一つ一つの個性が異なる不動産は、悩みや不安も人それぞれです。
不動産の売却は、一つ一つの悩みを解決しながら進めるオーダーメイドの手続きとなることが一般的です。
ただ、良くある悩みに関しては、一定の対処法が存在します。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 不動産売却で良くある悩みってなんなの?対処方法は?
- 不動産売却に初めてで色々と不安なんだけど・・・
- そもそも悩みに気付いていないから、人の悩みを知りたいよ
そこで今回の記事では、不動産売却における「良くある悩みと不安」を10つ厳選して、その回答を紹介します。
Q1.初めての不動産売却で何から手を付けていいのか分からず不安である
Q.初めて不動産を売却するため、何から手を付けていいのか不安です。いきなり不動産会社に相談するのも怖いのですが、どうしたら良いのでしょうか?
A.不動産の売却は、まずその価値を知ることから始まります。いくらで売却できるのかを知らないと、売出価格も決められません。また住宅ローンも返済できるかどうかも分かりません。
そのため、通常は査定を行い、不動産がいくらで売却できそうか知ることから始めます。不動産の査定には、インターネット上で、匿名でできる匿名サイトを利用する方法と、実査に不動産会社の訪問を受けて査定を取る方法があります。
いきなり不動産会社の訪問を受けて査定をすることに抵抗感がある人は、匿名サイトの利用がオススメです。
匿名査定サイトには、「HowMA(ハウマ)」や「HOME’Sプライスマップ」、「IESHIL(イエシル)」といった無料査定サイトがあります。
匿名サイトの利用に関しては、下記にに詳しく記載していますのでご参照下さい。
HowMAについては下記記事で詳しく解説しています。
匿名サイトを事前に利用しておくことは、もちろん意味があります。次のステップで実際に訪問査定を受けた場合、不動産会社の査定が高いのか安いのか判断することができるためです。
訪問査定の前に匿名サイトで査定をしておけば、準備としてはバッチリです。その後は、訪問査定による査定を受けて売却活動の本格的なスタートになります。
不動産一括査定サイトを使えば、複数の不動産に訪問査定を受けることができるため、とても便利です。アドバイスもたくさんもらうことができるため、心強いでしょう。
Q2.不動産の売却で住宅ローンを返済できるかどうか不安である
Q.不動産を売却したいのですが、住宅ローンがまだ完済していません。売却で住宅ローンを返済できるのかどうかも不安です。このような状況で住宅を売却できるのでしょうか?
A.住宅ローンが残っている不動産であっても、抵当権を外すことができれば不動産を売却することは可能です。
抵当権とは、債務者(お金を借りる人)が不動産などを自分の手元に留めたまま、債務の担保として提供し、債権者がその担保目的物から優先的に弁済を受けることができる権利
住宅の登記簿謄本を取得すると、「乙区」と書かれているところに、抵当権もしくは根抵当権という権利が記載されています。
この抵当権を抹消できれば不動産は売却できます。抵当権は、住宅ローン残債を全て完済すれば、抹消することが可能です。
不動産の売却代金によって完済できるようであれば、物件の引渡と同時に抵当権を抹消することになります。 また売却代金だけでは住宅ローン残債を完済できない場合は、売却代金に預貯金等の現金を加えて完済を行います。
買い替えの場合は、売却代金だけでは返済できなかった住宅ローン残債を、新たに購入する住宅に上乗せしてローンを組めることもできます。
これを住み替えローンと言います。
住み替えローンとは、買い替えをする際、売却で返済しきれなかったローン残債を新たに購入する不動産のローンに上乗せして借りるローンのこと
何らかの形で抵当権を外すことができれば、住宅ローンが残っていても不動産を売却することは可能です。
住宅ローンが残っている不動産の売却については、詳細は下記をご参照ください。
Q3.1年以上経っても売却できない不動産はどうしたらいいのか
Q.不動産の売却を開始してから1年以上経ちますが、買手が見つかりません。どうしたらよろしいでしょうか?
A.長期間にわたって売れない不動産は、価格設定が高過ぎる可能性があります。価格は複数の業者に意見を聞き、再設定をすることが望ましいです。
複数の不動産会社に一度に査定を取るには一括査定サイトの利用が便利です。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
訪問査定を受ける際には、「なぜ売れないのか」、「売りにはどうしたら良いのか」等をはっきりと聞くようにしましょう。
複数の目で改めて物件を見つめ直すことで、売れない原因や対策が見えてきます。また隣地所有者や周辺事業者に、再度売却を打診してみることをオススメします。
本当は欲しいけれども現金が無くて購入できない場合もあります。売却ではなく交換等ができる可能性がないか、検討してみても良いでしょう。
また個人の住宅であれば、買取業者へ売却してしまうのも一つです。なかなか売れない不動産の場合、買取価格はかなり安くなると思われますが、買取の一括査定サイトを使えば多少でも価格を上乗せすることが可能です。
買取については下記の記事で詳しく解説しておりますので、気になる方はご確認ください。
Q4.築古マンションをリフォームせずに売却できるか不安である
Q.マンションが古くリフォームしないと売却できないのではないか不安です。売却にあたっては必ずしもリフォームしなければいけないのでしょうか?
A.中古住宅を売却する場合、必ずしもリフォームは必要ありません。リフォームをしなければ、しないなりの価格での売却となるだけです。
つまりリフォームをしないことを前提とした価格で売却を行うため、リフォームをしなければ売却できないということではありません。
では、リフォームをしたら、その分高く売却できるのかというと、そうとも言い切れません。
例えば、リフォームをせずに売却した場合のマンション価格が2,000万円の物件があったとします。その不動産を500万円かけてフルリフォームします。
すると、その不動産が2,500万円で売却できるかと言えば、そうはなりません。せいぜい、2,200万円~2,300万円程度の上積みが精いっぱいです。
この場合、売主はリフォーム代を全て回収できないため、損をしたことになります。よってリフォームは基本的にする必要はありません。 ただし、「修繕」は必要です。
物件の中に致命的に損傷している箇所があれば、それがネックで売却が困難になります。こわれた部分を正常な状態に戻しておくための修繕はリフォームとは少し意味合いが異なります。
修繕をしておくことで、初めてその物件が相場の価格で売れるようになります。必要箇所は修繕するようにしておきましょう。
投稿が見つかりません。Q5.瑕疵担保責任を負うことが不安である
Q.売主には瑕疵担保責任を負う必要があると聞きました。瑕疵担保責任を負いたくないため、売却することがとても不安です。
A.瑕疵(かし)とは、通常有すべき品質・性能を欠いている状態を言います。シロアリ、雨漏り等は瑕疵担保責任の対象となります。
一般的に、個人が住宅を売却する場合、3か月程度の期間を定めて瑕疵担保責任を負うことが多いです。売却後、3か月以内に何も発見されなければ、損害賠償責任を負う必要はありません。
さらに、買主が納得すれば、個人が売主の場合は瑕疵担保責任をすべて免責することもできます。すべて免責とした場合、例えば引渡後の翌日に瑕疵が発見されても、瑕疵担保責任を負わなくても良いことになります。
ただし、瑕疵担保責任を全部免責としてしまうと、値引の対象となることも多いです。
もし①瑕疵担保責任の損害賠償の費用を負いたくない、②値引きはされたくないという話であれば、「既存住宅売買瑕疵担保保険」の加入がオススメです。
既存住宅売買瑕疵担保保険を付保していれば、もし瑕疵が発見されたとしても、保険金によって瑕疵部分の修繕を行うことができます。
既存住宅売買瑕疵担保保険については、下記に詳しく解説していますのでご参照ください。
Q6.買主が若く代金の支払いがきちんとできるか不安である
Q.不動産をぜひ買いたいと言ってきた買主が若く、職業も自由業でローンを組めるのかどうか不安です。このまま売却を進めても良いのでしょうか?
A.このような不安は売主としては当然です。まずは買主を連れてきた不動産会社に、責任をもって買主がローンを組めるか等の信用力を調査させてください。
不動産会社が調査したうえでも、なお不安な場合は、次の2点を行ってください。
- 手付金を高めに設定する
- 売買契約にローン特約を必ずつける
手付金は、通常、売却代金の10%程度ですが、相手の信用力に不安がある場合、手付金を20%程度にしておくのも一つです。
手付印を増額されたことを極端に嫌がるようであれば、やはり購入の資金力が乏しい疑いが出てきます。
資金力が乏しければ、この時点で買主が購入を見送る可能性もあります。次に行うことがローン特約の設定です。
ローン特約とは買主がローンを組めなかった場合、契約を解除するという特約になります。 ローン特約で解除となった場合、手付金はそのまま買主へ変換します。
また不動産会社へ支払った仲介手数料も取り戻すことができます。 ローン特約では、契約を解除できる期間を設定します。
契約解除可能期間は、融資審査に要する相当の期間を考慮する必要はありますが、長すぎると契約が不安定になってしまいます。
長過ぎず、2週間強の期間で契約解除可能期間を定めておくのが良いでしょう。
Q7.権利証を失くしてしまった場合の不動産の売却はどうしたらいいのか
Q.売却する不動産の権利証を紛失してしまいました。どうしたら良いでしょうか?
A.権利証は所有権移転登記に必要な書類となります。ただし、紛失等により提供できない場合でも、「事前通知」または「本人確認情報」による手続きを取ることにとり、登記申請することが可能となります。
事前通知制度とは、申請を受けた登記官が本人限定受取郵便により登記申請があった旨を通知する制度です。
また事前通知制度に代替する方法として、「本人確認情報の提供制度」または「公証人による本人確認制度」といった本人確認情報による手続きもあります。
本人確認情報の提供制度では、免許証やパスポートを司法書士に提示し、本人であることを確認してもらいます。
また公証人による本人確認制度では、登記名義人が、登記の委任状に公証人の面前で署名捺印を行い、委任状に認証文を付する制度となります。
権利証を紛失していても、不動産の売却は可能です。
ただし、代替手段を取るため、早めに司法書士にその旨を伝え、対応を取るようにしてください。
Q8.越境物のある不動産を売却する場合はどうしたらいいのか
Q.隣地から越境を受けています。このような不動産を売却するにはどうしたら良いのでしょうか?
A.ます隣地との境界が確定しているかどうかを確認します。隣地との境界が未確定であれば、「筆界確認書」を隣地所有者との間で作成します。
隣地との境界が確定した後は、「越境の覚書」というものを隣地所有者との間で作成します。「越境の覚書」は越境状況を示す写真付きで作成しておくと、後々便利です。
もしこの段階で、簡単に越境を是正できるのであれば、是正してしまった方が売却しやすくなります。越境の覚書では、「将来、双方所有の建物の再建築を行なう際、越境部分を自己の責任と負担において撤去する」等の内容を記載します。
また覚書の効力も第三者に譲渡した場合でも承継させることを記載します。越境物がある場合は、「筆界確認書」と「越境の覚書」は売却のための最低限の準備です。
この準備が整ったうえで売却を行います。 越境物に関しても、きちんと不動産会社に告知を行います。
ただし、「越境の覚書」を締結していれば、値引は受けにくくなります。買主には「筆界確認書」と「越境の覚書」も両方承継させます。
越境の事実を買主に容認させて売却するのが基本です。越境については下記の記事で詳しく解説しております。
越境の覚書等のひな型も掲載していますので、ぜひご参照ください。
Q9.取得費の分からない不動産を売却した場合の取得費はどう計算したらいいのか
Q.取得費の分からない不動産を売却した場合の取得費はどう計算したら良いのでしょうか?
A.不動産を売却したときに、譲渡所得を計算するために取得費が必要となります。取得費が必要な場面は売却後の確定申告を行う際です。
確定申告で確定する譲渡所得は以下の式で計算されるものになります。
譲渡所得 = 譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(売却に掛かった経費)
※取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額
※譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用
基本的には購入時の売買契約書に基づき、取得費は計算されます。
しかしながら、購入当時の売買契約書が紛失している場合、取得費を自分で求めることになります。
取得費が不明の際、取得費のもっとも簡単な求め方は、「概算取得費」を利用することです。概算取得費は売却額の5%となります。
ただし、概算取得費を使用してしまうと、税金が発生する可能性が高まるため、芳しくありません。
概算取得費以外で取得費を計算する方法としては、通帳の出金履歴や住宅ローンの金銭消費貸借契約書、抵当権設定額等から推測する方法があります。
価格を証明できそうな資料がないか、確認するようにしましょう。
取得費の求め方については下記の記事で詳しく解説しております。
Q10.他人地の下水排水移管が売却地に通っている不動産を売却するにはどうしたらいいか
Q.他人地の下水排水移管が売却地の下を通っています。このような不動産を売却するにはどうしたら良いでしょうか?
A.まずこの事実は必ず不動産会社に告知してください。告知せずに売却した場合、後から瑕疵担保による損害賠償請求を受ける可能性があります。売却にあたっては、排水管の位置や深さを図面化しておきます。
また隣地所有者と土地使用の契約書を締結している場合は、その契約書の原本を引き継ぎます。契約書も何も残っていない場合は、売却の前に「覚書」と「図面」を作っておくのが良いです。
使用料をもらっている場合は、その金額も契約書の中に落とし込んでください。売却において、どこに何が埋まっているのか分からない状態は、値引を受けやすくなります。値引を避けるためにも、排水管の埋設状況を明確化しておくことが必要です。
排水管が敷地の端の方を通っているだけであれば、売却する土地に利用制限を与える影響は小さくなります。地下埋設物を明確化しておけば、仮に値引要求を受けた場合であっても、値引を回避しやすくなります。
特に、買主が木造戸建住宅を建設するために土地を購入する場合は、杭などを打つ可能性は低いはずです。値引要求への対応は、購入後の土地利用を考慮しながら決めるのが望ましいと言えます。