不動産売却 税金

相続した不動産を売却する場合にかかる税金と注意点について

投稿日:2016年8月23日 更新日:

相続した不動産を売却して現金に変えたいというニーズは高いです。

不動産では相続人同士の兄弟間で均等に分けられないため、均等に分けることができる現金にしたいということが大きな理由です。

これから相続した不動産を売却する人の中には「相続された不動産を売却する時によりにかかる税金を知りたい」と思っている方も多いことでしょう。

そこで、今回の記事では相続した不動産を売却する場合にかかる税金についてまとめました。

相続された不動産を売却する場合にかかる税金の種類や税金以外にかかる諸経費、相続された不動産売却をスムーズにするために必要なこと・準備するもの・注意点などをご紹介いたします。

1.相続した不動産を売却する場合にかかる税金の種類

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1-1.不動産と税金の全て

不動産は、買った時、持っている時、売った時、相続した時、全ての場面で税金がかかると言われています。

個人が場面ごとの不動産に発生する税金を整理すると以下のようになります。

場面 税金の種類(個人の場合)
購入時 不動産取得税
保有時 固定資産税・都市計画税
売却時 所得税(住民税含む)
相続時 相続税
取引時 登録免許税・印紙税

上表を見ると、売却時の所得税・住民税だけが少し毛色が異なる税金と感じないでしょうか。不動産取得税や固定資産税などは不動産固有の税金です。

また相続税も相続特有の税金です。それなのに、売却時の税金だけ所得税・住民税(以下、所得税等と略)という普段サラリーマンであれば毎年払っている税金であり、特別な税金ではありません。

「不動産売却税」という特別な税金は存在せず、売却によって発生するものはあくまでも、毎年支払っている所得税等の一部になるのです。

1-2. 所得税の計算と特例

相続した不動産を売却する場合であっても、通常の不動産と同様、発生する税金は所得税等になります。

支払うものは所得税等のため、まずは所得を確定する必要があります。

所得は最終的に確定申告により確定することになりますが、給与等を合算した全所得の確定を行う前に売却による課税譲渡所得の計算が必要になります。

 課税譲渡所得は以下の式で計算されます。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

ここで取得費とは、売却した土地や建物の購入価額(建物は減価償却後)や購入の際の仲介手数料、不動産取得税等の合算となります。

しかしながら、相続の場合、取得時期が古く契約書等が紛失しており、取得費が分からないケースが多いです。

そのような場合は、概算取得費というものを用います。概算取得費は譲渡価額の5%として計算されます。

1-2-1.相続でも居住用財産であれば特別控除3,000万円が認められる

また相続の場合であっても、被相続人の居住用財産(マイホーム)を売却する場合には、上記の課税譲渡所得からさらに3,000万円を特別控除できる特例があります。

その場合の課税譲渡所得の計算は以下のようになります。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円(特別控除)

ここで相続した居住用財産を売却して、3,000万円の特別控除を得るためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションを除く)であること
  2. 譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定に適合していること(但し、耐震リフォームを行わず建物を取り壊して更地で売却する場合も適用可能)
  3. 相続開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた者がいないこと
  4. 相続時から相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること
  5. 譲渡金額の合計が1億円以下であること
  6. 相続の時から譲渡の時まで、事業用、貸付用、居住用になっていないこと

また不動産を売却する際の所得税の税率は、所有期間によって異なります。

相続財産の取得の時期は、死亡した人の取得の時期がそのまま引き継がれます。

そのため相続財産の場合、通常、所有期間は10年を超えているケースが多いです。

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の税率は以下のようになります。

課税譲渡所得 税率
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち、6,000万円以下の部分 所得税:10%
住民税:4%
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち、6,000万円超の部分 所得税:15%
住民税:5%

その他、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が別途かかります。

1-3.相続の場合の具体的な税金計算例

それでは相続した居住用財産を取り壊して売却する場合の具体的な税金の計算例を見ていきます。与件としては以下の通りです。

 【与件】

  1. 相続時期:平成28年4月
  2. 譲渡時:平成28年7月
  3. 譲渡価額:5,000万円
  4. 取得費:不明
  5. 取壊し費用:200万円(被相続人のマイホーム、木造2階建て)
  6. 仲介手数料:150万円
  7. 取得時期:昭和40年1月(つまり所有期間10年超)

まず初めに、取得費を計算します。このケースでは取得費が不明のため、概算取得費を用います。

取得費 = 5,000万円 × 5% = 250万円

次に譲渡費用を計算します。取壊し費用と仲介手数料は譲渡費用に含めることが可能です。

 譲渡費用 = 200万円(取壊し費用) + 150万円(仲介手数料) = 350万円

よって課税譲渡所得は以下のようになります。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円(特別控除)

       = 5,000万円 - 250万円 - 350万円 - 3,000万円

       = 1,400万円(課税譲渡所得は6,000万円以下)

 よって、各種税金は以下の様に計算されます。

 所得税 = 1,400万円 × 10% = 140万円

復興特別所得税 = 140万円 × 2.1% = 2.94万円(29,400)円

住民税 = 1,400万円 × 4% = 56万円

合計 = 所得税 + 復興特別所得税 + 住民税 = 1.989.400円

以上、相続した不動産を売却する場合にかかる税金の種類について見てきました。

それでは次に気になる税金以外にかかる諸経費についてについて見ていきましょう。

2.相続の場合に税金以外にかかる諸経費について

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相続した不動産を売却する時でも、第三者に売却する場合は、基本的には通常の不動産を売約する場合と諸経費は同じです。

所有権移転の登録免許税は、通常は買主が負担するケースが多いです。

売却における手数料は諸経費の項目は以下のようになります。

手数料の項目 手数料の相場 説明
仲介手数料

売買価格の3%+6万円
(売買価格が400万円超の場合)

不動産会社へ支払う費用
印紙代

1千万円超5千万円以下:1万円
5千万円超1億円以下:3万円

売買契約書に貼る印紙代

ここまで税金以外にかかる諸経費について見てきました。

費用についてさらに詳細が知りたい方は「不動産売却の諸費用一覧」をご確認ください。

それでは最後に相続された不動産売却をスムーズにするために必要なこと・準備するもの・注意点について見ていきましょう。

3.相続された不動産売却をスムーズにするために必要なこと・準備するもの・注意点

話を分かりやすくするために上述の計算例に話を戻します。

上述例では取得費を不明としていましたが、ここでは仮に売却する不動産の取得費が2,000万円であると判明していたとします。

そうすると、課税譲渡所得は以下のように計算されます。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円(特別控除)

       = 5,000万円 - 2,000万円 - 350万円 - 3,000万円

       = ▲350万円 < 0円

この場合、課税譲渡所得はマイナスとなり、不動産を売却しても所得税等が発生しません。

取得費が不明の場合、概算取得費が譲渡価額の5%となってしまうため、課税譲渡所得が高く計算されがちになります。

取得費が判明しているかどうかで課税譲渡所得が大きく変化し、納税額にも影響を与えてしまうのです。

3-1.購入時の売買契約がとても大事

そのため、相続した不動産を売却する場合には、真っ先に過去の購入時の売買契約を探すことが重要です。

取得費用を明確に出来る資料があれば、場合によっては税金をゼロとすることも可能です。

購入時の売買契約書は一番大切な資料となりますが、被相続人が管理していたものであるため、見つからないケースもあります。

売却する際は購入した時の契約書を粘り強く探し当てましょう。

3-2.相続した不動産を高く売ることも大事

相続した不動産は古いものが多いので、どうせ高く売れないと思っている人も多いです。

でも考えてみてください。不動産は人生で一番高い買い物です。高く売れないとしても、一般の人からするととてつもない大金であることがほとんどです。

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4.まとめ

以上、相続した不動産を売却する場合にかかる税金について見てきました。相続財産に対する3,000万円の特別控除は平成28年度から開始された特例です。

以前より相続した財産を売りやすくなりましたので、売却を検討して見ても良いでしょう。

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