不動産売却の準備段階において、売値の目安を決めるために不動産査定を行います。
初めて不動産査定をやる方は色々な不安があるものです。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 不動産査定は不動産鑑定士などの専門家に頼まなくていい?
- 不動産査定には「有料」と「無料」があるけど、どっちにするべきなの?
- 無料査定の場合の注意点とオススメ方法を知りたい
先に結論からお伝えすると、ほとんどの方は無料の不動産査定で十分です。
ただし、無料の査定にもいくつか落とし穴があり、多くの人ははまってしまいます。
すぐ分かる本記事の結論
普通の人が家やマンション・土地を売る場合は不動産会社の無料査定でOK
- 不動産鑑定士:有料、不動産会社:無料
- ほとんどの場合は不動産会社の無料査定でOK
- 不動産会社に一社一社依頼するのはとても大変
- ※詳細は「4.信頼できる不動産会社を探すオススメの方法」をご確認ください。
不動産査定の無料と有料の違い
大前提として不動産会社が行う不動産査定は基本的には無料です。
一方で、頼む人は少ないですが、有料で不動産の査定を行う場合もあります。
有料で不動産査定を頼む時は下記3つの時。
- 関係会社間の不動産取引のとき
- 遺産相続や離婚の財産分与などで揉めたとき
- 賃料や立退料で揉めたとき
もし上記のパターンに当てはまらない人は「2.無料で行う不動産査定は3つの方法で価格を決める」に進んでください。
不動産鑑定士による不動産査定は有料
日本には不動産の値付けを職業としている人がいます。それは不動産鑑定士と呼ばれる国家資格を持つ人たち。
不動産鑑定士は、「不動産鑑定」や「不動産査定」を行うことで収入を得ています。
そのため不動産鑑定士に依頼する不動産査定は「有料」となります。
不動産鑑定の費用は、鑑定する不動産の種類によって異なりますが、以下の分類で相場を分けることができます。
不動産の種類 | 詳細 | 費用相場 |
---|---|---|
土地のみ | 一般的な戸建住宅の土地 | 20万円~ |
広い土地 | 30万円~ | |
建物のみ | 戸建住宅 | 20万円~ |
土地と建物 | 戸建住宅 | 25万円~ |
マンション | 一部屋の所有権 | 30万円~ |
不動産鑑定制度は昭和39年に「不動産の鑑定評価に関する法律」という法律が公布され、制度化されました。
日本に不動産鑑定制度が創設されて以来、今年で52年を迎えます。
実はこのような不動産鑑定制度は世界各国に存在し、日本もアメリカなどの鑑定評価基準を参考にしてこの制度を導入しました。
有料の不動産査定の中でも不動産鑑定士が行うものは、不動産鑑定評価基準に則って行う評価を「不動産鑑定」といい、その不動産鑑定の簡易版を「不動産査定」と呼んでおり、いずれも有料です。
現在では、「不動産査定」は不動産会社が過去の取引実績を参考に算出するのが一般的になっており、無料で対応してもらえます。
- 不動産鑑定士による不動産鑑定・不動産査定(有料):不動産鑑定評価基準に則って行う評価
- 不動産会社による不動産査定(無料):過去の取引実績と景況をもとに算出した評価
有料の不動産査定が使われる3つのシーン
では、どのような時に、わざわざ有料の不動産鑑定を行うのでしょうか。
主に下記3つの場合は、不動産鑑定士に不動産査定を依頼します。
不動産鑑定士に依頼する3つのシーン
- 関係会社間の不動産取引のとき
- 遺産相続で揉めたとき
- 賃料や立退料で揉めたとき
ケース1.関係会社間の不動産取引のとき
不動産を関係会社間で取引する時に鑑定評価書を取得することがあります。
何故かというと、関係会社間取引で、親会社の不動産を安く子会社に売りつければ、損失を発生させて意図的に法人税を安くすることも考えられます。
しかしながら、このような不動産売買による脱税行為は認められないため、関係会社間取引であっても適正価格で売買をしなければなりません。
そこで登場するのが第三者の専門家による鑑定評価書。鑑定評価書によって適正価格はいくらなのかを示します。
関係会社間取引であっても、不動産鑑定評価書に基づく価格で取引をしていれば、適正な価格の取引として税務署も認めてくれます。
このような取引を行う場合は、事前に鑑定評価書を取得し、その価格で売買を行うことになります。
ケース2.遺産相続で揉めたとき
また他にも鑑定評価書は裁判資料などにも用いられます。相続の遺産分割で揉めた時など、適正な不動産価値を出すために鑑定評価書を取得する場合もあります。
ケース3.賃料や立退料で揉めたとき
他にも賃料や立退料で揉めた時、裁判資料として鑑定評価書を取得することもあります。このように有料の不動産鑑定は、裁判所や税務署に対する証拠資料としての性格を持ちます。
また、法的なシーンで利用しないことを前提に、価格調査報告書や意見書のみの作成する簡易的な不動産鑑定もあります。
「会社の人しか見ない」「自分だけの参考資料にしたい」という場合は、安い費用で行える簡易的な不動産鑑定で十分です。
次の章では、有料の不動産査定について深堀りしてみていきたいと思います。
不動産鑑定についての詳細は下記記事で確認ください。
不動産会社による不動産査定は無料
一方で、不動産会社が行う無料査定は、意味合いが異なります。
不動産会社の不動産査定は営業の一環。最終的には仲介手数料(紹介料)の取得を目的としていますので、どの不動産会社も無料で行います。
無料査定は、一般の業種で言う見積りに相当すると考えてください。見積書を作成するのにお金を取る会社はありません。
無料で査定ができる理由は後々の営業売上のため
ではなぜ不動産査定が無料でできるのでしょうか?
それは不動産会社の売主に対する営業スタイルが「これ買いませんか?」ではなく、「それ売りませんか?」だから。
通常、営業というのはモノを「買ってください」ですが、不動産会社の場合「売らせてください」という営業になります。
そのため、「当社で売ったらいくらで売れますよ」とアピールするのが不動産会社の無料査定になります。
通常の業種であれば、「当社で仕事したらいくらになりますよ」と見積を出す場面が、不動産会社の場合、無料査定を出すことになるのです。
したがって、不動産会社の行う無料査定は営業的側面を含むものなのです。
無料査定と有料査定の違い
大企業などは大きな不動産を保有していますので、売却前に不動産鑑定士による有料の不動産査定を取得することもあります。
不動産の無料査定と有料査定の比較をまとめると、以下のようになります。
項目 | 無料査定 | 有料査定 |
---|---|---|
査定する人 | 不動産会社 | 不動産鑑定士 |
特徴 | 営業的側面が強い | 証拠資料の側面が強い |
査定額の目線 | 実際の価格よりやや高め | 実際の価格よりやや低め |
実際の売却価格 | 査定額より低くなるケースが多い | 査定額よりも高くなるケースが多い |
無料査定は不動産会社が媒介契約を取るために行うものであるため、査定価格は高くなりがちです。
本記事では、不動産会社による無料の査定について深堀していきます。
不動産査定を無料で実施してもらう前に知っておくべき4つの注意点
無料査定を行う前の注意点としては下記4つ。
無料査定を行う前の4つの注意点
- 注意点1.査定額≠売却額ではないことを認識する
- 注意点2.高い査定額を出すことを目的としない
- 注意点3.しつこい営業電話が掛かってくる可能性あり
- 注意点4.査定に必要な書類を準備しておく
注意点1.査定額≠売却額ではないことを認識する
1つ目は、査定額イコール売却額ではないと認識することです。
無料査定による査定額は仲介の契約を取るための営業的側面の強い価格であり、査定額での売却を約束するものではありません。
典型的な悪徳業者は高い査定額を出して専任媒介契約を取ることがあります。
もちろんあなた自身で悪徳業者かどうかを目利きできるのが一番ですが、ほとんどの方は難しいです。ただし、安心してください。
後ほどお伝えする方法を用いれば、0にすることはできませんが、これらのリスクを最小限に抑えることは可能。
注意点2.高い査定額を出すことを目的としない
2つ目は、高い査定額を出すことを目的としないこと。
査定を取り出すと、なぜか多くの人がこのワナにはまります。
目的は高い査定額を出すことではなく、高く売却すること。
しかしながら査定を取り出すと、もっと高い査定を出す会社は無いかと探し回る人がいます。
査定はほどほどにして、早く売却活動に入り、高く売るにはどうしたら良いかを考えましょう。
注意点3.しつこい営業電話が掛かってくる可能性あり
3つ目は、営業電話がかかってくるので準備しておくこと。
査定は不動産会社にとっては営業活動の一環です。
そのため無料査定をお願いする、さらにはあなたの売却予定の不動産が魅力的であればあるほど、営業マンから何度も電話が掛かってきます。
査定にも「訪問査定」「机上査定」の2つがある
売却を迷っている段階では、訪問査定ではなく机上査定をお願いするようにしましょう。
次の章でお伝えする不動産一括査定は、すべて机上査定(簡易査定)ができるようになっています。
注意点4.不動産査定に必要な書類を準備しておく
机上査定・訪問査定に限らず、次の情報がやり取りの中で確認されます。
訪問査定では、下記の情報は必要書類で分かりますが、あなた自身も理解しておくと営業の話がより詳しく理解できるようになります。
自分で把握しておきたい情報
- 住所
- 氏名
- 連絡先
- 種類(土地、戸建、マンション、賃貸アパート)
- 築年数
- 間取り
- 建物面積と敷地面積
- 現況(居住中、貸し出し中、空き家)
不動産査定時に必要な書類は下記6つです。不動産会社の担当者にいつでも見せれるように準備しておきましょう。
不動産査定時に必要な書類
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 公図
- 建物の詳細書類
- 登記済権利証または登記識別情報
- 測量図
- リフォーム内容や不具合の状況をまとめた資料
書類1.登記簿謄本(登記事項証明書)
あなたの所有物件が誰に権利があるのか示された書類。
これは不動産会社が用意する場合があるので、不動産会社の指示を待ちましょう。
この書面は法務局で入手することが可能です。
登記事項証明書については下記記事をご確認ください。
書類2.公図
法務局で入手する地図のこと。
住宅地図等で代用する場合もあるので、この書面を用意すべきかも不動産会社の指示を待ちましょう。
書類3.建物の詳細書類
設計図書と呼ばれています。
購入時に施工会社や不動産会社から渡されているので探してみましょう。
書類4.登記済権利証または登記識別情報
法務局から交付され、物件の所有者が持っているもの。
査定時には不要とされる場合もありますが念の為、載せておきます。
書類5.測量図
売却時には必要となることが多いため、査定の段階でも用意をしておきましょう。
マンション一室の物件などにはこの書面がない時があります。さらに詳細については下記記事をご確認ください。
書類6. リフォーム内容や不具合の状況をまとめた資料
少しでも高く売却したい方は多くいますが、物件の状態を正しくサポート業者に伝えないと、適正な査定額が得られないどころか、後々トラブルになります。
結局はあなたにとっても不利になるので伝えるべきです。
意図的に隠して行われた取引は、契約破棄や損害賠償の対象になります。
瑕疵については、大きく下記4つがあります。
瑕疵の種類 | 具体例 |
---|---|
物理的瑕疵 | 建物:雨漏り、シロアリ、耐震強度不足 土地:土壌汚染、地中障害物 |
法律的瑕疵 | 法令等の制限により取引物件の自由な使用収益が阻害されているもの |
心理的瑕疵 | 取引物件で過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件、事故などがあり、心理的な面において住み心地の良さを欠く場合 |
環境的瑕疵 | 近隣からの騒音、振動、異臭、日照障害、近くに反社会的組織事務所があり安全で快適な生活が害されるおそれが高いような場合 |
こちらについては、瑕疵担保保険等も上手に利用しましょう。
瑕疵担保保険の詳細については、下記記事をご確認ください。
【まとめ】4つの注意点から分かる対処法まとめ
ここまで見て気付いた方もいるかもしれませんが、結局は「信頼できる不動産会社に当たるかどうか、探せるのかどうか」で不動産売却が成功するか否かが決まります。
ただし、人生で不動産の売却を頻繁に行うものでもないため、不動産会社をそもそも知らない人がほとんどでしょう。
でも安心してください。これから紹介する方法であれば、リスクを最小限に減らすことができます。
信頼できる不動産会社を探すオススメの方法
不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」。
不動産会社によって、得意としている不動産も異なりますし、この地域は得意・不得意などあります。
中には売却金額に数百万、数千万の差が出ることも。
ただ、あなただけの力でそのような不動産会社に出会えることは難しいと思います。
不動産会社を1社1社回って話を聞いていても、逆に迷うことになり時間ばかりが過ぎてしまいます。
そこで筆者がオススメしているのが「不動産一括査定サービス(サイト)」です。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
不動産一括査定を使えば、ネットからカンタンに複数社に査定依頼ができるのです。
不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。
ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
無料で行う不動産査定は3つの方法で価格を決める
不動産査定に関しては、個人の家やマンション・土地を売却する場合は「無料の不動産査定で十分」です。
不動産会社にとってみれば、見込客(将来の売り上げになるお客さん)が増えることなので、無料査定は喜んでやってくれます。
不動産会社の無料査定方法には、宅建業法上下記の算出方法が推奨されています。
無料で行う不動産査定の価格算出方法は3つ
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
この3つの査定価格が、どのように決められているのかについて学んでみましょう。
少しややこしいため不要な方は「3.不動産査定を無料で実施してもらう前の4つのポイント」に読み飛ばしてもらって構いません。
取引事例比較法について
マンションや土地の査定金額を算出に使われるのが、「取引事例比較法」です。
査定をしようとしている不動産と同じような環境(周辺エリア)で実際に取引された事例をベースに査定金額を算出する方法。
ただし、この方法は考えてもらえばわかりますが、住んでいる環境の変化や市場全体の動向により変わる可能性もあることから、通常はここから調整(時点調整)を行います。
イメージが付きやすい様に想定の事例を説明します。
現在売却しようとしているマンションA、エリアBがだとします。2年前、マンションC、エリアBが4,500万円で売買されていたとします。エリアBのマンション価格の平均が800万円低下していたとします。その場合は、「4,500万円―800万円=3,700万円」と査定金額を算出します。
上記はあくまでも事例で、実際には平均800万円下がったから、今回も売るマンションも800万円下がるのような単純ではありません。ただ、これでイメージは付くかと思います。
実際に筆者がマンションを売却するために「すまいValue」という一括査定サイト経由で三菱地所の住まいリレーより価格を出してもらいました。
その他、三井のリハウスや東急リバブルともに、やはり今回の「取引事例法」により算出されていました。
原価法について
原価法は、一戸建ての「建物」によく使われる査定方法です。
原価法は、国土交通省にもしっかりと方法が明記されています。
原価法は、対象不動産が建物又は建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効であり、対象不動産が土地のみである場合においても、再調達原価を適切に求めることができるときはこの手法を適用することができる。
※出典:国土交通省の不動産鑑定評価基準のP23より
少し難しいのでかみ砕いて説明すると「売却しようとしている不動産を再度建築した場合の価格を算出。
その後、年数により低下する為、その分を価格より差し引いて不動産価格を算出する方法」です。
あまり噛み砕けていないかもですが、「不動産価格=新しく建築した場合の価格-経年劣化によるマイナス価格」。
原価法の算出価格は以下の通りです。
例えば、以前、東急リバブルに一戸建てを査定してもらった時の「建物」の査定に使われていました。
少し計算は難しく、不動産会社にて計算してもらうことをオススメします。
収益還元法
収益還元法は主に投資用の不動産価値算出に使用される方法です。
こちらも国土交通省に記載がありましたので、抜粋します。
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法である(この 手法による試算価格を収益価格という)。 収益還元法は、賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を 求める場合に特に有効である。
※出典:国土交通省の不動産鑑定評価基準のP27より
売却しようとしている不動産を運用した場合に、どれぐらい未来に収益を出してくれるのかというのを予想して、さらに現在の不動産価値をプラスして算出する方法です。
収益還元法は2種類あります。
収益還元法の種類
- 直接還元法
- DCF法
直接還元法
直接還元法は、1年間における利益を還元利回りで割り収益価格を求めます。
不動産を直接還元法の計算式は下記の通りです。
DCF法
DCF法はディスカウントキャッシュフロー法の略であり、対象となる不動産の保有期間に得られる利益と期間終了時の売却により得られるであろう収益価格を、現在の価格にプラスして算出する方法です。
直接還元法よりもさらに精度が高いですが、その分計算がとても複雑です。今回は、割愛します。
以上が不動産の無料査定で価格を決める3つの方法です。
次に物件種別の査定評価ポイントについて見ていきましょう。
物件種別ごとの査定評価のポイント
マンション・戸建て・土地の物件種別に、不動産査定で評価されるポイントについてお伝えします。
マンションの査定基準
マンションの査定基準のポイントは以下の通りです。
マンションの査定基準 ポイント
- マンション敷地の立地
- 建物の築年数
- 施工の質と元施工会社
- 建物の規模および階数
- 耐震性
- 階数および位置
- 日照、眺望及び景観の良否
- 室内の仕上げ及び維持管理の状態
- 専有面積及び間取りの状態
- 設備および建具等の損傷の状態
- リフォームの有無
- 管理費等の滞納の有無および修繕積立金の額
- 駐車場
マンションは査定基準が少し多いですが、その分、査定額が上がりやすいです。
戸建て・土地の査定基準
戸建ての査定基準は、建物と土地に分けて評価します。
最初に土地の査定基準について見ていきましょう。
土地の査定基準は、以下の通りです。
土地の査定基準ポイント
- 地勢、地質、地盤
- 日照、通風及び乾湿
- 間口、奥行、地積、形状
- 高低、角地その他の接面街路との関係
- 接面街路の幅員、構造等の状態
それぞれ、簡単に解説していきます。
地勢、地質、地盤:地震や台風による水害などの影響を受けにくい頑丈な土地の価格は高く評価されます。
日照、通風及び乾湿:南側の道路に面した土地は日照条件が良く、角地であれば通風状況も良くなります。
間口、奥行、地積、形状:間口の広い土地は土地価格が高いです。奥行や地積、形状に関しても細かく土地価格の評価に影響していきます。
高低、角地その他の接面街路との関係:道路より低い土地は、排水をポンプアップする必要があることから、価格が低いです。また、道路より2m以上高いような土地も敷地内に階段を設ける必要があり、やはり価格は低くなります。
接面街路の幅員、構造等の状態:基本的に、道路幅員は基本的に広いほど土地価格は高くなる傾向にあります。
次に戸建ての建物部分の査定基準について見ていきましょう。
戸建ての建物部分の査定基準は、以下の通りです。
戸建ての査定基準ポイント
- 家の築年数
- 家の内装の綺麗さ
- 雨漏りやシロアリ被害の有無
- 水回りの設備状況
- 家の塗装
- 最新設備の有無(遠隔操作設備、自動点灯照明、太陽光発電パネル、床暖房等の設備)
戸建ての場合、建物の管理は基本的に自分で管理することになります。
そのため、評価が高くなる査定ポイントは、建物の修繕管理をしっかり行っているか、リフォームをして設備を更新しているかが特に見られやすいです。
まとめ
不動産査定を無料で行う方法とその注意点を見てきました。無料査定の謎が解けたでしょうか。
心の準備ができたら不動産一括査定を利用して、信頼できる不動産会社を探してみましょう。
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。