自然エネルギーのブームが過ぎてから久しいですが、未だに太陽光発電の土地売買は見られます。
太陽光発電は儲からなくなってきたことから、太陽光発電事業者への土地売買はトラブルも増えてきています。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 太陽光発電事業者に土地を売ると、どんなメリットがあるの?
- 太陽光発電事業者への土地売買では、どんなトラブルが起きやすいの?
- 太陽光発電事業者に土地を売却する際には、何に注意すればいいの?
そこでこの記事では、「太陽光発電事業者への土地売買をめぐるトラブル」にフォーカスしてお伝えします。
この記事を読むことであなたは、太陽光発電事業者への土地売買トラブルや、売買の際の注意点について知ることができます。
本記事のポイントまとめ
- 太陽光発電事業者への土地売却のメリットは、以下の2つ
- 利用価値の低い田舎の土地でも売れる
- 価格が意外と高い
- 太陽光発電事業者への土地売却の注意点は、以下の2つ
- 不動産会社の協力が得にくい
- 農地は農地転用が必要となる
- いきなり太陽光事業者に売却するのではなく、まずは不動産会社への相談がオススメ
※詳細は「まずは不動産会社へ通常の売却を相談するのが先決」に解説しています。
太陽光発電事業者への土地売却の2つのメリット
太陽光発電事業者への土地売却のメリットは、以下の2点です。
2つのメリット
- 利用価値の低い田舎の土地でも売れる
- 価格が意外と高い
メリット1.利用価値の低い田舎の土地でも売れる
太陽光発電事業者への土地売却のメリットは、利用価値の低い田舎の土地でも売れるという点です。
人口減少と東京一極集中が続く中、全国で活用できない利用価値の低い土地が増えています。
アパート等の土地活用は当然無理ですし、戸建て分譲のディベロッパーへ売却することも無理です。
貸せないし、売れないといった八方ふさがりの中、太陽光発電は数少ない土地の利用方法ということができます。
売却してしまえば、太陽光発電事業のリスクは事業者が負うことになりますので、売主だけなら大きなリスクを伴うことはありません。
「太陽光発電事業者への売却」は、利用価値の低い田舎の土地に残された数少ない選択肢であり、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。
特に今はコロナの影響もあり、アパートやマンション経営は苦戦しています。
一方で自然が相手の太陽光はコロナの影響も受けず需要が高まっているため、すぐに売れる可能性もあります。
もしそういった土地を持っているのであれば、自ら土地活用も視野に入れてみるといいでしょう。
NTTデータグループが運営しているHOME4U土地活用を使えば、信頼できる業者が見つかります。
メリット2.価格が意外と高い
太陽光発電事業者への土地売却は、価格が意外と高いという点もメリットです。
これは、あくまでも利用価値の低い田舎の土地であることが前提ですが、そのような土地の中では売却価格は高いです。
太陽光発電事業者は、坪単価5千円~3万円程度で買い取ってくれます。相場が坪1万円を下回るような土地であっても、坪1万円以上で購入してくれるケースもあるため、結構、高く売ることが可能。
山林のような土地でも坪5千円というのがあります。山林には、坪単価が数百円という物件もたくさんあり、その10倍以上の価格である坪5千円というレベルは、破格の値段といえます。
もちろん、普通の住宅地の価格と比較すると、かなり安いです。住宅地として売れる土地であれば、住宅地として売った方が高くなります。
あくまでも、誰も買ってくれないような土地の中では、高く売れるという点がメリットです。
太陽光発電事業者への土地売却の特徴
太陽光発電事業者への土地売却の特徴は、売買契約から引渡までの時間がかかるという点です。
売買契約を締結してから引渡まで、どんなに早くても3~6ヶ月程度であり、場合によっては1年以上先になることもあります。
不動産の売却では、売買契約時は手付金だけであり、残金は引渡時に入金されます。引渡が先ということは、「売るという約束はしたけれども、お金が入ってくるのはずっと先」ということ。
太陽光発電事業者への売却が時間かかる理由
通常、売買契約を締結してから引渡までの期間は1ヶ月ですので、通常の売却と比べるとかなり長くなっています。
一般的な住宅の売買では、売買契約から引渡までの期間を1ヶ月設けるのは、その間に買主が銀行に住宅ローンの本審査を通すためです。
住宅ローンの本審査は、売買契約書が必要書類となるため、売買契約と引渡はずらす必要があります。
一方で、太陽光発電事業者への売却では、売買契約から引渡までの間に、太陽光発電事業者が行政に対して太陽光発電の事業申請や許可を受けることを行います。
太陽光発電の申請は、土地が決まっていないと行うことができないため、事前に購入予定の土地の売買契約書が必要となるのです。
買主が売買契約から引渡までの間に行っていることが、行政手続きなので、住宅ローン審査とは重みが全く異なります。
売却地が農地の場合など、許可が下りないこともあります。
本来なら、太陽光発電事業者は土地の引渡を受けてから申請すべきですが、太陽光発電事業者はそこまでリスクを取りません。
とりあえず契約書の段階で申請だけを行い、許可が下りたら購入するというのが太陽光発電事業者の購入スタンスです。
以上、ここまで太陽光発電事業者への土地売却の特徴について見てきました。
太陽光発電事業者への売却は、「太陽光発電事業の許可が下りたら購入する」という条件が付きます。
このような条件のことを「停止条件」と呼びます。
停止条件とは
「もし太陽光発電事業の許可が下りたら買います」みたいな条件付きの売買を停止条件付売買と言います。
停止条件は、契約のイメージと言葉が逆であるため、良く誤解されます。
停止条件付とは、売主と買主との間で既にお互いが売買する意思があるものの、売買を停止させている条件を付けている契約
イメージとしては下図左のような状態。左図は停止条件と言うシャッターが下りているため、車(売買)が前に進めません。
条件が成就し、シャッターが上がれば車(売買)が前に進むというのが停止条件付売買です。
「太陽光発電事業の許可」というのは、車(売買)を「停止させている条件」になります。
太陽光発電事業の許可が下りれば、シャッターが開き、車(売買)が進んで引渡まで進むことができます。
良く、「太陽光発電事業の許可が下りたら、売却が停止するってこと?」と誤解されます。
そうではなく、「太陽光発電事業の許可が下りたら」というのは、今の売買を停止させている条件なので、条件が成就したら停止が解除され、売却が前に進むということ。
停止条件付売買はトラブルの元
太陽光発電事業者との売買では、この停止条件付売買となることが通常です。
この停止条件付売買であることが、トラブルの原因になっています。
最も多いのは、売却できるものだと思っていたのにもかかわらず、停止条件によって売却できなかったというトラブルです。
しかも、この太陽光発電事業の停止条件は、条件がいつ成就するのかが分かりません。半年後なのか、1年後なのか分からず、売主としては、その間、ずっと売買契約に拘束されることになります。
そこで、停止条件付売買をする場合は、太陽光発電事業者との売買代金よりも上回る買主が現れた場合には、売主はそちらに売却できる等の特約を入れておいた方が良いです。
他の条件の良い買主が現れたら、そちらに売却できるようにしておけば、長期間、太陽光発電事業者との契約に拘束される必要はありません。
条件の良い買主が現れるかどうかは別として、他の良い話を逃してしまうリスクは回避できます。
また、「○○までに許可が取れなかったら契約を解除する」といった期限を設けておくのも一つ。売主からも解除権を確保しておくことが、リスクヘッジとなります。
太陽光発電事業者への土地売却の2つの注意点
太陽光発電事業者への土地売却の注意点は、以下の2点です。
2つの注意点
- 不動産会社の協力が得にくい
- 農地は農地転用が必要となる
注意点1.不動産会社の協力が得にくい
太陽光発電事業者への土地売却は、不動産会社の協力が得にくいです。
引渡までが長く、不動産会社もいつ仲介手数料が入ってくるか分かりません。
また、売主から、「一体、どうなっているのか?」とクレームが入ることも多く、やりにくいというのが実態です。
不動産会社に太陽光発電事業者へ売却してくれと頼んでも、良い顔はされないでしょう。
注意点2.農地は農地転用が必要となる
土地が農地の場合、農地法の転用許可が必要となります。
農地の転用許可も加わるため、停止条件のハードルが高くなり、売却できなくなる可能性が高まります。
農地を太陽光発電事業者へ売却する場合、農地転用の許可が下りるかどうかについて、事前に都道府県等に確認しておくことをオススメします。
農地法や農地転用については下記記事で詳しく解説しています。
太陽光発電の将来性
太陽光発電は、買取価格が毎年下がっています。2024年における太陽光発電の買取価格は「住宅用:17円(10年間)」「産業用:11円(10kW~50kW)、10円+税(50kW~250kW)」です。
買取価格は年々下がっているものの、設備に使用するパワコンやパネル代の効率や低価格化により、意外とまだまだ太陽光事業者は活気が良いようです。
逆に今はなかなか土地が見つからず、土地を必死に探している事業者も多いぐらいです。
今はなかなか新規の土地が見つからないため、すでに動いている太陽光を買取する企業が増えているぐらいです。
まずは不動産会社へ通常の売却を相談するのが先決
まずは太陽光事業者に売却するのではなく、不動産会社への相談がいいでしょう。
ただ、なかなか売れない土地である可能性が高いため、1社の不動産会社だけではなかなか売却できないでしょう。
必ず複数の不動産会社への相談をオススメします。
ただ、複数の不動産会社への相談と言っても探すのが面倒だと思います。そんな時に便利になるのが不動産一括査定。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。
ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
太陽光発電事業者への土地売買はトラブルが多いということや、売買の際の注意点について見てきました。
太陽光発電事業者への売却は、停止条件付であることがネックです。
確実に売れる保証はないので、過度な期待は避けましょう。