらいいのだろうか
  • 賃料とか預かっている敷金はどうなるのだろうか
  • 賃貸物件特有の特別な書類が必要なのだろうか

そこで今回の記事では「賃貸中」の家やマンションの売却についてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは賃貸中の物件売却で気を付けるべきポイントが分かり、スムーズに売れるようになります。

本記事の要点まとめ

  • 賃貸中の物件を売却する方法は2つ
     ①賃貸中のまま売却する(オーナーチェンジ) ②入居者に退去してもらい、空室として売却する
  • 預かっている敷金や受領している賃料は精算する
  • 賃貸物件の売却に弱い不動産会社も存在する
    ※詳細は「5.これから投資用不動産を売却するなら「まずは査定依頼から」」で詳しく説明しています。
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

通常の物件と賃貸中物件の売却の4つの違い

不動産業界では、賃貸中のまま、住人が住んでいる状態で物件を売却することがよくあり、これをオーナーチェンジといいます。

オーナーチェンジとは、賃貸住宅の所有者が、入居者が入ったままの状態で、その住宅を売却すること

既に入居者のいる賃貸中の物件は購入した月以降も安定した家賃収入が入るため、喜んで購入する投資家が多いです。

この章では、通常の物件とオーナーチェンジの物件の売却の違いについてお伝えします。

通常の物件とオーナーチェンジ物件の売却の4つの違い

  • 買手が得られる情報が少ない
  • 敷金・保証金の引継ぎ
  • オーナーとしての地位の引継ぎ
  • 税金の扱い

買手が得られる情報が少ない

オーナーチェンジ物件は入居者がいるため、新たな買主が内覧できないことが多いです。

代わりに、物件情報や仕様などを詳細に説明できる準備をし、リフォームなどで内装を変更しているときは、その情報も伝えるようにしましょう。

敷金・保証金の引継ぎ

基本的に入居者が預けた敷金・保証金は賃貸契約解約の際に入居者に返さなくてはいけないので、敷金・保証金は次の買主に引き継ぎますので、敷金の所在は明確にしておきましょう。

オーナーとしての地位の引継ぎ

賃借人にはオーナーが変わったことを知らせる必要がありますが、事前に売却をすることを賃借人に伝える義務はありません。

賃貸中の物件は借主の了解を取る必要はなく、売却後の「事後通知」で十分です。

税金の扱い

マイホームの売却によって譲渡益が出た場合、控除が使えたり、損失が出た場合は繰り越せたりなどの特例(マイホーム売却時の特例、3,000万円控除)がありますが、賃貸中の物件(収益物件)には適用されません。

投資用物件の売却で生じる税金については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考投資用マンション売却で生じる消費税などの税金の扱いと確定申告について解説

これまで賃貸中の家が安くなる理由について見てきましたが、次に賃貸中の物件を売却する2つの方法についてお伝えします。

賃貸中の物件を売却する2つの方法

賃貸中の物件を売却する方法は以下の2つです。

賃貸中の物件を売却する2つの方法

  • 賃貸中のまま売却する(オーナーチェンジ)
  • 入居者に退去してもらい、空室として売却する

方法① 賃貸中のまま売却する(オーナーチェンジ)

1つ目の方法は、賃貸中のまま物件を売却する方法です。

賃貸中の不動産売却では、借主の了解を取る必要がないという点がポイントです。

借主からすると、ある日突然「来月から賃料はこちらに振り込んでください。」という一方的な通知が来て驚くことになりますが、これは特に違法ではありません。

借主に了解を取ることなく自由に物件を売買できるのは、所有者に認められた正当な権利。

例えば、何社もテナントが入居している雑居ビルを売る場合、いちいち全テナントの了解を取っていたら売主は何もできません。

そのため、賃貸中の物件は借主の了解を取る必要はなく、売却後の「事後通知」で十分なのです。

方法② 入居者に退去してもらい、空室として売却する

2つ目の方法は、入居者に通知して退去してもらってから、空室状態で売却する方法です。

空室となった物件を、居住用物件として売るか、投資用物件として売るかは、売主が選択します。

それぞれの選び方として、以下を参考に検討してみてください。

  • 1R・1Kなどのコンパクトなマンションやアパート:投資用物件として売却
  • 1LDK・2DK以上の大きさの物件:居住用として売却

上記を参考にしながら、居住用物件として売るか、投資用物件として売るかは、不動産会社と相談しながら決めるのがスムーズです。

また、空室状態であれば居住用物件として売る際に、内見することもできるので物件の魅力が買主に伝わりやすくなります。

「定期借家契約」なら期間満了時に退去可能

入居者がいても物件の売買は自由にできますが、不動産の賃貸契約は借りる側の権利を法律で保護するという考え方が根本にあるため、入居者を退去させることはできません。

基本的に入居者を退去させることはできないですが、「定期借家契約で、期限を迎えたとき」は例外になります。

賃貸物件における借家契約(賃貸借契約)には「普通」「定期」の2種類があり、主に以下の違いがあります。

  • 普通借家契約:期間の定めがない
  • 定期借家契約:期間の定めがある

定期借家契約であれば、期限を迎えれば退去してもらうことができますが、期限が到来する半年前を目安に借主に「半年後に定期借家契約の期限がありますので退去の準備をしてください」と伝える必要があります。

入居者に退去してもらってから、マンションを売却したい方はまず最初に「定期借家契約」であるか確認して、契約期限が過ぎた後から売却活動を始めるようにしましょう。

「普通借家契約」でマンションを貸している場合、オーナー都合で急に退去してもらうことが難しいため、オーナーチェンジの方法で売却することをオススメします。

ここまで賃貸中の物件を売却する2つの方法について見てきましたが、次は賃貸中の物件を売却した際の敷金や賃料の精算方法についてお伝えします。

預かっている敷金は精算する

敷金とは借主のお金

賃貸中の物件を売却する際、気を付けなければならない点があります。

それは入居者から預かっている敷金です。

借主と契約する際、敷金を賃料の2~3ヶ月分程度預かっている人も多いと思います。

この預かりっぱなしの敷金ですが、売却時は一旦、借主に返さなければいけないのか疑問に感じるところです。

敷金については、通常「借主」ではなく、「買主」との間で精算をする手続きを行います。

本来、敷金とは貸主に預けているだけのお金なので、借主のお金です。

売却後、借主が退去しても、戻ってくるはずのお金になります。

借主が退去した際は、オーナーである賃貸人から敷金の返還を求めることができますが、そのオーナーとは退去時点のオーナーになります。

つまり賃貸中の不動産を売却した場合は、敷金返還債務も新しい所有者へ移転することになるのです。

敷金の精算方法

具体的には、以下のように精算を行います。 

売買代金3,000万円
預かり敷金30万円
実際に売主が受領するお金2,790万円(=3,000万円-30万円)

ただし、過去に借主に賃料の不払いがあり、既に敷金を賃料に充当していた場合には、その額を減額して精算することになります。 

賃貸人の地位承継通知書及び同意書の書式

敷金の精算はあくまでも売主と買主のやり取りだけであって、当の借主は本当に新しい買主から敷金を返してもらえるか不安になります。 

そこで借主にも賃貸人の地位がちゃんと移ったことを確認してもらうために、通常は売却後に「賃貸人の地位承継通知書及び同意書」というものを「売主」・「買主」・「借主」の3者で締結することになります。

賃貸人の地位承継通知書及び同意書とは以下のような書式です。 

平成29年〇月〇日

賃貸人の地位承継通知書及び同意書

借主 □□ □□ 様

旧賃貸人 東京都○○区○○

○○ ○○ 印

所有者兼新賃貸人 東京都○○区○○

△△ △△ 印

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、貴社に賃借いただいております「××」(以下、「本物件」といいます。)につきまして、平成29年〇月〇日付で△△ △△が本物件の新賃貸人となりました。
従いまして、□□ □□様と○○ ○○との間で締結した賃貸借契約に基づく賃貸人の地位について平成29年〇月〇日をもって、○○ ○○から△△ △△が承継いたしましたのでご通知いたします。つきましては、下記事項につき、ご通知申し上げますので、お忙しいところ大変恐縮ですが、内容をご確認のうえ、末尾記載の「同意書」をご提出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.□□ □□様と○○ ○○との間に取り交わされている賃貸借契約は、現状のまま新賃貸人に有効に引継がれます。
2.賃借人に返還を要する敷金については、新賃貸人に免責的に承継されますので、これらの返還義務は新賃貸人が負うことになります。(将来、本賃貸借契約が終了した場合には、△△ △△が本賃貸借契約の条項に基づき同契約上の賃貸人として保証金を預り証と引き換えに貴社に返還させていただくことになります。)
3.平成29年〇月1日よりご請求させていただきます平成29年◇月分賃料等及び、それ以降の賃料等については、新賃貸人指定の口座宛にお振込下さい。

新振込先 

銀行名:××銀行 支店名:○○店 預金種目:普通 口座:0000000
取人:△△ △△

以上

同 意 書

平成29年〇月〇日

旧賃貸人         ○○ ○○ 様
所有者および新賃貸人   △△ △△ 様

上記の各事項につき確認し、賃貸人の地位が○○ ○○から△△ △△に承継される事に同意致します。

賃貸人 □□ □□ 印

以 上

同意を得るのは借主を守るため

法的には賃貸中の不動産を売却した際、通知だけで足りますが、借主から同意まで得るのは借主自身を守ることが理由です。

この同意書を借主が発行することにより、敷金が新所有者から戻ってくることが明確となります。

賃貸人の地位承継通知書は、賃貸中の不動産を売却した際に発生する特別な書類となります。

以上、ここまで敷金について見てきました。

それでは次に賃料の精算について見ていきます。

受領した賃料は精算する

既に受領した賃料は買主へ渡す

敷金の次に問題となるのが賃料です。

賃料は翌月分を当月20日末払いで受け取るなど「先払い」の風習があります。

例えば、4月22日に売買の引渡を行った場合、既に5月分の賃料を売主が受領してしまっている場合があります。

本来であれば、賃料は4月22日から買主にもらう権利が発生。

そのため売却時点では売主が既に受領している

  1. 5月分の賃料
  2. 4月22日から4月30日までの日割賃料

を買主へ渡す必要があります。

賃料の精算

上記敷金に加え、賃料も清算すると、具体的に以下のように精算を行います。

売買代金3,000万円
預かり敷金30万円
売主が既に受領している賃料17万円 (「5月分の賃料」と、「4月22日から4月30日までの日割賃料」)
実際に売主が受領するお金2,753万円 (=3,000万円-30万円-17万円)

その他の精算

また、住宅以外の賃貸物件では、付加使用料や看板使用料、駐車場代、自販機収入、町会費等のお金も動いています。

これら細かいものを全て含めて精算するかどうかは売主と買主との間の「決めごと」の問題です。

何千万円の取引の中で、1円単位の話が加わるため、「細かい部分の精算は止めておきましょう」というような話はよく出ます。

賃貸中の物件の精算では、

  1. 敷金
  2. 賃料
  3. 固定資産税
  4. 保険料等

の4つが精算のメインとなり、残りの付加使用料や看板使用料、駐車場代、自販機収入、町会費等の精算は応相談とするケースが多いです。

これから投資用不動産を売却するなら「まずは査定依頼から」

まず、投資用不動産の売却は、不動産会社に査定してもらうところからスタートします。

投資用不動産の主な買主は投資家です。投資家は、通常、収益物件をメインで扱うような投資物件に強い不動産会社で物件を探しています。

逆に言うと、売却の際も、そのような多くの投資家を抱えている不動産会社に頼むのが効率的です。

不動産会社には、物件の種別やエリアによって得意・不得意がある

投資用マンション売却に強い不動産会社に頼むことが重要なポイント

気をつけなければいけないのは、査定額はあくまで、不動産会社がいくらで売れそうなのかを判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

投資物件に関しては、賃料収入など収益性も加味しながら査定をするため、なおさら不動産会社の力量で査定額にバラつきが出てきます。

なので、査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

しかし、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのはとても大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

売却することは決まっておらず、現在の市場価格を確認してみたいという方でも活用出来るので、定期的にチェックしてみるのも良いでしょう。

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

都市部での売却なら

超大手の不動産会社6社に唯一依頼が一括査定サイト「すまいValue

東京・神奈川・千葉・埼玉・名古屋・大阪・兵庫・福岡といった都市部での売却なら活用マストです!

都市部以外での売却なら

NTTグループで安心、一括査定サイトのなかで最も歴史があり、実績も抜群の「HOME4U

すまいValue」で対象外のエリア(都市部以外)での売却なら活用マストです!

上記サイトとセットで活用

投資物件の売却に特化した不動産一括査定サイト「RE-Guide(リガイド)

上記2サイトと合わせて活用すると効果的です!

上記オススメサイトの査定依頼フォームでは、「物件の状態」と「賃料」を問う項目があるので、人に貸している投資用物件の場合は「賃貸中」にチェックの上、現在の賃料を入力しておきましょう。

投資用物件の査定は賃料が大きく関わってきますので、入力しておいた方が正確な査定結果を得ることができます。

「すまいvalue」入力画面

「すまいvalue」入力画面

一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

参考【2022年最新】不動産一括査定サイトの選び方とおすすめランキングTOP8

まとめ

賃貸中の不動産を売却するときの手順と注意事項について徹底解説してきました。

ポイントは、売主と買主の間で、敷金と賃料をきちんと精算すること。

そして、賃貸物件に強い不動産会社を探すことです。

すまいValue」「HOME4U」などの不動産一括査定を利用して、賃貸物件に強い不動産会社を見つけましょう。

参考【2022年最新】不動産一括査定サイトの選び方とおすすめランキングTOP8

賃貸中の家やマンションの売却に関するFAQ

賃貸中のマンションや家を売却する方法はありますか?

賃貸中の物件を売却する方法は2つです。

①賃貸中のまま売却する(オーナーチェンジ)
②入居者に退去してもらい、空室として売却する

賃貸中の物件を売却した際に、敷金や賃料は精算する必要はありますか?

賃貸中の不動産を売却した場合は、敷金返還債務も新しい所有者へ移転することになります。

また、賃料も売却時点で売主が既に受領している分を新しい買主に渡す必要があります。

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  • この記事を書いた人

石川 貴裕

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