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個人が不動産を売却・買換えした時に使える5つの特例を分かり易く紹介

投稿日:2016年11月25日 更新日:

個人の方が居住用財産(マイホーム)を売却した時の特例は、非常に複雑で分かりにくいです。

税金特例の分野は、宅地建物取引士試験においても出題されますが、苦手とする受験生も多いくらいです。

宅建の合格者ですら良く理解していない人も多く、ましてや個人で初めて住宅を売却する方は、さっぱり分からないといったところではないでしょうか。 

今回の記事は、下記のようなことを疑問に思っている方に向けてお伝えしています。

  • 不動産を売却した時の特例が知りたい
  • 居住用財産の売却特例が良く分からない

この記事を読むことで、あなたは居住用財産を売却した時の特例を理解し、自分はどのような特例を使うことができるのか理解できるようになります。

イエイ

1.不動産売却における特例の全体像

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初めに特例の全体像を紹介します。まず売却は2種類に分かれます。

1つ目は、単純に売り切って終わる一方通行の①売却です。

これは売却後、賃貸に住むか、実家に戻るか等のイメージです。

2つ目は、売って次の住宅を買う双方向の②買換えです。

税法上、「買換え」という漢字を使用しますが、「買い替え」や「住み替え」等と同義です。

また売ること、つまり譲渡にも2種類あります。①譲渡益が生じる場合と②譲渡損が生じる場合です。

イメージとしては、買った時よりも高く売れた場合は、①譲渡益が生じ、買った時よりも安く売れた場合は②譲渡損が生じると捉えてください。

今では、マイホームが買った時よりも高く売れるということは、あまり考えられません。

しかしながら、税法は不動産が値上がりしていたバブル時代に作られてものを基礎にしています。

①譲渡益が生じる場合は所得税が発生し、②譲渡損が生じる場合は所得税が戻ってくるという2点を理解しましょう。

1-1.不動産売却における5つの特例

「譲渡益が生じる場合」・「譲渡損が生じる場合」と「売却」・「買換え」の切り口によって、特例は以下の5つとなります。 

譲渡益 譲渡の種類 特例
譲渡益が生じる場合 (所得税が発生) 売却 ①3,000万円の特別控除
売却 ②所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
買換え ③特定の居住用財産の買換え特例
譲渡損が生じる場合 (所得税が戻ってくる) 買換え ④居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
売却 ⑤居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

1-2.特例が受けられる居住用財産の4つの条件

ここで特例を受けられる居住用財産(マイホーム)とは以下の要件を満たす不動産となります。

店舗や賃貸アパート等、全ての不動産が対象となる訳ではありませんので、注意が必要です。

  • 現に居住している家屋とその敷地
  • 転居してから3年後の12月31日までに譲渡する居住していた家屋とその敷地
  • 災害等で家屋が滅失した場合は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する敷地
  • 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡した敷地

以上、ここまで特例の全体像位について見てきました。

それでは次に3,000万円特別控除についてご紹介します。

2.3,000万円特別控除について

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まず3,000万円特別控除です。これは所得税が発生するパターンです。

所得税は以下の計算式で求められます。

所得税 = 課税譲渡所得 × 税率

上式を見ると、税金を低く抑えるには、①課税譲渡所得を抑えるか、②税率を下げるかの2つの方法が考えられます。

3,000万円特別控除とは課税譲渡所得を抑える特例です。

課税譲渡所得は、以下の式で計算されます。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額:不動産の売却額
取得費:売却した不動産の購入額 ※但し建物は減価償却後の価格
譲渡費用:売却に要した仲介手数料等

この基本式に、3,000万円の特別控除が加わると、課税譲渡所得が以下の式で計算されます。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円の特別控除

例えば、取得費5,000万円の居住用財産が、値上がりして7,000万円で売却できたとします。

その場合でも3,000万円の特別控除が適用されれば、課税譲渡所得がマイナスとなり、税金は発生しなくなります。

以上、ここまで3,000万円の特別控除について見てきました。

次に所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例についてご紹介します。

3.所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

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再びこの計算式を使います。

所得税 = 課税譲渡所得 × 税率

この特例は税率を下げる特例となります。

居住用財産を譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合には、税率が下がる特例です。

居住用財産の譲渡した時の税率については所有期間によって、以下のように変わります。

所有期間 所得税 住民税
5年以下 30% 9%
5年超 15% 5%
10年超 課税譲渡所得の内6,000万円以下の部分 10% 4%
課税譲渡所得の内6,000万円超の部分 15% 5%

ここで上表の中にある課税譲渡所得とは以下の式で計算されるものを指します。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円の特別控除

この特例は3,000万円の特別控除とセットで併用が可能です。

課税譲渡所得の6,000万円という判断基準も3,000万円控除後の課税譲渡所得で判断します。

以上、ここまで所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例について見てきました。

次は特定の居住用座資産の買換え特例です。

4.特定の居住用座資産の買換え特例

この特例は買換えをした時の特例です。

この特例は買換えにおいて、売った金額よりも高い金額の家を買うと所得税が発生しないという特例です。

所得税の発生の有無は下表のルールで決まります。

売った金額 関係 買った金額 課税の有無
5,000万円 4,000万円 課税される
5,000万円 6,000万円 課税されない

但し、譲渡資産(売る家)と買換資産(買う家)には以下の要件があります。

【譲渡資産の要件】

  • 譲渡した年の1月1日における所有期間が10年超
  • 国内にあるもので、売主の居住期間が10年以上
  • 売却額が1億円以下

【買換資産の要件】

  • 国内にあるもので、家屋の居住用部分が50㎡以上であること
  • 家屋の敷地の面積が500㎡以下であること
  • 中古の耐火建築物の場合は①築25年以内か、または②新耐震基準の適合証明があるか、もしくは③既存住宅売買瑕疵担保保険に加入している物件であること
  • 譲渡した年の前年の1月1日から譲渡した年の12月31日までの間に取得したものであること
  • 譲渡した年の翌年の12月31日までの間に居住することまたは居住の見込であること

以上、ここまで特定の居住用座資産の買換え特例について見てきました。

次は居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例です。

5.居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

この特例は、買換えをする人で、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超の居住用財産を譲渡して、譲渡損失が発生した場合、源泉徴収税額が戻ってくる特例です。

譲渡した年に発生した損失を3年間にわたり、他の給与所得等と損益通算することができます。

譲渡損失とは、以下の式で計算された金額がマイナスとなることを指します。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 < 0

具体的な計算例は以下の通りです。

【買換えで譲渡する資産】

購入時期 平成6年
購入額 60,000千円
売却時期 平成28年6月
売却額 40,000千円
減価償却費 4,000千円
譲渡費用 1,260千円(仲介手数料)

  【他の所得】

平成28年の給与所得 8,000千円(源泉徴収税額628,900円)
平成29年の給与所得 8,500千円(源泉徴収税額710,600円)
平成30年の給与所得 9,000千円(源泉徴収税額792,200円)
平成30年の給与所得の所得控除額 2,500千円

<平成28年の計算>

  • 譲渡損失の計算
    譲渡価格 - 取得費(減価償却後) - 譲渡費用
    = 40,000千円 - (60,000千円 - 4,000千円) - 1,260千円
    = ▲17,260千円
  • 損益通算
    8,000千円 - 17,260千円 = ▲9,260千円
  • 所得税
    9,260千円が源泉聴取額628,900円よりも大きいため、この年の所得税はゼロ。
    628,900円の全額が還付されます。

<平成29年の計算>

  • 繰越控除
    8,500千円 - 9,260千円 = ▲760千円
  • 所得税
    760千円が源泉徴収税額710,600円より大きいため、この年の所得税はゼロ。
    源泉徴収税額710,600円の全額が還付されます。

<平成30年の計算>

  • 繰越控除
    9,000千円 - 760千円 = 8,240千円
  • 所得税額
    (8,240千円 - 2,500千円) × 20% - 427,500円 = 720,500円
    ※2,500千円は当該例の平成30年の所得控除額
    ※427,500円は所得が330万円超695万円以下の控除額
  • 復興所得税額
    720,500円 × 2.1% = 15,130円
  • 所得税額合計
    720,500円 + 15,130円 = 735,630円 ⇒ 735,600円
  • 還付額
    792,200円 - 735,600円 = 56,600円

以上、ここまで居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例について見てきました。

最後に居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例をご紹介します。

6.居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

この特例は売却で譲渡損失が発生した場合に使える特例です。

譲渡損失のうち、住宅借入金等の金額からその譲渡資産の譲渡価額を控除した残額を限度として、他の所得と損益通算及び3年間繰越控除ができます。

繰越の計算や考え方は、基本的には「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と同じです。

異なる点は、①買換えを前提としないことと、②繰越控除等限度額です。

繰越控除等限度額は、以下の式で計算される額になります。

繰越控除等限度額 = 住宅ローン残高 - 譲渡価額

上述した「譲渡価格-取得費(減価償却後)-譲渡費用」が「住宅ローン残高-譲渡価額」に置き換わると理解してください。

その他の計算方法は同じです。

さらに具体的な計算方法が知りたい方は「マンションの売却でローン残債がある場合の対処法を徹底解説」をご確認ください。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。個人が不動産を売却・買換えした時に使える5つの特例を分かり易く紹介しました。

自分が使えるパターンの特例を活用してみましょう。

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