太陽光発電事業者に土地売買しても大丈夫?よくあるトラブルと2つのメリット・特徴

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太陽光発電事業者に土地売買しても大丈夫?よくあるトラブルと2つのメリット・特徴

自然エネルギーのブームが過ぎてから久しいですが、未だに太陽光発電の土地売買は見られます。

太陽光発電は儲からなくなってきたことから、太陽光発電事業者への土地売買はトラブルも増えてきています。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 太陽光発電事業者に土地を売ると、どんなメリットがあるの?
  • 太陽光発電事業者への土地売買では、どんなトラブルが起きやすいの?」
  • 太陽光発電事業者に土地を売却する際には、何に注意すればいいの?

そこでこの記事では、「太陽光発電事業者への土地売買をめぐるトラブル」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、太陽光発電事業者への土地売買トラブルや、売買の際の注意点について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.太陽光発電事業者への土地売却の2つのメリット

太陽光発電事業者への土地売却のメリットは、以下の2点です。

2つのメリット

  • 利用価値の低い田舎の土地でも売れる
  • 価格が意外と高い

メリット1.利用価値の低い田舎の土地でも売れる

太陽光発電事業者への土地売却のメリットは、利用価値の低い田舎の土地でも売れるという点です。

人口減少と東京一極集中が続く中、全国で活用できない利用価値の低い土地が増えています。

アパート等の土地活用は当然無理ですし、戸建て分譲のディベロッパーへ売却することも無理です。

貸せないし、売れないといった八方ふさがりの中、太陽光発電は数少ない土地の利用方法ということができます。

太陽光発電は、田舎でも可能な土地活用方法といっても、買取価格な年々下がり、制度もコロコロ変わるなど、個人が行うにはリスクが高過ぎる事業となっています。

そのため、今から自分で太陽光発電事業を行うことはオススメしません。

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しかしながら、プロの太陽光発電事業者に売却するのであれば、話は別です。

売却してしまえば、太陽光発電事業のリスクは事業者が負うことになりますので、売主だけなら大きなリスクを伴うことはありません。

「太陽光発電事業者への売却」は、利用価値の低い田舎の土地に残された数少ない選択肢であり、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

メリット2.価格が意外と高い

太陽光発電事業者への土地売却は、価格が意外と高いという点もメリットです。

これは、あくまでも利用価値の低い田舎の土地であることが前提ですが、そのような土地の中では売却価格は高いです。

太陽光発電事業者は、坪単価5千円~3万円程度で買い取ってくれます。相場が坪1万円を下回るような土地であっても、坪1万円以上で購入してくれるケースもあるため、結構、高く売ることが可能。

山林のような土地でも坪5千円というのがあります。山林には、坪単価が数百円という物件もたくさんあり、その10倍以上の価格である坪5千円というレベルは、破格の値段といえます。

もちろん、普通の住宅地の価格と比較すると、かなり安いです。住宅地として売れる土地であれば、住宅地として売った方が高くなります。

あくまでも、誰も買ってくれないような土地の中では、高く売れるという点がメリットです。

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以上、ここまで太陽光発電事業者への土地売却のメリットについて見てきました。

太陽光発電事業者への土地売却は、通常の土地売却とは異なる特徴があります。

そこで次に、太陽光発電事業者への土地売却の特徴について解説いたします。

2.太陽光発電事業者への土地売却の特徴

太陽光発電事業者への土地売却の特徴は、売買契約から引渡までの時間がかかるという点です。

売買契約を締結してから引渡まで、どんなに早くても3~6ヶ月程度であり、場合によっては1年以上先になることもあります。

不動産の売却では、売買契約時は手付金だけであり、残金は引渡時に入金されます。引渡が先ということは、「売るという約束はしたけれども、お金が入ってくるのはずっと先」ということ。

太陽光発電事業者への売却が時間かかる理由

通常、売買契約を締結してから引渡までの期間は1ヶ月ですので、通常の売却と比べるとかなり長くなっています。

一般的な住宅の売買では、売買契約から引渡までの期間を1ヶ月設けるのは、その間に買主が銀行に住宅ローンの本審査を通すためです。

住宅ローンの本審査は、売買契約書が必要書類となるため、売買契約と引渡はずらす必要があります。

一方で、太陽光発電事業者への売却では、売買契約から引渡までの間に、太陽光発電事業者が行政に対して太陽光発電の事業申請や許可を受けることを行います。

太陽光発電の申請は、土地が決まっていないと行うことができないため、事前に購入予定の土地の売買契約書が必要となるのです。

買主が売買契約から引渡までの間に行っていることが、行政手続きなので、住宅ローン審査とは重みが全く異なります。

売却地が農地の場合など、許可が下りないこともあります。

本来なら、太陽光発電事業者は土地の引渡を受けてから申請すべきですが、太陽光発電事業者はそこまでリスクを取りません。

とりあえず契約書の段階で申請だけを行い、許可が下りたら購入するというのが太陽光発電事業者の購入スタンスです。

以上、ここまで太陽光発電事業者への土地売却の特徴について見てきました。

太陽光発電事業者への売却は、「太陽光発電事業の許可が下りたら購入する」という条件が付きます。

このような条件のことを「停止条件」と呼びます。では、停止条件とは一体何なのでしょうか。

そこで次に、停止条件について解説いたします。

3.停止条件とは

「もし太陽光発電事業の許可が下りたら買います」みたいな条件付きの売買を停止条件付売買と言います。

停止条件は、契約のイメージと言葉が逆であるため、良く誤解されます。

停止条件付とは、売主と買主との間で既にお互いが売買する意思があるものの、売買を停止させている条件を付けている契約になります。

イメージとしては下図左のような状態。左図は停止条件と言うシャッターが下りているため、車(売買)が前に進めません。

条件が成就し、シャッターが上がれば車(売買)が前に進むというのが停止条件付売買です。

停止条件のイメージ

停止条件のイメージ

「太陽光発電事業の許可」というのは、車(売買)を「停止させている条件」になります。

太陽光発電事業の許可が下りれば、シャッターが開き、車(売買)が進んで引渡まで進むことができます。

良く、「太陽光発電事業の許可が下りたら、売却が停止するってこと?」と誤解されます。

そうではなく、「太陽光発電事業の許可が下りたら」というのは、今の売買を停止させている条件なので、条件が成就したら停止が解除され、売却が前に進むということ。

停止条件付売買はトラブルの元

太陽光発電事業者との売買では、この停止条件付売買となることが通常です。この停止条件付売買であることが、トラブルの原因になっています。

最も多いのは、売却できるものだと思っていたのにもかかわらず、停止条件によって売却できなかったというトラブルです。

しかも、この太陽光発電事業の停止条件は、条件がいつ成就するのかが分かりません。半年後なのか、1年後なのか分からず、売主としては、その間、ずっと売買契約に拘束されることになります。

そこで、停止条件付売買をする場合は、太陽光発電事業者との売買代金よりも上回る買主が現れた場合には、売主はそちらに売却できる等の特約を入れておいた方が良いです。

他の条件の良い買主が現れたら、そちらに売却できるようにしておけば、長期間、太陽光発電事業者との契約に拘束される必要はありません。

条件の良い買主が現れるかどうかは別として、他の良い話を逃してしまうリスクは回避できます。

また、「○○までに許可が取れなかったら契約を解除する」といった期限を設けておくのも一つ。売主からも解除権を確保しておくことが、リスクヘッジとなります。

以上、ここまで停止条件について見てきました。

太陽光発電事業者に土地を売却する場合は、いくつか注意しておきたいことがあります。

そこで次に、太陽光発電事業者への土地売却の注意点について解説いたします。

4.太陽光発電事業者への土地売却の2つの注意点

太陽光発電事業者への土地売却の注意点は、以下の2点です。

2つの注意点

  1. 不動産会社の協力が得にくい
  2. 農地は農地転用が必要となる3

注意点1.不動産会社の協力が得にくい

太陽光発電事業者への土地売却は、不動産会社の協力が得にくいです。

引渡までが長く、不動産会社もいつ仲介手数料が入ってくるか分かりません。

また、売主から、「一体、どうなっているのか?」とクレームが入ることも多く、やりにくいというのが実態です。

不動産会社に太陽光発電事業者へ売却してくれと頼んでも、良い顔はされないでしょう。

注意点2.農地は農地転用が必要となる

土地が農地の場合、農地法の転用許可が必要となります。

農地の転用許可も加わるため、停止条件のハードルが高くなり、売却できなくなる可能性が高まります。

農地を太陽光発電事業者へ売却する場合、農地転用の許可が下りるかどうかについて、事前に都道府県等に確認しておくことをおススメします。

農地法については下記記事で詳しく解説しています。

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以上、ここまで太陽光発電事業者への土地売却の注意点について見てきました。

太陽光発電事業者への売却は、停止条件付でやりにくいですが、今後、太陽光発電事業はどのようになっていくのでしょうか。

そこで次に、太陽光発電の将来性について解説いたします。

5.太陽光発電の将来性

太陽光発電は、買取価格が毎年下がっています。2018年における太陽光発電の買取価格は「18円+税」です。

太陽光発電事業者の投資採算ラインは30円後半と言われており、買取価格は既に投資採算ラインを下回っています。

そのため、今後は新しく太陽光発電事業者が増えていくということはほぼありません。

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例えば、今現れた太陽光発電事業者よりも、もっと高い金額で購入したいという太陽光発電事業者が現れる可能性は、限りなくゼロに近いです。

元々、太陽光発電事業者への売却価格は高いため、売買契約で、「売買代金よりも上回る買主が現れた場合に、その買主へ売却できる」旨の特約を定めていたとしても、実質的には無意味です。

すると、太陽光発電事業者への売却は、リスクヘッジのしようがなく、いつまでも「宙ぶらりん」となる可能性もあります。

そのため、太陽光発電事業者への売却は、まず「売れても売れなくてもどちらでも良い土地」で行う必要があります。

「すぐに売りたい」とか「確実に売却したい」といった土地には向いていません。

太陽光発電事業の将来性を踏まえれば、「売れれば、ラッキー」という程度の気持ちで売却するようにしてください。

まずは不動産会社へ通常の売却を相談するのが先決

以上の事からも、まずは太陽光事業者に売却するのではなく、不動産会社への相談がいいでしょう。

ただ、なかなか売れない土地である可能性が高いため、1社の不動産会社だけではなかなか売却できないでしょう。

必ず複数の不動産会社への相談をオススメします。

ただ、複数の不動産会社への相談と言っても探すのが面倒だと思います。そんな時に便利になるのが不動産一括査定。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

不動産一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定×不動産会社のマッチング表

一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

6.まとめ

以上、ここまで、太陽光発電事業者への土地売買はトラブルが多いということや、売買の際の注意点について見てきました。

太陽光発電事業者への売却は、停止条件付であることがネックです。

確実に売れる保証はないので、過度な期待は避けましょう。

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