再建築不可物件とは?売れない理由や売却方法について解説!

再建築不可物件とは?

売りにくい不動産の一つに再建築不可物件があります。再建築不可物件はなぜ生まれ、どうして再建築できないのでしょうか。再建築不可を売るのであれば、売却しにくい理由を踏まえて対策を立てることが必要です。

この記事では「再建築不可物件」について解説します。再建築不可物件とは何か、既存不適格物件や違法物件との違い、再建築不可物件が売却しにくい理由、再建築不可物件の相場、再建築不可物件を売却する方法について紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、現在建物が建っている土地でも、取り壊し後に建物が建てられない不動産のことを指します。

正式な法律用語ではないため、実務上は幅広い物件で再建築不可という言葉が使われていますが、一般的には接道義務を満たしていない物件を指すことが多いです。

接道義務とは、建築物の敷地は原則幅員が4m以上の道路に間口が2m以上接していなければならない義務を指します。

接道義務は建築基準法に定められている義務であり、原則として都市計画区域および準都市計画区域に限り適用されます。郊外の土地では、都市計画区域外になっていて、接道義務がない場合もあります。

接道義務は、下図のようなイメージで説明されます。

接道義務のイメージ

左図A地は幅員が4m以上の建築基準法上の道路に接しているため、建物を建てられます。それに対して、左図B地は道路に接していないため、建物を建てられない土地となります。B地のような土地を「無道路地」と呼びます。

右図C地は、接道義務を満たしているため、問題なく建物を建てられます。また、右図D地も4m以上の道路に間口が2m以上接していることから、接道義務を満たしており、建物を建てられます。D地のような土地を「旗竿地」と呼びます。

上図のA~D地の中では、B地の物件が「再建築不可物件」となります。

接道義務を満たしていない再建築不可物件が存在する理由は、いくつか考えられます。

【接道義務を満たさない物件が存在する理由】
・建築基準法が施行される前(昭和25年より前)に建てた建物が残っているケース
・建築当時は都市計画区域外であったものが、建築後に都市計画区域内に編入されたケース
・建築当時は接道義務を満たしていたが、建築後に土地の一部が売却され接道義務を満たさなくなったケース
・建築当時は接道義務を満たしていたが、建築後に前面道路が廃道されてしまったケース
・旗竿地において建築後に条例が改正され建築ができなくなってしまったケース※

※旗竿地は路地状部分の奥行が長いと、条例で建物用途によって幅員2mを超える間口および路地状敷地が求められることがあります。

上記のように、再建築不可物件が発生する理由の多くは、建築後に接道義務を果たさなくなったことによるものです。

再建築不可物件と既存不適格物件の違い

不動産の中には、既存不適格物件と呼ばれる物件もあります。既存不適格物件とは、建築当時は合法的に建てられた建物であっても、現在の法律や条令に基づくと同じ建物が建てられない物件のことを指します。

例えば、建築当初は高さに関する制限がなかった土地で、建築後に高さ制限が設けられ、現在の高さの建物が建てられないような物件が既存不適格物件に該当します。

再建築不可物件も広い意味では、既存不適格物件の一つです。
ただし、既存不適格物件は規模を縮小したり、用途変更することで建物を再建築できますが、再建築不可物件はその土地単体では再建築可能にする方法がないという違いがあります。

再建築不可物件と違法建築物の違い

違法建築物とは、建築基準法や条令に違反した状態で建てられた建物のことです。
違法建築物も、その建物自体を再建築できないため、広い意味では再建築不可物件の一つともいえます。

ただし、違法建築物は悪意をもって意図的に建てられた建物であるのに対し、再建築不可物件は所有者本人の意思に関わらず再建築不可物件になってしまったケースが多い違いがあります

違法建築物には、例えば以下のような物件があります。

【違法建築物の例】
・建築中に違法な増改築を行い、検査済証を取得していないケース
・竣工後に違法に増改築しているケース
・市街化調整区域に無断で建物を建てているケース

建物を建てる際は、最初に建築確認申請というものを提出します。
建築確認申請は、着工前の図面上のチェックであり、合法的な図面であれば建築確認済証が発行され、着工できます。

通常であれば図面通りに建物を建て、竣工時に実際に建築確認申請時の図面通りに建てたかどうかの竣工検査を受けます。竣工検査に合格し、合法的な建築物と認められれば検査済証が発行されます。

典型的な違法建築物は、確認申請は合法的に通し、建築中に違法な建物を建てて、最後の竣工検査を意図的に受けていないケースです。

竣工後に増築するようなケースにおいても、同様に検査済証を取得しないことで違法建築物となっている物件は存在します。

また、原則として建物を建てることができない市街化調整区域においても、無断で建物を建ててしまっているケースがあります。市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域のことです。

このような違反建築物は、当然ながら同様の建物を再建築できません。実務上は、違反建築物の物件も再建築不可物件と表現されることがあります。

再建築不可物件が売却しにくい理由

この章では再建築不可物件が売却しにくい理由について解説します。

広告に再建築不可と表示される

再建築不可物件は、広告に再建築不可と表示されることになっています。不動産の広告は、公正競争規約により広告に表示すべき特定事項が定められています。

「道路に適法に接していない土地」に関しては、「建築不可」または「再建築不可」と明示しなければいけないことが決まっています。

よって、広告を見た段階で、多くの人が再建築不可物件であることを知るため、購入検討者が極めて少なくなるのです。

重要事項説明で説明される

再建築不可物件は、買主に対して重要事項説明で再建築できない旨を説明されるため、売却しにくくなります。

重要事項説明とは、売買契約を締結する前に不動産会社か買主に対して意思決定の判断材料を提供するために行います。

買主が接道義務の知識がなくても、仲介に入っている不動産会社がしっかり説明しますので、その時点で再建築できないことを知れば、購入を取りやめる人は多いです。

物件の広告で再建築不可を見落としたとしても、重要事項説明によって気付くことになります。

買主が住宅ローンを組めない

買主が住宅ローンを組めないことも、再建築不可物件が売却しにくくなる理由です。買主は、住宅ローンの本審査を通す際、「売買契約書」と「重要事項説明書」を銀行に提出します。

重要事項説明書には、再建築不可物件と記載されているため、その時点で住宅ローンの本審査に通らないことになります。

通常、買主が住宅ローンの本審査に通らない場合は、契約を解除できるという取り決めが売買契約書に記載されています。

そのため、住宅ローンの審査に通らないことにより売買契約は解除され、引渡まで進めないのです。

再建築不可物件の相場

再建築不可物件の相場は、通常の物件価格の10~30%程度となってしまうこともあります。

再建築不可物件の相場

再建築不可物件の価格の求め方は、建築可能な物件に是正した後の価格から、是正するために要した費用を控除して求めます。

【再建築不可物件の価格の求め方】
再建築不可物件の価格 = 建築可能な物件の価格 - 是正に要した費用

例えば、上図のA地のような再建築不可物件があるとします。A地を建築可能な物件に変えるには、一例としてB地を購入して接道義務を満たすということが考えられます。

よって、まず建築可能な物件の価格として「A地とB地を併合した旗竿地の価格」を求めます。

次に、是正に要した費用として「B地の購入費用および整地費用」を求めます。

最後に「A地とB地を併合した旗竿地の価格」から「B地の購入費用および整地費用」を控除した価格が、元々の「A地の価格」という考え方をします。

建築可能な物件の価格 = A地とB地を併合した旗竿地の価格
是正に要した費用 = B地の購入費用および整地費用

A地の価格 = A地とB地を併合した旗竿地の価格 - B地の購入費用および整地費用

B地を購入できるかどうかは不透明であり、建築可能となる旗竿地も不整形で価値が低いため、無道路地であるA地の価格は相当に低くなることが一般的です。

再建築不可物件を売却する方法

この章では再建築不可物件を売却する方法について解説します。

接道義務を満たしてから売る

1つ目としては、接道義務を満たしてから売る方法です。前章で紹介したA地の人がB地を購入してから売るようなケースに該当します。

B地が買収できた状態であれば、再建築不可物件とはならないため、普通に物件を売却できます。

隣地所有者へ売却する

2つ目としては、隣地所有者へ売却するという方法も効果的といえます。再建築不可物件と隣地を合わせることで、接道義務が解消され、また隣地も広くなるので価値が上がります。

隣地所有者にもメリットがありますので、売却の打診をしてみるのも一案です。

不動産会社の買取を利用する

再建築不可物件を売却するのであれば、買取を利用するのも一案です。買取とは転売を目的とした不動産会社への売却になります。

不動産会社の中には、再建築不可物件のような物件を種地として購入し、その後、隣地を買収していく地上げを行う会社もあります。

再建築不可物件は、一般の個人に売るのはかなり難しいですが、地上げ業者に売るのであれば可能性が出てきます。

買取は、買取会社の査定額がそのまま売却価格になりますので、複数の買取会社に声をかけ、できるだけ高い価格の査定額を出してくれる買取会社を見つけることがポイントです。

まとめ

以上、再建築不可物件について解説してきました。再建築不可物件とは、主に接道義務を満たさず、そのままでは取り壊し後に建物を建てられない物件を指すことが多いです。

再建築不可物件は、「重要事項説明で説明される」、「買主が住宅ローンを組めない」といった理由で売却しにくくなっています。

再建築不可物件を売る方法としては、「接道義務を満たしてから売る」、「買取を利用する」といった方法が考えられます。再建築不可物件の概要がわかったら、早速売却に取りかかってみましょう。

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  • この記事を書いた人

石川 貴裕

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