相続した土地を売却したときに発生する税金とその節税方法

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土地を相続した場合、その後、売却することが良くあります。

土地は売却すると、税金が発生する場合がありますが、土地の売却では節税できる特例が少ないため、注意が必要です。

土地を相続した人の中には、

  • 売却したときには、どのような税金が発生するのだろうか
  • 相続した土地の売却における注意点は何だろうか
  • 相続税を払っても、売却したらまた税金を払わなければいけないのだろうか

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では「相続した土地の売却」にフォーカスして税金や測量、必要書類等についてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは、相続した土地を売却したときに発生する税金について理解し、少しでも節税をするにはどのようなことをしたら良いのか、また測量や必要書類についても分かるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

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1.土地を売却したときに発生する税金

個人が土地などの不動産を売却した場合、譲渡所得(利益)が発生すると、所得税および住民税が発生します。

個人の所得には、給与所得、譲渡所得、不動産所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得と呼ばれる10種類の所得がありますが、このうち、不動産を売却したときの所得が譲渡所得です。

譲渡所得とは、以下の計算式で表されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは土地の売却額です。

取得費や譲渡費用とは、以下のものになります。

取得費となるもの譲渡費用(経費)となるもの
①土地の購入価額
②建物の購入価額から減価償却費を控除したもの
③購入の際の仲介手数料
④購入の際に支払った立退料・移転料
⑤購入時の売買契約書に貼付けした印紙税
⑥購入時の登録免許税や司法書士へ支払った登録手数料
⑦購入時の不動産取得税
⑧引越の搬入費や据付費
⑨建物等の取壊し費用
①売却の際の仲介手数料
②売却のために要した測量費
③売却時の売買契約書に貼付けした印紙税
④売却に伴い支払った立退料
⑤建物の取壊し費用

取得費については、被相続人(死亡した人)の取得した価額をそのまま引き継ぐことが可能です。

譲渡所得の計算の結果、譲渡所得がプラスであれば所得税および住民税が発生します。

一方でマイナスであれば所得税および住民税は発生しないことになります。

譲渡所得がプラスの場合、以下のように譲渡所得に規定の税率を乗じることで税金が計算されます。

所得税等 = 譲渡所得 × 税率

譲渡所得に乗じる税率は、不動産の所有期間によって決定されます。

所有期間は

  • 5年以下であれば短期譲渡所得
  • 5年超であれば長期譲渡所得

とされます。

それぞれの税率は以下の通りです。

 所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

通常、所得税等は所得が高くなるほど税率も高くなる累進課税が適用されますが、譲渡所得に関しては、売却の年だけ急激に所得が大きくなる可能性があるため、例外的に上表のような税率が定められています。

このように、他の所得とは別の税率が定められていることを分離課税方式と呼びます。

分離課税については、下記で詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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尚、相続においては、所有期間は被相続人が所有していた期間をそのまま引き継ぎます

相続してから1年後に売却しても、短期譲渡所得になるわけではありません。

被相続人の所有期間が既に5年超であれば、相続後すぐに売却しても、長期譲渡所得の税率が適用されます。

以上、ここまで土地を売却したときに発生する税金について見てきました。

では、譲渡所得を節税する方法はないのでしょうか。

そこで次に節税対策は取得費が決め手について解説します。

2.土地売却の節税対策は取得費が決め手

個人がマイホームを売却すると、税金を抑えてくれるための様々な特例があるため、ほとんど税金がかかることはありません。

しかしながら、「土地」を売るときは、税金を抑えてくれる特例がなく、思いっきり税金がかかってしまいます。

よって、譲渡所得は、取得費と譲渡費用でしか小さくすることができません。

ところが、相続で引き継いだ土地では、取得費が分からないことがあり得ます。

相続では、例えば曾祖父の代から持っているような土地を売却するようなこともあり、取得費が全く分からないというったケースも多いです。

取得費が分からない場合には、概算取得費というものを用いて譲渡所得を計算します。

概算取得費とは、譲渡価額の5%です。

概算取得費を用いると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用= 譲渡価額 - 譲渡所得×5% - 譲渡費用= 譲渡価額×95% - 譲渡費用

譲渡費用は仲介手数料等なので、大した金額にはなりません。

概算取得費を用いてしまうと、譲渡所得が、売却額(譲渡価額)にほぼ近い数字になってしまうことが分かります。

つまり、譲渡所得がプラスになりやすく、税金が発生しやすくなるというわけです。

そのため、節税で一番効果があるのは、取得費を判明させることです。

土地を売却する前に、売買契約書が残っていないか、もう一度確認するようにして下さい。

もし、売買契約書がない場合は、購入当時の領収書が残っていれば、それで証明することも可能です。

また通帳の出金履歴や住宅ローンの金銭消費貸借契約書、抵当権設定額等から推測する方法もあります。

取得費が分からない場合には、可能な限り集め、それが取得費として認められるかどうかを税務署に相談することになります。


尚、相続した物件の売却において、例外的に3,000万円特別控除を適用できる土地があります。

それは、相続で取得した空き家を取壊して更地として売却した場合です。

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

この特例は、3,000万円も引いてくれるため、取得費が分からなくても譲渡所得がゼロになることも多いです。

相続空き家の3,000万円特別控除については下記で詳しく記載しています。

ぜひご参照ください。

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以上、ここまで節税対策は取得費が決め手について見てきました。

では、相続税を支払った人は、売却で再び重い税金がかかってしまうのでしょうか。

そこで次に相続税を支払う人だけが使える取得費加算の特例について解説します。

3.取得費加算の特例とは

相続税を支払う人は、相続税を支払うために土地を売却する人も多いため、その売却から所得税等もガッツリ取ってしまうと、さすがに気の毒です。

そのため、以下の要件を満たす人に限り、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」というのが認められています。

  1. .相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例を適用すると、取得費に加算する相続税額を控除することができます。

譲渡所得は以下の通りとなります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 取得費に加算する相続税額 - 譲渡費用

少し複雑な式ですが、取得費に加算する相続税額とは、以下の計算式で表されます。

取得費に加算する相続税額=その者の相続税額×【その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされた譲渡した財産の価格÷(その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額)】

通常の人よりも、譲渡所得が「取得費に加算する相続税額」の分だけ減額されます。

相続税の納税義務のある人は、全国でおよそ8%程度の人と言われています。

8%程度の人は、この特例を使えるということになります。

以上、ここまで取得費加算の特例とはについて見てきました。

相続した土地を売却する場合、測量が必要となる場合があります。

そこで次に測量費は必要諸経費となるについて解説します。

4.測量費は必要諸経費となる

相続に限らず、土地を売却する場合、売主には境界を明示する義務があります。

最近購入した土地であれば、境界が確定していることが多いですが、相続した土地は境界が未確定のままとなっていることも多いです。

相続した土地を売却する場合、「購入当時の売買契約書がない」ことと、「境界が確定していないこと」がネックになることが多いです。

全ての境界が確定していれば、「確定測量図」等の「確定」という文字の入った名称の図面があります。

通常の実測図だけでは境界が確定しているとは言えません。

また、境界が確定していれば、隣地所有者との間に「筆界確認書」と呼ばれる書面も存在するはずです。

もし、筆界確認書も確定測量図も無ければ、境界は確定していないことになります。

境界が確定していない場合には、売却前に測量会社に境界確定を依頼するようにして下さい。

境界確定は、100万円前後かかることがあります。

結構な金額のため、びっくりして売却を止めてしまう人もいます。

ただ、売却に伴う測量費は、譲渡所得を計算する上での「譲渡費用」に含ませることができます。

節税できる材料になりますので、確定申告の際は、必ず測量費を譲渡費用の中に含めることを忘れないようにして下さい。

境界が未確定の土地を売却する際の手続きについては、下記に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

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以上、ここまで測量費は必要諸経費となるについて見てきました。

相続した土地を売却する場合、売却に必要な書類があるかどうかも早めに確認しておく必要があります。

そこで次に売却に必要な書類は早めに確認について解説します。

5.売却に必要な書類は早めに確認

土地の売却では、以下の書類が必要となります。

  • 権利証又は登記識別情報通知書
  • 実印
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内)
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 住民票
  • 本人確認資料(運転免許証等)
  • 固定資産税評価証明書
  • 抵当権等抹消書類
  • 実測図(確定測量図が望ましい)
  • 筆界確認書

このうち、相続した土地で早めに確かめる必要のある書類は、「権利証」です。

売却する前に、権利証の有無について、必ず確認するようにして下さい。

権利証は古い書類なので、紛失している場合もあります。

権利証がない場合の対応については、下記に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

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6.まとめ

以上、相続した土地を売却したときに発生する税金とその節税方法を徹底解説してきました。

相続した土地は、「購入当時の売買契約書がない」「確定測量図がない」「権利証がない」というようなことがあります。

売却する前には、まずはこれらの書類の有無を確認するようにしましょう。

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