不動産売却したら確定申告しないとダメ?税務署のお尋ねが来た時の対応方法

不動産売却したら確定申告しないとダメ?税務署のお尋ねが来た時の対応方法

「あ~確定申告なんて面倒くさい!よく分からないし」

その気持ち良く分かります。

特にサラリーマンの方は、通常は確定申告をする必要がないので、不動産の売却をしていちいち確定申告をするのは面倒くさいでしょう。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 家を売ったけど確定申告をしないとどうなるの?捕まるの?
  • 利益が出てないから確定申告する必要ないよね?
  • 税務署からお尋ねが来るって聞いたけど本当?

今回の記事では不動産売却において「確定申告しないとどうなるか」についてお伝えいたします。

結論からすると、譲渡所得が発生しなければ、確定申告しなくてOK。もちろん、捕まりません。

ただ、確定申告をした方が得する人の方が多いことが多いです。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.不動産を売却したらどうして確定申告は必要?

答えは「所得を確定」するため

確定申告は何のために行うものか、あなたはハッキリ答えられるでしょうか?

先に結論を言います。

確定申告は、所得を確定するためです。

サラリーマンのような給与所得者の方は、通常、確定申告は行いません。源泉徴収という形で、普段から税金の部分が天引きされているため。

だだ、保険等をかけていると、その分が費用として認められるため、年末調整という形で会社に保険の払込金額の分かるものを提出します。

給与所得者の方は、恐らく年末調整だけでも、面倒くさいと思っているのではないでしょうか。

国の立場で考えると正確な所得税を徴収するために行います。

給与所得以外の所得が発生すると確定申告が必要になる

個人の所得は

  1. 給与所得
  2. 利子所得
  3. 配当所得
  4. 不動産所得
  5. 事業所得
  6. 退職所得
  7. 山林所得
  8. 一時所得
  9. 雑所得
  10. 譲渡所得

の10種類の所得があります。

サラリーマンの場合は、通常は給与所得しか発生しません。

あなたの給与所得は会社から教えてもらっていますので、あなたはわざわざ確定申告をする必要はないのです。

ところが、あなたが給与所得以外の所得が発生した場合、税務署にきちんと申請してもらわないとあなたの所得を全部把握できません。

もし、給与所得以外の所得があるのに、それを隠している場合、「所得隠し」となって脱税となります。

ただし、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の場合は、申告しなくてもOKです。

不動産を売却した場合は「譲渡所得」になる

家やマンション、土地などの不動産を売却した場合に発生する所得を「譲渡所得」と言います。

譲渡所得は会社の所得とは無関係なところで発生。

税務署としては申告してもらわないと困るわけです。

そのため譲渡所得が発生した場合には、基本的には確定申告はする必要があります。

2.譲渡所得が発生する条件は?

大前提として「譲渡所得≠不動産の売却額」

不動産を売却すると、全ての人に必ずしも譲渡所得が発生する訳ではありません。

譲渡所得とは不動産を売却したときの売却額ではないためです。

以下に、不動産を売却したときの譲渡所得の計算式を示します。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却額) - 取得費 - 譲渡費用

取得費とは購入額と言いたいところですが、ここも厳密には違います。

土地は購入価額になりますが、建物については減価償却後の価額になります。

つまり取得費とは以下の式で表された価額です。

取得費 = 土地購入価額 + (建物購入価額 - 建物減価償却累計額)

ただ、計算がややこしいので、購入額と一旦覚えておきましょう。

譲渡費用は売却に要した仲介手数料等になります。

確定申告が必要な人と必要ではない人の見極め方

確定申告をする必要のある人と、する必要のない人を表すと、以下のようになります。

  • 確定申告が必要:譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(掛かった経費)>0(譲渡所得が発生)
  • 確定申告が不要:譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(掛かった経費)≦0(譲渡所得が発生していない)

つまり、取得費より譲渡価額が安い人は売却損が出ているため、確定申告はする必要はありません。

3.確定申告をしないと「税務署からお尋ねが来る」のは本当?

繰り返しますが、不動産を売却して譲渡所得が発生していない人は、確定申告をする必要はありません。

ただし、家やマンション・土地などの不動産を売却したにも関わらず、確定申告をしてない人は、税務署から届く「お尋ね」が来る可能性があります。

「お尋ね」は確定申告が終わった4月以降に届きます。

実は税務署は、あなたが確定申告をしなくても、あなたが不動産を売却したことを知っています。

税務署は国が直轄する役所。国が直轄する役所には、もう一つ法務局があります。

法務局と税務署は同じ国の直轄組織のため、つながっています。

不動産を売却すると所有権移転登記を行いますが、その異動記録は全て税務署に流れます。

そのため、税務署はあなたが不動産を売却したのに確定申告をしてこなかったということも把握します。

税務署からお尋ねが来た時の対応方法

そこで、税務署はあなたに「譲渡所得の申告についてのお尋ね」という文書を送付してきます。

この文書は俗に「お尋ね」と呼ばれています。

「お尋ね」では譲渡価額や取得費、譲渡費用等を記入します。

取得費では減価償却費も計算するため、不安な方もいると思います。

取得費については、下記記事で詳しく解説しております。

不動産売却の取得費とは?一覧・計算方法と不明な場合の対処法
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譲渡所得が発生していない場合は、確定申告をしなくても別に悪いことをしているわけではありません。

気にせず回答しておけば大丈夫

そのため「お尋ね」には気にせず回答してください。

ちなみに回答しなくても罰則やペナルティはありません。

ただし、お尋ねは全てに人に来るわけではなく、「なんとなく金額が大きそうで、この人大丈夫かな?」という人だけに来ます。

税務署をわざわざ敵に回す必要はないため、お尋ねには素直に回答しましょう。

4.不動産売却したら確定申告が必要な2つのパターン

譲渡所得が発生した人は確定申告が必ず必要

確定申告が必要な人は、

  1. 譲渡所得が発生した人
  2. 譲渡所得が発生したため特例を使いたい人

の2つのパターンです。

単純に、以下のように譲渡所得がプラスになる方は、確定申告が必ず必要です。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 ≧ 0

譲渡所得が発生したため特例を使いたい人

一方で、居住用財産を売却した場合、譲渡所得が発生しても特例を使うことで所得税を抑えることが可能になります。

居住用財産とは、国として定義がしっかりと定められています。

居住用財産の適応要件

  • 現に居住している家屋とその敷地
  • 転居してから3年後の12月31日までに譲渡する居住していた家屋とその敷地
  • 災害等で家屋が滅失した場合は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する敷地
  • 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡した敷地
    ※国税庁「マイホームを売ったときの特例」より

難しいことが書いてありますが、ザックリ言うとマイホームの売却であれば特例が受けられます。

譲渡所得が発生した時に使える特例は3パターンある

その特例とは、以下の3つです。

譲渡益譲渡の種類特例
譲渡益が生じる場合 (所得税が発生)売却3,000万円の特別控除
売却所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
買換え特定の居住用財産の買換え特例

これらの特例を使うには確定申告が「必要」となります。

一番よくつかわれるのが、3,000万円の特別控除。

3,000万円特別控除を使うと計算式はこうなります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

ザックリ言うと、マイホームの場合、売却額が購入額よりも3,000万円以上高く売れない限り、税金は発生しないということです。

通常、家やマンションは購入時がピークで年数とともに価値が減少していきます。

購入時よりも売却時の方が3,000万円も高くなることはかなり稀でしょう。

3,000万円の特別控除については、下記記事でさらに詳しく解説しています。

3,000万円特別控除とは?不動産を売却しても税金を払わなくてもいい理由
3,000万円特別控除とは?相続空き家の売却は適用される?適用要件と必要書類

個人の方が不動産を売却しやすくするため、国は様々な税政策を実施しています。 個人がマイホームを売却や買換えした時によく使 ...

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特定の居住用財産の買換え特例については、下記記事でさらに詳しく解説しています。

特定のマイホームを買い換えたときの特例とは?税金控除額と適用要件・計算例
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以上、ここまで確定申告が必要な人について見てきました。

それでは次に確定申告をしなくても良いがした方が良い人について見ていきましょう。

5.確定申告をしないと損をする2つのパターン

譲渡損失が発生した人は特例を受けられる可能性あり

譲渡損失が発生した場合、全ての場合で確定申告はしなくて良いかというとそうとも言い切れません。

上述の居住用財産を売却して譲渡損失が発生した場合には、特例を使うと税金が戻ってくるから

居住用財産を売却すると、多くの人は譲渡損失が発生します。

そのため面倒くさがらずに確定申告をした方が良いです。

ボーナス1回分くらいの金額が戻ってきますので、是非、確定申告にトライしましょう。

ただし、繰り返しますが、居住用財産を売却して譲渡損失が出ても、特例を使うのが面倒であれば確定申告はしないという選択でもOK。

その場合は「お尋ね」が来る可能性があるだけです。

譲渡損失が出たときに使える特例は2パターン

使える特例とは以下の2つになります。

譲渡益譲渡の種類特例
譲渡損が生じる場合 (所得税が戻ってくる)買換え居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
売却居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これらの特例を使うにも確定申告が「必要」となります。

譲渡損が出た時の特例については下記記事で詳しく解説しています。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
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6.不動産売却の確定申告に必要な書類

確定申告をした方が良い人の「確定申告に必要な書類」は以下のものになります

添付書類3,000万円特別控除居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算
及び繰越控除の特例
居住用財産に係る譲渡損失の損益通算
及び繰越控除の特例
除票住民票必要必要必要
譲渡資産の登記事項証明書必要必要
買換資産の登記事項証明書必要
新しい住民票必要
譲渡所得計算明細書必要必要必要
その他必要:住宅借入金残高証明書(買換資産のもの)必要:住宅借入金残高証明書(譲渡資産のもの)

他にも確定申告書を作成する必要があります。

確定申告の方法については下記記事で詳しく解説しています。

不動産売却の確定申告の必要性と流れ4ステップ・必要書類一覧
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7.まとめ

不動産売却で確定申告しないとどうなるかについて解説してきました。

譲渡損失が発生して確定申告をしないでいると、税務署から「お尋ね」がくる場合があります。

譲渡価額や取得費等をきちんと回答できるように準備をしておきましょう。

また、特例を受けるためには確定申告が必要です。

特例については下記記事でまとめています。

個人が不動産を売却・買換えした時によく使われる5つの特例
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一括査定の流れ

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不動産一括査定サービスと一言でいっても、たくさん存在します。(筆者が知っているだけでも数十のサービスが存在する。)

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