マンションを売却するなら、できるだけ高く、しかも早く売りたいですね。
今回は、マンションを3ヶ月で売却するための方法をお教えします。
長年にわたり、不動産コンサルティングをしている筆者は、「一番いい売却方法を知りたい」という相談をよく受けます。
でも、マンション売却で「売るスピード」を優先したいのか、「価格」を優先したいのか、人によって違いますね。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 安くなってもいいから、とにかく早く売りたい
- 3ヶ月を目標に、できるだけ高く売りたい
- 3ヶ月以上かかってもいいので、高値売却に挑戦したい
この記事では、マンションを3ヶ月以内に売るためのコツだけでなく、あなたの希望をかなえる売却方法をきめ細かく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、大船に乗ったつもりでマンション売却をスタートしてくださいね。
マンション売却の流れと平均売却期間
まず最初にマンション売却全体の流れについて説明していきます。
マンション売却の流れ
まず、マンション売却の流れを押さえておきましょう。
- 売却準備:いくらでぐらいで売れそうなのか売却相場を調べる。
- 価格査定:いくつかの不動産会社の査定を受けます。
- 媒介契約の締結:不動産会社と「媒介契約」を結びます。
- 販売活動:適切な売り出し価格や内覧対応をします。
- 売買契約:購入者が決まったら、売買契約を締結し、手付金を受領します。
- 引き渡し:残りの代金を受領し、マンションを引き渡します。
- 確定申告:マンション売却の翌年の3月15日までに確定申告します。
それぞれのステップ毎の注意点は、後ほどの販売戦略の章で書いています。
マンションの平均売却期間はスムーズに行って3~4ヶ月
では、マンション売却には、どれくらいの期間がかかるのでしょう?
マンションの売り出しから売買契約までの期間はスムーズにいって「3~4ヶ月」。
この期間は、一般的なマンションの場合と思ってください。
マンションの条件によっては、もちろん、平均よりもずっと早く売れることもありますし、なかなか売れないこともあります。
以下のようなマンションの場合、売却期間が長くなります。
- 築30年を超えるマンション
- 室内の状態がかなり悪いマンション(汚れ、臭いなど)
- 事件、事故があった物件
違う図でざっくりスケジュールを載せたのをお見せします。
売却期間の3~4ヶ月には、不動産会社と媒介契約するまでの期間や、売買契約後にマンションを引き渡すまでの期間を含んでおります。
不動産会社選びから、引き渡しまでの期間も含めると、平均期間は4~6ヶ月となります。
売買契約から引き渡しまでは、買主の住宅ローン審査などの時間が必要なので、あまり短縮できません。
でも、売り出しまでどれくらい時間をかけるかは、自分次第です。
短期間で売却するためには、不動産会社選びに時間をかけすぎないことがポイントですので、覚えておいてくださいね。
次章は、とにかく売却を急いでいる人向けの内容になっています。
3ヶ月以内に代金受領までたどり着きたい場合にはこちらを読んでくださいね。
さらに次の章では、特別に売り急いでいる人以外、みなさんに当てはまる内容です。
できるだけ高く、3ヶ月を目標に売買契約を結ぶための3つのポイントを詳しく解説しています。
「自分にとってのベストな売り方」がわかるようになっていますので、ぜひ読み進めてくださいね。
とにかく急いでいる!3ヶ月以内に代金を受領したいなら「買い取り」
不動産会社選びから、引き渡しまでの期間も含めると、平均売却期間は4~6ヶ月でしたね。
- 引き渡し・決済まで含めて3ヶ月以内に終わらせたい
- 3ヶ月で代金を受領したい
という人にオススメの方法があります。
タイムリミットがあるなら「買取」がオススメ
特別に急いでいる事情がある場合には、価格は安くなってしまいますが、「買取」がオススメです。
そもそも、マンションの売却には、「仲介」と「買取」の2種類があります。
- 「仲介」は、不動産会社に売却を依頼して、買主を探してもらいます。買主は一般の人になります。
- 「買取」は、不動産会社にマンションを売却します。買主は不動産会社になります。
マンションを売却するときには、「仲介」で売却する人がほとんど。
その理由は、買取価格は仲介で売るよりも安くなってしまうから。
買取価格は、仲介の相場の7~8割くらいが目安です。
そのかわり、「買取」のメリットはとにかく早く売れること。
不動産会社が査定し、価格に合意すれば、1ヶ月以内に代金を受領することも可能です。
「買取」では、価格さえ合意すれば、基本的にどんなマンションでもすぐに売ることができます。
ですから、「仲介」では売却期間が長くなりがちな、以下のようなマンションを早く売りたい場合には「買取」が向いています。
「買取」はこんな方にオススメ
- 築30年を超えるマンション
- 室内の状態がかなり悪いマンション(汚れ、臭いなど)
- 事件、事故があった物件
築30年を超える古いマンションや事故物件の売却については他にも注意点がありますので、下記記事をご確認ください。
ただし、「買取」を選ぶ場合の注意点は、2つあります。
- 全ての不動産会社が買取を行っているわけではないこと
- 不動産会社によって買取価格は違うので、必ず複数の会社に買取査定を依頼すること
買取については下記記事でさらに詳しく解説してしています。
売れ筋のマンションなら「買取保証」もあり
3ヶ月以内に代金を受領したい事情があっても、比較的新しいマンションや、駅から近いマンションを「買取」で安く売ってしまうのはもったいないですね。
売れ筋のマンションならば、1ヶ月以内に買主を見つけて、その後の引き渡し&決済を3ヶ月以内に間に合わせられる可能性があります。
とはいえ、絶対にすぐに売れるとは限りませんので、不安な場合は「買取保証サービス」を利用すると安心です。
買取保証サービスとは、一定期間は「仲介」で売り出し、その期間に売れなかったら不動産会社が買い取ってくれるシステム
ただし、買取価格は仲介の相場よりも安くなりますし、全ての不動産会社が買取保証サービスを扱っているわけではないので、媒介契約を結ぶ前に確認してみましょう。
買取保証について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
マンションを3ヶ月以内で売却する3つのコツ
この章は、特別に売り急いでいる人以外に当てはまる内容です。
マンション売り出しから売買契約までの期間は3~4ヶ月ですので、3ヶ月以内に購入者を見つけることを目標にしましょう。
あなたと不動産会社が締結する「媒介契約」は3ヶ月更新とされることが多いので、不動産会社もできれば3ヶ月以内に買主を見つけたいのが本音です。
ですから、マンション売却では、3ヶ月が重要なターニングポイントになるのです。
- 【コツ1】マンション売却を得意とする不動産会社を見つける
- 【コツ2】不動産会社と「一般媒介契約」を結ぶ
- 【コツ3】絶妙な売り出し価格を決める
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
【コツ1】マンション売却を得意とする不動産会社を見つける
3ヶ月でマンションを売るためには、そのエリアのマンション売却を得意としている不動産会社を見つけることが最大のキーポイントになります。
不動産会社には、それぞれ得意分野と得意エリアがあります。
不動産会社によって、マンション販売が得意、一戸建てが得意、賃貸が得意、などの特色があります。
ですので、最適な不動産会社を見つけて、あなたのマンションの販売を依頼することが最も重要なのです。
不動産業界で働いている人を除けば、あなたのマンションを最も高く売ってくれる不動産会社なんて、わからないはずです。
そこで、便利なサービスが不動産一括査定サービスです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定を使えば、スマホやパソコンから簡単な入力をするだけで、最適な不動産会社を選び出し、まとめて査定を依頼できます。
あなたの貴重な時間を無駄にしないために、一括査定サービスを利用してくださいね。
不動産一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
【コツ2】不動産会社と「一般媒介契約」を結ぶ
不動産会社にマンションの買主を見つけてもらうために、売主と不動産会社は「媒介契約」を結びます。
「媒介契約」には、3種類ありますが、結論から言うと、「一般媒介契約」を選ぶのがオススメです。
「一般媒介」では、複数の不動産会社と契約することができるので、一括査定で査定を受けた不動産会社のうち、できるだけ多くの不動産会社と契約してください。
もちろん、イマイチ信用できないと感じた不動産会社は除いてくださいね。
3種類の媒介契約の特徴を比較してみます。
特徴 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
他業者への依頼 | ○ | × | × |
自己発見取引 (自分で買主を見つけること) |
○ | ○ | × |
成約に向けての不動産会社の義務 | 努力義務 | 積極的努力義務 | 積極的努力義務 |
不動産会社の業務処理状況の報告義務 | 特になし | 2週間に1回以上の報告 | 1週間に1回以上の報告 |
レインズへの登録 | 特になし | 契約締結日の翌日から7日以内に登録 | 契約締結日の翌日から5日以内に登録 |
有効期間 | 法的な規定なし | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
仲介手数料は成功報酬なので、最終的に、購入者を見つけて売買を成立させた不動産会社だけに仲介手数料を支払います。
ですので、複数の会社と「一般媒介契約」を結べば、それぞれの不動産会社が競って販売活動をしてくれる利点があります。
3ヶ月を目標に購入者を見つけるためには、3~4社の不動産会社と「一般媒介契約」を結び、一気に販売活動を進めて、最短で売り切りましょう。
【コツ3】絶妙な売り出し価格を決める
売り出し価格の決め方は、マンション売却を成功させるために一番重要で難しい部分です。
マンションの競争力によっても違いますので、信頼できる不動産会社のアドバイスを受けて決めることが重要です。
売り出し価格を決めるときには、次のポイントをしっかり押さえてください。
「確実に3ヶ月で決めたい」などの希望を、不動産会社にしっかり伝えてくださいね。
- 【ポイント1】売り出し時期に応じて決める
- 【ポイント2】確実に3ヶ月で決めたいなら、相場より割安で売り出す
- 【ポイント3】3ヶ月以上かかってもいいので、高値売却に挑戦したい場合には強気価格で売り出す
- 【ポイント4】値下げ交渉のことも考えておく
それでは、4つのポイントについて詳しく解説します。
ポイント1.売り出し時期に応じて決める
1年のうちでマンションの売買成約が最も多いのが1~3月で、次に多いのが9~11月です。
売却希望時期がちょうどこの時期にあたれば、短期間で売却できる可能性が非常に高くなります。
逆に、最盛期以外に売り出すのであれば、あまり強気の値段設定では売りにくいので、時期に見合った売り出し価格を設定しましょう。
ポイント2.確実に3ヶ月で決めたいなら、相場より割安で売り出す
絶対に3ヶ月以内に売りたい場合には、相場より少しだけ割安で売り出せば効果は抜群です。
購入希望者は、不動産ポータルサイトをよく見て、売り出し価格の相場をつかんでいます。
割安な物件は、すぐにアプローチしないと他の人に買われてしまうのがわかっているので、反響は早いはずです。
ただし、あまり安くしすぎると、なにか大きな問題がある物件ではないかと誤解されてしまう恐れがあります。
下記、大手不動産会社より入手した市場価格に対しての成約件数の割合です。
上記を見てもらうと、市場価格からの乖離率が高いものは成約件数割合が低いのは理解できると思います。
ただし、市場価格からの乖離が低いものも成約件数割合が低いことがわかります。
値下げ幅はホドホドにしましょう。
ポイント3.3ヶ月以上かかってもいいので、高値売却に挑戦したい場合には強気価格で売り出す
「売却は急いでいないので、とにかく高く売りたい」という人もいますよね。
その場合は、「3ヶ月は強気価格→その後は通常相場に値下げ」の強気戦略がオススメです。
売り出しから3ヶ月は、通常相場よりも少し高めで売り出してみましょう。
中古マンション市場では、人気のあるマンションはすぐに売れてしまいます。
希少性があることを購入希望者もわかっているので、「どうしてもこのマンションがほしい」と思えば、多少割高でも売れる可能性は十分にあります。
ただし、強気戦略が効果を発揮するのは、売却するマンションに需要が多い場合に限ります。
具体的には、
- 駅からの距離が近い
- 人気エリア
- 築年数が浅い
などの条件のいずれかを満たしている場合に、強気戦略が効果的です。
もし、築年数が古くて、駅からも遠く、人気エリアにないマンションを強気価格で売りに出してしまったらどうなるでしょう?
当然、割高な価格で売れる可能性はほとんどありません。
販売期間がズルズル伸びていくと、ずっと売れ残っているマンションのイメージがついて、ますます売れない負のスパイラルに陥ってしまう恐れがあります。
強気戦略を選択したい場合には、信頼できる不動産会社に相談した上で判断してくださいね。
ポイント4.値下げ交渉のことも考えておく
マンションを売り出して、購入希望者がマンションを見に来る「内覧」の後、値下げ交渉をされることはよくあります。
100万円値引きしてくれるなら購入したい」といった打診があったとき、心の準備をしておかないと、すぐに判断することができませんね。
どこまで値引きするか、ご夫婦での話し合いが不十分で、すばやく決断できないケースはけっこう多いので注意が必要です。
売却希望価格に少しだけ上乗せして売り出し、値下げ交渉に応じることで、お買い得感を演出するのか?
それとも、絶対にこれ以上は下げられないギリギリの価格で売り出すのか?
あらかじめ値下げ交渉に応じる幅を決めて、スムーズに意思決定することが大切です。
売り出し価格を決める時点で、あらかじめ、不動産会社と相談して、値下げ交渉に応じる幅を決めておきましょう。
売れないときの原因と対策を知っておけば、マンション売却が怖くなくなるぞ。
マンションが3ヶ月以内に売れなかった場合の対処法
では、思い通りに売れない場合には、どうしたらいいのでしょう?
3ヶ月の間に、購入希望者の内覧が少なかったのか、それとも内覧は多かったのに申し込みに至らなかったのか、どちらでしょうか?
それぞれの原因と対策を詳しくレクチャーします。
内覧が少ない場合の原因と対策
内覧が少なかった場合には、次の理由が考えられます。
- 原因1.広告活動に問題があった
- 原因2.価格が高い
- 原因3.内覧時間が限定的で内覧しにくかった
- 原因4.売りにくいマンションに該当する
原因と対策を詳しくみていきましょう。
原因1.広告活動に問題?
広告活動に問題があって、購入希望者に情報が届いていないという原因が考えられます。
不動産会社の売却活動を確認してみましょう。
どのウェブサイトに売却情報を掲載したのか、そのほか、折込チラシは何枚、どのエリアに配布したのか、具体的に聞いてみてください。
対策
不動産会社1社と専任媒介契約を結んでいる場合で、現在契約している不動産会社の対応に納得できなければ、契約期間終了のタイミングで会社を変えることを考えましょう。
一般媒介契約に切り替えて、複数の不動産会社に競ってあなたのマンションを売却してもらうのが基本的にオススメです。
なお、専任媒介の途中解約については、不動産会社に明らかに非がある場合は除いて、広告宣伝費などの経費を請求される可能性があります。
とはいえ、現実的には、途中解約しても経費を請求された例はあまり聞きません。
原因2.価格が高い?
次に、売り出し価格が高すぎるという原因が考えられます。
そもそも売り出し価格が高すぎれば、購入希望者は値引き交渉をするまでもなく、検討候補に入れてくれません。
対策
不動産会社と相談して、値下げを検討しましょう。
このとき、価格帯を意識してください。2,100万円→2,000万円とするのと、2,090万円→1,980万円とするのでは、全く印象が違いますね。価格帯を変えると、検索対象も広がるので効果的です。
売り出しの時期を意識した価格設定になっているか、再検討してください。
マンションの売買成約が最も多いのが1~3月で、次に多いのが9~11月でしたね。
この時期以外に売り出している場合は、需要が少ないことを意識した売り出し価格になっているか、もう一度、見直してみてください。
原因3.内覧時間が限定的
内覧の受け入れは土日の午前のみ、といった制限をしていませんか?
内覧を限られた日時に設定していると、購入希望者が内覧しにくく、チャンスを逃している可能性があります。
対策
できれば土日だけではなく、平日の夜など、対応可能時間を増やし、内覧を広く受け入れるのが理想です。
原因4.売りにくいマンションではないのか?
そもそも、売却期間が長くなりがちな、売りにくいマンションであるのが原因の場合もあります。
例えば、旧耐震基準のマンションは、大規模地震への不安や住宅ローンが通りにくいことから、敬遠されがちです。
旧耐震基準は、1981年(昭和56年)5月31日までの建築確認で適用されていた基準です。
ただし、耐震補強工事をしていれば旧耐震基準であっても売りやすいので、物件情報に記載してもらいましょう。
この他、室内の状態がかなり悪いマンションや、事件・事故があった物件などは、安めの価格設定にしたとしても売却には時間がかかります。
対策
どうしても早く売りたければ、「買取」を選ぶのが得策です。
「仲介」で売る場合には、かなり思い切った、低い価格設定にする必要があります。
「買取」の査定を受けて、買取価格を最低ラインと考えて、売り出し価格を見直すといいでしょう。
内覧はあったが契約までいかない場合の原因と対策
次に、購入希望者の内覧は複数あったのに、購入申し込みが入らなかった場合には、どうしたらいいのでしょうか?
内覧があったということは、購入者層に情報は届いているし、売り出し価格も高すぎないということですね。
購入希望者が現地を内覧して、購入意欲がなくなってしまったのは、マンションが期待通りではなかった場合がほとんどです。
内覧後に断られた場合には、必ずその理由を不動産会社に確認して、次に生かすようにしてください。
購入を断念する理由として、主に次の4つが考えられます。
- 室内の印象が悪かった(汚れ、臭いが気になった)
- モノが多くて狭く感じた
- 共用部分の管理が行き届いていないと感じた
- 落ち着いて内覧できなかった
内覧はあるが、契約まで至らない時の対策
内覧前には、ポイントを押さえてしっかり準備しましょう。
室内の汚れ
自分で掃除しただけでは限界があります。
特に水回りについては、目につきやすいので、プロのハウスクリーニングを頼むと効果的です。
ハウスクリーニングに10万円かけたとしても、マンションがスムーズに高く売れれば、決して高い投資ではありませんね。
室内の臭い
ペットを飼っている場合や、タバコを吸う場合に問題となるのが臭いです。
その家に暮らしていると、慣れてしまって気にならないものですが、他人にとっては気になる臭いが染みついているかもしれません。
カーテンなどの布製品は洗濯するか、消臭スプレーなどを使って対策しましょう。
内覧の前には、窓を全開にして空気を入れ替えておきます。天気が良ければ、内覧中も窓を開けておくとよいですね。
室内に物が多い
室内に家具などの物が多いと、部屋は狭く見えます。
購入希望者は、専有面積を知っていても、現地の印象に左右されてしまいます。
内覧前に不用品を処分するだけではなく、一時的にレンタル倉庫に移動するなどの手段を使うことも考えて、モノを減らしておきましょう。
その上で、クローゼットの中も含めて、どこを見られてもいいように整理整頓が必要です。
共用部分が汚いなど、管理状態が不良
マンションの管理状態が良好かどうかは、購入希望者にとって重要なチェックポイントの一つです。
マンションの外回りやエントランス、廊下などの共用部分の清掃が行き届いていなかったり、不用品が放置されていることはないでしょうか。
故障個所が修繕されていないのも悪印象です。
内覧前に、早めに管理組合に連絡し、対処してもらいましょう。
内覧日当日には、エントランス付近をチェックして、ゴミがあれば拾っておくと安心です。
内覧中の対応
室内の案内は不動産業者に任せて、購入希望者が自由に部屋を見てもらえる雰囲気をつくりましょう。
自分から積極的に話しかけるというよりも、購入希望者の質問にしっかり答えられるように準備してください。
子どもやペットがいると落ち着いて見学できないので、自分以外の家族は外出してもらうのがベストです。
内覧準備について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
まとめ
とにかく急いで売りたい事情がある場合は、「買取」か「買取保証」を選びましょう。
特別に売り急いでいる人以外は、できるだけ高く、3ヶ月で売買契約を結ぶことを目標にしましょう。
そのために3つのコツを押さえてくださいね。
- 【コツ1】マンション売却を得意とする不動産会社を見つける
- 【コツ2】不動産会社と「一般媒介契約」を結ぶ
- 【コツ3】絶妙な売り出し価格を決める
特に、売り出し価格の決め方は重要で難しい部分ですが、信頼できる不動産会社さえ見つけてしまえば、プロの豊富な経験に基づいてアドバイスしてくれるので心配はいりません。
「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」などの一括査定サイトを使って、信頼できる不動産会社を探しましょう。