市街化調整区域とは何か?法律の規制や売却のポイントについて解説

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市街化調整区域とは、都市計画法で市街化を抑制すべき区域としてゾーニングされたエリア

市街化調整区域内では、原則として建物を建てることができません。

市街化調整区域は、土地の利用価値が著しく劣るため、売却や建物建築が困難になります。

市街化調整区域内の土地は、購入するにも売却するにも、法律の規制を十分に理解した上で行う必要があります。

市街化調整区域に興味のある人は、

  • 市街化調整区域とは何だろう
  • 市街化調整区域にはどのような規制があるのだろう
  • 市街化調整区域の土地を売却するポイントはどういうものだろう

等々ことを思っている方も多いと思います。

そこで今回記事では「市街化調整区域」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは市街化調整区域について理解し、規制の内容や売却のポイントを知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.市街化調整区域とは

市街化調整区域とは、都市部にある農地を守るために、建物建築等の規制が設けられている地域のこと

都市計画法では、「市街化を抑制すべき区域」と定義されています。

市街化とは、住宅街やオフィス街、工場団地街等々の計画的な街づくりのことを指します。

このような街づくりを「やらないでくださいね」と定めたところが市街化調整区域となります。

市街化調整区域は、都市部に近く、元々、昭和の中期ごろまで農村部だったところが指定されています。

市街化調整区域の目的は、農地を守ることです。

戦後、日本が高度経済成長と人口増加に差し掛かったころ、全国の農村部で住宅の乱開発が行われるようになりました。

昭和30年代後半から農村部が次々と宅地化され、どんどん農地が減っていきました。

そこで昭和40年代に全国のいたるところで農村部の乱開発を防ぐために、市街化調整区域が定められたのです。

以上、ここまで市街化調整区域について見てきました。

では市街化調整区域はどのようなエリアに指定されているのでしょうか。

そこで次に市街化調整区域が指定されるエリアの特徴について解説します。

2.市街化調整区域が指定されるエリアの特徴

市街化調整区域は、比較的都市部に近い農村地域です。

市街化調整区域と対となる言葉に、「市街化区域」があります。

市街化区域とは、「すでに市街化を形成している区域またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」を指します。

市街化区域は、いわゆる人の多く住む、多く働くような地域です。土地の価値も最も高いエリアになります。

市町村を市街化区域と市街化調整区域に線を引いて分けることを「線引」と呼びます。

線引が行われることで、ある地域が市街化地域と市街化調整区域に分断されます。

そのため市街化調整区域は、都市部である市街化区域に隣接している区域になります。

市街化調整区域は、人口の多い市街化区域と隣接しているため、土地の購入需要は比較的存在します。

何をしても売却できないというエリアではなく、きちんと需要を捉えることで、売却は十分に可能な地域なのです。

以上、ここまで市街化調整区域が指定されるエリアの特徴について見てきました。

市街化調整区域を理解するには開発行為の知識が欠かせません。

そこで次に開発行為について解説いたします。

3.開発行為の種類と許可基準

開発行為の種類

市街化調整区域では、許可を受けないと建物を建てることができません。

市街化調整区域で建物を建てることは、開発行為と呼ばれる行為に該当します。

開発行為を行うには、開発許可が必要です。

開発行為とは、主に以下の3つの行為を指します。

開発行為の種類内容
土地の区画の変更敷地の分割など。敷地内に私道を造るときなどが該当します。
土地の形状の変更切土、盛土等の造成工事など。山を切り開いて住宅街を造るときなどが該当します。
土地の性質の変更地目の変更など。農地や雑種地を宅地に変更する場合が該当します。

市街化調整区域では、土地の面積に関わらず、上表のような開発行為のいずれかを行う場合は、「開発許可」が必要となります。

「建物を建てる」という行為は、「土地の性質の変更」に該当します。

建物を建てる目的の土地のことを宅地と呼びます。

例えば、農地に建物を建てるような場合には、農地を宅地に変更することになります。

そのため、建物を建てる行為は、土地の性質の変更に該当し、開発許可が必要になるのです。

開発行為の許可基準

市街化調整区域内の土地は、開発許可を受けるために最低限、満たしておかなければいけない条件があります。

この最低限満たさなければならない要件を33条基準と呼びます。

33条基準には、以下のようなものがあります。

【33条基準】

  1. 予定建築物等の用途が用途地域等に適合していること。
  2. 公共空地(道路・公園等)が適当に配置されていること
  3. 排水施設が下水を有効に排出するとともに、開発区域及び周辺区域に溢水が生じないような構造及び能力で適当に配置されていること。
  4. 給水施設が給水需要に支障を来さないような構造及び能力で適当に配置されていること。
  5. 予定建築物等の用途及び開発行為の設計が地区計画等に定められた内容に即して定められていること。
  6. 開発区域における利便の増進と開発区域及び周辺地域の環境の保全とが図られるよう公共・公益施設及び予定建築物の用途の配分が定められていること。
  7. 地盤の改良、擁壁の設置等安全上必要な措置が定められていること。
  8. 災害危険区域等の開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。
  9. 開発区域における樹木の保存・表土の保全等が講ぜられるように設計が定められていること。
  10. 緩衝帯が配置されていること。
  11. 道路・鉄道等の輸送の便からみて支障がないこと。
  12. 申請者に当該開発行為を行うために必要な資力及び信用があること。
  13. 工事施行者に当該開発行為に関する工事を完了するたに必要な能力があること。
  14. 当該開発行為の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること。

33条基準を満たし、さらに以下のような内容であれば、建物を建築することが可能です。

これを34条基準と言います。

【34条基準】

  1. 当該市街化調整区域周辺に居住している者の日常生活に必要なもの
  2. 当該市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光等の有効利用ため必要なもの
  3. 温度、湿空気等について特別な条件を必要とする事業の用に供するもの
  4. 農業、林漁の用に供するもの、又は農林水産物処理加工に必要なもの
  5. 特定農山村地域における林業等の活性化ため基盤整備促進関する法律の所有権移転登記等促進計画に定める利用目的によるもの
  6. 都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体なって助成する中小企業者の行う他と連携等に寄与する事用に供するもの
  7. 市街化調整区域内において現に工業の用供される工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供するもので、これら活動の効率化を図るために必要なもの
  8. 危険物の貯蔵又は処理に供するもで、市街化区域内立地ことが適当でないもの
  9. 市街化区域内に建築又は設することが困難なもの
  10. 地区計画又は集落域 整備法に基づく集落地域計画の内容に適合するもの
  11. 市が条例で指定する市街化区域に近接する区域において、条例で定める周辺環境の保全上支障がある用途に該当しないもの
  12. 市街化区域において行うことが困難又は著しく不適当認められ、条例で区域、用途を限り定めたもの
  13. 既存の権利届出により、行われるもの
  14. 上記以外のもので、開発審査会議を経て区域周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ市街化区域において行うことが困難又は著しく不適当と認められるもの

市街化調整区域では、33条の条件を満たし、かつ34条の基準を満たすものであれば、開発許可を受けて建物を建てることができます。

以上、ここまで開発行為について解説してきました。

では、市街化調整区域はどのようにして価格が決まるのでしょうか。

そこで次に市街化調整区域の土地価格の決り方について解説します。

4.市街化調整区域の土地価格の決り方

市議化調整区域では、原則として建物を建てることはできませんが、条件を満たし、開発許可を取得することができれば例外的に建物を建てることができます。

同じ市街化調整区域であっても、建物が建てられる土地と建てれられない土地が存在するという点がポイントです。

建物が建てられる土地であれば、市街化区域の土地とほぼ変わりはないため、土地価格は高くなります。

一方で、建物が建てられない土地であれば、その利用価値は著しく落ちるため、土地価格は隣接する市街化区域内の土地よりもかなり安くなります。

建物が建てられないような土地は、購入しても資材置き場や駐車場等にしか利用できません。

自分の家やアパート等が建てられないため、購入する人が激減し、土地価格が低くなります。

このように市街化調整区域内の土地は、開発許可が得られる土地かどうかによって、価格が決まります。

ポイント

市街化調整区域内の土地を売却する場合には、開発許可を取得できる土地かどうかについて、不動産会社にしっかりと調査してもらうことが重要

以上、ここまで市街化調整区域の土地価格の決り方について見てきました。

では、市街化調整区域内の土地の売却ポイントはどのようなものがあるのでしょうか。

そこで次に市街化調整区域内の土地の売却のポイントについてご紹介します。

5.市街化調整区域内の土地の売却の2つのポイント

市街化調整区域内の土地の売却ポイントには、「隣地所有者へ打診する」、「同じエリアの法人に打診する」の2つがあります。

ポイント1.隣地所有者へ打診する

市街化調整区域内の土地は、簡単には売却できないため、隣地所有者へ売却の打診をすることがとても重要になります。

隣地所有者であれば、今の土地が手狭となっている場合、隣地を購入できるとなればチャンスです。

建物を建てることをしなくても、駐車場や庭にすることができます。

隣地所有者は、第三者とは別の発想で土地を評価してくれます。

建物が建てられない土地であっても、必ずしも購入しないとは限りません。

ポイント

市街化調整区域では、最低限、向こう三軒両隣の所有者には、売却の打診をすることがポイント

ポイント2.同じエリアの法人に打診する

市街化調整区域の中には、たまに工場や倉庫等の事業所が存在します。

このような事業所は、業容が拡大すると、今の土地だけでは不足するため土地を探していることが多いです。

市街化調整区域は、駅から遠いため、市街化調整区域内の事業者の社員は、車通勤が基本です。

すると、従業員が増えるだけでも駐車場が不足してしまうことがあります。

そのため、同じ市街化調整区域内の近隣に事業所がある場合は、駐車場用地を探しているケースがあります。

ポイント

近くに大きな事業所がある場合は、必ず声をかけ、売却を打診しましょう。

6.まとめ

以上、市街化調整区域とは何か?法律の規制や売却のポイントについて解説について見てきました。

市街化調整区域は、建物を建てられる土地と建てられない土地があります。

開発許可を得られる土地か否かを不動産会社に十分に調査をしてもらい、売却するようにして下さい。

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