不動産には、「仲介」「買取」「個人売買」という3つの方法を知っていますか?
今回の記事では、不動産を上手に売るための方法を解説していきます。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 「仲介」「買取」「個人売買」どれを選んだらよいか
- 不動産売却の流れと売却期間
- 高くスムーズに売るための3つのコツ
- 不動産の種類ごと、シチュエーションごとの7つの注意点
売却の方法によっては、数百万円以上の差が出てきます。
不動産の正しい売却方法を学んで、売却を成功させましょう。
「仲介」「買取」「個人売買」の違いを押さえよう
仲介・買取・個人売買とはなんでしょう?
それぞれ特徴があるので、あなたにピッタリの売却方法を選ぶことが大切です。
方法1.仲介の特徴とメリット・デメリット
仲介とは不動産を売りたい人と買いたい人の間に、不動産業者が入って取引を行うこと
メリット
- いわゆる「相場」どおりに売ることができる
- 「買主探し」から「契約」まで、プロである不動産会社に頼むので安心。
デメリット
- 仲介手数料が発生する
- いつ売れるかわからないので、スケジュールが立てにくい
- 買主を探す時間が必要なので、すぐに代金を受領するのは難しい
「仲介」は最もメジャーな不動産の売り方。
不動産を売却する場合には、ほとんどの人が仲介で売却します。
すぐに買い手が見つかるとは限りませんが、なるべく高く売りたいなら、仲介を選びましょう。
方法2.買取の特徴とメリット・デメリット
買取とは不動産会社が直接買い取ること
メリット
- 早く売れる
- ご近所に売却を知られずにすむ
- 仲介手数料が発生しない
- 購入希望者の内覧を受け入れる手間がかからない
デメリット
- 売却価格が安くなる(仲介の相場の7~8割程度)
売主が買取金額に納得すれば、すぐに売却可能です。
住み替えスケジュールや資金計画が立てやすく、1ヶ月以内に売却代金を受領することもできます。
物件の広告が出されることもないので、ご近所に売却を知られずに売ることも可能。
また、購入希望者の内覧(見学)に対応する必要もないので、手間がかかりません。
ただし、不動産会社は買い取った不動産を転売して利益を得るので、売却価格は相場よりも7~8割近くになります。
仲介手数料は発生しませんが、価格面では不利です。
よほど急いで売却する事情がある場合を除いて、買取を選ぶ人は少数派。
買取についてはこちらの記事もご覧ください。
方法3.個人売買の特徴とメリット・デメリット
個人売買とは、売りたい人と買いたい人が不動産会社などを利用せず直接取引を行うこと
メリット
- 仲介手数料が発生しない
デメリット
- 契約内容などの確認が不十分になりがちでトラブルの可能性がある
- 素人には契約書類作成が大変
- 手続きで困ったときに自分で調べるしかない
親族や友人など、近い間柄の場合に選択される方法です。
個人対個人の直接取引ですから、仲介手数料など余計な費用がかからず、お互いの条件に納得できれば売買は成立します。
あとは決済と登記が行われ、引き渡しで終了、といったシンプルな流れです。
でも、なかには売買契約書を交わさないケースも珍しくないので、後々トラブルに発展する危険性もあります。
知り合い同士の取引であっても、契約書はしっかり作っておきましょう。
不動産売却の流れと売却期間
まず、不動産売却の流れを把握しておきましょう。全体的な流れは下記の通り。
STEP1.売却の準備
まずは、査定前に相場を調べておきましょう。
マンションや戸建てであれば、REINSにて取引事例が見られますので、近い環境のものを調べておきましょう。
土地の場合、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」が相場を調べるのに便利です。
STEP2.価格査定
最初に、不動産会社の査定を受けます。
いくらで売却できそうか把握して、資金計画を立てましょう。
あなたの大切な不動産を最も高く売ってくれそうな不動産会社を見つけましょう。
STEP3.媒介契約
不動産会社を無事見つけることができたら、売買の仲介を依頼する「媒介契約」を締結します。
「媒介契約」には3種類あるので、3章で詳しく説明します。
自分に合った契約を選びましょう。
STEP4.販売活動(売り出し価格の決定、内覧対応)
不動産会社の査定価格や市場の動向、周辺の売却事例などを踏まえて慎重に決めましょう。
自分の希望価格だけではなく、プロである不動産会社のアドバイスを受けながら決めることが大切です。
買いたい人が現れ、物件を見たい!と言ってくれたら、チャンスです。
家がより魅力的に映るよう、しっかり準備して対応しましょう。
STEP5.売買契約
お互いの条件に合意をしたら、買主と売買契約を結びます。
契約内容をしっかり確認しましょう。
その際、物件価格の数パーセントの手付金を受け取るのが一般的です。
STEP6.引渡
銀行などに、売主・買主・不動産会社・司法書士が集合します。
代金の支払いを受け、鍵や備品などの受け渡しをします。
その日のうちに、司法書士が登記を申請(所有権の移転等)します。
STEP7.確定申告
確定申告の時期は、売買の翌年の2/15頃~3/15までです。
不動産を売却して利益が出た場合には、確定申告が必要です。
「3,000万円の特別控除」などを使いたい場合も、確定申告を行って適用してもらうことになります。
売却損が出た場合に、税金が戻って来る制度が利用できる場合があるので、この制度を使うときも確定申告します。
税金についてはこちらの記事もご覧ください。
また、不動産売却の全体像は下記のとおり。
印刷して1枚は手元に置いておきましょう。
売却期間は一戸建てや土地は時間かかる可能性あり
次に、売却期間の目安を把握してスケジュールを立てましょう。
中古マンションの需要者は多いので、一戸建てや土地に比べて短期間で売れることがほとんどです。
一戸建てや土地は、売却まで時間がかかるかもしれないと覚悟しておきましょう。
アットホーム株式会社の2017年の調査によると、売り出してから売却までの期間は、次のとおりです。
- マンション:平均6ヶ月
- 一戸建て:平均11ヶ月
人気のあるマンションでは、1ヶ月で買主が見つかることもあります。
もちろん、立地条件や築年数などにもよるので、一概には言えませんが、希望の売却価格を実現するために余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
不動産を高くスムーズに売却する「3つのコツ」
そんなあなたが守るコツは、たったの3つ!
- 【コツ1】複数の会社の査定を受けること
- 【コツ2】「一般媒介契約」を選ぶこと
- 【コツ3】信頼できる不動産会社を選ぶこと
詳しく見ていきましょう。
【コツ1】複数の会社の査定を受けること
最も重要なことは、最初に複数の不動産会社の査定を受けること。
そして、信頼できる不動産会社を見つけましょう。
実は、不動産会社には得意分野・得意エリアがあります。
不動産会社によって、マンション販売が得意、一戸建てが得意、賃貸が得意、などの特色があるのです。
CMで有名な大手がいいのか?それとも、地元の事情に通じた小規模な店がいいのか?という違いもありますね。
たくさんの不動産会社の中から、自分にピッタリの会社を見つけるのは至難の業。
そこで、複数の会社の査定を受けて、査定額や説明内容を比較すれば、最適な会社を見つけることができるのです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定を利用すると、簡単な入力をするだけで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので時短になります。
しかも、あなたの売りたい物件の種類や立地に応じて、最も高く売ってくれそうな不動産会社をシステムがピックアップしてくれます。
どの不動産会社がいいかわからないという人には、利用する価値が高いといえます。
一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
【コツ2】「一般媒介契約」を選ぶこと
売買の仲介を依頼する契約が「媒介契約」です。
媒介契約は三種類、それが「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」です。
結論から言うと、「一般媒介契約」を選ぶのがオススメです。
3種類の媒介契約の特徴を比較してみます。
特徴 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
他業者への依頼 | ○ | × | × |
自己発見取引 (自分で買主を見つけること) |
○ | ○ | × |
成約に向けての不動産会社の義務 | 努力義務 | 積極的努力義務 | 積極的努力義務 |
不動産会社の業務処理状況の報告義務 | 特になし | 2週間に1回以上の報告 | 1週間に1回以上の報告 |
レインズへの登録 | 特になし | 契約締結日の翌日から7日以内に登録 | 契約締結日の翌日から5日以内に登録 |
有効期間 | 法的な規定なし | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
一般媒介契約
- 複数の不動産会社へ同時に依頼できる契約です。
- 売主本人が買主を探して来た場合、不動産会社を通さずに売却すること(自己発見取引)ができます。
- 契約期間について法律上の制限はありませんが、3ヶ月とされるのが一般的です。
- レインズへの登録は、売主の任意です。
※レインズとは、加入している不動産会社が情報を検索したり登録できるネットワークシステムのこと。ここには全国の中古物件の情報が集まっています。
専任媒介契約
- 契約できる不動産会社は1社のみです。
- 自分で探して来た相手であれば、不動産会社を通さずに取り引きすること(自己発見取引)は可能です。
- 専任媒介契約を締結した不動産会社は、レインズへ媒介契約締結日から7日以内に当該物件情報を登録しなければなりません。
- 不動産会社は売主へ2週間に1回以上販売状況を報告しなければならず、売主にとっては売却活動の把握ができます。
- 契約期間は3か月以内
専属選任媒介契約
- 契約できる不動産会社は1社のみです。
- 自分で見つけた買主が友人や親戚であっても、不動産会社を通さないと契約違反になってしまいます。
- 不動産会社の義務も専任媒介契約よりも厳しく、レインズへは媒介契約締結日から5日以内に当該物件情報を登録しなければなりません。
- 不動産会社は売主に対し、1週間に1回以上販売状況を報告しなければなりません。
- 契約期間は3か月以内
「一般媒介」で複数の会社と契約しても、最終的に、購入者を見つけて売買を成立させた不動産会社だけに仲介手数料を支払います。
ですので、複数の会社と「一般媒介契約」を結べば、それぞれの不動産会社が競って販売活動をしてくれる利点があります。
【コツ3】信頼できる不動産会社を選ぶこと
不動産会社を選ぶポイントをまとめておきます。
- 査定額だけで選ばない
- 会社の知名度だけで選ばない
- 査定根拠を教えてくれる
- 担当者が相談しやすい
査定額が高い会社と低い会社。
それなら高い会社にしようかな・・・と簡単に決めてはいけません。
価格は、成約事例や立地などから算出した金額であるべきで、そういった情報をしっかり教えてくれるプロをみつけましょう。
こちらの売却希望価格が相場より高いのに、「その値段で売れますよ」と安請け合いして、媒介契約を結ぼうとする会社もあります。
そのような会社は、契約を結んで売り出した後に、「やっぱり無理でした」と言って値下げさせるのです。
シビアな意見でも根拠と共にしっかり説明してくれる、相談しやすい会社や担当者を選びましょう。
最終的には、「この会社は信頼できそう」というあなたの感覚を信じてください。
連絡が早い、こちらの話しもしっかり聞いてくれる、丁寧に説明してくれる、といった誠実さが大切ですね。
不動産売却における7つの注意点
一言で不動産売却と言っても色々なケースがあり、それぞれ注意点があります。
不動産の種類、シチュエーションごとに、ポイントを押さえましょう。
あなたに当てはまる項目をチェックしてくださいね。
ケース1.マンション、一戸建て売却の注意点
内覧は気合を入れて!
購入希望者が見学に来てくれる「内覧」は、徹底的な準備が必要です。
問い合わせにいつでも対応できるように、今からでも準備をスタートしましょう。
やっぱり、第一印象は重要です。人と同じですね。玄関から美しく整えましょう。
水回りの掃除は大変ですが、全体の印象も左右しますので、できる限りキレイにしてください。
買主は収納やベランダにも興味があります。どこを見られてもいいように準備しましょう。
物を減らして、なるべく部屋を広く見せることも大切です。ペットやたばこのニオイにも気を付けたいですね。
「こんな家に住みたい」と思ってもらえるように、家を魅力的に「魅せ」ましょう!
内覧についてはこちらの記事もご覧ください。
契約不適合責任に注意
設備の不具合などが後から判明すると、修理費用を請求されるかもしれません。
不動産を売却する時には、売主は「契約不適合責任」を負うからです。
契約不適合責任とは、売主が契約の内容と異なるものを売ったときに売主が負う債務不履行責任
民法では契約の内容とは異なるものが売却されたときは、買主は売主に対して追完請求・代金減額請求・催告解除・無催告解除・損害賠償の5つを請求できることになります。
つまり、売主は、売買契約後に契約と異なる事実が発見されると、契約の内容に適合するように修繕を求められたり、損害賠償を負う責任があります。内容が重い場合には、契約解除を請求されることもあります。
壁の穴を家具で隠したりするのは、絶対にやめましょう。
傷や設備の不具合、雨漏りやシロアリ被害など、知っていることは隠さずに、買主に伝えておくのが得策です。
契約不適合責任についてはこちらの記事もご覧ください。
築年数が古いマンションの場合
一般的に築年数が古いマンションは資産価値の下落が顕著で売却が難しいといわれています。
しかし、築30〰40年を経過しているマンションでも、リノベーション目的に安く購入したい方や不動産会社が古い物件を安く買い取りリノベーション工事をして高く売る事業も行っていますので一定の需要があります。
古すぎるからといって、売却を諦めず、まずは「 すまいValue」「 HOME4U」 などの一括査定を使って自分のマンションが売れるのか相談してみましょう。
ケース2.土地、一戸建て売却の注意点
境界確定
売主は買主に対して、土地の範囲を特定し、隣地との境界を明確にする必要があります。
境界が確定しているかどうか調べるため、「測量図」や「筆界確認書」などの書類を探しておきましょう。
境界が確定していなければ、不動産会社と相談しながら、測量の準備を進めます。
測量を行わなければ、絶対に土地が売れないわけではありませんが、土地を高く売るためには境界を確定しておいたほうが有利です。
境界についてはこちらの記事もご覧ください。
土地にも契約不適合責任がある
土地や一戸建ての売却では、土壌汚染と地下埋設物に注意してください。
土壌の浄化費用や埋設物撤去費用を請求されると、莫大な金額になるかもしれません。
知っていることは隠さないこと。
そして、できる限り、売買契約書の「特約」で免責することが大切です。
ケース3.売却益が出そうな場合の注意点
不動産を売却して利益が出ると、所得税や住民税が発生する可能性があります。
利益が出るかどうかの計算は複雑ですが、簡単にいうと、買ったときよりも高く売れた場合です。
ただし、マイホームの場合には、3,000万円までの利益が非課税になる制度があるので、安心してくださいね。
売却益が出て、税金がかかりそうな場合には、所有期間に注意しましょう。
所有期間が5年以下だと、税率が高くなります。
あと少しで5年を超えるという場合には売却時期をずらしたほうがいいかもしれません。
税務署と不動産会社に相談してみましょう。
税金についてはこちらの記事もご覧ください。
ケース4.相続した不動産を売却する場合の注意点
不動産を相続したら、まず「相続登記」を行ってからでないと、売却できません。
「相続登記」は自分でもできますが、揃えなければならない書類も多いので、司法書士に依頼すると簡単です。
相続した不動産の売却についてはこちらの記事もご覧ください。
ケース5.買換えの注意点
どんなに大切な我が家でも、ライフステージの変化とともに住み替えが必要になることもありますね。
マイホームを買換える場合には、スケジュールの調整がポイントになります。
買換えスケジュールには、「売り先行」と「買い先行」のパターンがあります。
売り先行のメリット・デメリット
住まいをまず売却し、それが売れてから新しい住まいを買うこと
メリット
- 売却して受け取ったお金を購入資金に充てられるため、資金計画が明確
- 焦らずに売却を進めることができる
デメリット
- 自宅を先に売ってしまうので、タイミングが合わないと賃貸への仮住まいが発生
- 引っ越しが二度になると手間や資金もかかる
買い先行のメリット・デメリット
物件の購入を先に済ませ、後から旧宅の売却を進めること
メリット
- スケジュールに余裕がある
- 購入物件の検討にゆっくり時間がかけられる
- 仮住まいの心配がない
- 旧宅を空き家にしてから売るので、内覧の対応をしなくてよい
デメリット
- いくらで売れるのかわからないので、資金計画が立てにくい
- 旧宅が売れるまでは、二重に住宅ローンを組むことができない
ケース6.住宅ローンが残っている場合の注意点
住宅ローンが残っている家を売却するには、残っているローンを返済しなければ売ることができません。
ローンが残っていると、「抵当権」が設定されているので、抵当権の付いた家を買う人はいないからです。
まず、住宅ローンの残高を確認しましょう。
「住宅ローン<売却価格」となるケース(アンダーローン)
住宅ローン残高よりも高く売れるケースでは、売却代金で住宅ローンを返済すればよいので、理想的です。
「住宅ローン>売却価格」となるケース(オーバーローン)
売却代金で住宅ローンを全額返済しきれない場合には、次のような方法があります。
預金などで住宅ローンの残債を返済する
自己資金や親族からの借り入れなどで不足分を返済すれば、売却できます。
引き渡し日に抵当権の抹消手続きが必要になるので、あらかじめ銀行に連絡するのを忘れずに。
買換えなら、住み替えローンを活用する
住み替えローンとは、新しく購入する家の住宅ローンと合わせて、返済しきれなかった旧宅の住宅ローンも借入するもの[
ただし、借入額が大きくなるので、銀行の審査に通るのは簡単ではありません。
任意売却をする
任意売却とは、住宅ローンが返済できなくなった場合に、売却後も住宅ローンが残ってしまう不動産を金融機関の合意を得て売却する方法
任意売却で売ると、住宅ローンを全額返済できなくても抵当権を抹消してもらえます。
残ってしまった債務は、分割返済していくことになりますが、条件が緩和してもらえる場合もあるので、まずは金融機関に相談してみましょう。
住宅ローンが残っている場合の売却についてはこちらの記事もご覧ください。
ケース7.共有名義の注意点
不動産が共有名義になっている場合には、共有者全員が同意しないと売却できないのが原則です。
共有かどうかは、登記事項証明書(登記簿謄本)を見ればわかります。
「持分2分の1」などと記載されていれば、共有です。
マンションを夫婦で共有しているような場合は、夫婦で話し合って売却に同意し、売買契約書に二人とも署名捺印することになります。
共有は、不動産の全体について、数人で所有している状態
持分2分の1だからといって、不動産の面積を半分ずつ所有しているわけではないので、面積の半分だけ売却することはできません。
たとえ100分の1でも共有持分を持っている人がいれば、その共有者も同意しないと売却できないのです。
ただし、法律的には、自分の持っている持分だけを売却することはできます。
でも、全体を利用することができない「持分」を一般の第三者が買うことは、基本的には考えにくいです。
どうしても自分の共有持分だけを売りたい場合には、共有持分の買い取りを行っている専門業者への売却を検討しましょう。
まとめ
一見すると難しそうな不動産の売却ですが3つのコツを守れば心配いりません。
- 複数の会社の査定を受けること
- 一般媒介契約を選ぶこと
- 信頼できる不動産会社を選ぶこと
良い不動産会社さえ見つければ、あとはプロに教えてもらいながら進めればいいわけです。
コツを守って、不動産売却を成功させましょう。