空き家を所有しているけれど、手放すかどうか迷っているという悩みをよく聞きます。
自分が住んでいた家や相続した家には、思い出がたくさんありますから、売りにくいですね。
でも、空き家をそのまま維持していると、デメリットがたくさんあります。
- 空き家はさらに固定資産税が上がる
- 勝手に解体されて解体費用を請求される
国は空き家対策を進めているので、放置された空き家を減らす方向に誘導しています。
また、相続した空き家を売却するときの税金優遇も期間限定の制度。
この税金優遇を受けられれば、最大600万円の税金が非課税になりますので、非常に大きなメリットになります。
空き家の売却を考えるなら、国が空き家対策を進めている今がチャンス。
とはいえ、空き家をうまく売却するためにはコツがあります。
売り方によって、売却価格も税金も違ってきますので注意してください。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 古い家は値段が付かないってホント?
- 取り壊して更地にしたほうが売りやすい?
- 税金はどれくらいかかる?
- いくらくらいで売れるか、自分で調べたい。
- どうやったら空き家をうまく売れるの?
空き家はあなたの大切な資産です。
この記事を読んで、空き家の売却を成功させてくださいね。
すぐわかる!本記事の要点まとめ
- 空き家をそのまま放置すると税金が上がったり、解体費用を取られる可能性がある
- 空き家は壊して売るのか更地にして売るなど売却方法はいくつかある
- 空き家をどうするべきかは空き家に強い不動産会社に聞くのが早い
- 空き家に強い不動産会社は一括査定を使うとカンタンに見つかる
※詳細は「一括査定を使えば空き家に強い不動産会社が見つかる」で説明しています。
空き家を放置すると4つのリスクがある
空き家のままにしておくと、維持費用もかかりますし、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
また、空き家の期間が長いと、売却時の税金が不利になる場合があるのは、意外と知られていません。
他にもリスクがあり、集約すると下記4つです。
- 固定資産税が上がる可能性がある
- メンテナンスの手間と維持費用がかかる
- 放火、不審者、事故、害虫などのリスクが生じる
- 長く放置すると、不動産を売却した時の税制優遇が受けられなくなる可能性がある
それでは、詳しく見ていきましょう。
リスク1.固定資産税が上がる可能性がある
土地と建物には、毎年、固定資産税と都市計画税が課税されます。
通常、住宅の敷地は、特例で固定資産税と固定資産税が安くなっています。
これを「住宅用地の特例」といいます。
ところが、国が進める空き家対策により「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定。
この法令によって、「特定空き家」に指定されると「住宅用地の特例」が使えなくなり、固定資産税がアップしてしまいます。
200平方メートル以下の敷地で、「住宅用地の特例」が適用されなくなると、固定資産税は6倍、都市計画税は3倍になります。
また、そのまま放置し続けていると最終的に空き家は取り壊されます。
もちろん、空き家取り壊し費用は所有者の負担となります。
もし所有者が取り壊し費用を払えない場合には、残った土地が公売にかけられることになります。
つまり最悪のケースでは、土地まで取り上げられる可能性もあるということです。
リスク2.メンテナンスの手間と維持費用
近所に迷惑をかけないため、雑草や植木の伐採などの最低限のメンテナンスは必要です。
また、建物を再び利用する可能性があるなら維持修繕が必要ですが、使用していないと傷むのが早く、修繕コストが割高になります。
リスク3.放火、不審者、事故、害虫などのリスク
空き家は放火犯に狙われやすく、不法投棄の被害も問題になっています。
総務省がまとめている「「空き家の適正管理に関する調査」の結果」でも空き家の放火が触れられています。
主な問題:防災上
- 空き家が老朽化し、倒壊事故が発生
- 強風等による屋根や外壁材等の落下、屋根からの落雪
- 放火などによる空き家での火災や延焼事故が発生
※出典:総務省「「空き家の適正管理に関する調査」の結果」のP1.「表4 主な空き家問題の内容」より
不審者が入り込んで犯罪に利用されたり、子どもが敷地内に入ってケガなどをすると、所有者も責任を問われるかもしれません。
害虫やネズミなどが棲みついて大量発生するのも心配です。
ハチの巣ができて近隣の人が被害に遭う例もありますので、空き家には住人の目が行き届かないことによるリスクがあることを意識しておく必要があります。
リスク4.長く放置すると税金優遇が受けられなくなる可能性がある
自分が住んでいた家でも、3年以上空き家になっていると、売却時の税金の優遇が受けられなくなる可能性があります。
相続した家も、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、税金の優遇が受けられる可能性があります。
税金については、「3.売却益には莫大な税金がかかる可能性がある」で詳しく説明します。
空き家をどうするか決めかねて、そのままにしておいてもいいことはありません。
自分や親族が再び住む可能性が低いのならば、早めに処分を考えましょう。
ここまでは、空き家を維持・放置しておくことのデメリットをお伝えしました。
気になるのが、空き家はそもそも値段が付くのかということです。
空き家は基本的には「今現在住んでいない」ということなので、築年数が古くボロボロの可能性が高いので、値が付くのか、そもそも売れるのか心配になる方もいるでしょう。
そこで、次章では空き家を売却する時の相場についてお伝えします。
空き家を売却するときの相場
空き家の値段はどれくらいになるか
一般的に、一戸建ての場合、築20年で建物価格はゼロになることが多いです。
国土交通省発表が発表した「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造住宅の価値は20年を経つと20%以下になります。
まだ十分に使用できる場合でも、売買の際には、建物に値段が付かないということ。
でも場合によっては、築30年を超えても値段が付く場合もあります。
それは、中古一戸建ての需要がたくさんあるエリアの場合。
更地を買って、新たに建物を建てるよりは、中古一戸建てを買ってリノベーションしたほうが総額は安く済みます。
ですから、エリアによっては、中古一戸建てにもかなりの需要があります。
空き家の価格は3つのケースが考えられます。
- 土地+建物価格となるケース
- 土地の値段のみとなるケース(建物価格ゼロ)
- 土地-取壊し費用となるケース
取壊し費用の目安は、延べ床面積×坪単価で考えます。
取り壊し費用の目安
- 木造:3~5万円/坪
- 鉄骨:3.5~5.5万円
- 鉄筋コンクリート:4~6万円
木造で延べ床面積30坪の家であれば、総額で100万円台前半くらいのイメージです。
ただし、道路が細い場合や、都心の住宅密集地など、大型重機が使えない場合はもっと高くなります。
固定資産税評価額を参考にしてみる
具体的に、いくらくらいで売れそうか、自分で簡単に調べる方法があります。
所有者には毎年、固定資産税通知書が届きます。
そこに記載された「固定資産税評価額」を見てみましょう。
見つからない場合は、市町村役場の固定資産税係で「固定資産税課税台帳」を閲覧するか、「評価証明書」を取得すればOK。
所有者でないと見られない情報なので本人確認書類が必要です。
「固定資産税評価額」は、市区町村が固定資産税等を課税するために評価している価格です。
ですので、この金額が取引相場とは限りませんし、この金額で取引する義務もありません。
でも、取引相場の参考にはなります。
取引相場価格の目安
<土地の値段>
エリア | 実勢価格のめやす |
---|---|
都心や人気住宅地 | 「固定資産税評価額」÷0.7より高め |
交通の便の悪い場所、過疎化している場所など | 「固定資産税評価額」÷0.7より安め |
<建物>
築年数 | 実勢価格のめやす |
---|---|
新築、築浅 | 固定資産税評価額より高めになる可能性がある |
築年数が古い | 固定資産税評価額は、どんなに古い建物でもゼロにはなりません。 かなり古い建物の場合には、実勢価格のほうが固定資産税評価額よりも安くなることがほとんどです。 |
空き家の売却価格は、一番安くなる場合で、「土地の値段」ー「取壊し費用」です。
一番高くなる場合で、「土地の値段」+「建物の値段」ですね。
固定資産税評価額を参考にすれば、売却価格の上限と下限が見えてきます。
空き家をスムーズに売却する3つの方法
空き家を売るには、3つの方法があります。
- 古家付きで売る方法
- 取り壊して更地にして売る方法
- 不動産買取業者を使って売る方法
それぞれの特徴と注意点をみてみましょう。
方法1.古家付きで売る方法
まず、空き家をそのまま売る方法があります。
中古住宅とその敷地を売ることを、不動産広告では「中古一戸建て」または「土地(現況古家あり)」と表現します。
明確なルールはありませんが、まだ使用できると判断される場合には「中古一戸建て」として販売されます。
都心や人気住宅地で、「土地」のほうが需要が多いエリアなら、建て替えたい需要者向けに「土地(現況古家あり)」として販売されます。
表現は違いますが、どちらも空き家を現況のまま、すぐにでも売り出すことができ、手間がかかりません。
建物をリフォームしてから売る選択肢もありますが、慎重に判断してください。
500万円かけてリフォームしたからといって、500万円高く売れるとは限りません。
むしろ、中古住宅を購入して自分の好みのリフォームをしたい需要者も多いので、リフォームすると逆に売りにくくなることもあります。
中古一戸建てとして売る場合の注意点=契約不適合責任
不動産を売る場合、売主は「契約不適合責任」を負います。
これは、通常気づかない不具合があった場合に、売主が責任を負うことです。
契約不適合責任の内容は売買契約の際に、例えば「引き渡しから3ヶ月以内」などの制約を設けることができます。
築年数の古い一戸建ての場合は、「契約不適合責任免責」の条件を付けるのがオススメです。
つまり、欠陥があったとしても売主は責任を負わないという条件です。
ただし、知っていて隠した欠陥があれば、免責されません。
雨漏りやシロアリ被害、家の傾きなど、知っていることは隠さず告知しましょう。
売主が負う契約不適合責任については下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずは壊さずに空き家に強い不動産会社を探す
基本的に、空き家をそのまま取り壊さずに売る方法がオススメです。
古くても建物に値段が付く場合がありますし、取壊しを前提とする場合も、買主が見つかってから取り壊すのが得策です。
売れ行きが悪い場合は、取壊し費用を売主負担にする、つまり取壊し費用相当額の値引きに応じることを考えましょう。
空き家をそのままにしておくと様々なデメリットがありましたが、自己判断でいきなり、空き家を取り壊してしまうのは避けてください。
地域に精通した不動産会社に相談してから決断しましょう。
一括査定を使えば空き家に強い不動産会社が見つかる
空き家の売買を得意とし、地域に精通している不動産会社を探すのは、手間と時間がかかります。
貴重な時間を無駄にしないためには、一括査定を利用して不動産会社を探すと便利です。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
住んでいなくても、本人名義ではなくても利用することは可能。
複数の不動産会社の査定を受けたら、査定額を比較するだけではなく、必ず「販売戦略」を聞いてみてください。
どんな販売戦略で売ったらいいのか、納得できる根拠と共に説明してくれる不動産会社を選びましょう。
NTTグループが運営している「HOME4U」を使うと、空き家に強い不動産会社が複数社見つかります。
ただし、1社しか出てこない事も往々にしてあります。
実際に栃木県の市街化調整区域で実施したところ、それぞれ1社しか出てきませんでした。
1社だけのアドバイスだと適切に判断ができません。
その場合は、「HOME’S」や「イエウール」を併用して、複数の不動産会社に相談できるようにしましょう。
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
方法2.取壊して更地にして売る方法
もう一つは、建物を取り壊して更地にして売る方法です。
都心や人気の住宅地の場合、まだ使えそうな建物であっても、取り壊して建て替える例が多く見られます。
そのような人気エリアでは、建物を取り壊して更地にしたほうが、新築住宅を建築したい購入希望者が高く買ってくれる場合があります。
古家があると、取壊し工事の期間が必要になるため、すぐに新築住宅を着工できませんし、取壊し費用が予想以上に高くなる心配もあるからです。
取り壊してから売る場合は、解体に活用できる補助金を探してください。
国や地方自治体は空き家対策に力を入れているので、助成金制度が設けられている場合があります。
注意:自己判断で取り壊さない
更地にしてもすぐに売れなければ、税金上、不利になりますので、自己判断で取り壊さないようにしてください。
自己判断してはいけない理由1
1月1日時点で建物がないと、土地の固定資産税等が上がってしまいます。
なぜかというと、建物の敷地には「住宅用地特例」が適用されているので固定資産税が特別に低くなっているのですが、その特例が無くなってしまうからです。
自己判断してはいけない理由2
3,000万円の特別控除が使えなくなる可能性があります。
住まなくなったマイホームを取り壊した場合、家屋を取り壊した日から1年以内に土地の売買契約を締結しないと特別控除が使えません。
更地にしてから売却するべきか否かの判断基準については下記記事でさらに詳しく解説しています。
方法3.不動産買取業者を使って売却する方法
不動産の買取とは不動産会社があなたから直接不動産を買い取ること
不動産買取は、買取業者に見積もりをしてから早ければ1週間ほどで売却が完了するので、早く現金化できるというメリットがあります。
買取業者は、個人から不動産を買い取ったあと、数百万円かけてリフォームやリノベーションを行い、その分の金額を上乗せして再度売りに出すことが多いです。
買取業者のなかで実績を残している会社としては、「カチタス」「ベストランド」「フジ住宅」の3社が販売戸数TOP3となっています。
買取価格は仲介の70-80%と言われている
買取は、不動産会社が買い取った不動産を転売して利ザヤを稼ぐために行います。
不動産会社の儲けは転売益。一方で、仲介を行う場合は、仲介手数料で儲けることになります。
買取転売は、転売益で儲けるため、安く仕入れなければなりません。
そのため買取価格は、仲介の売却相場の70-80%程度の価格になると一般的と言われています。
不動産買取の買取価格は相場よりも安くなりやすいですが、より早く空き家を売却したい方にはオススメです。
不動産買取の詳しいメリット・デメリット等については以下の記事で詳しく解説しています。
空き家を売却する際の3つの注意点
空き家を売却する際の注意点は以下の通りです。
空き家売却時の3つの注意点
- 空き家の名義変更ができているか確認
- 価格を設定する時は少し高めに
- 空き家を売却するには時間がかかることを覚悟する
注意点1.空き家の名義変更ができているか確認
空き家の売却では、空き家の名義変更ができているか確認することが注意点です。
自宅の場合には問題はありませんが、特に相続した空き家を売る場合は、被相続人から相続人(売主)に名義変更が必要です。
相続の名義変更は法律上義務化されていませんが、実際に売るには名義変更を要します。
理由としては、売主が誰か良く分からない物件を買いたがる買主は極めて少ないからです。
物件に興味を持ってもらう購入希望者を少しでも増やすために、相続した空き家は必ず名義変更するようにしてください。
注意点2.価格を設定する時は少し高めに
空き家の売却ではかなり大幅な値引き交渉が入りますので、売り出し価格は少し高めに設定することをオススメします。
買主からの値引き交渉に関して、「わざと負けたフリ」をしておけば、その後の値引き交渉も上手く行きます。
例えば、門扉が壊れたままの家を売る場合、門扉を直して欲しいと言われても、「値引きしたのだから良いでしょ?」と押し返すこともできます。
空き家の売却ではハードな条件交渉が予想されるため、最初から値引き覚悟で高め(1~2割程度)の値段設定をしておいた方が良いです。
注意点3.空き家を売却するには時間がかかることを覚悟する
空き家の売却には時間がかかるため、あらかじめスケジュールに余裕を持つことが重要です。
特に田舎の空き家は売却に半年から1年以上の時間がかかることが多いです。
一般的に早く売れる戸建ては築20年以内の物件ですが、築20年超の物件は時間がかかるため、じっくり売ることが必要です。
空き家の販売期間には余裕をもって準備をするようにしましょう。
これまで空き家売却時の注意点について見てきましたが、次に税金の扱いについてお伝えします。
売却益が出ると税金がかかる可能性がある
空き家を売却したときに、税金がかかるかどうか、気になるところだと思います。
結論から言うと、不動産を売却して、利益が出た時だけ、所得税と住民税がかかります。
つまり、買ったときよりも高く売れると税金が取られます。
ただし、マイホームの場合は「3,000万円の特別控除」という制度があり、3,000万円までの利益は税金がかかりません。
空き家の場合にも、この特別控除が使えるかどうかが運命の分かれ道。
まず、税金の基本的な計算方法を見てみましょう。
売却益の計算方法
まず、買ったときの値段がわかる場合を見てみましょう。
2,000万円で買った家が2,000万円で売れた場合も、少し注意が必要です。
建物は「減価償却」と言って、古くなって価値が減ったとみなすからです。
売却益(譲渡所得)は、次の式で計算します。
譲渡所得 = 譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(売却に掛かった経費)
※取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額
※譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用
取得費(買ったときの値段)がわからない場合も多いですね。
その場合は、売却価格の5%を取得費とみなします。
例えば、買った値段がわからない空き家が2,000万円で売れたとすると、2,000万円×5%=100万円が取得費になります。
売却時にかかる仲介手数料などの費用を70万円として、計算してみましょう。
売却益(譲渡所得)=譲渡収入金額-取得費-譲渡費用=2,000万円-100万円-70万円=1,830万円
利益が出るときの税率
このように計算した結果の売却益(譲渡所得)に対して、税金がかかります。
税率は、所有期間によって違います。
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超・・・「長期譲渡所得」
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下・・・「短期譲渡所得」
所得 | 所得税 税率 | 住民税 税率 |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 15% (復興特別所得税を含めると15.315%) | 5% |
短期譲渡所得 | 30% (復興特別所得税を含めると30.63%) | 9% |
※10年以上所有していれば、さらに軽減税率があります。
※平成49年までは、復興特別所得税2.1%分が加算されます。
先ほどの、売却益(譲渡所得)が1,830万円の例で、税額をみてみましょう。
長期譲渡所得の場合は、約371万円、短期譲渡所得の場合は約725万円もの税金になります。
買ったときの値段がわからなくて、5%ルールで計算すると、税金が多額になってしまうことが多いので、売買契約書の日付を確認してください。
ただし、「3,000万円の特別控除」が使えれば、1,830万円<3,000万円なので、税金はかかりません。
譲渡所得が3,000万円を超える場合には、3,000万円を差し引けます。
3,000万円特別控除の効果を検証
どれだけ節税効果があるか、見てみましょう。
所有期間が5年を超えるケースで、譲渡所得が3,000万円の場合、長期譲渡所得は
3,000万円×(15.315%+5%)=609万4,500円
約600万円もの節税効果は大きいですね。
空き家を売却する場合、「3,000万円の特別控除」が適用できるかどうかが、大変重要なポイントになります。
住まなくなってから3年以内に売却するのがベスト
「3,000万円の特別控除」は基本的に、マイホームを売却した場合の制度です。
利用するには、様々な条件があります。
以前に住んでいた家屋や敷地の場合、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件の1つです。
「3,000万円の特別控除」を利用するためには、確定申告が必要です。
相続した空き家を売る場合でも3,000万円の特別控除は使える
相続でも3,000万円の特別控除が適用できる場合があります。
ただし、特例の適用には期限があります。
平成28年4月1日から令和5年12月31日までに売ったときに対象になりますので、適用を考えるなら早めにアクションを起こしましょう。
主な条件は、
- 相続の開始のあった日以後、3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に売却すること
- 相続してから売却するまでの間に、空き家を賃貸住宅などに利用していないこと
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
相続した空き家を有効活用すると、3,000万円の特別控除が適用できなくなります。
空き家の有効活用は、売却益も考慮してから検討する必要があります。
信頼できる不動産会社に、売却査定と賃貸査定をしてもらって、売却益が出るかどうか確認してから有効活用を検討しましょう。
相続空き家については下記に詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
空き家の有効活用も検討
空き家の活用方法と聞くと、住居としての賃貸だけしか思い浮かばず、他の選択肢はないと考えている人もいるのではないでしょうか。
空き家は売らずに活用するという選択肢もあります。
以下のような人や空き家が活用に向いています。
(活用に向いている人)
・副収入を得たい人
・アイディアマンでやる気のある人
(活用に向いている空き家)
・立地の良い空き家
・古民家風の空き家
空き家は、普通に貸す以外にも活用方法がいくつかあり、例えば下記のような活用方法があります。
空き家の活用方法
- デイサービスへの賃貸
- 民泊
- サテライトオフィス
- コワーキングスペース
- 二地域住居者向け賃貸
- 店舗運営(レストランやカフェ等)
空き家を上手く活用することで、収益を上げることも可能ですので、自分に合った空き家の活用方法も検討してみてください。
空き家の具体的な活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
空き家をそのままにしておくと、デメリットがたくさんあります。
売却するなら早めに決断しないと、税金の優遇も受けられなくなる可能性があります。
とりあえず賃貸住宅にしてしまうのも、場合によっては不利になります。
再び住む予定がないなら、不動産会社の売却査定を受けてから、活用するかどうか検討しましょう。
販売戦略によって、売却価格や売却期間にも差が出ます。
空き家の売買実績が豊富で、販売戦略を丁寧に説明してくれる不動産会社を見つけて、空き家の売却を成功させましょう。