駅前のさびれた商店街、シャッターを開けて残っているのは不動産屋だけ・・・
そんな光景を見たことのある人も多いと思います。
不動産業というのは倒産比率の低い業種であり、潰れずに残っている中小の不動産会社はたくさんあります。
一方で、大手の不動産会社も存在しますが、その支店は都心部にしかありません。
不動産会社は大手の不動産会社もありますが、中小の不動産屋も山ほどあり、どちらを使うべきか迷われる方も多いと思います。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 大手不動産会社の方が実績あるししっかり売ってくれそう
- 街の不動産屋の方が社長自ら対応してくれるから親切かな
そこで今回の記事では、大手~中堅、地域密着の不動産会社の特徴をお伝えしていきます。
この記事を読むことであなたは不動産の特徴を理解し、大手に依頼すべきかどうかを判断できるようになります。
本記事の要点まとめ
- 大手不動産会社は、買主を多く抱えており売れやすいが、両手仲介の比率が高い
- 中小不動産会社は、丁寧なところが多いが、買主を見つけるのが苦労する時がある
- 大手も中小もメリット・デメリットがあるため、両方を満遍なく依頼するとよい
- 賢く査定サイトを使いこなすとカンタンに実現が可能
※詳細は「大手も中小も満遍なく査定すると高く売却できる」で説明
大手不動産会社はどこがある?
公益社団法人不動産流通推進センターの不動産業統計集2024(2024年10月発表)によると大手は下記の通りです。
大手不動産会社TOP4
- 三井不動産(三井のリハウス)
- 東急リバブル
- 住友不動産
- 野村不動産
それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。
①三井不動産(三井のリハウス)の特徴
三井のリハウスは、言わずと知れた業界最大手の不動産会社である三井不動産の仲介部門です。
情報量も多く、名実ともに1位で、店員の対応も紳士的です。
三井のリハウスはどこにでも支店があるわけではありません。
いわゆる良いエリアにしか支店はありません。自分の近所に三井のリハウスがあれば、迷わず使ってみることをオススメします。
②東急リバブルの特徴
東急リバブルは仲介手数料2位のポジションになります。
東急リバブルは、東急沿線にお住まいの方が一番オススメです。
東急沿線であれば、たとえ三井のリハウスが近くにあっても、東急リバブルの方を使った方が良いでしょう。
東急沿線に住みたい方は、東急ファンの人が多いため、東急リバブルには強い買い情報が集まっています。
また元々東急は渋谷を中心とした不動産会社のため、東京の西部から横浜エリアにかけては、多くの情報を持っています。川崎や横浜の人たちも使う価値はあるでしょう。
③住友不動産の特徴
仲介手数料3位の売上を誇るのは、住友不動産販売のStepです。実力はありますが、店員はガツガツしているというイメージがあります。
ノリが体育会系のため、そういうのが好きな人にはオススメです。
ただし、支店は三井のリハウス以上に少ないです。しかも駅前にあるとは限らないため、なかなか見つかりません。
ビルの2階とかに支店がありますので、気になる方はインターネットで支店を調べてから行くのが良いでしょう。
④野村不動産の特徴
野村不動産は仲介手数料売上が4位となります。収益物件を売却したい人であれば、野村不動産はオススメです。
野村不動産の仲介の支店を目にした方はほとんどいないと思います。基本的には、あまり個人向けの不動産売却には力を入れていません。
法人が所有している収益ビルなどを売却するのであれば、野村不動産を利用してみるのも良いでしょう。
トップである三井不動産グループ以外の不動産仲介ランキングは下記の記事で確認できます。
不動産売却時の大手・中小のメリット・デメリット
初めに大手と中小の不動産会社に依頼したときのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
会社規模 | メリット | デメリット |
---|---|---|
大手 | ・購入希望者が多く集まっている。 ・広告宣伝費をたくさんかける。 ・最新の動向に対応している。 |
・ドライである。 ・売主同士で天秤にかけられる可能性がある。 ・両手仲介にこだわる。 |
中小 | ・独自の情報を持っている。 ・社長に親身になってくれる人が多い。 ・片手仲介に徹してくれる可能性が高い。 |
・買い情報が少ない。 ・得手不得手がはっきりしている。 ・最新の動向に対応できていない。 |
大手のメリットは購入希望者の情報を多く持っていること
大手のメリットはなんといっても豊富な情報量です。
特に購入希望者の情報を多く持っています。
中古物件を買いたいと思っている人は、とりあえず大手の不動産会社に話を聞きに行きます。
大手の方が物件を多く持っていそうだからです。
購入希望者は、若い人ほど大手志向が強いです。買い情報は大手にどんどん集まります。
そのため基本的には大手の方が売却しやすいと言って良いでしょう。
大手のデメリットは両手仲介に拘るところが多い
一方で、大手は営業マンのノルマのきついため、営業マンが両手仲介にこだわります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと
買い情報もあらかじめたくさん持っているため、なんとか自社の持っている情報の中でマッチングを図ろうとします。
購入希望者は、基本的には物件を安く購入したいため、両手仲介でマッチングさせようとすると、最終的には売主に値下げを要求してきます。
大手は早く売れる可能性もありますが、両手仲介によって、値引きを要請される可能性も高いです。
両手仲介については下記記事にて詳しく解説してします。
中小のメリットはやる気のある会社が多い
中小は正直、ピンキリですが、頑張っている街の不動産会社も多くいます。
中小を使うのなら、まずはやる気のある不動産会社を選ぶことが前提。
やる気のある不動産会社とは、駅の近くにあり、1階で営業を行っていて、従業員が5人程度いる清潔感のある不動産会社です。
このような不動産会社であれば、社長にやる気がありますので、親切に対応してくれる可能性は高いです。
雇われサラリーマンではないため、社長が会社の信頼を築くために丁寧に仕事をしてくれます。
中小のデメリットは大体的な広告が打てない事
一方で、中小の不動産会社は、大手のような大々的な広告を打てません。
理由は中小ほど広告料が高いため。
アットホームやSUUMOなどの物件のポータルサイトは、情報をたくさん載せたいために、大手の広告料を安く優遇してたくさん情報を掲載しています。
そうすることでポータルサイト自身の価値を上げ、中小の不動産会社から高い広告費を取っているのです。
そのため、中小の不動産会社は広告費の負担が高く、ますます広告をかけることができません。
中小の不動産会社は、情報量はやはり大手に劣ってしいます。
それでは次に気になる大手に向いている人について見ていきましょう。
大手不動産会社への売却に向いている人は新興住宅街に物件を持っている人
大手に向いている人は、ズバリ、新興住宅街に物件を持っている人です。
新興住宅街は基本的に30~40代のサラリーマン世帯が住みたいと思うエリアです。
購入希望者であるサラリーマンは地元の不動産会社とは繋がりが薄いため、大手に情報を求めがち。
新興住宅街にある物件は、大手の不動産会社の方が売却しやすいと言えます。
それでは津日に気になる中小に向いている人について見ていきましょう。
中小不動産会社への売却に向いている人は郊外に物件を持っている人
中小に向いている人は、駅前に大手不動産会社の支店のない郊外に物件を持っている人です。
大手が進出しないようなエリアは、大手でも情報量は少ないです。
むしろ昔からやっている地元の不動産会社の方が情報をたくさん持っています。
当該エリアで物件を探している人は、中小であってもエリア内で一番きれいな不動産屋に出向いています。
地域に根差した中小の不動産会社はその地域の傾向を熟知しています。
実際、地域特性への理解というのは、売却の成否にも影響を与える大きなポイントとなります。
郊外でも清潔感のある不動産会社はあなどれません。
このような郊外の不動産会社は、遠くに離れた大手不動産会社よりも、多くの情報を持っていますので、活用するのがオススメです。
実は大手も中小の不動産会社を使っている
不動産業界はREINSという情報ネットワークですべての不動産会社が繋がっています。
そのため大手の情報も中小の情報も、お互い見ることはできるのです。
よって、仮に中小の不動産会社に売却を依頼しても、大手の不動産会社が買主を連れてくることは十分にありえます。同様に、その逆もあるのです。
このような売り側と買い側の不動産会社が異なり、仲介が分かれて連携するようなパターンは、売却しにくい物件に良くあります。
売却しにくい物件は、不動産会社も自分たちの力だけでは売却できないため、他社の力を借りて売却します。
そのため、あまり大手や中小にこだわる必要もありません。
大手や中小も含めて、幅広く売却を依頼するのが良いでしょう。
レインズについては下記記事にて詳しく解説しています。
大手も中小も満遍なく査定すると高く売却できる
説明したように大手だから良い、中小だから良いとは一概に言えません。
最終的には「あなたに相性のいい不動産会社を見つける事」これに限ります。
ただ、大手、中小をいちいち探していてはとても大変です。
大手も中小も同時に探せる一括査定がオススメ
ネットの普及にともない一括査定というサービスが出てきました。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定を利用すると、あなたの不動産情報にマッチする不動産会社を自動に探してくれる優れものです。
もちろん、大手・中小関係なしにマッチングしてくれます。
つまり一括査定を使えば、かんたんに複数の不動産会社に査定依頼をすることができます。
一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
不動産売却における大手・中小のメリットとデメリットについて見てきました。
大手不動産会社は、新興住宅街にある、良い物件であれば、大きな力を発揮します。
ただし、何度もお伝えしている通り、大手・中小問わず複数に査定依頼するのがいいでしょう。