不動産一括査定サービス「すまいうる」は2020年5月31日にサービス終了しています。
「すまいうる」以外の不動産一括査定サイトについては下記記事で詳しく紹介しています。
ここ数年、インターネットで不動産会社に一括査定を依頼できるサイトが増えてきました。
有象無象のように沸いては消え、不動産一括査定の運営も楽ではないようです。
不動産一括査定サイト激戦時代の中で、2018年7月に「すまいうる」というサイトが登場。
こんな悩みをスッキリ解消!
- すまいうるって、どんなサイトなの?
- すまいうるでは、どのようなサービスを受けられるの?
- すまいうるは、どんな人にオススメなの?
そこでこの記事では「すまいうる」という比較的新しい不動産一括査定について紹介します。
すまいうるを利用するべきなのか、他の一括査定に比べての差は何かを理解できます。
すまいうるとは
すまいうるとは、最大6社の不動産会社に一括で査定を依頼できるサイト。
不動産一括査定サイトの中には、他に「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」「イエウール」といったサイトがありますが、仕組みはそれらのサイトと全く同じです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
不動産一括査定サイトには、「すまいValue」という似た名前のサービスがありますが、「すまいうる」と「すまいValue」は全く別物。
「すまいValue」は、「三井のリハウス」や「住友不動産販売」「東急リバブル」「野村の仲介+」「三菱地所の住まいリレー」「小田急不動産」の大手6社に査定依頼ができる不動産一括査定サイト。
「すまいValue」は、一括査定を行う不動産会社が大手6社に限定されているということが特徴となります。
一方で「すまいうる」は、一括査定を行う不動産会社が大手から地元の中小不動産まで様々な規模の不動産会社に依頼することができるのが特徴。
「すまいうる」で査定を行う不動産会社は、「すまいValue」とは重複しておらず、全く別のサービスとなっています。
不動産一括査定はどのサイトも無料で利用できる
不動産一括査定サイトは、どのサイトも基本的に無料です。「すまいうる」も同様に利用は無料となっています。
不動産一括査定サイトは、どれも無料であるため、価格においては全く差がありません。
差があるとすれば、「査定する不動産会社」「不動産一括査定サイトのサポート体制」の2点です。
どの不動産一括査定サイトを使うべきかについては、「査定する不動産会社」「不動産一括査定サイトのサポート体制」の2点の違いに注目して、選ぶことがポイントとなります。
以上、ここまですまいうるとは、ということについて見てきました。
では、すまいうるはどのような会社によって運営されているのでしょうか。
すまいうるの運営会社は株式会社エイチームライフデザイン
すまいうるの運営会社は、株式会社エイチームライフデザインという名古屋の会社。
不動産屋ではなく、今流行りの「インターネット屋さん」になります。
不動産の一括査定だけでなく、引越の比較サイトや中古車買取サイト、結婚式場サイトなど、色々なサイトを運営している会社です。
色々な業種の査定や比較のサイトを運営しており、それで業者から手数料をとって収入を得ています。
不動産一括査定サイトのような仕組みは、業者にとって見ると過当競争を招くだけなので「勘弁してくれ!」と思っている業者も多いと思います。
色んな業者からすると、「もうこれ以上、査定や比較サイトは作らないで欲しい」と思っている業者も多いですが、エイチームはどんどんこのようなサイトを製作中。
「すまいうる」は、2018年7月頃にできた比較的新しいサイトです。
以上、ここまですまいうるの運営会社について見てきました。
では、すまいうるにはどのような特徴があるのでしょうか。
すまいうるを利用する前の3つの特徴・注意点
すまいうるは、あまり情報開示を行っていないため、実際のところどのようなサイトなのかほとんど分かりません。
この章では、分かる範囲ですまいうるの特徴について解説したいと思います。
登録事業者数は不明
すまいうるは、査定に参画している登録事業者数を公表していないため「不明」です。
この登録事業者数が公表されていない点が、すまいうるがどの程度の利用価値があるのかどうか、分からなくしています。
登録事業者数を公表していない理由の一つに、公表できるほどの数が集まっていない可能性が高いことが推測されます。
例えば、NTTデータグループが運営している「HOME4U」という不動産一括査定サイトは、登録企業数が全国で2,300社以上あることを公表。
「イエウール」という不動産一括査定サイトでは2,000社以上です。
すまいうるは、1年ちょっとしか運営していないため、さすがに1,000件は超えていないと思います。
公表してしまうと、他のサイトと比べるとかなり見劣りしてしまうため、公表していないのだと思います。
不動産一括査定サイトは不動産会社にとっては嫌な存在
不動産一括査定サイトの存在は、不動産会社にとっては嫌な存在です。
不動産一括査定サイトを通じて査定を行うと、不動産会社はサイト運営者に対して手数料を支払います。
しかも、査定は毎回他社との競争となるため、仲介の仕事が取れるかどうか分かりません。
手数料を払ったあげく、仕事を全く取れないようであれば、登録する意味がないということになります。
また、不動産一括査定サイトも、不動産会社の間では、「良いサイトと悪いサイト」の評判があります。
不動産会社にとって良い不動産一括査定サイトと悪い不動産一括査定サイト
- 良い不動産一括査定サイト:本当の売主が査定を依頼するサイト
- 悪い不動産一括査定サイト:サクラが多いサイト
サクラの多いサイトでは、不動産会社が偽の売主の査定に手数料を払わなければならず、査定の度に損をさせられるといった状況になっています。
そのため、不動産業者の間では、やたらな不動産一括査定サイトへは警戒され、登録を敬遠する動きもあるのです。
すまいうるは不動産会社集めに苦労している
このような中、すまいうるのような新しい不動産一括査定サイトは、登録する不動産会社を集めるのにかなり苦労しているものと思われます。
すまいうるのサイトの中では、「査定申し込みが続々!」という部分に、あたかも査定の申込がたくさんあるかのように、申込依頼が流れています。
ただし、サクラの可能性も十分にあり、「査定申し込みが続々!」の表示は信用しない方が良いと思います。
登録企業数が少なければ、いざ利用してみると
- 「このエリアは査定できません」
- 「東京の不動産を査定するのに名古屋の会社が来る」
- 「不動産一括査定サイトなのに1社にしか査定できない」
等の現象が発生することがあります。
すまいうるの利用は、登録事業者数が公表されるまで、控えた方が良いでしょう。
査定できる物件種別
すまいうるでは、以下の物件種別が査定できるようになっています。
- マンション
- 戸建て
- 土地
- 1棟アパート・1棟マンション
- 所有ビル(1棟)
- 所有ビル(1室)
- 店舗・工場・倉庫
- 農地
- 山林
一応、通り一遍の物件種別について査定ができそうですが、本当に査定ができるかどうかはわかりません。
特に、「所有ビル(1室)」「工場・倉庫」「農地」「山林」あたりの特殊な不動産は怪しいです。
登録事業者数が多ければ、特殊な不動産も査定する不動産会社はいると思います。
しかしながら、登録事業者数が少ないと予想される以上、これらの特殊な不動産の査定ができる会社が多くいるとは思えません。
特殊な不動産まで査定できるかどうかは未知数ですので、他の不動産一括査定サイトを利用した方が良いでしょう。
お問い合わせはメールのみ
すまいうるには、お問い合わせ機能がありますが、Webからのメールのみの対応。
フリーダイヤルのような電話対応サービスがありません。
不動産一括査定サイトには、悪徳業者問題というのが存在します。
査定依頼したら、訪問査定に来たのが悪徳業者だったという問題です。
仮に、悪徳業者が来た場合にも、電話相談サービスのあるサイトであれば、その状況をサイト運営会社にきちんと訴えることができます。
メールのみの対応だと、悪徳業者が査定に来ても、「当社は関知していません」くらいの冷たい反応で終わる可能性があり、利用者が不利益を被ることがあります。
まだ実績が少ないすまいうるにおいては、電話対応のないので少し怖い気をします。
なぜか太陽光発電推し
すまいうるは不動産売却の情報サイトにもなっていますが、そのサイトの中では、なぜか太陽光発電推しです。
情報記事の中では、太陽光発電事業者への買取査定なんかも紹介しています。
これは、運営会社が名古屋の会社だからでしょうか。
長野県や愛知県、山梨県等の中部地方は、日照時間が長く、太陽光発電に適した用地が多いです。
そのため、中部地方は、比較的、太陽光発電用地の取引が活発に行われています。
地域の特性を反映していますので、中部地方で太陽光発電事業者へ土地を売却する人は、すまいうるを利用しても良いのかもしれません。
太陽光発電事業者への売却については下記記事に詳しく記載しています。
以上、ここまですまいうるの特徴について見てきました。
では、すまいうるはどのような人にオススメなのでしょうか。
すまいうるがオススメの人
すまいうるは、実績も少なく、登録事業者数も分からないため、その実力を測りかねません。
そのため、今のところの利用はあまりオススメしないです。
ただし、名古屋の人は利用しても良いと思います。
すまいうるに登録されている不動産会社のロゴを見ると、名古屋の不動産会社が多いので、名古屋の不動産で利用する限りは、それなりに機能するものと思われます。
「地元の企業だから」という理由で興味のある人は、すまいうるを使ってみても良いでしょう。
不動産一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
不動産一括査定サイトについては下記記事で詳しく解説しています。
まとめ
比較的新しい不動産一括査定サイトである「すまいうる」について見てきました。
すまいうるは、公表されている情報が少なく、どれぐらいの不動産会社が参加しているのかもわかりません。
基本的には、無理して使う必要はないというのが筆者の結論です。