土地を売却するにあたり、条件の悪い土地というのがあります。
土地は唯一無二の資産であり、すべての条件が全く同じ土地というものはありません。
売却しやすい良い土地もあれば、売却しにくい悪い土地もあります。
条件の悪い土地を売るコツは、知恵をたくさん出すことです。
知恵は1つの不動産会社よりも複数の不動産会社を使った方が多く集まります。
複数の不動産会社を使うのは一括査定サイトを利用するのが便利です。
今回の記事では条件の悪い土地を売却する上での知恵の一つをご紹介します。
売れにくい、価値が低い6つの土地の条件
まず最初に売れにくい、もしくは価値が低い6つの土地の条件に付いてお伝えします。
あなたが売却しようとしている土地が下記6つに当てはまる場合は、特に売却が苦労すると思いますので、のちほど紹介する一括査定を利用して、複数社の不動産会社に相談するといいでしょう。
- 地形が悪い土地
- 狭小地は売れにくい
- 市街化調整区域内の土地は売れにくい
- 土壌汚染のある土地は売れにくい
- 無接道の土地は売れにくい
- 埋蔵文化財包蔵地に指定されている
それではそれぞれについて詳しく解説しますので、あなたに当てはまるもののみをお読みください。
それよりも早く売る解決策が知りたい場合は、「【対策】売れにくい土地は一括査定で解決」に進んでください。
①地形の悪い土地は売れにくい
最初に地形の悪い土地についてご紹介します。
土地には様々な形があり、細長い土地や「コの字」型の土地、風船型の土地等もあります。
地形の悪い土地は、面積が小さい程、その価値に悪影響を及ぼします。
例えばマンションが建つような広い土地であれば、多少の形が悪くても、あまり問題になりません。
マンションが建つような土地であれば、いびつな形の部分も、集会場やゴミ置き場などに有効利用できるからです。
小さくて地形の悪い土地は、売るための工夫が必要
一方で、小さくて地形の悪い土地は、利用価値が著しく劣ります。そのため高く売却するためには、工夫が必要です。
例えば、①隣地に売る、②分筆して売るなどがあります。
隣地へ売却する際、抵当権の付いていない土地であれば、不動産会社や司法書士を外して売買することも可能です。
余計なコストをかけずに売却するのも、高く売却していることと同じ効果を生み出します。
分筆して売る方法も検討する
分筆して売る方法もあります。分筆とは土地を2つ以上に分けることです。
分筆することで形の良い土地を作りだし、整形地は高く売り、残った土地は安く売ることで、トータルで高く売却することを試みます。
ただし、分筆には境界確定が必要なため、境界確定費用も含めて高く売れる可能性が有るかどうか、十分に検討を行いましょう。
分筆して売却する方法と注意点は下記記事でさらに詳しく説明しています。
②狭小地は売れにくい
2つ目は、狭小地についてです。
狭小地も利用価値が低いため、売却しにくい土地の1つです。
狭小地の利用方法としては、①狭小住宅を建てる、②時間貸し駐車場にするなどがあります。
狭小住宅とは木造3階建てで、狭い敷地を上手く活用した家等を指します。
狭小地は、狭小住宅を専門に建てる工務店や設計会社に声をかけてみる
狭小地は、狭小住宅を専門に建てる工務店や設計会社に声をかけてみることが第一歩です。
狭小住宅専門の工務店や設計会社には、狭小地を求めている人たちが集まっています。
特にデザイン性の高い狭小住宅は若者にも人気のため、購入希望者も多いです。
ホームページで検索してデザイン性の高い狭小住宅を手掛けている工務店または設計会社を探してみましょう。
時間貸し駐車場にするということも可能
また狭い土地でも1台から時間貸し駐車場は可能です。
狭小地は時間貸し駐車場にして収益物件として売却するのも1つの手です。
表面利回りが10%程度あると、1台でも喜んで購入する希望者が現れます。
時間貸し駐車場業者に賃貸することも検討してみましょう。
駐車場のプロに相談がオススメ
迷っているなら一度プロに相談してみることをオススメします。
NTTグループが運営する「HOME4U土地活用」を使うと、厳選された不動産会社のみから計画プランをもらえます。
もちろん駐車場も用意されております。
あなたの環境に合った土地活用プランを複数社が提案してくれるのでとっても便利です。
駐車場などの土地活用を考える人に良く利用されるサービスなので、一度使ってみることをオススメします。
③市街化調整区域内の土地は売れにくい
3つ目は市街化調整区域内の土地です。
市街化調整区域内の土地は、開発許可を受けないと、建物を建てることができません。
市街化調整区域内でも開発許可を受けられない土地は、著しく価値が劣ります。
市街化調整区域内の土地は、資材置場か駐車場にしか利用することができません。
行政により開発許可基準は異なる
行政によって開発許可の許可基準は異なります。
例えば「半径500mの範囲内に300戸以上の住宅が建っている」かつ「道路への排水が可能である」等の要件を満たすと開発許可を取得することができ、建物の建築が可能となります。
そのため同じ市街化調整区域でも、全てにおいて建物が建築できない土地とは言い切れません。
開発許可が受けられる土地であれば、土地が高く売却できる可能性が有ります。
不動産会社に開発許可が取れるかどうかを調べてもらう
市街化調整区域内の土地を売却する場合は、不動産会社に「開発許可が取れる土地かどうかきちんと調べましたか?」と確認しましょう。
調整区域の売却経験の浅い業者だと、調査もせずに市街化調整区域の土地は全て建物が建築できないと結論付ける業者もいます。
そのような業者に誘導されてしまうと、本当は価値のある土地を安く売却することにもなりかねません。
不動産会社の行政へのヒアリング内容をきちんと確認することがポイントです。
市街化調整区域や売却方法については下記記事でも詳しく解説しています。
開発許可については下記記事で詳しく解説しています。
④土壌汚染のある土地は売れにくい
4つ目は土壌汚染の可能性のある土地です。
過去及び現在に有害物質を扱っている建物の敷地は、地歴から土壌汚染の可能性のある土地とみなされ、価値が下がります。
閉鎖謄本や古い住宅地図などにより、土地の利用履歴を調べることを土壌汚染のPhase1調査と言います。
Phase1調査は、あくまでも疑いの有無の確認だけなので、それだけをもって土壌汚染があるかどうかは判断できません。
土壌汚染の疑いがある土地は化学調査が必要
そのため土壌汚染の疑いのある土地は、実際に土をサンプリングして化学調査を行う必要があります。
表層から50cm以内の土地を採取して、土壌汚染の有無を確認することを土壌汚染のPhase2調査と言います。
土壌汚染の疑いのあるままだと、土地を高く売却することはできません。
売主の方でPhase2調査を行って、土壌汚染がないことをはっきりさせた方が、土地は高く売却できます。
仮に土壌汚染があった場合は、除去費用についても見積を取っておきましょう。
土壌汚染除去費用の金額を明示できれば、不要な値引きを避けることができます。
土壌汚染除去は、買主の方で実施し、売主は値引きで対応するのが一般的です。
土壌汚染の土地売却は下記記事でも詳しく解説しています。
⑤無接道の土地は売れにくい
5つ目は無接道の土地についてです。
建築基準法では、原則として都市計画区域内及び準都市計画区域内においては、道路幅員が4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上の間口で接していないと建物を建築することができません。
道路に2m以上接していない土地は、無道路地となり、その価値は著しく劣ります。
無道路地は売却が難しい
無道路地は極めて売却が難しくなります。可能性として有り得るのは、隣地への売却です。
隣地の人と十分に協議し、買ってもらいましょう。
また逆に隣地の接道している土地を、一度買い増しして、一体の土地として売却するという方法もあります。
買い増しをして、無道路地が接道した土地に生まれ変われば、価値が出てきます。
隣地へは売却と購入の両方を交渉するのが良いでしょう。
⑥周知の埋蔵文化財包蔵地内の土地は売れにくい
6つ目は、周知の埋蔵文化財包蔵地に指定されている場合の土地です。
土の中にある埋蔵文化財は、各市区町村の教育委員会の方で、「この辺にあるのではないか?」という予想図が保管されています。
この範囲の中に入っている土地は「周知の埋蔵文化財包蔵地」と呼ばれています。
周知の埋蔵文化財包蔵地はあくまでも「埋蔵文化財があるかもしれない」という予測です。
埋蔵文化財包蔵地に指定されていると、土地の価格が安くなってしまう
自分の土地が周知の埋蔵文化財包蔵地に指定されていると、土地の価格が安くなってしまいます。
その理由は土地を購入した人が、建物を建築する際に、埋蔵文化財が本当にあるかどうかを調査しなければならないからです。
埋蔵文化財の調査には試掘と本掘の2段階の調査があります。試掘で埋蔵文化財がないと判明されれば特に問題がありませんが、あると判明すると本掘調査により文化財の保存作業が発生します。
本掘調査には莫大な費用がかかりますので、注意が必要です。
試掘の調査費用の負担は目的に応じて変わる
試掘の調査費用は個人の住宅地の場合は行政が負担してくれますが、オフィスビルなどの事業地として活用する場合は事業者が負担することになります。
埋蔵文化財包蔵地を売却する場合は、あるかどうか分からないものまで売主が負担するのは不合理ですから、試掘費用だけは売主が値引きで負担して、本掘費用は免責事項扱いとして売却するのが現実的です。
試掘費用に関しては教育委員会の方で教えてくれますが、本掘費用については絶対に教えてくれません。
事業者に売却する時は、試掘費用だけを値引きし、本掘費用は買主のリスクとして買ってもらうことが、現実的に最も高く売却できる方法と言えるでしょう。
【対策】売れにくい土地は一括査定で解決
上記で説明したような土地を売るさいは、複数の不動産会社に相談、つまり知恵をもらうのが一番いいでしょう。
そして複数の不動産会社に相談するなら、不動産一括査定を使うと良いでしょ。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
筆者は年間で数百件の不動産売却案件に携わっておりますが、実際に一括査定を利用することで
- 「たまたま近隣に土地を欲しいと思っている人がいた」
- 「ちょうど、駐車場を作ろうと思っていた人がいた」
などが起きています。
まずは多くの不動産会社に当たってみることが大事です。
一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
条件の悪い土地を売却する際の注意点と効果的な売却方法について見てきました。
他の不動産会社は、この記事で紹介した内容以外の知恵を持っている可能性が有ります。
知恵の数は不動産会社を増やせば増やすほど集まります。
「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」などの一括査定サイトを使って、たくさんの不動産会社と知恵を出し合いながら売却活動をするのが良いでしょう。