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活用していない土地をそのままにしておくよりは、とりあえず駐車場にでもしておこうかと思われている方も多いと思います。

駐車場経営は、初期コストも低く、土地の暫定利用としては一番簡単な土地活用です。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 土地活用としての駐車場の基本を知りたい
  • 自分でも駐車場経営をしてみたい
  • 駐車場経営は何から手を付けたらいいの?
  • 駐車場で収益を上げるためにはどのようにしたら良いか知りたい

そこで今回の記事では土地活用における「駐車場」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは駐車場による土地活用の基本を理解し、なおかつ自分で駐車場経営をする方法について知ることができます。

本記事のポイントまとめ

  • 駐車場経営は気軽に始められ、暫定利用として最適
  • 月極駐車場と時間貸し駐車場(コインパーキング)の2種類がある
  • 駐車場経営は家賃収入に比べると収益性は低い
  • 月極よりも時間貸し駐車場(コインパーキング)の方が収益性が高い
  • 複数社の駐車場専門業者への打診が基本
    ※詳細は「駐車場専門業者への打診は一括見積サイトがオススメ」に解説しています。
目次

土地の暫定利用として手軽に始められる駐車場経営

駐車場は暫定利用が基本

土地の活用は、基本的に建物を建てて、人に貸し、家賃をもらうことが一番儲かります。

建物を借りる権利のことを借家と言い、借家の経済的対価は家賃と呼びます。

その次に儲かるのは借地。借地は建物を建てる目的のために土地を借りる権利です。

借地の経済的対価は地代と呼びます。

一方で、駐車場のような土地の貸借は建物を建てる目的ではないため、借地権ではありません。使用貸借権と呼ばれます。

駐車場の経済的対価は駐車場使用料と呼ばれ、地代とは異なります。

原則的に、市街地の土地では受領する賃料の額は、以下のような関係が成り立ちます。

家賃 > 地代 > 駐車場使用料

そのため、駐車場というのは、土地の価値を十分に生かし切れていない活用方法と捉えることができます。

駐車場のような土地の利用は一時的なものであるという意味合いから「暫定利用」と呼ばれます。

例えば、東京駅前の超一等地を駐車場として活用していたら、もったいない土地の活用方法であることが想像できると思います。

東京駅前の一等地であれば、丸ビルのようなオフィスビルを建てて、家賃を稼ぐのが最も土地のポテンシャルを生かした活用方法です。

このように、土地活用という観点では、建物を建てずに行う駐車場事業はあくまでも暫定利用の位置づけです。

ちなみに、暫定利用としての土地活用に関しては、他にもトランクルーム、太陽光発電、野立て看板用地、資材置場などが一般的に例として挙げられることが多いです。

暫定利用に限った話になると、手軽さと収益性のバランスでは駐車場を中心に検討してみることがオススメと言えます。

駐車場経営は活用方法を迷っている方にオススメ

駐車場経営は収益性が高いものではありませんが、低コスト・短期間で始められ、やめたい時もすぐ対応しやすい土地活用です。

そのため、駐車場は当面、売却するか、活用するかを迷っているような場合には最適です。

ただし、最近増えている相続空き家を取り壊してとりあえず駐車場にしておこうとするのは注意が必要です。

相続空き家を取り壊して、駐車場のような事業の用に供してしまうと、後で売却するときに3,000万円特別控除の特例を使えなくなる可能性があります。

相続空き家を取り壊して駐車場にする場合は、良く要件を確かめてから、駐車場を選択するようにしてください。

相続空き家の3,000万円特別控除については、下記記事に詳しく解説しています。

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土地から買うと投資採算性が見合わない

筆者は以前、土地を持っていない人から、「駐車場を経営したいのだけれども、どうしたら良いだろうか?」という相談を受けたことがあります。

筆者はすぐに「土地から買って駐車場を始めても、見合わないから止めた方が良いですよ」と答えたのを覚えています。

前述のとおり、駐車場の収益性は低く、借入のリスクはあまりにも大き過ぎます。

駐車場は、基本的に土地を新たに購入して行うには、賃料が低すぎるため、投資採算性が合いません。

元々土地を持っている人が、暫定的に行うのが駐車場の基本です。

例外的に駐車場しか利用価値のないような「とても安い土地」であれば、土地から購入しても投資採算性が合う場合もあります。

しかし、そのような土地は、将来的になかなか売却できないリスクも十分に考えられるため、素人には手の出しにくい領域と言えます。

土地購入から始める駐車場経営のリスクや土地探しのポイントは下記記事でさらに詳しく解説しています。

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次の章では、駐車場のメリットとデメリットについて見ていきます。

駐車場経営の4つのメリットと3つのデメリット

駐車場経営のメリット・デメリットを整理すると、下記のとおりです。

4つのメリット

  1. 投資額が小さいため、手軽に始められる
  2. 安定収入が得られる
  3. 借地権が発生しない
  4. 狭い土でも始められる

3つのデメリット

  1. 賃料が安い
  2. 賃下げ要求もある
  3. 小規模宅地の特例が適用されない

駐車場経営のメリット・デメリットの詳しい内容を見ていきましょう。

駐車場の4つのメリット

最初にメリットからご紹介します。

駐車場の主なメリットとしては、以下の4つです。

  1. 投資額が小さいため、手軽に始められる
  2. 安定収入が得られる
  3. 借地権が発生しない
  4. 狭い土でも始められる

メリット1.小さい初期投資

駐車場の初期投資はほとんどかかりません。基本的にはアスファルト舗装のみ

アスファルト舗装費用は3,000円/㎡~10,000円/㎡程度です。面積が大きいほど割安になります。

元々、アスファルト舗装されている土地に関しては、大きな投資が発生しません。

時間貸し駐車場の場合、機械設備は駐車場業者が持ち込むのが通常です。

月極駐車場の場合は、アスファルト舗装にラインを引き、募集看板を付ける程度になります。

時間貸し駐車場では、アスファルト舗装をしてから貸す場合と、アスファルト舗装せずに貸す場合を選ぶことができます。

アスファルト舗装をしてから貸す場合は、賃料は高いです。

施設貸しという位置づけとなるため、賃料には別途消費税が発生します。

一方で、アスファルト舗装せずに貸す場合は、賃料は安いです。

土地貸しという位置づけとなるため、地代と同様に消費税はかかりません。

初期投資にアスファルト舗装すらかけたくないという場合であれば、賃料は安くなりますが、アスファルト舗装無しで初期投資をほぼゼロにすることも可能です。

メリット2.安定収入

駐車場を開始すると、賃料収入を安定的に得ることが可能になります。

時間貸し駐車場でも、Times24やリパーク等の駐車場業者へ賃貸すると、定額の賃料が得られます。

ローリスク・ローリターンで安定的な収益が得られることが駐車場のメリットです。

メリット3.借地権が発生しない

駐車場は建物所有目的の土地賃貸借ではないため、借地借家法上の借地権は発生しません。

借地で家を建てるような場合には、借地権が発生しますが、この場合、借地借家法が適用されます。

借地借家法は、借手側が強く保護されている法律のため、借りている借地人を容易に立退きさせることはできません。

借地権が発生している場合、借地人を立退かせるには、正当事由とそれを補完する立退料が必要となります。

正当事由とは、自分で土地を利用する都合がある等の理由です。

一方で、駐車場のように借地権の発生していない土地は、借地借家法の適用がないため、事前通知によって解約することが可能です。立退料も一切発生しません。

仮に、駐車場の暫定利用期間中に、良い土地活用が見つかった場合、借地権が発生していると借地人を立退かせる必要があるため、すぐに実行できません。

また借地権が発生している場合の土地(底地)は、売却すると価格が安くなってしまいます。

借地権の発生していない駐車場であれば、更地と同等の価値があるため、高く売却することが可能です。

駐車場は、借地権が発生しないことから、更地と同等の高い売却価値があり、また自分で土地活用するにもすぐに実行できるというメリットがあります。

メリット4.狭い土地でも始められる

住宅に向いていない狭小地でも駐車場なら活用できます。

狭小地とは、明確な定義はないが、20坪以下(または15坪以下)の狭い土地のこと。

駐車場経営は、自動車を停車するだけのスペースがあれば始めることができます。狭小地でも10-15坪程度の土地なら、2-3台の駐車スペースを作ることができ、街中など高い稼働率が見込めるのであれば収益を上げることはできます。

駐車場の3つのデメリット

駐車場の主なデメリットとしては、以下の3つです。

  1. 賃料が安い
  2. 賃下げ要求もある
  3. 小規模宅地の特例が適用されない

デメリット1.安い賃料

駐車場は、ローリスク・ローリターンのため、賃料はかなり低いです。

都内の一等地の場合、駐車場賃料だけでは固定資産税を賄いきれません。

また郊外の土地でも、立地条件が悪く駐車場の借手がいないような場所であれば、やはり固定資産税を賄いきれません。

かろうじて駐車場でペイできる立地は、都心からちょっと離れた周辺部で、なおかつ、駅前のような立地が良くて駐車場ニーズが高いようなエリアです。

駐車場は、固定資産税がそれほど高くなく、かつ駐車場ニーズが高い場所という絶妙なバランスが整っていないとペイできないのが基本です。

都内の都心3区でも、時間貸し駐車場が見られますが、これらは何もせずに固定資産税を垂れ流すよりは、多少でも収益を稼ぐというような割り切った考えで実施しているものも多くあります。

デメリット2.賃下げ要求

時間貸し駐車場の場合、Times24やリパーク等の駐車場業者へ一括賃貸を行いますが、この賃料についてもずっと固定ではありません。

駐車場経営が苦しくなると、土地オーナーに対して、賃下げ要求をしてくることもあります。

賃料減額を要求してくる際は、「近くに大きな駐車場ができたから」とか、「近くの大きな工事現場が竣工して駐車需要が減ったから」というような理由が多いです。

いずれにしても、周辺の駐車場市場の環境が大きく変化してしまうと、賃下げ要求が来ます。

逆に、賃上げについては、オーナーから要求してもほとんど聞き入れられることはありません。

特に、時間貸し駐車場を始める際、何社か相見積を取って、ずば抜けて高い賃料を提示してきた駐車場業者は、すぐに賃下げ要求をしてきます。

高い賃料を提示してくる駐車場業者は、契約を取ってすぐに賃下げ要求をする戦略を取っているため、注意する必要があります。

デメリット3.小規模宅地の特例が適用されない

住宅やアパートを取り壊して駐車場とする場合は注意が必要です。

住宅が建っていたときは、土地の固定資産税については小規模住宅用地の特例という適用があり、固定資産税が安くなっていました。

土地の上にある住宅を取り壊すと、この小規模住宅用地の特例の適用が無くなるため、土地の固定資産税の価格が上がります。

駐車場を始める前に、住宅が建っている状態の固定資産税と比較してしまうと、狂いが生じるため、注意が必要になります。

また敷地内の土地の筆が、何筆が分かれていて、無道路地が含まれている場合、駐車場を開始すると敷地全体が一体利用しているとみなされます。

この場合、無道路地で安かったはずの固定資産税が、他の接道している土地の固定資産税と同額になってしまうため、固定資産税が上がってしまうことがあります。

このように、駐車場にすることによって固定資産税が上がる可能性があるため、固定新税をペイできるかどうかについては、慎重に判断するようにしてください。

固定資産税を払うと利益が出ない土地の対策については、下記記事に詳しく解説しています。

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また駐車場のような事業地を売却して他の資産に買換える場合は、要件次第では買換え特例を使える可能性があります。

詳しくは下記記事に記載していますので、是非ご参照ください。

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以上、ここまで駐車経営の基本について、解説してきました。

それでは次に月極駐車場と時間貸し駐車場の2種類について見ていきます。

月極駐車場と時間貸し駐車場(コインパーキング)の違い

駐車場には「月極駐車場」と「時間貸し駐車場(コインパーキング)」の2種類が存在します。

一つの敷地で両方をミックスして運営している駐車場もあります。

月極駐車場と時間貸し駐車場の特徴を比較すると、以下のようになります。

項目 月極駐車場 時間貸し駐車場
収益性 低い 高い
立地 広い範囲で可能 好立地に限られる
初期コスト アスファルト舗装 砂利敷きでも可能 アスファルト舗装
管理会社 街の不動産会社が多い 駐車場専門業者
契約 個別車ごとの契約が多い 一括借上げ・管理委託
手間 個別車契約だと煩雑 ほとんど発生しない
安定性 空車がなかなか埋まらないこともある 有り
賃料下落 あまりない 有り

ポイントとなる収益性や管理の手間を考慮すると、時間貸し駐車場がオススメと言えます。

収益に関しては月極と時間貸しで、数倍の差が出ることも珍しくありません。

本記事の最後に月極駐車場と時間貸し駐車場の収益シュミレーションを掲載していますので、具体的なイメージを先に見たい方は「5.駐車場の収益モデルのシュミレーション」からご確認ください。

時間貸しがオススメと説明しましたが、時間貸し駐車場はどこでも成立するわけではありません。

時間貸し駐車場は、基本的に駅に近い場所や都心部等の人の良く集まる場所が望ましいです。

地方都市でも車の保有率が高く、駅に近い場所であれば、高い賃料が望めます。

駐車場は、郊外で不便なエリアでも、車の保有率が高いと、意外と高い賃料が取れるところも魅力です。

次の章では、駐車場経営を成功させるためのポイントを紹介していきます。

駐車場経営を成功させるためのポイント

ここでは、駐車場経営を成功させるうえでの基本的なポイントを整理していきます。

ポイント以前の大前提として「駐車場は暫定利用が基本」という考えは忘れずに検討していくことも大事です。

4つのポイント

  1. 駐車場に適した立地か見極める
  2. 時間貸し駐車場(コインパーキング)を選択
  3. 効果的な差別化を図る
  4. 値段設定を最適化

1つめの立地に関しては既に触れてきましたが、とても大切な要素になります。駐車場のニーズは立地に大きく左右される為、業者への相談も含め、見極めていくことが大切です。

最適な立地のポイントに関しては下記記事で詳しく解説しています。

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駐車場経営・コインパーキング経営に最適な土地・用地購入のポイントと注意点 街で見かけるコインパーキングや月極駐車場は、手間がかからずに不労所得が得られるように見えるため、見ていて羨ましくなります。 結論からすると、基本的には土地購入...

2つめの「時間貸し駐車場(コインパーキング)を選択」に関しても既に説明しましたが、収益性で大きな差が出てきます。次章の「5.駐車場の収益モデルのシュミレーション」で具体的に解説していきますので、参考にしてください。

3つめの「効果的な差別化を図る」に関しては、なかなか難しいポイントですが、例えば喫煙所の併設などが考えられます。

時間貸し駐車場は、「自動販売機」と「喫煙所」がとても相性が良いです。

車を止めて缶コーヒーを飲みながら一服できる駐車場はなかなかありません。

このような駐車場を実現できれば集客力を引き上げることが可能になります。

ただし、喫煙所は吸いガラ掃除が大変なため、なかなかこのような時間貸し駐車場が実現できません。

近隣にも吸い殻が散乱することも多く、とても手間がかかるという点に注意してください。

喫煙所以外でも、ライバルの駐車場にはない価値を付与することが出来ないか、検討してみることが大切です。

4つめの「値段設定を最適化」に関しては、収益に直接影響するポイントになります。

一括借り上げ方式の場合、最適な値付けの会社に依頼することが大切です。

自営の場合、運営が走り出してからも常に周辺の競合駐車場の影響を受けながら、マメに設定し直すことが重要になります。

料金設定の見直しを怠ると、知らない間に売上が落ちるということが発生します。

また新しい駐車場ができていないかについても、常に目を光らせる必要があります。

駐車場料金は時間単価だけでなく、深夜料金や一日貸切料金等でも細かく差別化していくことが重要になります。

駐車場経営を始めた後は、定期的に周辺の駐車場状況を調べ直し、こまめに値段設定を変えていく経営努力が必要となります。

駐車場の初期費用と収益モデルのシュミレーション

この章では東京の中心地からは少し離れた「北千住」駅近辺をモデルケースとして、初期費用と収益モデルをシュミレーションしていきます。

想定地域は「北千住」駅から徒歩5分圏内で大通りに面した視認性の高い土地とします。

敷地については、間口15m、奥行き7.5mの112.50㎡(約34坪)の整形な土地をモデルに考えていきます。

月極駐車場と時間貸し駐車場のそれぞれに分けて解説をしていきたいと思います。

月極駐車場のケース

まず、モデルの敷地で月極駐車場を整備すると、下記の図のようなイメージで6台の駐車スペースの確保が可能です。

駐車スペースの想定イメージ

駐車場は、1台あたり「5m×2.5m」の面積が必要となり、路幅は5m程度設けることが標準的です。

よって、間口が15m、奥行きが7.5mの整形な土地であれば、6台の駐車スペースを確保することが可能となります。

初期費用シュミレーション

まず、上記イラストの月極駐車場を整備する初期費用から考えていきます。

計算の目安式としては、下記の通りです。

項目 費用
アスファルト舗装 4400円/m2
ライン引き費 5000円/台
車止めブロック費 6000円/台
駐車場番号表記費 1000円/台

上記の目安式にモデルとなる「面積:112.50㎡」と「駐車台数:6台」を当てはめていくと56.7万円となります。

前述のとおり、月極の場合、アスファルト舗装・ライン引きをせずに始めることも選択肢としてあります。

その場合、賃料は安くなりますが初期費用を4.2万千円まで抑えることが可能です。

また、車止めブロックや番号表記も最初は準備せず、後から必要に応じて設置することも選択肢として検討出来ます。

その場合、初期費用を全くかけずに駐車場経営を始めることも可能です。

月極だと、初期費用をかなり手軽な金額に抑えることが可能だとご理解頂けたかと思います。

次に運営開始後の収益シュミレーションを見ていきたいと思います。

収益シュミレーション

まず、収益計算に関しては、相場と駐車台数を割り出せば可能になります。

モデルとなる「北千住」駅から徒歩5分圏内で、月極駐車場の相場を調査すると「2.5万円/月」です。

駐車台数が6台なので年間収入は180万円(=2.5万円×12ヶ月×6台)ということになります。

一方で、当該エリアの相続税路線価は46万円/㎡であることから、112.50㎡の土地の固定資産税及び都市計画税は、約54万円と推定されます。

自営の月極駐車場の場合、コストは土地の固定資産税および都市計画税だけです。従って、月極駐車場の収支は以下の通りです。

項目 金額
年間収入 180万円
年間支出(土地の固都税) 54万円
収支 126万円

「北千住」駅徒歩5分圏内において、モデルの34坪の敷地で月極駐車場を行うと年間126万円の収益を上げることができる計算となります。

時間貸し駐車場(コインパーキング)のケース

次に、時間貸し駐車場について考えていきます。収支は管理委託方式で行った場合の収支とします。

まず、モデルの敷地で時間貸し駐車場を整備すると、下記の図のようなイメージになります。

駐車スペースの想定イメージ

時間貸し駐車場の場合、精算機の設置が必須になるため、月極で6台収容可能だったモデルの敷地でも、時間貸しの場合は5台となりました。

初期費用シュミレーション

まず、上記イラストの時間貸し駐車場を整備する初期費用から考えていきます。

項目 費用
アスファルト舗装 4400円/m2
ライン引き費 5000円/台
車止めブロック費 6000円/台
駐車場番号表記費 1000円/台
精算機 50万円
ロック版 10万円/台
看板費用(設置費込み) 10万円
設備工事費 数十万円

上記の目安式にモデルとなる「面積:112.50㎡」と「駐車台数:5台」を当てはめ、設備工事費を30万円で当てはめていくと196.7万円となります。

時間貸しの場合は、精算機やロック板などの機器の整備に費用がかさんできます。

ただ、管理委託の場合、これらの初期費用を管理会社が補填してくれることもありますので、相談してみましょう。

アパート経営などの土地活用比べると、かなり低コストですが、時間貸しの場合、月極に比べ初期費用が大きくなることがご理解頂けたかと思います。

次に運営開始後の収益シュミレーションを見ていきたいと思います。

収益シュミレーション

まず、時間貸し駐車場の収入は稼働率を考慮することが必要となります。

最初に、相場を調査すると、当該エリアの時間貸し駐車場は「400円/時間」が相場となります。

「Times24h」を運営しているパーク24では稼働率(実際の売上高÷すべて埋まった場合の売上高)を47~48%と公表しています。

本シミュレーションでは、パーク24の数字を参考に稼働率を47%として収入を計算してみます。

項目 金額 求め方
時間単価 400円 北千住駅徒歩5分の相場
24時間 9,600円 400円×24h
365日 3,504,000円 9,600円×365日
稼働率 47.0% パーク24の稼働率を参考
台数 5台 敷地から算出
年間収入 8,234,400円 3,504,000×47%×5台

管理委託方式のコストとしては、「土地の固都税」に加えて「管理料」が発生します。管理料の相場は5%~10%となります。

ここでは、管理料を10%で想定すると当該敷地のコインパーキングの収支は以下の通りです。

項目 金額
年間収入 823万円
年間支出(管理料) 82万円
年間支出(土地の固都税) 54万円
収支 687万円

計算としては、月極駐車場の年間収支は126万円でしたので、5倍以上の収益が上がることになります。

立地が大きなポイントにはなりますが、基本的には時間貸し駐車場の方がオススメと言えるでしょう。

駐車場の3つの経営方式

駐車場経営の3つの種類

ここでは、駐車場経営で運用される3つの経営方式について解説していきます。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式とは、駐車場運営会社に土地を一括で貸して駐車場を運営する方式のことです。

一括借り上げ方式は、土地を貸すだけですので、何もノウハウを持たずに駐車場経営をすることができ、最も一般的な経営方式です。

通常、駐車場経営を始めると、認知度が向上するまでは売上が少なく収入も不安定です。

しかしながら、一括借り上げ方式は、実際の利用の増減に関わらず安定した賃料収入を得ることができます。

一括借り上げ方式は、自営の月極駐車場よりは収益性は高く、管理委託方式の時間貸し駐車場よりは収益性が低いという関係です。

はじめて駐車場経営をするのであれば、失敗リスクが低く、収益性もそれなりに高い一括借り上げ方式が最もオススメです。

管理委託方式

管理委託方式とは、時間貸し駐車場を行うに当たり、管理の部分を駐車場運営会社に委託する経営方式です。「自営の時間貸し駐車場」とも言えます。

時間貸し駐車場では、精算機の釣り銭管理や、機械故障時の緊急対応、駐車場の清掃等の管理業務が発生します。

これらの管理を全て駐車場運営会社に委託するわけです。

時間貸し駐車場は24時間営業ですので、利用者から真夜中に「タイヤロックが動かない!」等のクレームが入ることがあります。

これらのクレームを自分で受け付けることは実際には困難です。その部分を駐車場運営会社に全てお願いするものになります。

管理委託料の相場は駐車場収入の5~10%程度です。管理委託方式は最も収益性が高い経営方式ですが、収入は不安定になります。

特に最初の立上げ時は認知度が低く、リピーターを確保できるまで収益が安定しません。

1年以上は運営しないと収益が安定せず、短期間の駐車場経営の場合には不向きな経営方式といえます。

自営

自営とは、主に月極駐車場を自営で運営する経営方式のことを指します。

時間貸し駐車場も頑張って完全に自営することはできますが、24時間対応を考えると現実的とは言えません。

月極駐車場であれば、緊急のクレーム等はほとんどないため自営でも経営することが可能です。

借主が決まれば、収益も毎月安定する点がメリットです。

ただし、自営の月極駐車場は、収益性が最も低いという点がデメリットになります。

駐車場経営の始め方

経営方式に関して説明しましたが、ここでは、最も一般的な方法である一括借り上げ方式と、少しハードルが上がる管理委託方式での駐車場経営の始め方について解説していきます。

一括借り上げ方式

最も一般的な方法である一括借り上げ方式の駐車場経営を始めるまでの流れについて解説します。

全体の流れとしては、下記の図の通りです。

一括借り上げ方式の駐車場の始め方

①相談・打合せ

駐車場を始めるには、最初に駐車場運営会社との相談・打合せを行います。

土地所有者からは土地の場所や面積等を伝えることが必要です。

実測図があれば、相談時には実測図もご用意ください。

相談では、時間貸し駐車場にしたいか、月極駐車場にしたいか等の希望を伝えます。

時間貸し駐車場には、アスファルト舗装をせずに貸す「土地貸し」とアスファルト舗装をしてから貸す「施設貸し」の2種類があります。

土地貸しは初期コストを抑えることはできますが賃料は低いです。

それに対して、施設貸しは初期コストが高くなりますが賃料も高くなります。

②市場調査・③賃料提案

次に、駐車場運営会社が提案に向けて市場調査を実施してくれます。

駐車場運営会社の市場調査が終わったら、賃料提案があります。

賃料提案は複数の駐車場運営会社から受け、条件を比較することをオススメします。

駐車場運営会社は、確保したい利益率や、戦略的に出店しておきたいエリアが異なります。

戦略的に出店しておきたいエリアに土地が該当している場合、高い賃料を提示してくることもあります。

また、土地の形状によっては、各社で駐車場のレイアウトが異なることがあります。

台数が異なれば収益性にも大きく影響するため、ベストなレイアウトを知るためにも複数の駐車場運営会社から提案を受けるべきです。

収益性を上げるための最も大切なポイントですので、賃料提案は必ず複数の駐車場運営会社から取るようにしましょう。

その際には、一括で専門業者に見積査定を依頼できる一括見積サイトがオススメです。

詳細は「駐車場専門業者への打診は一括見積サイトがオススメ」の章で解説しています。

④賃貸借契約

良い条件の駐車場運営会社が見つかったら、土地の賃貸借契約を締結します。

駐車場の賃貸借契約は、一時使用貸借と呼ばれる賃貸借契約に分類され、簡単に解約することが可能です。

賃貸借契約で注意したい点は、解約の予告月数です。1ヶ月前や3ヶ月前といった予告日が各社によって異なります。

土地所有者にとっては、予告日が短い方が柔軟性は高まり有利です。

例えば、突然、良い売却の話がでてきた場合、1ヶ月前に解約できるようであればチャンスを逃さずに売却することができます。

駐車場は運営している途中に、売却や他の土地活用の話が舞い込むことが多いです。

変化に柔軟に対応できるようにするためにも、解約予告期間は短くすることをオススメします。

⑤工事

駐車場契約を締結したら、駐車場運営会社の持込資産を設置する工事があります。

工事といっても自動精算機やタイヤロック、看板等の設置工事ですので、1~3日程度で終了します。

⑥運用開始

工事が終了したら運用開始です。一括借り上げ方式の場合、実際の稼働率に関わらず、初月から安定した賃料を受領することができます。

管理委託方式

管理委託方式は「自営の時間貸し駐車場」と説明しました。

一括借り上げ方式で説明した工程を自分自身で進め、稼働してからの管理業務部分を管理会社に委託をすることになります。

自営で開始する場合は、まず駐車場機器メーカーに声をかけます。

これはハウスメーカーに声をかけてアパート建築をすることと、とても似ています。

駐車場機器メーカーとしては、「日本信号株式会社」が最もシェアが高くメジャーです。

日本信号では、機器納入だけでなく、駐車場のプランニングや運用後の管理サポート等も一緒に提案してくれます。

この点もハウスメーカーのアパート提案と全く同じです。

一括借り上げ方式で説明した工程を、すべて自分個人で考えながら対応するとなると大変ですがサポートしてもらいながら進めていくことが可能です。

駐車場経営が始まれば、管理会社に管理委託をすることになります。

管理会社は入出金管理や24時間トラブルの対応等を行ってくれるため、ほとんどお任せで経営することが可能です。

自分で駐車場を経営すると言っても、実はアパート経営よりも難易度は低いのです。

自分で経営する場合、駐車場料金が直接売上に繋がりますので、収益性が上がるというメリットがあります。

一方で、手元に入るお金は常に不安定であり、場合によっては全く駐車場が埋まらず赤字経営というリスクもあります。

駐車場専門業者への打診は一括見積サイトがオススメ

一括見積サイトはHOME4Uがオススメ

解説してきたとおり、駐車場業者に貸す場合は、複数の駐車場専門業者に打診して、賃料の見積を取ることから始めます。

基本的には、一番高い賃料を提示してきた駐車場会社を選定する流れになります。

駐車場の一括見積サイトについては、あまり浸透していません。

HOME4U土地活用」では、駐車場専門会社に絞って土地活用の一括見積が可能です。

もちろん、HOME4U土地活用は他にも色々な土地活用メニューがあるため、他の方法も含めて試してみる価値はあります。

しかも運営元はNTTグループなのでとっても安心です。

NTTグループならではの厳しい審査があるため悪徳業者は徹底的に排除されています。

>> HOME4Uで最適プランをチェック

HOME4U土地活用を利用する際の注意点

ただし、「HOME4U土地活用」の見積サイトでは、パーク24(屋号はTimes24)や三井のリパーク等の大手どころの駐車場会社が含まれていないことが気になります。

この2社は、看板がドライバーにとってとても認知度が高く、ドライバーにとっても「あそこに駐車場がある」と認識されやすい駐車場です。

そのため、比較的、賃料も高く提示でき、駐車場経営も安定しています。

これらの2社は、別途それぞれのオリジナルサイトで問い合わせができるため、自ら声をかけ、HOME4U土地活用の不足している部分を補えば完璧です。

駐車場業者は、常に駐車場用地を探していますので、自ら問合せをすれば喜んで対応してくれます。

遠慮せずに、声をかけ、見積を取得しましょう。

尚、パーク24等に直接見積を依頼する際は、「他にも何社か見積を取っています。」と伝えておくことがコツです。

そうすることで、賃料も多少頑張ってもらえますし、駄目な場合でも断りやすくなります。

駐車場業者が決まりさえすれば、あとは駐車場業者の指示に従うことで自動的に駐車場の運営を開始することができます。

業者決定が収益性を左右する最大のポイントとなります。

  1. HOME4U土地活用にて一括見積もり依頼をする
  2. パーク24三井のリパークに依頼する
  3. 各社の見積もりを見比べる

土地を持っているなら売却も1つの活用方法

ここまで駐車場経営についてお話してきました。

ただし、何も無理に駐車場経営をする必要はありません。

売却するというのも立派な活用方法です。

その場合も、1社だけではなく必ず複数社の査定額を比べるようにしてください。

すると中には、売却ではなく、こういった活用方法もあるなど親切に教えてくれる業者も現れます。

また、複数の不動産会社に査定依頼するには、不動産一括査定が便利です。

机上査定もできるのでまずは価格をチェックしてみましょう。

不動産一括査定で机上査定を依頼する

不動産一括査定を使えば、机上査定(簡易査定)が選択でき、メールで査定額がもらえます。

不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

不動産一括査定の仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

不動産一括査定の流れ

申込みは無料で行なえますし、「机上査定(簡易査定):訪問せずに取引実績等のデータから予想した金額の提示」を選択できるようになっています。

HOME4U_査定の方法の選択画面

机上査定ができるオススメサイト

  • すまいValue:都市部の方にオススメ!大手6社のみに依頼で安心
  • SUUMO:賃貸サイトで有名で実績・安心感抜群
  • HOME4U:全国どこでも対応!NTTデータグループで安心

また、とりあえず査定額が知りたい方は要望欄に「メールで査定額を希望」と記載しておきましょう。

メールで査定額を送付してください

不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。

評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。

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まとめ

土地を駐車場として活用する前に知っておくべき基礎知識を徹底解説について見てきました。

駐車場はつなぎの要素が強い暫定利用ですが、相見積の取得等で多少でも収益改善をすることは可能です。

時間貸し駐車場を行う場合は、業者選定には力を入れるようにしてください。

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