プロがやっている当たり前の方法を、個人レベルだと行っていないという話は良くあります。
その1つに不動産の売却方法があります。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 不動産売却のプロが使っている方法を知りたい
- 真似できるものなら真似したい
- 不動産売却を成功するコツを知りたい
そこで、今回の記事では、不動産売却のコツ・不動産をスムーズに高く売る方法についてご紹介いたします。
読めば納得できる理由とともに誰でもできる方法となります。
すぐ分かる!本記事の結論まとめ
- 不動産売却のコツは、販売活動期間を3ヵ月にすること
- 販売期間を短くするために下記5つの事を意識すること
①必ず複数の不動産会社に査定を依頼する
②適切な媒介契約を選ぶ
③適正な売り出し価格を設定する
④不動産会社とマメに連絡を取る
⑤内覧もきちんと準備する - 中でも不動産会社と買主を競争させるのが大事なポイント
※成功のコツを先に見たい方は「3.不動産売却で成功のコツは「競争」」に進んでください。
不動産売却の流れ
まず最初にカンタンに不動産売却の流れを説明します。
不動産の売却は、「相場の確認」「価格査定」「媒介契約の締結」を行い販売活動がスタートします。
媒介契約とは不動産会社との間で締結する仲介の契約
「売却活動の開始」から「売買契約の締結」までが通常なら3ヶ月程度。
しかしながら、3ヶ月はあくまでも目安に過ぎず、半年や1年以上かかることもあります。
不動産をスムーズに売却するのであれば、この販売活動の期間を3ヶ月程度に抑えることが最大のコツです。
次章以降からは、販売活動の期間を3ヶ月程度に抑え、なおかつ、不動産をできるだけ他か売るコツについて解説していきます。
不動産をスムーズに売却する5つのコツ
不動産をスムーズに高く売却するには、以下の5つのコツがあります。
- 必ず複数の不動産会社に査定を依頼する
- 適切な媒介契約を選ぶ
- 適正な売り出し価格を設定する
- 不動産会社とマメに連絡を取る
- 内覧もきちんと準備する
コツ1.必ず複数の不動産会社に査定を依頼する
査定は必ず複数の不動産会社に依頼するという点がポイント。
査定を色々な不動産会社から取るということは、表現と変えると「良い不動産会社選び」をしているということ。
査定を1社にしか取らないということは、「不動産会社を選ばない」ということと同じ。
査定は必ず複数の不動産会社に依頼するようにしてください。
売却する不動産は今さら変えることはできませんが、「売り子」である営業マンなら変えることができます。
同じものでも売るのが上手い人に売らせると、「売れないものが売れる」ようになる現象は良くあること。
ジャパネット高田の社長のように、「物を売る人が上手い人」というのは存在します。
不動産売却では、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し「売るのが上手そうな不動産会社」を探すというのが第一歩です。
複数社の査定依頼のオススメ方法は後半の「3.不動産売却で成功のコツは「競争」」で紹介しています。
コツ2.適切な媒介契約を選ぶ
不動産売却では、売る物件や理由によって適切な媒介契約を選ぶことがポイント。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
媒介契約の種類の主な特徴をまとめると以下の通り。
特徴 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
他業者への依頼 | ○ | × | × |
自己発見取引 (自分で買主を見つけること) |
○ | ○ | × |
成約に向けての不動産会社の義務 | 努力義務 | 積極的努力義務 | 積極的努力義務 |
不動産会社の業務処理状況の報告義務 | 特になし | 2週間に1回以上の報告 | 1週間に1回以上の報告 |
レインズへの登録 | 特になし | 契約締結日の翌日から7日以内に登録 | 契約締結日の翌日から5日以内に登録 |
有効期間 | 法的な規定なし | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
大きな違いは、一般媒介契約なら同時に複数の不動産会社に依頼できますが、専任媒介契約または専属専任媒介契約なら1社だけに依頼できなという点。
不動産会社に支払う仲介手数料は成功報酬ですので、支払先は売却を決めてくれた1社のみですので、仲介手数料はどの媒介契約を選んでも同じです。
一般媒介契約と専任媒介契約の違いと選び方
一般媒介は、同時に複数の不動産会社に売却依頼できますので、不動産会社間に競争原理が働き早く高く売れるようになります。
一方で、専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、「つなぎ融資」や「買取保証」「ハウスクリーニング等の無料サービス」が利用できる不動産会社が多いです。
- つなぎ融資:買い替えにおいて購入物件の代金支払いが売却物件の代金入金よりも先に来た場合など、一時的な資金不足を解消するために利用できるローン
- 買取保証:一定期間、仲介での売却をチャレンジし、期間が過ぎても売却できなかった場合は、不動産会社が買い取るというサービス
- ハウスクリーニング:プロによる家の清掃サービス
不動産を単純に売却するのではなく、買い替えを前提に売却する場合は、つなぎ融資を利用できる不動産会社を選ぶことをオススメします。
買い替えでは、売却と購入のタイミングが合わない可能性があるため、つなぎ融資を利用できるようにしておくとスムーズに売却が進みます。
また、離婚で不動産を売却する場合や、相続の遺産分割で売却する場合など、買取保証が可能な不動産会社を選んでおくのもコツになります。
離婚や相続による売却では、急いで売る必要はないものの、最終的には期限を決めて売却したい場合があります。
専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合の無料サービスの内容は、不動産会社にもよって異なりますが、例示すると以下のようなものがあります。
- ハウスクリーニング
- ホームステージング
- 設備補修
- インスペクション(建物状況調査)
- 瑕疵担保保険の付保
- 荷物一時預かり
無料サービスは、どれか1つを選んで利用できるのが通常のケースです。
売却時にどの媒介契約を選択すべきかについては、以下のような分け方になります。
媒介契約 | オススメの人 |
---|---|
一般媒介 | ・条件の良い物件(例えば駅から徒歩5分圏内で築20年以内の物件等)を売却する人 ・急いで売却したい人 |
専任媒介契約 専属専任媒介契約 |
・買い替えをする人(つなぎ融資を利用したい人) ・買取保証を利用したい人 ・ハウスクリーニング等の無料サービスを利用したい人 ・価格が1,000万円未満となるような安い物件を売却する人 |
媒介契約は売却する物件や目的によって使い分けることがコツです。
コツ3.適正な売り出し価格を設定する
スムーズに物件を売却するには、適正な売り出し価格を設定することが重要です。
高過ぎる売り出し価格を設定してしまうと、売れるものも売れなくなってしまいます。
下記は、筆者が「三井のリハウス」に査定依頼した時の書類。
市場価格乖離率とは、市場の適正価格から売り出し価格がどれぐらい離れているかの割合
市場価格が3,000万円、売り出し価格が3,600万円だとすると、乖離率は3,600万÷3,000万×100%=120%
市場価格に対して、売り出し価格が95%~105%で53.4%(33.7%+19.7%)が成約しています。
どんなに良い不動産でも、しっかりと適正価格を見極めることは大事なのです。
高すぎる査定価格を見極めるには複数社に査定依頼をする
高過ぎる査定価格は複数の不動産会社に査定を依頼することで見抜くことができます。
不動産会社の中には、仲介の契約を取りたいがために、高過ぎる価格で査定してくる会社もあります。
このような高過ぎる査定価格を見抜くためにも、査定は必ず複数の不動産会社に依頼するようにしてください。
売り出し価格は、相場のストライクゾーンの中で高過ぎない価格で設定するようにしましょう。
コツ4.不動産会社とマメに連絡を取る
売却活動を開始したら、不動産会社とマメに連絡を取ることが重要です。
不動産会社に任せきりにするのではなく、売主から積極的に状況を確認すると、売却もスムーズに進みます。
営業マンも人の子ですので、「この売主、頑張らないとマズいな」と思わせれば頑張って売却してくれます。
何も言ってこない静かな売主よりも、多少うるさいくらいの方が良いので、営業マンのお尻をひっぱたくためにも、マメに連絡を取るようにしましょう。
コツ5.内覧もきちんと準備する
スムーズに売却するには、内覧もきちんと準備することが重要です。
内覧とは、購入希望者に対し家の中を見せる行為
本格的に内覧をスタートする前に、ハウスクリーニングを利用して家の中を綺麗に見せるのも1つの方法。
特に、キッチンやバス、トイレ等の水回りを綺麗にしておくと効果的です。
ハウスクリーニングにお金をかけたくない場合には、専任媒介契約または専属専任媒介契約によって、ハウスクリーニングを無料で行ってくれる不動産会社を選ぶという方法もあります。
内覧当日に準備する5つ
また、内覧当日には、以下の5つの準備をしておきます。
- スリッパを用意する
- 全ての部屋を見ることができるようにする
- 部屋の空気を全て入れ替える
- 全ての部屋の電気を付けておく
- 子供と夫は外で待機させておく
家の中を綺麗にし、購入希望者を快く迎えるようにしましょう。
不動産売却で成功のコツは「競争」
不動産の売却は、「不動産会社を競争させる」「買主に競争させる」ということが重要なポイントです。
プロである不動産会社は、いつも競わせているわけです。
不動産会社を競争させるには、複数社に査定を依頼すること。そして、買主を競わせるには、一般媒介契約をするのです。
そして競争させるのに適したサービスが不動産一括査定というサービスです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
以上、不動産を売却させるための重要なポイントについて見てきました。
ところが個人が不動産を売却する多くの場合、「買主に競争させる」という状態にはなっていません。
最後のポイントまとめ
不動産売却の成功のコツは、とにかく「競争」を意識させること。
中でも一番のポイントになるのが、不動産会社の競争と買主の競争です。
「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」などの一括査定を使って、競争させましょう。