賃貸中の家やマンションを売却するときの注意点と早く高く売るコツ

賃貸中の家やマンションを売却するときの注意点と早く高く売るコツ

保有していた昔の家を人に貸していたところ、病気等でまとまったお金が必要となり、売却するというような話はよくあります。 

投資家でもない限り賃貸中の不動産を売却するのはどうしたら良いのか分からない方も多いです。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 賃貸中の不動産はどのように売却したらいいのだろうか
  • 賃料とか預かっている敷金はどうなるのだろうか
  • 賃貸物件特有の特別な書類が必要なのだろうか

そこで今回の記事では「賃貸中」の家やマンションの売却についてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは賃貸中の物件売却で気を付けるべきポイントが分かり、スムーズに売れるようになります。

本記事の要点まとめ

  • 賃貸中の物件売却はよくあること
  • 預かっている敷金や受領している賃料は精算する
  • 賃貸物件の売却に弱い不動産会社も存在する
  • スムーズに高く売るには、賃貸物件に強い不動産会社を探す
    ※詳細は「4.賃貸物件の売却に強い不動産会社を探す方法」で詳しく説明しています。
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.賃貸中の物件を売る場合「借主の了解を得る必要はない」

オーナーチェンジはよくある

賃貸中の物件売却は、実は日常的に良くあること。

賃貸マンションや賃貸オフィス、商業施設などの「テナント付の物件」は、不動産投資家の間では投資物件として頻繁に売買されています。

賃貸中の不動産売却は、専門用語で「オーナーチェンジ」と言います。

マンション一室の賃貸中であっても、投資物件として売買されることもあり、賃貸物件のオーナーチェンジは特別なことではありません。

自由な売買は所有者の正当な権利

賃貸中の不動産売却では、借主の了解を取る必要がないという点がポイント

借主からすると、ある日突然「来月から賃料はこちらに振り込んでください。」という一方的な通知が来て驚くことになりますが、これは特に違法ではありません。

借主に了解を取ることなく自由に物件を売買できるのは、所有者に認められた正当な権利。

例えば、何社もテナントが入居している雑居ビルを売る場合、いちいち全テナントの了解を取っていたら売主は何もできません。

そのため、賃貸中の物件は借主の了解を取る必要はなく、売却後の「事後通知」で十分なのです。

以上、ここまで借主の了解を得る必要があるかについて見てきました。

それでは次に預かり敷金について見ていきましょう。

2.預かっている敷金は精算する

敷金とは借主のお金

賃貸中の物件を売却する際、気を付けなければならない点があります。

それは入居者から預かっている敷金です。

借主と契約する際、敷金を賃料の2~3ヶ月分程度預かっている人も多いと思います。

この預かりっぱなしの敷金ですが、売却時は一旦、借主に返さなければいけないのか疑問に感じるところです。

敷金については、通常「借主」ではなく、「買主」との間で精算をする手続きを行います。

本来、敷金とは貸主に預けているだけのお金なので、借主のお金です。

売却後、借主が退去しても、戻ってくるはずのお金になります。

借主が退去した際は、オーナーである賃貸人から敷金の返還を求めることができますが、そのオーナーとは退去時点のオーナーになります。

つまり賃貸中の不動産を売却した場合は、敷金返還債務も新しい所有者へ移転することになるのです。

敷金の精算方法

具体的には、以下のように精算を行います。 

売買代金3,000万円
預かり敷金30万円
実際に売主が受領するお金2,790万円(=3,000万円-30万円)

ただし、過去に借主に賃料の不払いがあり、既に敷金を賃料に充当していた場合には、その額を減額して精算することになります。 

賃貸人の地位承継通知書及び同意書の書式

敷金の精算はあくまでも売主と買主のやり取りだけであって、当の借主は本当に新しい買主から敷金を返してもらえるか不安になります。 

そこで借主にも賃貸人の地位がちゃんと移ったことを確認してもらうために、通常は売却後に「賃貸人の地位承継通知書及び同意書」というものを「売主」・「買主」・「借主」の3者で締結することになります。

賃貸人の地位承継通知書及び同意書とは以下のような書式です。 

平成29年〇月〇日

賃貸人の地位承継通知書及び同意書

借主 □□ □□ 様

旧賃貸人 東京都○○区○○

○○ ○○ 印

所有者兼新賃貸人 東京都○○区○○

△△ △△ 印

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、貴社に賃借いただいております「××」(以下、「本物件」といいます。)につきまして、平成29年〇月〇日付で△△ △△が本物件の新賃貸人となりました。
従いまして、□□ □□様と○○ ○○との間で締結した賃貸借契約に基づく賃貸人の地位について平成29年〇月〇日をもって、○○ ○○から△△ △△が承継いたしましたのでご通知いたします。つきましては、下記事項につき、ご通知申し上げますので、お忙しいところ大変恐縮ですが、内容をご確認のうえ、末尾記載の「同意書」をご提出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.□□ □□様と○○ ○○との間に取り交わされている賃貸借契約は、現状のまま新賃貸人に有効に引継がれます。
2.賃借人に返還を要する敷金については、新賃貸人に免責的に承継されますので、これらの返還義務は新賃貸人が負うことになります。(将来、本賃貸借契約が終了した場合には、△△ △△が本賃貸借契約の条項に基づき同契約上の賃貸人として保証金を預り証と引き換えに貴社に返還させていただくことになります。)
3.平成29年〇月1日よりご請求させていただきます平成29年◇月分賃料等及び、それ以降の賃料等については、新賃貸人指定の口座宛にお振込下さい。

新振込先 

銀行名:××銀行 支店名:○○店 預金種目:普通 口座:0000000
取人:△△ △△

以上

同 意 書

平成29年〇月〇日

旧賃貸人         ○○ ○○ 様
所有者および新賃貸人   △△ △△ 様

上記の各事項につき確認し、賃貸人の地位が○○ ○○から△△ △△に承継される事に同意致します。

賃貸人 □□ □□ 印

以 上

同意を得るのは借主を守るため

法的には賃貸中の不動産を売却した際、通知だけで足りますが、借主から同意まで得るのは借主自身を守ることが理由です。

この同意書を借主が発行することにより、敷金が新所有者から戻ってくることが明確となります。

賃貸人の地位承継通知書は、賃貸中の不動産を売却した際に発生する特別な書類となります。

以上、ここまで敷金について見てきました。

それでは次に賃料の精算について見ていきます。

3.受領した賃料は精算する

既に受領した賃料は買主へ渡す

敷金の次に問題となるのが賃料です。

賃料は翌月分を当月20日末払いで受け取るなど「先払い」の風習があります。

例えば、4月22日に売買の引渡を行った場合、既に5月分の賃料を売主が受領してしまっている場合があります。

本来であれば、賃料は4月22日から買主にもらう権利が発生。

そのため売却時点では売主が既に受領している

  1. 5月分の賃料
  2. 4月22日から4月30日までの日割賃料

を買主へ渡す必要があります。

賃料の精算

上記敷金に加え、賃料も清算すると、具体的に以下のように精算を行います。

売買代金3,000万円
預かり敷金30万円
売主が既に受領している賃料17万円 (「5月分の賃料」と、「4月22日から4月30日までの日割賃料」)
実際に売主が受領するお金2,753万円 (=3,000万円-30万円-17万円)

その他の精算

また、住宅以外の賃貸物件では、付加使用料や看板使用料、駐車場代、自販機収入、町会費等のお金も動いています。

これら細かいものを全て含めて精算するかどうかは売主と買主との間の「決めごと」の問題です。

何千万円の取引の中で、1円単位の話が加わるため、「細かい部分の精算は止めておきましょう」というような話はよく出ます。

賃貸中の物件の精算では、

  1. 敷金
  2. 賃料
  3. 固定資産税
  4. 保険料等

の4つが精算のメインとなり、残りの付加使用料や看板使用料、駐車場代、自販機収入、町会費等の精算は応相談とするケースが多いです。

色々説明してきましたが、これらは仲介する不動産会社がしっかり説明してくれます。

ただし、中には賃貸物件の売却に慣れていない不動産会社も存在。

賃貸物件の売却に慣れていない不動産会社にお願いすると売れるものもなかなか売れなくなります。

特に賃貸物件のようなものは、できるだけ早く売却すべき。

そんな時に便利になるのが不動産一括査定です。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

下記のように「賃貸中」を選ぶことで賃貸物件に強い不動産会社を複数社、自動的に探してくれます。

一括査定サイトのオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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5.まとめ

賃貸中の不動産を売却するときの手順と注意事項について徹底解説してきました。

ポイントは、売主と買主の間で、敷金と賃料をきちんと精算すること。

そして、賃貸物件に強い不動産会社を探すことです。

すまいValue 」「 HOME4U などの不動産一括査定を利用して、賃貸物件に強い不動産会社を見つけましょう。

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