不動産には、様々な売却方法があります。
「仲介」「買取」「個人売買」という3つの方法を知っていますか?
今回の記事では、不動産を上手に売るための方法を解説していきます。
- 「仲介」「買取」「個人売買」どれを選んだらよいか
- 不動産売却の流れと売却期間
- 高くスムーズに売るための3つのコツ
- 【コツ1】複数の会社の査定を受けること
- 【コツ2】「一般媒介契約」を選ぶこと
- 【コツ3】信頼できる不動産会社を選ぶこと
- 不動産の種類ごと、シチュエーションごとの7つの注意点
売却の方法によっては、数百万円以上の差が出てきます。
不動産の正しい売却方法を学んで、売却を成功させましょう!



1.「仲介」「買取」「個人売買」の違いを押さえよう
仲介・買取・個人売買とはなんでしょう?
それぞれ特徴があるので、あなたにピッタリの売却方法を選ぶことが大切です。
方法1.仲介の特徴とメリット・デメリット
メリット
- いわゆる「相場」どおりに売ることができる
- 「買主探し」から「契約」まで、プロである不動産会社に頼むので安心。
デメリット
- 仲介手数料が発生する
- いつ売れるかわからないので、スケジュールが立てにくい
- 買主を探す時間が必要なので、すぐに代金を受領するのは難しい
「仲介」は最もメジャーな売り方です。
不動産を売却する場合には、ほとんどの人が仲介で売却します。
ポイント
方法2.買取の特徴とメリット・デメリット
メリット
早く売れる
ご近所に売却を知られずにすむ
仲介手数料が発生しない
購入希望者の内覧を受け入れる手間がかからない
デメリット
- 売却価格が安くなる(仲介の相場の7~8割程度)
売主が買取金額に納得すれば、すぐに売却可能です。
住み替えスケジュールや資金計画が立てやすく、1ヶ月以内に売却代金を受領することもできます。
物件の広告が出されることもないので、ご近所に売却を知られずにすむでしょう。
また、購入希望者の内覧(見学)に対応する必要もないので、手間がかかりません。
ただし、不動産会社は買い取った不動産を転売して利益を得るので、売却価格は相場よりもずっと安くなります。
仲介手数料は発生しませんが、価格面では不利です。
注意ポイント
買取についてはこちらの記事もご覧ください。
-
不動産売却の「買取」とは?知っておくべき2つのデメリットと対処法の全て
突然ですが、あなたは不動産買取の仕組みをしっかりと理解しているでしょうか。 仕組みといわれると難しい感じがしますが、不動 ...
方法3.個人売買
メリット
仲介手数料が発生しない
デメリット
契約内容などの確認が不十分になりがちでトラブルの可能性がある
素人には契約書類作成が大変。
手続きで困ったときに自分で調べるしかない。
親族や友人など、近い間柄の場合に選択される方法です。
個人対個人の直接取引ですから、仲介手数料など余計な費用がかからず、お互いの条件に納得できれば売買は成立します。
あとは決済と登記が行われ、引き渡しで終了、といったシンプルな流れです。
でも、なかには売買契約書を交わさないケースも珍しくないので、後々トラブルに発展する危険性もあります。
知り合い同士の取引であっても、契約書はしっかり作っておきましょう。
-
不動産売買を業者なしで契約する場合の取り決めたい7つのポイント
金額が高額で、法律の専門知識を有する不動産は、不動産会社を間に入れて取引する方が、特に買主にとっては安全です。 ただ、不 ...




2.不動産売却の流れと売却期間
まず、不動産売却の流れを把握しておきましょう。
かんたん説明
STEP1.価格査定
最初に、不動産会社の査定を受けます。
いくらで売却できそうか把握して、資金計画を立てましょう。
あなたの大切な不動産を最も高く売ってくれそうな不動産会社を見つけましょう。
STEP2.媒介契約
不動産会社を無事見つけることができたら、売買の仲介を依頼する「媒介契約」を締結します。
「媒介契約」には3種類あるので、3章で詳しく説明します。
自分に合った契約を選びましょう。
STEP3.売り出し価格の決定
不動産会社の査定価格や市場の動向、周辺の売却事例などを踏まえて慎重に決めましょう。
自分の希望価格だけではなく、プロである不動産会社のアドバイスを受けながら決めることが大切です。
STEP4.内覧対応
買いたい人が現れ、物件を見たい!と言ってくれたら、チャンスです。
家がより魅力的に映るよう、しっかり準備して対応しましょう。
STEP5.売買契約
お互いの条件に合意をしたら、買主と売買契約を結びます。
契約内容をしっかり確認しましょう。
その際、物件価格の数パーセントの手付金を受け取るのが一般的です。
STEP6.引渡
銀行などに、売主・買主・不動産会社・司法書士が集合します。
代金の支払いを受け、鍵や備品などの受け渡しをします。
その日のうちに、司法書士が登記を申請(所有権の移転等)します。
STEP7.確定申告
確定申告の時期は、売買の翌年の2/15頃~3/15までです。
不動産を売却して利益が出た場合には、確定申告が必要です。
「3,000万円の特別控除」などを使いたい場合も、確定申告を行って適用してもらうことになります。
売却損が出た場合に、税金が戻って来る制度が利用できる場合があるので、この制度を使うときも確定申告します。
税金についてはこちらの記事もご覧ください。
-
不動産を売却したときにかかる税金の種類・税率・節税と計算方法
不動産を売却した時、あなたには多額のお金が手に入ります。 お金が手に入れば、残念ながら「税金」というものが掛ります。 不 ...
また、不動産売却の全体像は下記のとおり。
印刷して1枚は手元に置いておきましょう。
さらに不動産売却の流れが知りたい方は、下記記事で確認ください。
-
【初心者必見】9割が成功する!不動産売却の流れ7STEPとポイント
不動産の売却は、人生におけるビッグイベント!大きな金額が動くので、絶対に失敗できませんね。 ポイント目標は、高く・早く売 ...
売却期間は一戸建てや土地は時間かかる可能性あり
次に、売却期間の目安を把握してスケジュールを立てましょう。
中古マンションの需要者は多いので、一戸建てや土地に比べて短期間で売れることがほとんどです。
一戸建てや土地は、売却まで時間がかかるかもしれないと覚悟しておきましょう。
アットホーム株式会社の2017年の調査によると、売り出してから売却までの期間は、次のとおりです。
- マンション:平均6ヶ月
- 一戸建て:平均11ヶ月
人気のあるマンションでは、1ヶ月で買主が見つかることもあります。
もちろん、立地条件や築年数などにもよるので、一概には言えませんが、希望の売却価格を実現するために余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
-
不動産売却の必要な期間とスムーズに売却するための2つの準備すること
不動産の売却期間は売主の「心の持ちよう」によって決まるというのをご存知でしょうか。 これから不動産を売却する人の中には「 ...
3. 不動産を高くスムーズに売却する「3つのコツ」

そんなあなたが守るコツは、たったの3つ!
- 【コツ1】複数の会社の査定を受けること
- 【コツ2】「一般媒介契約」を選ぶこと
- 【コツ3】信頼できる不動産会社を選ぶこと
詳しく見ていきましょう。
【コツ1】複数の会社の査定を受けること
最も重要なことは、最初に複数の不動産会社の査定を受けることです。
そして、信頼できる不動産会社を見つけましょう。
実は、不動産会社には得意分野・得意エリアがあります。
不動産会社によって、マンション販売が得意、一戸建てが得意、賃貸が得意、などの特色があるのです。
CMで有名な大手がいいのか?それとも、地元の事情に通じた小規模な店がいいのか?という違いもありますね。
たくさんの不動産会社の中から、自分にピッタリの会社を見つけるのは至難の業。
そこで、複数の会社の査定を受けて、査定額や説明内容を比較すれば、最適な会社を見つけることができるのです。




ポイント
一括査定を利用すると、簡単な入力をするだけで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので時短になります。
しかも、あなたの売りたい物件の種類や立地に応じて、最も高く売ってくれそうな不動産会社をシステムがピックアップしてくれます。
どの不動産会社がいいかわからないという人には、利用する価値が高いといえます。
不動産を売却うえで大事なことは、「売却予定の不動産に強く、信頼できる不動産会社を探せるか」です。
不動産会社によって、買い主に対してアピールする広告手法も違えば、説明の仕方も違います。
また、不動産会社によって、得意としている不動産、苦手としている不動産、この地域は得意ではないなど、実力の差が大きく、結果的に売却金額に数百万、数千万の差が出ます。
では、あなたは売却予定の不動産を得意としている不動産会社を探すことはできますか?
正直なところ、知人や親戚が不動産関係でもない限り、そう簡単に見つけることができません。
あなた自身が探そうにも、不動産会社を1社1社回っていては、時間ばかりが過ぎてしまいます。
そこで筆者がオススメしているのが「不動産一括査定サービス(サイト)」です。
不動産一括査定サービスとは?

不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定のオススメは「イエウール」「すまいValue」
不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。
中でも複数かつ信頼できる不動産会社を比較できる8つのサービス(サイト)に厳選。
その中でも
の4つを特にオススメしています。
さらに不動産売却を成功させるのであれば、不動産一括査定を複数使うという裏技があります。

不動産一括査定の賢い使い方
筆者も不動産一括査定を利用(「 イエウール 」「 すまいValue 」「 HOME4U 」)しています。
下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。
とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

すまいValueを申し込んで3社から査定書をもらいました
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し見にくく、そこまでじっくり見る必要はありません。流し読みしてください。

不動産一括査定サイト×不動産会社のマッチング表
上記表を見ると、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「センチュリー21グループ」「東急リバブル」の4社が他の不動産会社に比べて、仲介件数が一桁多いことがわかると思います。
計算してみると日本の不動産売買の仲介件数全体の38.3%をその4社で占めています。
それだけ日本の不動産売買の取引は、大手に偏っているということ。
以上のことからも、筆者としては、最低でもこれら大手に最低でも1社には依頼できないと話にならないと思っています。
また、最低でも3~4社に依頼できたほうがベター。
理由は「信頼できる不動産会社を見つけられるため」「複数社から査定額を出してもらうことで、相場観がつかめるため」です。

不動産一括査定の流れ
今から特にオススメしている4つ「 イエウール 」「 すまいValue 」「 ソニー不動産 」「 HOME4U 」を見ていきます。

イエウール公式サイト
https://ieul.jp/
筆者が「 イエウール 」をオススメしている理由は下記の通り。
イエウールは提携している不動産会社が他と比べて圧倒的に多く1,700社あります。
つまり「大手」「中堅」だけでなく、「地方・地域密着」の不動産会社にも依頼ができますので、あなたの不動産を得意としている会社が見つかりやすいわけです。
大手や中堅よりも、地域密着の不動産会社の方が、特定の地域に強かったり、社長が自ら相談に乗ってくれるのでサービスが手厚かったりなど良いことも沢山ありますからね。
どうせ同じ1回に申し込みをするのであれば、なるべく多くの不動産会社に相談したほうが、成功する可能性も高いです。
でも、中には変な不動産会社がいるのでは・・・?と心配する人もいますが、安心してください。
イエウールで依頼できる不動産会社は厳重な審査を行っております。
利用者数が1,000万人と一括査定No.1の実力があるため、不動産会社をしっかり選別できているのです。
-
不動産査定・売却なら「イエウール(家を売る)」
不動産売却・不動産査定をするならイエウール(家売る)【完全無料】で不動産会社に一括査定ができます。
続きを見る
※「机上査定」を選ぶと電話連絡なしで、メールで価格が届きます。
人口が多い都市にお住まいの方は、国内TOP4のうち3社に唯一依頼ができる「 すまいValue 」も合わせて申し込むことをオススメします。


すまいValue公式サイト
https://sumai-value.jp/
大手不動産会社のみに特化しており、取引実績から見てもまず間違いないのは事実です。
大手不動産会社は、人口が多い都市は非常に得意としていますので、人口がそこそこ多い都市を売却検討されている方は すまいValue も申し込むといいでしょう。
-
不動産・マンションの売却・一括査定|家を売るなら【すまいValue】
【三井のリハウス】【住友不動産販売】【三菱地所ハウスネット】【小田急不動産】【野村の仲介+】【東急リバブル】の大手6社が ...
続きを見る
※「机上査定」を選ぶと電話連絡なしで、メールで価格が届きます。
逆にいうと、すまいValueの弱点は、地方には対応していない可能性が高い点です。
その場合は、1つ目に紹介した イエウール がオススメです。
また、さらに1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で売却を検討されている方は ソニー不動産 も非常にオススメできます。


ソニー不動産公式サイト
https://sony-fudosan.com/
ソニー不動産は、エージェン制を採用している、国内では数少ない不動産会社。
分かりやすく言うと、売主に特化しているという点です。
他の不動産会社と違い、ソニー不動産は買主を担当しないので、「無理にでも売却金額を下げて」不動産取引を成立させるということはまずありません。
しかも今なら不動産売却の秘訣DVDが無料でもらえます。
初めてでよく分からない不動産の売却の基礎から成功の秘訣までが学べます。
まずは気軽に相談だけでもしてみると良いでしょう。
-
不動産を高く売却するならソニー不動産|ソニー不動産
不動産を高く売却するならソニー不動産 あなたの自宅、今いくら?不動産売却のプロであるソニー不動産のエージェントが無料査定 ...
続きを見る
何となく不安と思っている方は「 HOME4U 」がオススメです。


HOME4U公式サイト
https://www.home4u.jp/
HOME4UはNTTグループ運営、2001年からサービス開始で歴史No.1と安心感抜群の一括査定。
NTTといえば、かなり審査に厳しいので有名です。NTTの看板を汚すわけにはいきませんからね。
提携不動産会社は1,000社と多くはありませんが、それだけNTTの審査が厳しくなかなか参加できないとも言えるのです。
-
不動産売却・不動産査定ならHOME4U
家や土地を売りたい方は、まずは査定価格の比較からスタートしましょう。HOME4U(ホームフォーユー)は、あの大手不動産会 ...
続きを見る
※「机上査定」を選ぶと電話連絡なしで、メールで価格が届きます。
少し長くなりましたので、再度まとめます。
【まとめ】不動産一括査定のオススメ
上記で紹介した不動産一括査定以外にもありますので、ネット上でよく比較される不動産一括査定サイトの特徴を一覧でまとめました。
サイト名 | 提携不動産会社 | 対応地域 | 利用者数 | 運用歴 | 強み | 弱み |
---|---|---|---|---|---|---|
イエウール | 1,700社以上 | 全国 | 1,000万人 ※2017/02時点 | 2013年~ | ・利用者数が1,000万人とNo.1の安心実績 ・参加不動産会数1,700社以上は一括査定No.1 | 運営歴が浅い |
すまいValue | 6社(超大手会社のみ) | 全国 ※人口の少ない都市は未対応 | 10万人以上/年 | 2015年~ | ・超大手の不動産会社のみで安心 ・仲介件数TOP3に査定依頼が行える唯一の一括査定 | 地域密着の不動産会社は探せられない |
ソニー不動産 | ソニー不動産のみ | 東京・神奈川・千葉・埼玉のみ | 非公開 | 2014年~ | ・国内唯一のエージェント制を導入で売手に特化 ・不動産売却の秘訣DVDが無料でもらえる! | 一都三県のみしか対応できない |
HOME4U | 1,300社 | 全国 | 700万人 ※2018/12時点 | 2001年~ | ・2001年から運営と一括査定で一番歴史あり | 提携不動産会社が少なめ |
リガイド | 600社 | 全国 | 非公開 | 2006年~ | ・一度の申し込みで最大10社を比較できる唯一のサイト ・旧SBIグループが運営、収益物件に強い不動産会社が多数参加 | 提携不動産会社が少なめ |
HOME’S売却査定 | 1,549社 | 全国 | 420万人 | 2004年~ | ・賃貸で有名なHOME'Sが不動産会社を厳しくチェック ・地域密着の不動産会社が多く参加している | 大手不動産会社が参加していない |
マンションナビ | 非公開 | 全国 ※マンション専用 | 360万人 | 2011年~ | ・売却だけではなく賃料査定も同時に行える | 査定が可能なのはマンションのみ(土地などは不可) |
イエイ | 1,000社 | 全国 | 300万人 ※2016/02時点 | 2007年~ | ・悪徳な不動産会社を徹底的に排除している ・サポート体制が充実 | お役立ち情報が少ない |
リビンマッチ | 1,400社 | 全国 | 440万人 ※2018年3月時点 | 2006年~ | ・売却だけではなく、賃貸した場合の査定も可能 | 運営会社が広告会社 |
【コツ2】「一般媒介契約」を選ぶこと
売買の仲介を依頼する契約が「媒介契約」です。
媒介契約は三種類、それが「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」です。
結論から言うと、「一般媒介契約」を選ぶのがおすすめです。
3種類の媒介契約の特徴を比較してみます。
契約形態 | 複数の不動産会社との契約 | 自己発見取引 (自分で買主を見つけること) | 契約有効期間 | レインズへの登録 |
---|---|---|---|---|
一般媒介契約 | 〇 | 〇 | 無制限だが、3ヶ月以内が一般的 | 売主の希望による |
専任媒介契約 | × | 〇 | 3ヶ月以内 | 媒介契約締結日から7日以内 |
専属専任媒介契約 | × | ×(親戚や知人が買ってくれることになっても仲介手数料が発生) | 3ヶ月以内 | 媒介契約締結日から5日以内 |


一般媒介契約
- 複数の不動産会社へ同時に依頼できる契約です。
- 売主本人が買主を探して来た場合、不動産会社を通さずに売却すること(自己発見取引)ができます。
- 約期間について法律上の制限はありませんが、3ヶ月とされるのが一般的です。
- インズへの登録は、売主の任意です。
レインズ(REINS・不動産流通機構)とは
加入している不動産会社が情報を検索したり登録できるネットワークシステムのこと。ここには全国の中古物件の情報が集まっています。
専任媒介契約
- 契約できる不動産会社は1社のみです。
- 自分で探して来た相手であれば、不動産会社を通さずに取り引きすること(自己発見取引)は可能です。
- 専任媒介契約を締結した不動産会社は、レインズへ媒介契約締結日から7日以内に当該物件情報を登録しなければなりません。
- 不動産会社は売主へ2週間に1回以上販売状況を報告しなければならず、売主にとっては売却活動の把握ができます。
- 契約期間は3か月以内
専属選任媒介契約
- 契約できる不動産会社は1社のみです。
- 自分で見つけた買主が友人や親戚であっても、不動産会社を通さないと契約違反になってしまいます。
- 不動産会社の義務も専任媒介契約よりも厳しく、レインズへは媒介契約締結日から5日以内に当該物件情報を登録しなければなりません。
- 不動産会社は売主に対し、1週間に1回以上販売状況を報告しなければなりません。
- 契約期間は3か月以内




「一般媒介」で複数の会社と契約しても、最終的に、購入者を見つけて売買を成立させた不動産会社だけに仲介手数料を支払います。
ですので、複数の会社と「一般媒介契約」を結べば、それぞれの不動産会社が競って販売活動をしてくれる利点があります。
ポイント
【コツ3】信頼できる不動産会社を選ぶこと
不動産会社を選ぶポイントをまとめておきます。
不動産会社を選ぶポイント
- 査定額だけで選ばない
- 会社の知名度だけで選ばない
- 査定根拠を教えてくれる
- 担当者が相談しやすい
査定額が高い会社と低い会社。
それなら高い会社にしようかな・・・と簡単に決めてはいけません。
価格は、成約事例や立地などから算出した金額であるべきで、そういった情報をしっかり教えてくれるプロをみつけましょう。
こちらの売却希望価格が相場より高いのに、「その値段で売れますよ」と安請け合いして、媒介契約を結ぼうとする会社もあります。
そのような会社は、契約を結んで売り出した後に、「やっぱり無理でした」と言って値下げさせるのです。
ポイント


最終的には、「この会社は信頼できそう」というあなたの感覚を信じてください。
連絡が早い、こちらの話しもしっかり聞いてくれる、丁寧に説明してくれる、といった誠実さが大切ですね。




4.不動産売却における7つの注意点
一言で不動産売却と言っても色々なケースがあり、それぞれ注意点があります。
不動産の種類、シチュエーションごとに、ポイントを押さえましょう。
あなたに当てはまる項目をチェックしてくださいね。
ケース1.マンション、一戸建て売却の注意点
内覧は気合を入れて!
購入希望者が見学に来てくれる「内覧」は、徹底的な準備が必要です。
問い合わせにいつでも対応できるように、今からでも準備をスタートしましょう。
やっぱり、第一印象は重要です。人と同じですね。玄関から美しく整えましょう。
水回りの掃除は大変ですが、全体の印象も左右しますので、できる限りキレイにしてください。
買主は収納やベランダにも興味があります。どこを見られてもいいように準備しましょう。
物を減らして、なるべく部屋を広く見せることも大切です。ペットやたばこのニオイにも気を付けたいですね。
「こんな家に住みたい」と思ってもらえるように、家を魅力的に「魅せ」ましょう!




内覧についてはこちらの記事もご覧ください。
-
マンションの売却は内覧を攻略しよう!準備から当日まで完全ガイド
スムーズなマンション売却のカギを握るのが「内覧」です。 内覧とは、購入希望者が物件を見に来ること ここで気に入ってもらわ ...
瑕疵担保責任に注意
設備の不具合などが後から判明すると、修理費用を請求されるかもしれません。
不動産を売却する時には、売主は「瑕疵担保責任」を負うからです。
瑕疵担保責任の対象は、「隠れた瑕疵」、つまり、通常の注意を払っても発見できなかった瑕疵となります。
壁の穴を家具で隠したりするのは、絶対にやめましょう。
傷や設備の不具合、雨漏りやシロアリ被害など、知っていることは隠さずに、買主に伝えておくのが得策です。
瑕疵担保責任についてはこちらの記事もご覧ください。
-
不動産を売却するなら知っておきたい瑕疵担保責任の内容と注意点
売主なら知っておきたい知識の一つに瑕疵担保責任というものがあります。 まず、瑕疵とは「カシ」と読みます。「カ」は「ヒマ」 ...
ケース2.土地、一戸建て売却の注意点
境界確定
売主は買主に対して、土地の範囲を特定し、隣地との境界を明確にする必要があります。
境界が確定しているかどうか調べるため、「測量図」や「筆界確認書」などの書類を探しておきましょう。
境界が確定していなければ、不動産会社と相談しながら、測量の準備を進めます。
測量を行わなければ、絶対に土地が売れないわけではありませんが、土地を高く売るためには境界を確定しておいたほうが有利です。
境界についてはこちらの記事もご覧ください。
-
境界明示って必要なの?土地売却の手順と一番重要な測量を徹底解説
初めて土地などの不動産を売却する方は、売却手順について知らない人がほとんどだと思います。 売却に必要な書類の多くは、「元 ...
土地にも瑕疵担保責任がある
土地や一戸建ての売却では、土壌汚染と地下埋設物に注意してください。
土壌の浄化費用や埋設物撤去費用を請求されると、莫大な金額になるかもしれません。
知っていることは隠さないこと。
そして、できる限り、売買契約書の「特約」で免責することが大切です。
-
土壌汚染の可能性のある土地売却の調査方法や除去方法・注意点を解説
不動産の売却では土壌汚染が大きな障害となることがあります。 土壌汚染の可能性のある土地を売却しようとするとき、どのように ...
ケース3.売却益が出そうな場合の注意点
不動産を売却して利益が出ると、所得税や住民税が発生する可能性があります。
利益が出るかどうかの計算は複雑ですが、簡単にいうと、買ったときよりも高く売れた場合です。
ただし、マイホームの場合には、3,000万円までの利益が非課税になる制度があるので、安心してくださいね。
売却益が出て、税金がかかりそうな場合には、所有期間に注意しましょう。
所有期間が5年以下だと、税率が高くなります。
あと少しで5年を超えるという場合には売却時期をずらしたほうがいいかもしれません。
税務署と不動産会社に相談してみましょう。
税金についてはこちらの記事もご覧ください。
-
不動産を売却したときにかかる税金の種類・税率・節税と計算方法
不動産を売却した時、あなたには多額のお金が手に入ります。 お金が手に入れば、残念ながら「税金」というものが掛ります。 不 ...
ケース4.相続した不動産を売却する場合の注意点
不動産を相続したら、まず「相続登記」を行ってからでないと、売却できません。
「相続登記」は自分でもできますが、揃えなければならない書類も多いので、司法書士に依頼すると簡単です。
相続した不動産の売却についてはこちらの記事もご覧ください。
-
相続空家で3,000万円特別控除を適用する場合の手続きの流れと書類一式
全国で増えている空家の問題に対処するために、様々な制度が空家を取り壊す方向へ誘導しています。 その一つが、不動産の売却時 ...
ケース5.買換えの注意点
どんなに大切な我が家でも、ライフステージの変化とともに住み替えが必要になることもありますね。
マイホームを買換える場合には、スケジュールの調整がポイントになります。


買換えスケジュールには、「売り先行」と「買い先行」のパターンがあります。
売り先行のメリット・デメリット
住まいをまず売却し、それが売れてから新しい住まいを買うこと
メリット
- 売却して受け取ったお金を購入資金に充てられるため、資金計画が明確
- 焦らずに売却を進めることができる
デメリット
- 自宅を先に売ってしまうので、タイミングが合わないと賃貸への仮住まいが発生
- 引っ越しが二度になると手間や資金もかかる
買い先行のメリット・デメリット
物件の購入を先に済ませ、後から旧宅の売却を進めること
メリット
スケジュールに余裕がある
購入物件の検討にゆっくり時間がかけられる
仮住まいの心配がない
旧宅を空き家にしてから売るので、内覧の対応をしなくてよい
デメリット
いくらで売れるのかわからないので、資金計画が立てにくい
旧宅が売れるまでは、二重に住宅ローンを組むことができない




買換えスケジュールについては、こちらの記事もどうぞ。
-
売りが先?買いが先?家の住み替えを成功させる全知識
今の家から新しい家に住み替える場合、「売ると買う」の2つを同時に行います。 新しい家を探すだけでも大変なのに、そんなアク ...
ケース6.住宅ローンが残っている場合の注意点
住宅ローンが残っている家を売却するには、残っているローンを返済しなければ売ることができません。
ローンが残っていると、「抵当権」が設定されているので、抵当権の付いた家を買う人はいないからです。
まず、住宅ローンの残高を確認しましょう。
「住宅ローン<売却価格」となるケース(アンダーローン)
住宅ローン残高よりも高く売れるケースでは、売却代金で住宅ローンを返済すればよいので、理想的です。
「住宅ローン>売却価格」となるケース(オーバーローン)
売却代金で住宅ローンを全額返済しきれない場合には、次のような方法があります。
預金などで住宅ローンの残債を返済する
自己資金や親族からの借り入れなどで不足分を返済すれば、売却できます。
引き渡し日に抵当権の抹消手続きが必要になるので、あらかじめ銀行に連絡するのを忘れずに。
買換えなら、住み替えローンを活用する
ただし、借入額が大きくなるので、銀行の審査に通るのは簡単ではありません。
任意売却をする
任意売却で売ると、住宅ローンを全額返済できなくても抵当権を抹消してもらえます。
残ってしまった債務は、分割返済していくことになりますが、条件が緩和してもらえる場合もあるので、まずは金融機関に相談してみましょう。
住宅ローンが残っている場合の売却についてはこちらの記事もご覧ください。
-
プロが教える!住宅ローンが残っている不動産を売却する3つの方法
東京オリンピックに向けて不動産価格の高騰が続く中で、売却の絶好のチャンスはあと数年と言われています。 そのような中、売却 ...
ケース7.共有名義の注意点
不動産が共有名義になっている場合には、共有者全員が同意しないと売却できないのが原則です。
共有かどうかは、登記事項証明書(登記簿謄本)を見ればわかります。
「持分2分の1」などと記載されていれば、共有です。
マンションを夫婦で共有しているような場合は、夫婦で話し合って売却に同意し、売買契約書に二人とも署名捺印することになります。
持分2分の1だからといって、不動産の面積を半分ずつ所有しているわけではないので、面積の半分だけ売却することはできません。
たとえ100分の1でも共有持分を持っている人がいれば、その共有者も同意しないと売却できないのです。
ただし、法律的には、自分の持っている持分だけを売却することはできます。
でも、全体を利用することができない「持分」を一般の第三者が買うことは、基本的には考えにくいです。
どうしても自分の共有持分だけを売りたい場合には、共有持分の買い取りを行っている専門業者への売却を検討しましょう。
共有の場合についてはこちらの記事もご覧ください。
-
【絶縁にならないために】共有持分の不動産売却する時の3つの注意点と対処法
「離婚で夫婦共有の不動産を売却する」、または「相続財産を遺産分割する前に共有の状態で売却する」など、共有持分の不動産を売 ...
まとめ
いかがでしたか?一見すると難しそうな不動産の売却ですが3つのコツを守れば心配いりません。
- 複数の会社の査定を受けること
- 一般媒介契約を選ぶこと
- 信頼できる不動産会社を選ぶこと
良い不動産会社さえ見つければ、あとはプロに教えてもらいながら進めればいいわけです。
コツを守って、不動産売却を成功させましょう。