空き家問題とは何か?社会的問題や所有者リスクと対策を解説

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空き家問題とは、適切な管理が行われていない空き家が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を与えている社会問題のこと

平成27年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されたことにより、空き家が社会問題となっていることが話題となりました。

空き家問題に関心のある人の中には、

  • 空き家問題とは、一体何なのだろう?
  • 空家があるとどのような問題が生じるのだろう?
  • 空き家対策特別措置法とはどのような法律なのだろう?

等々のことを思っている方も多いと思います。 

そこで今回の記事では「空き家問題」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは空き家問題を理解し、空き家対策特別措置法によって不利益を受けないようにするための対策を取ることができます。

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1.空き家問題とは?問題視されている理由

空き家問題とは、適切な管理が行われていない空き家がもたらす「外部不経済」の問題

外部不経済とは、所有者ではなく、外部の近隣住民や地域住民に対して及ぼす影響のことを言います。 

例えば、敷地以内にゴミが不法投棄されたり、荒廃や老朽化により景観上の問題が生じたりします。

また犯罪者が出入りし地域の治安が悪化するケースや、放火されるなど社会的な問題となることもあります。

平成25年10月1日現在では、国内の空き家の総数は820万戸となっており、5年前に比べて63万戸(+8.3%)増加しました。

現在は平成30年ですので、さらに増えているものと考えられれています。 

このように外部不経済をもたらす空き家は増加傾向にあるため、「空き家問題」と言う名の社会問題となっています。 

以上、ここまで空き家問題の定義について見てきました。

では空き家はなぜ問題となるのでしょうか。

次に空き家が問題となる理由について解説いたします。

2.空き家が問題となる4つの理由

空き家は主に以下の4つの問題を生じさせる可能性があります。

  1. 建物の危険
  2. 治安の悪化
  3. ご近所トラブル
  4. 景観への悪影響

それぞれ見ていきましょう。

問題1.建物の危険

空き家は建物が古くなることで、建物自体の倒壊や、屋根瓦や窓ガラスの落下等により、通行人や隣地所有者に危害を加えてしまう可能性

また老朽化だけではなく、台風や暴風雨によって瓦や外壁材等が飛散する可能性があります。 

空き家は人の目が行き届かなくなることにより、人に危害を加える可能性にもなり得ます。

このような「建物の危険」は空き家問題の1つです。 

問題2.治安の悪化

空き家は放置されることにより、不審者の不法侵入や放火による火災を引き起こす原因となります。 

犯罪に関しては、麻薬の使用や売買のために利用されたり、性犯罪のために利用されたりする可能性があります。 

空き家は外部から見て分かりやすいため、連続放火魔のターゲットにもなりやすいと言えます。

空き家は地域の「治安の悪化」の原因にもなりかねないという問題を抱えています。

問題3.ご近所トラブル

空き家はゴミの放置や不法投棄によって悪臭で近隣に迷惑をかける可能性があります。

猫の死に場所となると、猫の死体も集まるようになります。 

また庭の雑草や樹木が道路や隣地に越境することでも問題が発生します。

越境した樹木が落葉樹であれば、落ち葉も近隣に飛散することになります。 

空き家が「ご近所トラブル」の原因となることは多く、特に隣地には多大な迷惑をかける可能性があります。 

問題4.景観への悪影響

空き家は放置が続くとツタがびっしりと生い茂るようになり、お化け屋敷のような異様な雰囲気を周囲に放ちます。

 

戸建住宅地に1件だけこのような古い空き家があると、近隣の景観にかなり悪影響を及ぼします。

バラック小屋のような空き家の前を通るのが怖いと感じる人も増え、通行量も減り、さらに治安も悪くなります。 

空き家は地域のイメージを損ない、「景観への悪影響」という問題を発生させます。 

このように空き家は、地域住民の生活環境に深刻な悪影響を与える存在となるため、空き家の増加は社会問題となっているのです。 

以上、ここまで空き家が問題となる理由について見てきました。

空き家の保有は所有者にもリスクを及ぼします。

そこで次に空き家を保有するリスクについて解説します。

3.空き家を保有する2つのリスク

空き家は地域社会と言う外部に与える悪影響が問題となっています。

しかしながら、実は所有者の内部に向かっても空き家は悪影響を及ぼします。 

空き家が所有者に与えるリスクは以下の2つです。 

  1. 工作物責任リスク
  2. 建物価値下落リスク 

それぞれ見ていきましょう。

リスク1.工作物責任リスク

建物のような所有物を所有している人には、民法で「工作物責任」が課せられています。 

工作物責任とは、仮に工作物が他人に危害を与えてしまった場合、その責任は所有者に及ぶという責任

この工作物責任は無過失責任と呼ばれています。

過失とは「わざと」という意味です。

無過失とは「わざとではない」という意味になります。

つまり、無過失責任とは、わざと他人に危害を加えたわけではなくても、建物所有者に責任が及ぶということです。 

例えば、空き家の壁が台風で倒壊し、通行人に危害を与えてしまった場合、その責任は所有者に及びます。 

所有者が空き家を管理せず生じた問題であるため、その責任は所有者にあるという考えになります。 

無過失責任とは、言い逃れしようのない責任が覆いかぶさるため、非常に重い責任です。 

空き家所有者には、この工作物責任によって、突然、何千万円という損害賠償請求がのしかかるリスクがあります。 

工作物責任は軽く考える人が多いですが、とても重い責任であるということを理解しなければいけません。 

リスク2.建物価値下落リスク

空き家は放置しておくと、自然にその価値を落としていきます。これは空き家の「建物価値下落リスク」です。 

建物は、築年数が経過すると自然と価値が落ちるものですが、空き家の場合はそれ以上に価値を落としていきます。

空き家が建物価値を落とす要因としては、「カビの大量発生」と「悪臭」、「シロアリによる床の腐食」が原因となります。

建物は定期的に窓を開け、通風しないと湿気が立ち込めます。

湿気はカビの大量発生の原因となります。 

また、トイレやキッチンの排水管には、下水管からの臭いを防ぐため、排水管にS字トラップと呼ばれる仕掛けがあり、そこに水が溜まるようになっています。

この水は封水と呼ばれます。 

封水は定期的に水が流れることで、そこに常に一定の水量が溜まっています。

ところが、空き家で長期に放置されるとその封水が完全に蒸発してしまい、下水から臭いが立ち込めることになります。 

場合によってはネズミの侵入口にもなり、ネズミが電気コードをかじって火災を引き起こすことがあります。 

部屋中に悪臭が染みついてしまうと、それを除去することはとても困難です。

リフォームの中でも臭いを取り除くリフォームはとても高額で、しかも効果が低いです。

悪臭が染みつくと、建物の価値を築年数以上に落とすことになります。 さらに、シロアリも大量発生します。

シロアリは床下の食い散らかすため、歩くと床が抜け落ちる原因を作ります。 

シロアリは建物の価値を落とす、典型的な原因です。 

このような建物は、売却しても相手方から瑕疵担保責任を負わされ、損害賠償請求も求められる可能性もあります。 

誰も住まなくなると、建物はどんどんと価値を落とすため、要注意です。

このように空き家は所有者に対しても内部不経済をもたらします。

空き家問題は、社会問題という大きな問題だけでなく、自分にも降りかかる問題でもあるのです。 

以上、ここまで空き家を保有するリスクについて見てきました。

空き家問題を解決する政策として、空き家対策特別措置法があります。

そこで次に空き家対策特別措置法について解説します。 

4.空き家対策特別措置法(空き家法)

空き家はこのまま増え続けると社会問題となることから、平成27年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されることになりました。 

空き家特別措置法とは、危険な空き家を「特定空き家」として指定し、最終的には行政がその空き家を強制的に取り壊すことができるようになった法律

ここで、特定空き家とは以下のようないずれかの要件に該当する場合、自治体が特定空き家と指定する可能性があります。 

  1. そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空き家に指定されると、「助言」から「行政代執行」と呼ばれる手続きが行われ、最終的に、空き家は取り壊されることになります。 

  1. 特定空き家の所有者に対する助言
  2. 特定空き家の所有者に対する指導
  3. 特定空き家の所有者に対する勧告
  4. 特定空き家の所有者に対する命令
  5. 行政代執行

もちろん、空き家取り壊し費用は所有者の負担なります。

もし所有者が取り壊し費用を払えない場合には、残った土地が公売にかけられることになります。 

つまり最悪のケースでは、土地まで取り上げられる可能性もあるということです。 

このようなケースを避けるには、特定空き家に指定されないことが重要になります。

空き家特別措置法については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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以上、ここまで空き家対策特別措置法について見てきました。

空き家対策特別措置法で不利益を受けないためには特定空き家に指定されないことです。

そこで最後に特定空き家とならないためにどのような対策を取るべきかについて解説します。 

5.特定空き家とならないための対策

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特定空き家に指定されるきっかけのほとんどは、近隣住民からのクレームです。

市区町村へクレームが入り、行政が調査した後、特定空き家として指定されます。 

特定空き家に指定されないためには、空き家を「売却する」「賃貸する」「管理する」の3つの対応が必要

3つの対応の中で、一番確実なのが「売却です。

貸すことはできなくても、売ることはできるエリアはたくさんあります。

まずは素直に売却を第一に検討することをオススメします。 

売却に関しては、以下の記事に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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管理については、不動産会社に管理を委託します。

また空き家バンクがある自治体であれば、空き家バンクに登録することによって、自治体から管理を委託できる不動産会社を紹介してもらうことも可能です。

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6.まとめ

以上、空き家問題とは何か?社会的問題や所有者リスク、政策等を徹底解説してきました。

空き家問題は日本の大きな社会問題となっているため、空き家対策特別措置法が制定されました。 

特定空き家の指定を受けないためにも、「売却する」「賃貸する」「管理する」等の対応をしっかり行うようにして下さい。

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