不動産で売却損があった場合の繰越控除条件と具体例を徹底解説

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個人が居住用財産を売却した場合、買った時よりも値段が上がっているケースはほとんどありません。特に新築で購入した物件を売却する際は、大抵は売却損が発生します。

実はこの売却損、上手く利用すると税金が戻ってくる場合があるのです。

  • 不動産で売却損があった場合に確定申告は必要なのか知りたい
  • 繰越控除が行える条件とその計算を知りたい

と思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では不動産で売却損があった場合の繰越控除条件と具体例について、売却損や確定申告の方法などをお伝えします。

読めば解決できるまで丁寧に説明しています。

ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。徹底解説していきます。

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1.売却損が出た場合の特例条件とは

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初めに、この売却損が出た場合に税金が戻ってくる話ですが、今回は「個人が居住を売却したときことで譲渡損失が発生」した人に限定します。

原則的には、個人が土地建物を譲渡して損失が発生したとしても、他の所得(給与所得・事業所得等)から控除したり、繰越したりなどの特例を受けることはできません。

あくまでも以下の説明する「特定の居住用財産」を譲渡して損失が発生した場合のみ認められる「特例」となります。

細かい要件をお話しする前に、まずこの繰越控除の特例がどの程度インパクトがあるのか事例を紹介します。

1-1.Aさんの場合(前提条件)

サラリーマンであるAさんが平成7年にマンションを7,000万円で購入し、平成28年に4,000万円で売却した時の事例です。

Aさんの売却した住宅の減価償却は400万円、売却に要した仲介手数料等の譲渡費用は126万円でした。

またAさんの給与所得は

  • 平成28年が800万円(源泉徴収税額63万円)
  • 平成29年が850万円(源泉徴収税額72万円)
  • 平成30年が900万円※(源泉徴収税額79万円)

というモデルです。

※平成30年の所得控除額は250万円です。

Aさんの税金の戻り額は?

では、Aさんが不動産を売却した場合、どれくらい税金が戻ってくるが見てみましょう。

平成28年分の所得税額の計算
  1. 譲渡損失の計算
    4,000万円 ― (7,000万円 ― 400万円) ― 126万円 = ▲2,726万円
  2. 損益通算
    800万円 - 2,726万円 = ▲1,926万円
  3. 結果
    所得税額ゼロとなり、源泉徴収税額63万円が全額還付されます。
平成29年分の所得税額の計算
  1. 損益通算
    850万円 ― 1,296万円 = ▲446万円
  2. 結果
    所得税額ゼロとなり、源泉徴収税額72万円が全額還付されます。
平成30年の所得税額の計算
  1. 損益通算
    900万円 ― 446万円 = 454万円(課税譲渡所得)
  2. 所得税額の計算
    所得税額は下表に基づき以下のように計算されます。
    (454万円 ― 250万円) × 10% ― 9.75万円 = 10.65万円

    課税所得税率控除額
    195万円以下5%0円
    195万円超~330万円以下10%97,500円
    330万円超~695万円以下20%427,500円
    695万円超~900万円以下23%636,000円
    900万円超~1,800万円以下33%1,536,000円
    1,800万円超40%2,796,000円
  3. 復興特別所得税
    10.65万円 × 2.1% ≒ 約0.22万円
  4. 還付額の計算
    10.65万円 + 0.22万円 = 10.87万円
    79万円(平成30年の源泉徴収税額) - 10.87万円 = 68.13万円
  5. 結果
    68.13万円が還付されます。

1-2.特例を受けた人は3年間に繰り越して控除が受けられる

いかがでしょうか。このように特定の居住用財産を控除すると、譲渡損失は譲渡した年の翌年以後3年間(つまり最長4年間)に繰り越して控除ができるのです。

源泉徴収税額がちょうどボーナス1回分程度ですので、還付を受けると毎年ボーナスが1回増えるようなイメージとなります。

元々、この特例は中古不動産市場を活性化する目的で制度化されました。

つまり売却する人向けに「売る動機」を与えるために創設された特例です。

譲渡損失が出た場合、税金を払わなくて済むから確定申告をしなくて良いやと思っている人も居ますが、むしろ逆です。

この特例は、譲渡損失が出たからこそ確定申告を行い、税金が戻ってくるという制度なのです。

以上、初めにインパクトをご理解いただくために、事例から紹介しました。

それではどのような要件を満たせばこの特例を受けることができるのか、要件を解説いたします。

2.特例を受けるための要件

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どんな不動産を売却しても特定を受けられるわけで貼りません。

この章ではどんな人が受けられるのか、あなたは受けられるのかを確認することができます。

要件①:特定の居住用財産であること

特定の居住用財産とは以下の通りです。

  • 平成31年12月31日までの譲渡であること。
  • 譲渡した年の1月1日において土地建物の所有期間がいずれも5年を超えていること。
    さらに以下の(a)~(d)のいずれかに該当するものとなります。
    (a) 現に自分が住んで居る住宅
    (b) (a)の家屋でその個人の居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるもの
    (c) (a)または(b)の家屋及びその家屋の敷地となっている土地
    (d) 譲渡する個人の(a)の家屋が災害により滅失した場合においては、その個人が家屋を引き続き所有していたら譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えることとなる、その家屋の敷地の用に供されていた土地等(ただし、災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る)

特定の居住用財産を定義で書くと難しいですが、要は今年の1月1日時点で購入してから6年目を迎えるマイホームは対象となります。

要件②:譲渡損失が出ていること

ここで譲渡損失ですが、譲渡損失の計算式は以下の通りとなります。

譲渡所得に係る損失額 = 譲渡収入 - 取得費(減価償却後) - 譲渡費用

例えば、新築でマンションを購入していれば、築6年以上経過している中古マンションを売却しようとすると、ほとんどの場合、購入金額よりも売却金額の方が大幅に金額は下がっています。

かんたんに言うと、不動産の売却額が購入した時の金額を上回っていなければ、損失が出ていると考えれば大丈夫です。

「特定の居住用財産」を保有している人は、上述の式に当てはめると売却損が生じているため、まずは最初の要件をクリアしていると考えられます。

要件③:確定申告を行うこと

要件①と②を満たしていれば、自動的に特例が受けられるというわけではありません。

必ず確定申告をする必要があります。

確定申告方法は、後ほど紹介しますので、ここでの詳細は割愛します。

2-1.特例には2種類がある

次に、この繰越控除の特例は、「買換え」と「売却のみ」の2種類で異なります。

  • 買換えと前提した場合の特例:居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の繰越控除
  • 売却のみを前提とした場合の特例:特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等

以下にそれぞれの要件を示します。

条件居住用財産の買換えの場合の
譲渡損失の繰越控除
特定居住用財産の
譲渡損失の繰越控除等
譲渡資産の所有期間等譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超のもの
譲渡資産の住宅借入金の有無特に制限なし譲渡契約締結日の前日において借入金残高があること
買換え要件床面積が50㎡以上等の一定の要件を満たす買換え資産を買換える。買換えは要件となっていない
所得要件合計所得金額が3,000万円以下であること
繰越控除等される金額損失の全額が、他の所得との通算及び3年間の繰越控除の対象となる。損失の金額のうち、「ローン残高―譲渡価額」の金額を限度として他の所得との通算及び3年間の繰越控除の対象となる。

以上、特例を受けるための要件について見てきました。

この特例を受けるためには確定申告が必要となります。

そこで次は気になる確定申告の方法について解説していきます。

3.確定申告の必要書類

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確定申告は譲渡年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います。

特例を受けるためには確定申告書に下記の書類を添付して税務署に提出する必要があります。

○:必要 ―:不要

必要書類居住用財産の買換えの場合の
譲渡損失の繰越控除
特定居住用財産の
譲渡損失の繰越控除等
入手方法
除票住民票旧住所の市区町村役場より入手
譲渡資産の登記事項証明書法務局により入手
買換え資産の登記事項証明書-法務局により入手
新しい住民票-移転先の市区町村役場より入手
譲渡所得計算明細書国税庁のHPより入手
住宅借入金残高証明書
買換え資産のもの

譲渡資産のもの
借入先の銀行より入手

確定申告の詳細については下記記事をご確認ください。

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4.まとめ

いかがでしたか?不動産で売却損があった場合の繰越控除条件について見てきました。

この特例は場合によっては、2~3年間、ボーナス1回分が戻ってくるようなお得な特例となります。

要件に当てはまる人は多いと思われますので、一度、検討してみましょう。

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