「新しく家を建てるときに国の補助金が受けられるって本当?」「補助金の要件や種類について知りたい!」家づくりをスタートするにあたって、こうした疑問を抱いている方も少なくないはず。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて住宅にも環境配慮が求められている背景があり、近年は省エネ住宅に対する補助事業が盛んにおこなわれています。
物価上昇が続く中、補助金を受けることで資金に余裕ができれば助かりますよね。
ただ、補助金はいつでも募集しているわけではなく、適用条件や申請・建築時期などに決まりがあるため、適合するように家づくりを進める必要があります。
本記事では新築住宅を建てるときの補助金と概要を一覧で紹介しつつ、各制度の詳細や、併用可能かどうかなどを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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新築時に使える補助金一覧(2023年~2024年)
補助金 | 管轄 | 金額 | 申請時期 | 交付時期 | 概要 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年度 こどもエコすまい支援事業 | 国土交通省 | 100万円 | 令和5年9月28日時点で終了 | - | ・ZEHレベルの省エネ住宅を建てる子育て世帯・若者夫婦世帯が対象 |
令和5年度 LCCM住宅整備推進事業 | 国土交通省 | 140万円、かつ補助率2分の1 | 第2回受付(令和5年10月16日~令和6年1月19日) | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる ※第2回の完了実績報告締切は2月29日 | ・資材製造や建築段階からCO2排出を削減した長寿命住宅が対象 |
令和5年度 次世代ZEH+ | 経済産業省・環境省・国土交通省の3省連携 | 100万円 ※加算あり | 二次公募(令和5年11月20日~令和6年1月9日) ※令和6年度も募集予定 | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる | 再エネなど省エネをさらに深堀りしたZEH住宅 |
令和5年度 ZEH+ | 100万円 ※加算あり | より高性能なZEH住宅 | |||
令和5年度 ZEH | 55万円 ※加算あり | ネット・ゼロ・エネルギーハウス | |||
子育てエコホーム支援事業 | 国土交通省 | ZEH住宅:80万円 長期優良認定住宅:100万円 | ※令和6年3月下旬以降開始予定 | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる | ・こどもエコすまい支援事業の後継となる事業 ・子育て世帯、若者夫婦世帯が対象 |
新築補助金とは?
まず、補助金というのは基本的に政府が主体となり、個人や事業者の取り組みをサポートする制度です。
住宅の場合は、国が求める方向性に見合う家を建てることで、建築費用を一部負担してもらうことができます。
各事業の募集期間に申請をして、審査に通れば補助金の交付を受けることができますが、予算の上限が決められているため早めに募集終了となる可能性もあります。
補助金を受けるにはどうすればいいか
「家づくりに補助金を活用したい」と考えるなら、各事業で求められる省エネ性や断熱性をクリアする「高性能住宅」を建てることになります。
応募するタイミングには間取りや仕様が決定しており、補助金を支給できるかどうかの審査を行える状態になっている必要があります。
実際の申請手続きは住宅会社(ハウスメーカーや工務店)が行います。
住宅会社を選定する際は、補助金に応募したい旨をきちんと伝え、これから解説する「ZEH(ゼッチ)」などの要件に適合する家を建てられるのか確認しましょう。
家を建てる流れや注意点については、下記記事で詳しく解説しているので、参考にしてくださいね。
新築時に使える補助金の一覧
2024年に実施されている事業と補助金の概要を一覧表にまとめました。
補助金 | 管轄 | 金額 | 申請時期 | 交付時期 | 概要 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年度 こどもエコすまい支援事業 | 国土交通省 | 100万円 | 令和5年9月28日時点で終了 | - | ・ZEHレベルの省エネ住宅を建てる子育て世帯・若者夫婦世帯が対象 |
令和5年度 LCCM住宅整備推進事業 | 国土交通省 | 140万円、かつ補助率2分の1 | 第2回受付(令和5年10月16日~令和6年1月19日) | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる ※第2回の完了実績報告締切は2月29日 | ・資材製造や建築段階からCO2排出を削減した長寿命住宅が対象 |
令和5年度 次世代ZEH+ | 経済産業省・環境省・国土交通省の3省連携 | 100万円 ※加算あり | 二次公募(令和5年11月20日~令和6年1月9日) ※令和6年度も募集予定 | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる | 再エネなど省エネをさらに深堀りしたZEH住宅 |
令和5年度 ZEH+ | 100万円 ※加算あり | より高性能なZEH住宅 | |||
令和5年度 ZEH | 55万円 ※加算あり | ネット・ゼロ・エネルギーハウス | |||
子育てエコホーム支援事業 | 国土交通省 | ZEH住宅:80万円 長期優良認定住宅:100万円 | ※令和6年3月下旬以降開始予定 | 引き渡し後に完了報告書を提出、審査終了後に支払われる | ・こどもエコすまい支援事業の後継となる事業 ・子育て世帯、若者夫婦世帯が対象 |
申請後の図面変更は基本的にできませんので、申請時期までに仕様・間取りを決定しておく必要があります。
住宅会社と契約をしてから仕様・間取りが決定するまで3ヶ月程度はかかりますので、補助金受付開始前であっても家づくりに向けて動き始めるとよいでしょう。
また、補助金の対象となる住宅は完成時期も決められています。完成があまりにも先だと対象とならない場合がありますので注意が必要です。
さらに補助金はすぐもらえるわけではなく、引き渡し数か月後に支給されるケースが多いので、覚えておきましょう。
2024年度の補助金について
申請期間や引き渡し時期が決められている補助金制度。「これまでの補助金はもう間に合わないの?」と思われるかもしれませんが、心配いりません。
新築住宅の補助金は2024年度も実施されることが決定しています!
「住宅省エネ2024キャンペーン」という政策に基づき、2024年3月以降に申請受付が開始される予定です。
その中の一つとして、2023年の「こどもエコすまい支援事業」の後継事業である「子育てエコホーム支援事業」が始まります。どのような事業になるのか、内容をチェックしていきましょう。
「子育てエコホーム支援事業」がスタート
本事業は「子育て世帯または若者夫婦世帯が建てるZEH住宅」が対象となります。
気になるのは子育てや若者の年齢層などですが、公式の資料では以下のように定義されています。
《子育て世帯》
- 申請時に子を有する世帯
- 子の年齢は令和5年4月1日時点で18歳未満(誕生日が2005年4月2日以降)
※令和6年3月末までに工事着手する場合は令和4年4月1日時点で18歳未満(誕生日が2004年4月2日以降)の子どもがいる世帯
《若者夫婦世帯》
- 申請時に夫婦である世帯
- 令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下(誕生日が1983年4月2日以降)の世帯
※令和6年3月末までに工事着手する場合は令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(誕生日が1982年4月2日以降)の世帯
続いて、建物についても確認しておきましょう。子育てエコホーム支援事業の対象となる住宅は「長期優良住宅またはZEH住宅で、延床面積は50m2以上240 m2以下であること」が要件となります。
- 長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で住み続けられるように、「住宅性能表示制度」の基準に沿って措置が講じられた住宅のことです。具体的には「構造の安定」「温熱環境」「維持管理・更新への配慮」などの評価項目があります。
- ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。太陽光発電などにより創出するエネルギーと、毎日の生活で消費するエネルギーをトータルで見たときに、収支がゼロ以下になる住宅がZEH住宅です。高い断熱性能が求められます。
気になる補助額については、長期優良住宅の場合が100万円/戸、ZEH住宅の場合が80万円/戸となります。ただし、市街化調整区域かつ土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地する場合は、長期優良住宅で50万円/戸、ZEH住宅で40万円/戸となるため注意が必要です。
ZEH化支援事業も継続
経済産業省によれば、ハウスメーカーで建てる新築住宅のおよそ56%がZEH住宅(2020年時点)とのこと。最新情報ではさらに増えている可能性が高いですね。
新築補助金の主流であるZEH化支援事業は、令和3年度から令和7年度までの継続事業で、令和6年度(2024年度)もエネルギー対策予算案に盛り込まれています。詳細はまだ決定していませんが、基本的には2023年度と同程度の内容になると予測でき、補助額は55万円~100万円/戸となる見込みです。
建築時期を合わせて補助金を狙う
先ほどもお伝えした通り、補助金制度を利用するためには申請時期や引き渡し時期が適合している必要があります。
もし入居を急がないのであれば、住宅会社に「補助金が受けられる時期に合わせて建築したい」と伝え、建築時期を遅らせるのも一つの方法です。
工事を先にすると、打ち合わせスケジュールにゆとりができます。注文住宅では決めることが多く、たとえばキッチン1つを決めために複数のショールームに出向くなど、予想外に多くの時間が必要です。何より、十分に検討することで後悔のない家づくりが可能になります。
各補助金の申請時期や方法
ここからは一覧表に記載した補助金について、申請時期や申請方法など詳しい内容を解説していきます。
「子育てエコホーム支援事業」の補助金
補助額 | ・長期優良住宅の場合100万円 ・ZEH住宅の場合80万円 |
申請時期 | 2024年3月下旬~予算上限に達するまで (※遅くとも2024年12月31日まで) |
申請方法
住宅会社(工事請負業者)が申請します。申請するときは、補助額以上の出来高が確認できる状態でなければなりません。具体的には、基礎工事が完了していれば補助額以上の工事が完了しているとみなされます。
注意点
2023年「こどもエコすまい支援事業」の後継事業という位置付けになりますが、同事業は2023年3月31日から申請受付がスタートし、9月28日に予算上限額に達したため終了しています。
このように、応募が多数あると早めに終了となる可能性があるため、余裕をもって動きたいものです。
「次世代ZEH+、ZEH+、ZEH」の補助金
ZEH化支援事業については現時点で令和6年度(2024年度)の情報が未定です。ただし、同程度の内容で引き継がれることが予想されるため、参考までに令和5年度(2023年度)の情報を載せておきます。
ZEH化支援事業(令和5年度)
補助額 | ・次世代ZEH+住宅100万円(※加算あり) ・ZEH+住宅100万円(※加算あり) ・ZEH住宅55万円(※加算あり) |
申請時期 | ・令和5年4月28日~令和5年11月10日(1次公募)※募集終了 ・令和5年11月20日~令和6年1月9日(2次公募) |
「次世代ZEH+、ZEH+」はZEHと何が違う?
ZEHより高性能な住宅がZEH+で、これをさらに上回るものが次世代ZEH+住宅です。ZEH+は「断熱等級5以上、HEMS、電気自動車への充電」のうち2つ以上を備えている必要があります。
次世代ZEH+は、さらに「V2H設備、蓄電システム、燃料電池、太陽熱利用温水システム、太陽光発電システム10kW以上」のいずれかを備える住宅と定義されます。これらの省エネ設備を搭載すると、補助金の加算を受けられる場合があります。
申請方法
ZEHビルダーに登録済みの住宅会社(工事請負業者)が申請します。交付決定通知を受領した後に着工するのが基本ですが、基礎工事の項目のみ受領前の着工が認められています。まだ、敷地は「土砂災害特別警戒区域」にかかっていない必要があります。
「LCCM住宅」の補助金
LCCMとはライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅の略語で、建築時から建物の使用中、そして解体、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じて、CO2の収支をマイナスにする住宅のこと
LCCM住宅はZEH基準を満たすことに加えて、建築時と廃棄時の省CO2も求められるため、もっとも先導的な脱炭素住宅だといえます。
令和6年度(2024年度)の補助金についてはまだ情報が出ていません。しかしながら、継続する可能性も高いと思われますので、参考までに令和5年度(2023年度)の情報をお伝えします。
LCCM住宅整備推進事業(令和5年度)
補助額 | 最大140万円 ※LCCM住宅にするために掛かった費用の2分の1まで |
申請時期 | ・令和5年4月17日~令和5年9月29日(第1回受付)※募集終了 ・令和5年10月16日~令和6年1月19日(第2回受付) |
申請方法
住宅会社(工事請負業者)が申請します。建築工事に着手できるのは、交付決定通知を受領した後となります。また、敷地は「土砂災害特別警戒区域」に該当しないことが必要です。
「こどもエコすまい支援事業」の補助金(募集終了)
こどもエコすまいの補助金は2023年9月28日の申請を最後に上限に達したため、終了しました。今後は「子育てエコホーム支援事業」として2024年3月下旬以降募集が始まりますので、そちらに注目しておきましょう。
補助金の併用はできるのか
注文住宅の金額は大きいため、できることなら複数の補助金を利用したいところですよね。ここからは併用についての可否や注意点などをお伝えしていきます。
国の補助金は併用不可
国から支給される他の補助金と併用することはできず、重複受給と見なされてしまいます。そうなると、補助金の交付が取り消されるとともに、受領済みの補助金を返還する際に加算金が追加されるなど大変なことになってしまいます。
今回紹介した「子育てエコホーム支援事業」「ZEH化支援事業」「LCCM住宅整備推進事業」はいずれも国費で賄われているため、補助金を併用することはできません。
一方、自治体の補助金であれば併用できる可能性が高いです。
地方自治体の補助金は併用できる場合も
国費の補助金は併用不可とお伝えしましたが、自治体の事業には併用できるものがあります。
たとえば、太陽光発電システムの搭載を積極的に進める東京都では「東京ゼロエミ住宅」という助成制度があり、「子育てエコホーム」と併用できる旨が東京都環境局のHPに明記されています。
ゼロエミ住宅の受付期間は令和5年4月3日から令和6年3月29日までとなっており、住宅性能に応じて一戸あたり30万円~210万円の助成を受けることができます。ご自身の地域については、ぜひ一度調べてみてください。
できるだけ補助額の多い補助金を選ぶこと
自治体実施の補助金を除き、基本的に併用することは難しいため、補助額の大きい事業へ応募するのがおすすめです。
ただ、補助額が大きさは住宅性能に比例しますので、建築費用は上がるのが普通です。
「省エネ性が高く快適な家を建てたい」「できれば補助金も多くもらいたい」こうした希望がある中で、予算とのすり合わせが必要になってきます。このあたりは、家づくりのパートナーに相談しながら一つひとつクリアしていきましょう。
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自分が納得いく価格で理想の家を建てるには、数多くのハウスメーカーや工務店を比較するのが一番です。
そこでオススメなのが、タウンライフを使って一括資料請求すること。
タウンライフを使うと、ハウスメーカーから要望にあったカタログや間取り例が届くので、イメージを膨らませることができます。
強引な営業もないので、まずは理想のマイホームに向けてカタログを請求するのをオススメします。
まとめ:補助金を狙うなら余裕を持って動こう
本記事では新築住宅を建てる際の補助金制度を紹介しました。ポイントは以下の通りです。
- 省エネ性の高い住宅を対象とした事業が多い
- 申請は施主ではなく住宅会社が行う
- 申請時期、引き渡し時期に注意
- 仕様決定後の申請となるため、早めに打ち合わせを開始する
- 2024年度は子育てエコホーム支援事業に注目
- ZEHも継続予定のため今後の動向に注目
- 補助金は予算上限に達した時点で募集終了
- 国の補助金は併用不可だが、自治体の補助金は併用できる
専門的な内容が多いため難しく感じてしまいますが、施主の動きとしては補助金に応募したい旨を住宅会社に伝えるのみで、あとは間取り・仕様の打ち合わせを進めていけば問題ありません。
これから家づくりに向けて動き出すなら、早めにスタートを切って、スケジュールに上手く乗っていきましょう。