ずっと空家として放置している家でも、不用品を片付けられなくて家を売却できないという人は結構います。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 家を売却する際、不用品はそのまま買い取ってもらえないのか知りたい
- 不用品は査定に含まれるのか知りたい
- 不用品の良い処分方法を知りたい
そこで今回の記事では、家の売却における「不用品」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことであなたは家売却における不用品の扱い方について知ることができます。
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【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター
株式会社グロープロフィット 代表取締役
日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。
資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格
1.家は物置のままだと価値が落ちる
家は物置のまま放置しておくと、自然に価値が落ちます。
窓を締め切った状態が続くと、湿気がこもりカビが大量発生してしまいます。
また排水管の中に溜まっている封水という水が蒸発すると、下水からの匂いが立ち込め家中が臭くなります。
シロアリが発生すると、床が腐食し、家具等の不用品の重みに耐えられなくなり、床が抜け落ちる場合もあります。
そのため、不用品の物置状態で家を放置し続けると、どんどんと家の価値が下がる方向に向かいます。
不用品の物置であっても、家の換気や通水は定期的に行い、しっかりと管理をすることが重要です。
特に、これから家を売却するのであれば、価値を維持するためにも換気と通水はしっかりと行う必要があります。
不用品の物置として、家を長期に放置することは避けましょう。
以上、ここまで家は物置のままだと価値が落ちるについて見てきました。
では、査定をした場合、不用品はどのように扱われるのでしょうか。
2.家の価格には不用品は含まれない
家の査定を依頼すると、査定の対象となるのはあくまでも物件のみになります。
不用品や家具等の動かせる「動産」は査定の対象とはなりません。
動産とは、基本的には動かせるものを言います。
エアコンはしっかりと備え付けられているため、不動産のような気がしますが、エアコンは「動産」になります。
また、壁や床にネジでしっかりと固定している金庫のような家具も動産です。
多少の工事で外せるようなものは動産になります。
一方で、畳や襖は簡単に取り外しができますが、畳や襖、障子等の和室を構成するものが不動産に含まれます。
また、庭石等の土地に定着しているものに関しても、不動産として扱われます。
家の査定を行っても、エアコンや家具等の金額は加味されません。
畳や庭石等の不動産として一体となっているものに関しては価格に含まれます。
不用品を置いたままでは家は売却はできない
基本的に、不用品を置いたままでは家を売却することはできません。
ゴミや不用品が残っていると、売却のトラブルの原因となります。
不用品がある場合は、仮に売却できたとしても処分費用相当額は値引きの対象となります。
不用品があることで、家の価格はマイナス評価されます。
不動産を引渡す際は、不用品やゴミが全くない状態であることが必要。
エアコンやウォシュレット等は、場合によっては買主と協議の上、残したまま売却できることがあります。
その際は、不具合等がある場合は、きちんと不具合箇所を買主へ開示してから売却することがポイントです。
不具合があれば必ず買主へ伝える
不具合を知っていた買主へ告げなかった場合、瑕疵担保責任を追及されることがあります。
瑕疵(カシ)とは通常有すべき品質を欠くこと。例えば、雨漏りやシロアリ被害など。
売主は家を売却した後、買主が瑕疵を発見すると損害賠償責任か、もしくは契約解除を求められる責任を負います。
この責任を瑕疵担保責任と呼びます。
瑕疵担保責任は、事前に瑕疵を買主へ伝えておけば、責任を追及されることはありません。
しかしながら、売主がその瑕疵の存在を知っていて伝えなかった場合、瑕疵担保責任を免れることができません。
エアコンやウォシュレット等の家電製品は、壊れやすいため、不具合となっている箇所も多いです。
不具合がある場合は、細かく動作を再確認し、買主へ伝えることが必要です。
瑕疵担保責任については下記記事でさらに詳しく解説しています。
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売主なら知っておきたい知識の一つに瑕疵担保責任というものがあります。 まず、瑕疵とは「カシ」と読みます。「カ」は「ヒマ」 ...
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ただし、不具合が多い場合には、今度は値引交渉のネタとなってしまいます。
不具合のあるエアコンを付けて売ることで、値引が本体価格まで及ぶ可能性もあります。
そのため、できればエアコンやウォシュレット等の家電は撤去してから売却することをオススメします。
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自分の新居にもっていくか、不用品として処分するようにして下さい。
以上、ここまで家の価格には不用品は含まれないについて見てきました。
では不用品のある状態で売却しようとすると、不動産会社はどのような反応を見せるのでしょうか。
3.不用品がある場合は不動産会社は対応してくれない
繰り返しになりますが、不用品が残ったままでは、家を売ることはできません。
そのため、不用品を残したままの状態で不動産会社に売却を依頼すると、基本的に断られます。
「不用品が処分できる目途が立ってから売却するようにして下さい」と言われます。
希に不用品の処分も手伝ってくれる親切な不動産会社も存在しますが、そのような不動産会社は少数派。
空き家の売却を熱心に手がけているような不動産会社であれば、不用品の処分を手伝ってくれる可能性はあります。
不用品の処分を手伝ってくれる不動産会社が見つからない場合、早めに自分で動くようにして下さい。
粗大ゴミなどは、捨てられる日が月に一回しかないケースもあります。
そのため、不用品の処分は少なくとも1ヶ月以上の時間を要すると考えてください。
不用品の処分は計画的に行うことがポイントとなります。
以上、ここまで不用品がある場合の不動産会社の反応について見てきました。
一口に不用品と言っても、換金できる高価品も存在します。
そこで次に高価品の処分方法について解説します。
4.家の中にある高価品のオススメ処分方法
不用品の中でも着物やブランド品、ブランデー、骨とう品、金券、古いお金等がある場合、換金することが可能。
高価品と思われるものが、複数ある場合、それぞれどこに売却すれば良いのか分からない方も多いと思います。
そんなときは、「 スピード買取.jp 」というインターネットの買取サービスを使うのが便利。
「 スピード買取.jp 」なら、買取業者が出張してくれますので、自宅に居ながら買取を依頼することができます。
また買取金額に合意したらその場で現金を受け取ることも可能です。
他にも、高価品をお金に換えるには、メルカリやヤフオクなどの個人売却も考えられます。
ただし、一品ずつ売却する必要があり、慣れないと非常に手間がかかります。
簡単に売却するのであれば、「 スピード買取.jp 」がオススメです。
最近は、粗大ゴミ等も捨てるのに有料になってきていることから、このような買取サービスを上手く利用して、少しでもマイナスを防ぐことは良い対策と言えます。
他にも、普通のゴミを捨てるのも、市の指定のゴミ袋を購入しなければいけない等、ゴミを捨てるのには、お金がかかります。
不用品処分で発生するマイナスを少しでも減らすためにも、高価品は積極的にお金に換えるようにしましょう。
以上、ここまで高価品の処分方法について見てきました。
では不用品があるまま家を取壊して売却する場合は果たして解体業者へ不用品の処分は依頼できるのでしょうか。
5.解体業者に不用品の処分は頼めない
結論からすると、不用品の処分は解体業者に依頼することはできません。
個人の家庭からでる廃棄物は一般廃棄物というゴミの種類に分別され、一般廃棄物処理業者でないと、家庭ゴミを捨てることはできません。
それに対し、法人が廃棄するゴミは産業廃棄物となります。
一般廃棄物や産業廃棄物の処理業者は、原則として解体業者とは異なります。
家庭ゴミや企業の出すゴミを処分するには、一般廃棄物処理業や産業廃棄物処理業の免許を取得しなければなりません。
そのため、解体業者に解体を依頼する場合にも、不用品は処分していることが前提となります。
不用品を処分することが面倒な人は、解体業者に「全部処分してください」と気軽に頼む人も多いのですが、実はそのような依頼をしても断られるケースは多いです。
ただし、解体業者の中には、一般廃棄物収集運搬業の許可を取っている業者もいます。
「収集運搬業」とは、ゴミを処分するのではなく、処分場まで運ぶことができる業者。
一般廃棄物収集運搬業の許可を取っている解体業者であれば、ゴミを解体現場から処分場へ運搬することができます。
そのため、このような解体業者であれば、不用品の廃棄も可能です。
不用品を残したまま解体したい場合であれば、解体の見積時点でゴミの運搬も可能かどうか、必ず確認するようにして下さい。
不用品はあり過ぎるとゴミ屋敷になってしまいます。
ゴミ屋敷の売却に関しては下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。
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不用品の処分の目途がついたら、いよいよ査定です。
そこで次に不用品の目途がついたら査定するについて解説します。
6.不用品の目途がついたら査定する
査定は、不用品が残ったままでも査定することができます。
不用品があるまま不動産を売却することはできませんが、処分することが前提であれば不用品があっても査定は可能です。
査定時に不用品が残っていても、価格が下がることはありません。
不動産会社には売却時までにはしっかり処分することを伝えるようにして下さい。
また、無料の一括査定サイトを使えば、複数の不動産会社が査定にきます。
一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ
色々なノウハウを持っている不動産会社が来ますので、不用品の他の処分方法を聞くのもオススメです。
不動産会社によっては、親切な一般廃棄物収集運搬業者も知っている可能性がありますので、もっと良い処分方法がないかを聞いて見るのも良いでしょう。
一括査定のオススメは
「すまいValue」「HOME4U」 
不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。
その中でも
- 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
」
- 【1都3県・大阪・兵庫 限定】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
」
- NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
」
- 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
」
の4つを特にオススメしています。
筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U
」「 イエウール
」)を利用しました。
下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。
とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。


一括査定×不動産会社のマッチング表


不動産売買は超大手に偏っている
「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
不動産一括査定の賢い使い方
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。


一括査定 | 机上査定 | 備考欄 |
---|---|---|
すまいValue | 〇 | 〇 |
HOME4U | 〇 | 〇 |
イエウール | 〇 | |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | 〇 | 〇 |
一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
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不動産一括査定サイトは怪しくない?利用者のリアル評判とデメリット
不動産一括査定サイトのオススメを先に見たい人はコチラ マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたと ...
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7.まとめ
不用品が片付けられなくてなかなか家売却ができない人の対処法を解説してきました。
家の売却では原則として事前に不用品の処分は必要となります。
計画的に処分をするようにして下さい。
なお、リフォームまでは必要ないことがほとんどです。
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