不動産売却時の確定申告で認められる経費は何があるの?金額相場は?

不動産売却で認められる経費は何があるの?金額相場はどれぐらい?

「余分な税金は払いたくない」というのが人情です。

脱税は駄目でも、節税であれば是非とも行いたいもの。

節税にはきちんとした知識が必要です。

ただし、節税もやり過ぎると、結局はお金が流れてしまいます。

そのため適正な価格の経費を、きちんと費用計上することが節税の王道です。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産売却でどのような項目が経費として認められるか知りたい
  • 経費項目の適正相場を知りたい
  • 不動産売却ではどのようなものが経費として発生するか知りたい

今回の記事では、不動産売却における「経費」にフォーカスしてお伝えいたします。

あなたは課税譲渡所得で認められる経費を理解し、およその概算金額を把握することが可能になります。

本記事のポイントまとめ

  • 個人の所得には、給与所得・利子所得等の10種類の所得がある
  • 不動産を売却するにあたって要した譲渡費用が経費対象となる
  • 譲渡所得は、売却額から取得費や譲渡費用を控除できるため、譲渡費用が大きければ大きいほど節税になる
  • 不動産をより高く売りたい場合、一括査定を使って複数社に査定依頼する
    ※詳細は「3.不動産を高く売るなら複数社に査定依頼するのが王道」に解説しています。
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.不動産売却で認められる経費

まずは譲渡所得を理解しよう

個人の所得には

  1. 給与所得
  2. 利子所得
  3. 配当所得
  4. 不動産所得
  5. 事業所得
  6. 退職所得
  7. 山林所得
  8. 一時所得
  9. 雑所得
  10. 譲渡所得

の10種類の所得があります。

この中で不動産を売却したときに発生する所得は譲渡所得となります。

不動産売却によって「譲渡所得が発生した場合」には、確定申告により所得を確定し、所得税を納めることになります。

ここで、あえて「譲渡所得が発生した場合」と書いたのは、不動産を売却しても「譲渡所得が発生しない場合」があるからです。

譲渡所得の計算式

譲渡所得とは、以下の式で計算される金額を言います。

譲渡所得イコール売却額ではないという点がポイント。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却額) - 取得費(購入額) - 譲渡費用(経費)

※取得費とは購入価格から建物の減価償却費を控除し、当時の仲介手数料等を加算した価額

譲渡費用が「経費」に当たる

譲渡費用が今回のテーマとなる経費の部分です。

譲渡費用は、不動産を売却するにあたって要した費用が対象。

譲渡所得は、売却額から取得費や譲渡費用を控除できるため、譲渡費用が大きければ大きいほど節税になります。

例えば取得費や譲渡費用が大きく、譲渡所得がマイナスとなる場合もあります。

この場合は「譲渡所得が発生しない場合」に該当し、譲渡所得に係る所得税は発生しません。

その次に譲渡費用の把握というステップとなります。

取得費と譲渡費用になるもの

取得費と譲渡費用については、以下のものを含むことができます。

取得費となるもの譲渡費用(経費)となるもの
  1. 土地の購入価額
  2. 建物の購入価額から減価償却費を控除したもの
  3. 購入の際の仲介手数料
  4. 購入の際に支払った立退料・移転料
  5. 購入時の売買契約書に貼付けした印紙税
  6. 購入時の登録免許税や司法書士へ支払った登録手数料
  7. 購入時の不動産取得税
  8. 引越の搬入費や据付費
  9. 建物等の取壊し費用
  1. 売却の際の仲介手数料
  2. 売却のために要した測量費
  3. 売却時の売買契約書に貼付けした印紙税
  4. 売却に伴い支払った立退料
  5. 建物の取壊し費用

以上、ここまで不動産売却で認められる経費について見てきました。

それでは次から各費用項目について、それぞれの金額目安について見ていきます。

2.不動産売却によくある費用の相場

不動産を売却する際に出てくる費用は大きく分けて下記5つとなります。

  1. 仲介手数料
  2. 測量費
  3. 印紙税
  4. 立退料
  5. 取壊し費用

それぞれの費用の相場を見ていきましょう。

仲介手数料の相場

仲介手数料については、下表のように不動産会社が受領できる上限額が定められています。

取引額 (売買金額)速算式(上限額)
200万円以下5%
200万円超から400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

例えば、3,000万円の不動産を売却して満額の仲介手数料を支払った場合は、以下のように計算されます。

仲介手数料:3,000万円×3% + 6万円 = 96万円

仲介手数料は、法律で定められているものは上限額なので、交渉によっては値引することも可能です。

仲介手数料を値引きする方法は下記に詳しく解説しています。是非ご参照ください。

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測量費の相場

測量費は経費として計上できる項目ですが、全ての測量費を計上できるわけではありません。

あくまでも、売却のために必要となった測量費だけが対象となります。

例えば数年前にたまたま行った測量については、経費の対象となりませんので注意が必要です。

売却に伴う測量費とは、実測売買のために行った測量や、境界確定のために行った測量、分筆のために行った測量等が対象となります。

この中で、既に境界は確定しており、現況測量を行うだけというパターンが最も金額が安いです。

現況測量の場合、目安としては10万円~30万円程度になります。

また境界確定のための測量は高額になります。

境界確定の測量は40万円~60万円程度になります。

境界確定は接している隣地の数や、道路との官民境界の確定状況にとって値段や時間が大きく変わります。

さらに土地を分筆して売却する場合、分筆前の土地の境界が未確定の状態だと、境界確定の測量を行う必要があります。

境界の未確定の土地を分筆しようとすると、70万円~100万円近く測量費が発生することがあります。

境界明示や境界未確定の土地を売る手順については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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印紙税の相場

売買契約書には、証紙と呼ばれる切手のようなものを貼りつけます。

これを印紙税と言います。

印紙税は売買契約書に証紙を貼付け、割印を押すことで納税したことになります。

不動産の売却の際、売買契約書に貼付する印紙税は、売買契約書に記載する売買金額の額によって決まります。

売買金額と印紙税の額は、下表のとおりです。

契約書に記載する売買金額貼付する印紙税
1万円未満
1万円以上10万円以下
10万円超50万円以下
50万円超100万円以下
100万円超500万円以下
500万円超1,000万円以下
1,000万円超5,000万円以下
5,000万円超1億円以下
1億円超5億円以下
5億円超10億円以下
10億円超50億円以下
50億円超
金額の記載のないもの
非課税
200円
200円
500円
1,000円
5,000円
10,000円
30,000円
60,000円
160,000円
320,000円
480,000円
200円

立退料の相場

古い賃貸アパートやテナントビルを売却する場合、入居者を立ち退かせて売却した方が高く売れる場合があります。

このようなとき、売却のために立ち退きを行った場合は、その立退料は経費計上することが可能。

あくまで売却のために直近に行った立退きが対象となり、売却とは無関係に昔に行った立退きは対象とはなりません。

立退料や「住宅や事務所」と「店舗」では発生する費用が大きく異なります。

店舗を立ち退かせる場合は、営業保証料が発生するため、数千万円~数億円というオーダーとなる場合があります。

立退料の目安としては、以下の通りです。

用途立退料目安
住宅や事務所「現行賃料と移転先賃料」との差額の0.5~1.5年分程度
店舗「現行賃料と移転先賃料」との差額の0.5~1.5年分程度+営業保証料

店舗の立退料は、かなりバラつきがあり高額となるケースが多いです。

東京23区では、立退料は物販店舗や美容院では現行賃料の40か月程度、飲食店が現行賃料の100ヶ月程度となっています。

立ち退き料については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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取壊し費用の相場

古い建物が残っている場合、更地化して売却すると高く売れることがあります。

そのため売却のために建物を取壊した場合、その取壊し費用は経費になります。

これも昔に行った取壊しは経費の対象とはなりません。

ただし、かつて不動産を購入する際に行った取壊しに関しては、取得費に含めることができます。

取壊し費用は建物の構造によって異なりますが、その目安は以下のようになります。

概ね新築工事費の10分の1が解体費用です。

構造坪単価
木造4万円~5万円/坪
鉄骨造6万円~7万円/坪
鉄筋コンクリート造7万円~8万円/坪

解体費用に関しては、現場の施工条件によってかなり金額が上下します。

敷地が広く重機が運びやすい条件であれば、解体費用は安くなります。

逆に敷地が狭く、電線が通過し、前面道路も狭いような条件であれば解体費用は高くなります。

解体費用に関しては、「 ヌリカエ(※旧解体工事のナコウド) 」などを使って見積を取ることをオススメします。

ヌリカエは、優良業者のみを厳選して最安値を教えてもらえるサービスです。

解体工事の最安値が分かる!

ヌリカエで無料一括見積もり

解体費用や解体すべきかどう以下の判断については下記記事で詳しく記載しています。

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3.不動産を高く売るなら複数社に査定依頼するのが王道

不動産をより高く売りたい場合、複数の不動産会社に査定依頼するのがおススメです。

しかし、一社ずつ査定依頼すると手間がかかるため、全ての査定依頼が完了するのに時間がかかります。

そこで効率的に査定依頼できる方法が不動産一括査定です。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
  • 【1都3県・大阪・兵庫・京都・奈良】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

所在地別地域毎のおすすめ

対象物件種別

おすすめポイント

物件所在地に応じたおすすめの使い方

不動産一括査定は、各社の特徴を活かして、複数社への査定依頼がおすすめです。

都心(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良)の場合

一括査定サイトの他にも、売主専門の不動産仲介会社SRE不動産への相談がおすすめ

県庁所在地など比較的人口が多い都市の場合

すまいValueで大手へ、HOME4Uで地元密着から大手へ査定依頼することで漏れなくチェック

田舎など人口が少ない都市の場合

地方の提携企業も多いHOME4Uとイエウールの併用使いがおすすめ

査定対象の物件種別を比較

  • ◎特化してる
  • ○対応している
  • △要相談
  • ×対応していない
サイト名戸建マンション土地投資物件農地
○○○△△
○○○△△
○○○△○
○○○○×
○○○××
×◎×××
○○○△○
○○○△△
サイト名戸建マンション土地投資物件農地

提携会社数・特徴

サイト名提携会社数特徴公式サイト
大手不動産6社
※小田急不動産、住友不動産販売、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、三井のリハウス
・大手不動産6社にまとめて査定依頼できる
※この6社に依頼できるのはすまいValueのみ
公式サイト
1,300社以上・NTTグループで安心、実績も抜群
・フリーダイヤルの相談窓口あり
・大手、中堅、地域密着の会社にバランスよく依頼できる
公式サイト
1,600社以上・地方や田舎に強い公式サイト
1,800社以上・匿名査定対応
・地方含めて対応エリアが広い
公式サイト
2,000店舗以上・不動産メディア認知度No.1
・最大10社から一括査定可能
・不動産会社の特徴で選べる
公式サイト
2,500店舗以上・マンションに特化
・賃貸も同時査定可能
公式サイト
1,700社以上・サポート体制が充実
・様々な物件種別に対応
公式サイト
約700社以上・収益物件に特化
・最大10社から一括査定可能
公式サイト

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

メール

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生

一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

まとめ

不動産売却の課税譲渡所得で認められる経費と概算金額について解説しました。

経費として使える費用は計上し、健全な節税を心がけましょう。

不動産売却の税金については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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