不動産を個人売買するときの注意点と仲介を入れたときの違いを解説

投稿日:

インターネットによって様々なものが個人間で売買できるようになり、不動産も個人売買に注目が集まっています。

不動産は金額が大きく、売却後のトラブルも多いため、個人で不動産売買をするには、売主・買主共に注意を払う必要があります。

不動産の個人売買に興味がある人の中には、

  • 不動産で個人売買するのは可能なのだろうか?
  • 個人売買って、不動産会社の仲介を頼んだときと何が違うの?
  • 個人売買をするときは何に注意すればいいの?

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「不動産の個人売買」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産を個人売買するときの注意点と、仲介を入れたときの違いについて知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.個人売買で大きなリスクを負うのは買主

個人売買で大きなリスクを負うのは買主です。

不動産は何千万円もする高額な買い物になるわけですから、よく分からないものに大金を支払うのは大きなリスクを伴います。

不動産は法律の規制が厳しく、一般の人には良く分からない規制も多いです。

例えば、土地の規制の中には、市街化調整区域と呼ばれる規制があります。

市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域のこと

市街化調整区域にある土地は基本的に家を建てることができません。

500view
市街化調整区域とは何か?法律の規制や売却のポイントについて解説

市街化調整区域とは、都市計画法で市街化を抑制すべき区域としてゾーニングされたエリア 市街化調整区域内では、原則として建物 ...

続きを見る

そのような事実を知らずに、家が建つものと思って購入してしまうと、大きな被害を被ってしまいます。

不動産会社が仲介で入る意義

このような事態を避けるために、不動産会社が存在します。

不動産会社は単に仲介をするだけではなく、買主に対して重要事項説明を行います

重要事項説明では、市街化調整区域のような土地の売買でも、不動産会社が「ここは建物が建てられない土地です」としっかり説明することになります。

重要事項説明は、不動産会社が独自に調査した法的規制をしっかりと買主に説明するため、基本的には「知らなかった」ということがない状態で物件を購入することができます。

個人売買では、「良く知っているものを売る売主」と「良く知らないものを買う買主」の取引となりますが、圧倒的にリスクを負うのは「良く知らないものを買う買主」です。

そのため、個人売買は、基本的には買主の了承を前提にしないとできません。

売主が希望しても、買主が望まなければ、できないということになります。

以上、ここまで個人売買で大きなリスクを負うのは買主であることについて見てきました。

個人売買の際は、売主・買主ともに注意すべき点があります。

そこで次に、個人売買で売主の注意点について解説いたします。

2.【売主側】不動産を個人売買するときの2つの注意点

個人売買において売主には、以下の2つの注意点があります。

【売主】個人売買の2つの注意点

  1. 価格に妥当性があるか
  2. 瑕疵担保責任をきちんと理解しているか

注意点1.価格に妥当性があるか

個人売買では、価格に妥当性があるのかがよく分かりません。

売主のリスクとしては、「安過ぎたかもしれない」という事態が発生することです。

安過ぎる価格で売れば損をしますし、高過ぎる価格で売れば売れないこともあります。

適正な価格がいくら何かというのは、個人ではなかなか分からない部分があり、第三者の査定を取らない個人売買では、価格の妥当性が注意点となります。

注意点2.瑕疵担保責任をきちんと理解しているか

売主は瑕疵(かし)担保責任をきちんと理解して売ることが必要です。

瑕疵担保責任とは、売却後に売主が負う損害賠償や契約解除等の責任のこと

瑕疵担保責任というのは民法第570条に定められている責任であり、売主としては最も注意すべき規制です。

瑕疵とは、売買契約の目的物が通常有すべき品質・性能を欠くこと

民法では瑕疵が発見されたとき、買主は「発見後1年間」は売主に対し損害賠償を、契約の目的が達成できない場合は解除を請求できると定めています。

個人売買で、もし売主と買主が何も取決めをせずに売却した場合、この民法の原則が適用されます。

民法の原則が適用されると、売却後、例えば50年や100年経っても、瑕疵を「発見後1年間」は、売主は瑕疵担保請求を受けることになります。

このような非常識な原則を避けるため、不動産の売却では通常、売主の瑕疵担保責任の免責事項を設けます。

ただし、売買契約書でたとえ瑕疵担保責任を免責したとしても、売主が知っていて買主に事前に告げなかった瑕疵については、免責対象とすることはできません。

瑕疵担保責任は売主にとってとても気持ち悪い規制であり、不動産会社が間に入れば、売主に変な責任が負わないように、アドバイスや契約書の整備をしてくれます。

もし個人売買をするのであれば、売主はしっかりと瑕疵担保責任の意味と対処法を理解しておくことが重要です。

売却後に瑕疵担保請求を受けないように注意をしましょう。

瑕疵担保責任については下記記事に詳しく記載しています。

1,100view
不動産を売却するなら知っておきたい瑕疵担保責任の内容と注意点

売主なら知っておきたい知識の一つに瑕疵担保責任というものがあります。 まず、瑕疵とは「カシ」と読みます。「カ」は「ヒマ」 ...

続きを見る

以上、ここまで個人売買で売主の注意点について見てきました。

個人売買では、買主の側も注意しておかなければならない点があります。

そこで次に、個人売買で買主の注意点について解説いたします。

3.【買主側】不動産を個人売買するときの2つの注意点

個人売買において買主には、以下の2つの注意点があります。

【買主】個人売買の2つの注意点

  1. 価格に妥当性があるか
  2. 目的に合致した利用ができるか

注意点1.価格に妥当性があるか

買主も価格の妥当性についてはリスクがあります。

買主のリスクとしては、「高過ぎたかもしれない」という事態が発生することです。

価格を良く調べずに売主の「言い値」で購入すると、高く買い過ぎてしまうことがあり、注意が必要です。

適正な価格で購入するのであれば、本来なら第三者に査定をしてもらうことが必要となります。

注意点2.目的に合致した利用ができるか

買主は、購入する不動産が目的に合致した利用ができるかというのをきちんと調べて購入する必要があります。

例えば、工場を建てるつもりで市街化調整区域の土地を購入してしまうと、工場を建てることができないため、購入の目的を達成できなくなってしまいます。

また、道路に接していない土地を購入してしまい、建物を建てられない土地もあります。

建物は、幅員が4m以上の建築基準法上の道路に、間口が2m以上接していないと建てることができません。

このような細かい規制を知らずに購入してしまうと、使えない土地を購入してしまうことになり、大きな損失を被るリスクがあります。

もし、自力で不動産を間違いなく購入するのであれば、本当なら宅建に合格するくらいの知識があった方が安全です。

知識がないまま不動産を購入してしまうと、騙されることも多く、何千万円も支払う詐欺にあってしまうことがあります。

不動産は法律の規制が厳しいため、不動産会社に間に入ってもらい、きちんと調べてもらうことが重要となります。

ろくでもない物件を掴まされる可能性がありますので、十分に規制を調べた上で購入する様にしてください。

以上、ここまで個人売買で買主の注意点について見てきました。

では仲介を入れたときと個人売買では、どのような違いがあるのでしょうか。

そこで次に、仲介を入れたときの違いについて解説いたします。

4.不動産を個人売買するときと仲介のときの2つの違い

仲介を入れたときの主な違いは、以下の2点です。

仲介を入れたときの2メリット

  1. 仲介手数料を無料にできる
  2. 重要事項説明がない

違い1.仲介手数料を無料にできる

個人売買のメリットは、なんといっても仲介手数料を無料にできるという点です。

仲介手数料は、やはり高いという批判が多いです。

不動産会社が受け取ることのできる報酬は、国土交通省の告示によりその限度額が以下のように定められています。

取引額※(売買金額)速算式(上限額)
200万円以下5%
200万円超から400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

通常、不動産会社は仲介手数料を上限額の満額で請求してきます。

3,500万円の物件を売買したとしても、111万円(=3,500万円×3%+6万円)もかかります。

特に、買主は1~2回くらいしか不動産会社に会っていないのに100万円を超えるような仲介手数料を払うこともあり、「なんでこんなに高いのか?」と憤慨する人は多いです。

個人売買をしたがる人が多いのは、まさしく仲介手数料が高過ぎることが原因となっています。

仲介手数料については下記記事に詳しく記載しています。

1,514view
基礎からわかる!不動産の売却で発生する仲介手数料の全知識

不動産を売却する際、不動産会社に依頼する買主探しの仕事を「仲介」と言います。 はじめて不動産を売却する人にとっては、仲介 ...

続きを見る

違い2.重要事項説明がない

仲介がないと、重要事項説明がないというのが最大の問題点です。

重要事項説明は買主に対して行われるため、売主はそもそも問題にはなりません。

買主に不動産に関する専門知識があれば、重要事項説明がなくても大丈夫ですが、専門知識がなければやはり不安だと思います。

極論すると、売主にとっては、仲介はあっても、なくても大きな問題は生じないです。問題は、買主となります。

仲介がないと、全て買主がリスクを負って高額の物件を購入することになります。

買主は物件のことを良く調べてから買うようにして下さい。

以上、ここまで仲介を入れたときの違いについて見てきました。

ローンが残っている不動産売買をする際には、登記にも注意する必要があります。

そこで次に、ローンが残っているときの登記について解説いたします。

5.不動産を個人売買するときによくある質問「ローンが残っているときの登記」

個人売買では登記も「司法書士に頼むか」、または「自分たちで行うか」という選択も発生します。

登記については、基本的には法務局に当事者が行くと、親切に教えてくれますので司法書士に頼まなくても、所有権移転登記なら自分たちでできます。

ただし、ローンが残っているときは注意が必要です。

ローンが残っているときは、物件に抵当権が付いており、抵当権の抹消登記をする必要があります。

抵当権とは、債務者が不動産などを自分の手元に留めたまま、債務の担保として提供し、債権者がその担保目的物から優先的に弁済を受けることができる権利

200view
抵当権とは?ややこしい用語を日本一わかりやすく解説

不動産用語の中で、あまり聞き慣れない言葉に「抵当権」というものがあります。 抵当権とは、担保権の設定、つまり、不動産を借 ...

続きを見る

抵当権の抹消登記は、銀行が売買当事者のみで行うことを嫌がります。

確実に抹消させるためにも、司法書士に依頼するよう要請してくることが多いです。

そのため、ローンが残っている場合には、最低でも抵当権抹消登記は司法書士に依頼するのが良いでしょう。

抵当権抹消手続きについては下記記事に詳しく記載しています。

3,600view
抵当権抹消手続きを自分で行う方法・場所・必要書類と注意点

ローンの返済を行うと抵当権の抹消をすることができます。 抵当権抹消手続きは、住宅ローンを完済した場合、原則として自分で行 ...

続きを見る

6.まとめ

以上、ここまで、不動産を個人売買するときの注意点と、仲介を入れたときの違いについて見てきました。

不動産を個人売買すれば、仲介手数料を節約することはできますが、売主・買主ともにリスクを伴います。

特に、買主は大きなリスクを伴いますので、必ず買主の了承を得た上で行うようにしてください。

合わせて読まれている記事

これで損しない!不動産を売るなら不動産一括査定

不動産を高く売るなら「不動産一括査定サービス」をがおすすめ。

不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定のイメージ図

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。不動産一括査定の流れとしては下記の通り。

不動産一括査定の流れ

不動産一括査定の流れ

不動産一括査定サービスと一言でいっても、たくさん存在します。(筆者が知っているだけでも数十のサービスが存在する。)

筆者としては、その中でも大手・中堅~地域密着までの不動産会社をきちんと比較できるサービスに厳選。

中でも信頼できる不動産会社」に依頼が行えるオススメサイトを紹介します。

  • すまいValue :他の一括査定では依頼できない超大手の不動産会社に査定依頼ができる
  • HOME4U :NTTグループの安心運営、一括査定を最初に始めた老舗で実績抜群
  • イエウール :利用者数1,000万人以上は一括査定No.1!利用者の実績からしっかりと不動産会社を厳選

最大手6社の査定相談だから安心「すまいValue」

すまいValue
  • 超大手不動産会社6社のみだから安心!
    ※国内で不動産売買の取引No.1の「三井不動産リアリティネットワーク」No.2の「住友不動産」に唯一依頼ができる一括査定です。
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
    ※人口が少ない都市は未対応
  • 年間の成約件数:10万件の実績

※一部の地方では対応していない可能性があります。その場合は「 イエウール 」をオススメします。

NTTグループの安心運営!一括査定で一番歴史がある「HOME4U」

HOME4U
  • 2001年から運営と一括査定で一番の実績と歴史あり
  • NTTグループが運営だから安心感抜群
  • 提携不動産会社1,300社以上!大手・中堅~地域密着までの不動産会社を探せられる
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:1,300社

利用者数1,000万人以上と圧倒的人気No.1「イエウール」

イエウール
  • 利用者数1,000万人以上と一括査定で圧倒的No.1の安心実績
  • 提携不動産会社1,700社以上!大手・中堅~地域密着までの不動産会社を探せられる
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:1,900社

おすすめ記事一覧

52,188view
マンション売却の流れと早く高く売るコツ

一生涯でマンションを売却する機会は、ほとんどありません。 おそらくあなたも今回がはじめてのマンション売却ではないでしょう ...

42,827view
不動産一括査定

不動産一括査定のオススメを先に見たい人はコチラ マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたとき、多 ...

5,445view
一戸建て

一戸建て(一軒家)を売却するには、正しい手順があります。 でも、一戸建ての売却をする機会は、人生でそう何度もありませんか ...

1,000view
土地(更地)

この記事では、はじめて土地を売る方でも失敗しないように、土地売却の流れ・あらかじめ知っておきたい注意点について分かりやす ...

-不動産売却

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2019 All Rights Reserved.